決算のポイント
髙井孝佳氏:本日もお忙しい中、このように多数の方にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。専務取締役の髙井でございます。
今回もお手元の資料に沿いまして、まず私のほうから2017年3月期の概況と、今期2018年3月期の業績の見通しについて説明をさせていただきます。
まず最初のスライドから。決算のポイントをまとめております。業績全体といたしましては、前期と比較して増収増益。計画対比におきましては、売上高はわずか1千数百万なんですけれども、届きませんでしたけれども、ほぼほぼ計画通り。
利益面では売上原価、販管費とも計画値よりも抑えることができまして、かなりの水準で利益は上回ることができました。
前期からの増収増益の要因といたしまして、まず売上面では、ここにも記載のとおり、黄金の味を中心とした肉まわり調味料群が堅調に推移したこと、また、プチッと鍋を中心とするポーション調味料が売上に貢献するとともに、ボトル入りの中華調味料などもかなり好調に推移したこと。
さらに物流事業を中心としたその他事業も売上を伸ばしたことなどが挙げられます。
利益面におきましては、その他事業も含めて売上が増収であったこととあわせて、売上原価はこの2017年3月期においては、確かにポーション調味料の減価償却費負担増ですとか、原材料価格の高騰があったんですけれども。
それらを、電力量、水道光熱費などのエネルギーコストの低減や、収益力の高い肉まわり調味料群などの増収でカバーをして、食品事業においては、その前の期とほぼ同率に抑えることができました。
また、販管費においては、拡販費が抑制されたこと、その他販管費も効率的に使用できたことなどにより、販管費率は0.4ポイント抑えることができまして、こちらが増益という結果につながっております。
損益状況
今ご説明したポイントを含んだPLがこちらになります。売上高513億6,500万円、営業利益18億6,400万円、経常利益19億2,300万円、当期純利益11億7,900万円という結果となっております。
また、表の向かって右側が計画対比となります。このスライドにも記載の通り、期首の計画は先ほどご説明したとおり、減価償却費の負担増などを見込んで減益の計画としておりましたけれども。
実績ベースではご覧いただくとおり、利益計画を大きく上回ることができたと。この2億5,400万というとこですね。このような結果となっております。次お願いします。
営業利益 増減分析
こちらは営業利益の増減分析です。やはり増益の要因としては、売上の伸長に伴う売上総利益の増加が大きいことがご覧いただけるかと思います。
損益状況(四半期推移)
こちらは四半期ごとの売上高と営業利益の比較をグラフ化したものです。いくつかご説明いたしますと、まず、第2四半期、売上増になってるわけですけれども、一方で利益の面については減益というようなかたちになっておりますけれども、こちらの理由は広告宣伝費を前期、7月から9月に集中投下したことによります。
もう1つ、第3四半期、第4四半期とも、若干売上の伸びを欠いたんですけれども、一方利益面においては、こちら増益と、また、こちらについてはマイナス幅が改善してるという現象が起きておりますけれども。
こちらについては上期に宣伝費を集中的に投下したことと併せて、特にパウチ商品を中心として鍋物調味料の商品構成の見直しを行うことなどによって、当社の収益改善が進んだことによるというふうに分析をしております。
セグメント・製品区分別 売上高①
こちらは2017年3月期のセグメント別、製品区分別の売上高をまとめたものです。食品事業全体で、0.7パーセントの増収、その他事業全体では5.6パーセントの増収ということになっております。以降それぞれの区分別で説明をしてまいります。
セグメント・製品区分別 売上高②
まず、食品事業の家庭用商品です。肉まわり調味料群につきましては、好調な精肉需要を背景としまして、また、冒頭説明した通り、テレビCMなどのプロモーション効果もあって、黄金の味は通期を通じて好調に推移しました。
また、その他焼肉のたれや、ボトル入りの生姜焼きのたれなども売上を伸ばして、さらにポーション調味料として発売しております、プチッとハンバーグなども売上増に貢献しました。
グラフの四半期ごとに見てみますと、第4四半期、今年1月、2月が若干需要が低迷して、前期実績を少し下回りましたけれども、第1から第3四半期にかけて順調に売上を伸長した結果として、前期から増収という結果となっております。
その下、鍋物調味料群におきましては、第2四半期以降、鍋物の立ち上がり時期に全国的に気温が高い日が続いて、また、野菜価格の高騰が長く継続したということもありました。
このような環境のなかで、従来のすき焼きのたれは、堅調に売上を伸ばして、また、プチッと鍋を代表とするポーション調味料も売上に貢献した一方で、今期、収益構造の改善に向けて主にパウチ商品の販売方法の見直しを進めた結果、前期からこのような減収となっております。
整理しますと、鍋物を取り巻く市場環境自体非常に厳しかったと、加えて、ただし、我々においてですね、戦略的に戦略的な取り組みも影響した中での減収であるというふうにご理解いただければと思います。
セグメント・製品区分別 売上高③
