2016年度決算および2017年度業績見通し

増一行氏:本日は2016年度決算と17年度業績見通し、ならびに年間配当額についてご説明させていただきます。

私からご説明申し上げるポイントは次の3点です。まず2016年度の連結純利益は2月2日に公表した4,400億円の見通しに対して4,403億円となったこと。

次に2017年度の連結純利益は、4,500億円となる見通しであること。

続いて2016年度の1株当たりの配当は、2月に公表した70円から10円引き上げ80円とし、2017年度の配当予定も80円とすること。以上になります。

2ページ目をご覧ください。2016年度の連結純利益は2月に公表した見通し4,400億円に対し4,403億円での着地となりました。前年度との比較では4,260億円の大口損失の反動に加え、豪州石炭事業における市況の上昇や、生産コストの改善が大きく寄与したこと等により、5,897億円の増益となりました。2017年度の業績見通しは、約100億円増益の4,500億円を見込んでおります。

続いて株主のみなさまにお支払いする、配当についてご説明いたしますので、資料右下をご覧ください。

2016年度の1株当たりの配当は、2月に公表した70円から10円引き上げ、80円の配当を実施することといたします。また17年度につきましても、1株当たり80円とすることを予定しております。

弊社は累進配当方式を採用しているため、配当額の決定には当年度だけでなく、翌年度以降の状況についても視野に入れる必要がありますが、資源価格が回復、資源以外の分野でも業績が堅調に推移していることから、2016年度の実績および2017年度の見通しと現在のキャッシュ・フローの状況等を総合的に勘案し、増配させていただくものです。前年度との比較では30円の増配となります。

新しい分類に基づく2016年度実績および2017年度業績見通し

3ページ目をご覧ください。まず新しい分類をご説明いたしますので、資料左下のボックスをご覧ください。

従来我が社の事業を商品別に、資源分野並びに非資源分野で分類しておりましたが、市況リスクの大きさに基づいて、市況系と事業系に括り直すことといたしました。

市況系の投資残高を一定に保つことで、2018年度の末には最適なポートフォリオのバランスが実現できる見通しです。

市況系・事業系に含まれる代表的な事業が、ボックス内の見直し後をご参照いただけますが、赤字になるリスクの低いLNGを事業系としていることが最大の特徴です。

続いて、資料右下のボックスをご覧ください。

2016年度実績の4,403億円を、事業系・市況系別にご説明しますと、黄緑色の事業系は3,395億円となり、前年度比578億円の増益となりました。

これはローソンの子会社化および食肉関連事業の再編に伴う一過性の利益や、鮭鱒事業における市況回復等により、生活産業が増益となったことに加えて、前年度に計上した一過性損失の反動があった、エネルギー事業が増益となったこと等によるものです。

オレンジ色の市況系は1,002億円となり、前年度比5,167億円の増益となりました。これは船舶の減損はあったものの、金属が前年度の大口損失の反動や、豪州石炭事業において生産コスト改善に加えて、市況上昇が大きく寄与したこと等により増益となったものです。

2017年度業績見通し4,500億円の事業系・市況系の内訳ですが、緑色の事業系は先ほどご説明した、ローソン子会社化等の一過性利益の反動により、生活産業が減益となることを主要因として、3,270億円と見込んでいますが、一過性利益の影響を除くと、LNGの持分利益増加等により増益となる見込みです。

オレンジ色の市況系は、豪州石炭事業において、原料炭価格が昨年よりは下落すると見られる一方、資産入れ替え方針に基づき計上した一過性損失の反動等により、2016年度比ではほぼ横ばいの970億円と見込んでいます。

