用語解説
テールリスクとは、発生する確率は極めて低いものの、実際に発生すると市場の暴落や暴騰など甚大な影響をもたらすリスクのことです。「テール」という名称は、統計的な騰落率分布の端や裾野部分を指すことに由来しています。
通常の市場分析では、過去の騰落率の標準偏差を用いて価格変動リスクを測定しますが、テールリスクは従来の統計モデルでは予測困難な想定外の事象を表します。一般的には暴騰よりも大幅な下落リスクを指すことが多く、2008年の金融危機時には2標準偏差を超える大幅下落が継続的に発生しました。
代表的な要因として、突発的な政権交代、大規模なテロ事件、自然災害、金融システムの破綻などが挙げられます。このようなまれな事象が現実化すると、投資家は想定をはるかに超える損失を被る可能性があるため、リスク管理において重要な概念となっています。