続きまして、野菜まわり調味料群です。主力の浅漬けの素はご覧いただいている右側のグラフの通り、第3四半期、野菜価格の高騰の影響を受けております。ただ、浅漬けの素ですね、第4四半期にリニューアル等の施策打っております。
このことによって、浅漬けの素自体はその前の期とほぼ同水準の売上高を維持しております。ただ流通様向けの商品等を含みます、その他の商品が伸び悩んだことにより、前期を5,300万円ほど下回る結果となっております。
その下、その他群につきまして説明します。昨年の2月にプチッとうどんシリーズ、また、回鍋肉のたれをはじめとするボトル入りの中華調味料が売上を伸ばしております。
また、おいしいキムチを中心とするチルド商品も売上を伸ばした結果、通期では、比率になおしますと、20.1パーセントの増収という結果になっております。
セグメント・製品区分別 売上高④
続きまして業務用の商品です。現在、事業全体の収益構造の改善、売上と収益のバランスを構築していこうという取り組みを続けております。このような環境下、主に業務用ビジネスを中心とする海外における売上貢献にもあって、スープ群、その他群については前期実績を下回ったものの、肉まわり調味料群が前期実績を上回って、全体としてわずかではありますが、増収となっております。
その他事業におきましては、広告宣伝事業が前期とほぼ同水準にとどまりましたけれども、物流事業が新規取引先の受注増加、また、人材派遣事業も売上を伸ばして、全体として前期を上回る実績を残しております。
セグメント・製品区分別 売上高⑤
こちらはキャッシュ・フローの状況です。営業キャッシュ・フローについては税金と調整前当期純利益の獲得、また、減価償却費の増加、ここには書いておりませんけれども、棚卸資産の減少などの要因もあり、営業キャッシュ・フローの獲得額は、前期と比較をして大幅に増加をしております。
また、投資キャッシュ・フローについては、栃木工場におけるポーション調味料の生産設備、また、新しい物流等の建設などの設備投資に伴うキャッシュアウトがありまして、使用額が増加して、このように見ていただければと思います。
キャッシュ・フロー
ここからは引き続きまして、2018年3月期の業績の見通しについて説明をします。まず、2018年3月期、当期はEvolution60セカンドステージの2年目と位置付けております。1年目の前期において取り組んでまいりました、収益力の強化などの成果には着実な手ごたえを感じております。
このような中、昨年の5月の決算短信の中で、当社中期経営計画の数値目標というのを出させていただいてます。売上高520億、営業利益18億2,000万という数字なんですけれども、現時点での見通しは、この目標数値を上回る見通しをもっております。これは次のページで、最後説明をさせていただきます。
一方、当社の重点課題として掲げております、家庭用既存商品の収益力強化への取り組みについて、これをセカンドステージにおける仕上げということで、昨日発表させていただきましたとおり、当社の基幹中の基幹商品であります、黄金の味の大幅リニューアルを今期行います。
その他、野菜まわり調味料群の強化などともあわせて、それらのプロモーションコストの投下、つまり先行投資、一時的な先行投資を今期行うことによって、全体としては増収、わずかながら微減益との予想を立てております。
また売上につきましては、ポーション調味料の一層の拡大、さらにEvolution60の最終年度には10億円を目指しております、海外事業の成長ドライバー化を加速していくと、このような目的を持った1年間、業績計画となっております。これらに対する具体的な取り組みについては後ほど弊社社長の宮崎より説明をさせていただきます。
2018年3月期 業績見通しのポイント
こちらが今説明したポイントを踏まえた業績見通しとなります。2018年3月期には売上高522億円、前期比に直しますと、1.6パーセント増。また、営業利益は18億3,000万円、1.8パーセントの減と、このような計画を含んでですね、今期スタートを切っております。
売上高につきましては、家庭用商品では、黄金の味のリニューアルによる影響を加味しながら、ポーション調味料群の拡大、また野菜まわり調味料群のてこ入れを図りながら増収、また、業務用商品におきましても、国内においてはほぼ前期並み、海外における売上の上積み分を見込んでの増収。さらにその他事業においても、物流、人材派遣事業の伸長を見込んで、全体として増収という組立てになっております。
コスト面では、売上原価は今回の黄金の味のリニューアルおよび原価償却費の負担増、原材料の高騰などを加味して、それらを要因として、0.2ポイントほどの上昇を見込んでいます。一方で販管費につきましては、黄金の味のリニューアルや、その他家庭商品の収益力強化による拡販費を中心とする販売にかかる経費の抑制を織り込んでおります。
しかし、先ほど申し上げた黄金の味へのテレビCMなどのプロモーションコスト、さらに販売強化をするための費用が発生するために、販管費全体としては、前期とほぼ同水準という組立てになっております。このような組立てをもって、この業績見通しを出させていただいております。
この見通しのもと、セカンドステージの1年目で着実な進捗を遂げております、国内での安定的な収益の確保、また、海外での成長基盤の確保をより一層確実なものとするために、またやり遂げるためにこの1年間事業を推進して参りたいというふうに思っております。私のほうからの説明は以上となります。