2016年度は市況回復の追い風にも乗れて、中計初年度として幸先の良いスタートを切れた決算と評価しております。

中計で掲げておりますとおり、資産入れ替えによるポートフォリオ改革を粛々と進め、ステークホルダーのみなさまのご期待に応えていきたいと考えております。

以上が全般的な説明となります。続きまして、主計部長の蜂谷より、セグメント別の状況を中心に詳細をご説明いたします。

セグメント別の状況

蜂谷由文氏:主計部長の蜂谷です。私から何点か説明させていただきたいと思います。資料4ページ目をご覧ください。

先ほどCFOより事業系・市況系のご説明がありましたので、私からはセグメント別の状況について、ご説明させていただきたいと思います。

まず地球環境・インフラ事業について、前年度292億円から58億円減益の234億円となりました。これは海外発電事業における持分利益が増加した一方で、前年度の一過性利益の反動や、千代田化工建設の持分損益の減少等によるものです。

新産業金融事業につきましては、前年度403億円から48億円減益の355億円となりました。これは中国不動産事業・航空機関連事業・リース事業における持分利益の減少等によるものです。

エネルギー事業は、前年度の98億円の赤字から、653億円の増益となり555億円の黒字となりました。これは前年度の減損損失の反動、シェールガス事業再編に伴う一過性の利益及び、アジアE&P事業における株式売却益等によるものです。

金属は前年度の3,607億円の赤字から、5,086億円増益の1,479億円の黒字となりました。これは前年度の減損損失の反動に加え、豪州石炭事業における生産コスト改善、市況上昇に伴う持分利益の増加等によるものです。

機械は前年度の622億円から、328億円減益の294億円となりました。これは船舶事業において、減損損失を計上したこと等によるものです。

化学品は前年度の305億円から、38億円減益の267億円となりました。これは市況悪化および円高に伴う、石化関連事業における持分利益の減少等によるものです。

生活産業は前年度の735億円から、478億円増益の1,213億円となりました。これは鮭鱒養殖事業における市況回復等による利益の増加、ローソン子会社化および食肉事業の関連会社の、経営統合に伴う一過性利益等によるものです。

その他は主にコーポレートスタッフ部門になりますが、前年度の146億円の赤字から、152億円増益の6億円の黒字となりました。これは前年度の大口損失計上に伴う、繰延税金資産の一部取り崩しの反動等によるものです。なお一過性損益の詳細は補足資料にまとめておりますので、後ほどご参照いただければと思います。

キャッシュ・フローの状況

続いて5ページ目をご覧ください。これはキャッシュ・フローの状況をまとめたものです。まず2016年度のキャッシュ・フローをご覧ください。

営業キャッシュ・フローは法人所得税の支払いはあったものの、営業収入や配当収入等により、5,830億円の収入となりました。

投資キャッシュ・フローはLNG関連事業や、ファンド関連事業における収入はあったものの、ローソン子会社化に伴う支出や不動産関連事業等の投資により、1,796億円の支出となりました。この結果、2016年度のフリーキャッシュ・フローは4,034億円の収入となりました。

次にグレーの営業収益キャッシュ・フローをご覧ください。

営業収益キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローから、運転資金の影響等を除いたものですが、7,035億円の収入となりました。なお営業収益キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計は5,239億円となりました。

セグメント別の2017年度業績見通し

続きまして6ページ目をご覧ください。これは2017年度の各セグメントの業績見通しを、2016年度の実績と対比したもので、主な点だけ補足させていただきます。

まずエネルギー事業は、市況上昇に伴い持分利益が増加する一方、一過性利益の反動等により55億円減益の500億円となる見通しです。

金属は一過性損失の反動がある一方、豪州石炭事業における市況下落による、持分利益の減少等により79億円減益の1,400億円となる見通しです。

機械は船舶事業における減損損失の反動等により、286億円増益の580億円となる見通しです。

化学品は一過性損失の反動等により、43億円増益の310億円となる見通しです。

生活産業はローソン子会社化に伴う一過性損失の反動等により、363億円減益の850億円となる見通しです。

最後にその他がコーポレート・営業グループ間での調整や、全社が後押しする成長投資見合いで、増加すること等により254億円増益の260億円となる見通しです。

【参考】市況の状況

2017年度業績見通しにおける主な前提条件につきましては、最後の7ページに取りまとめておりますので、後ほどご参照ください。