大和コンピューターの経営理念
中村憲司氏:株式会社大和コンピューター代表取締役社長の中村です。3月という1つの区切りでお忙しい中、当社の2025年7月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。限られた時間ではございますが、ご説明を始めます。
まず、大和コンピューターの経営理念についてご説明します。なぜ当社が存在するのか、存在意義は何なのか。それは、「安心」「安全」「信頼」という絆作りを追求し、魅力ある会社を創造し、会社の発展と社会に貢献したいという思いです。
経営理念のもとになるのは、「和魂」です。和の魂というのは当社の社名の由来でもあります。この「和」は平和の「和」であり、車輪の「輪」、環境の「環」、いずれもかたちとしては「円(サークル)」に通じています。
そして、「調和」「平和」「和する」、さまざまなものと和を重んじる心、そこからつながる良好な関係、今ふうに言えばネットワークを築いていくこと、しかも「大和」、すなわち大きなネットワークを構築することを目指しています。
和の魂のもと、特に当社が大事にしているのが、当社のバリューである「品質」「環境」「技術」です。とりわけ品質に注力し、ミッションを遂行しながらビジョンの実現に向かっています。
INDEX
本日は、スライドに記載した手順で進めていきたいと思います。
2025年7月期 第2四半期決算 業績サマリー
第2四半期の決算の状況について、すでに開示済みではありますが、あらためてご説明します。
売上高は15億7,900万円、前年同期比3.9パーセント減、計画比1.0パーセント減となりました。営業利益は3億800万円、前年同期比6.6パーセント減、計画比7.8パーセント増となっています。
経常利益は3億1,600万円、前年同期比8.5パーセント減、計画比7.3パーセント増となりました。親会社に帰属する中間純利益は2億1,000万円、前年同期比21.1パーセント増、計画比11.5パーセント増となっています。
スライド上段に記載のとおり、中小規模の開発案件の比率が非常に高かった前年同期に対し、当期は大型案件等で上流工程の比率が上昇し、このような結果となりました。
セグメント説明
当社のセグメントは大きく3つに分かれています。1つ目は「ソフトウェア開発関連」で、システムに関する統合的なICTソリューションの提供やソフトウェア開発、さらにはソフトウェア開発技法の基盤となるCMMIコンサルティングの提供をしています。
2つ目は「サービスインテグレーション関連」で、現在はスポーツクラブや各種スクール向けのクラウドソリューションの提供をしています。さらに、サービスを提供するためのインターネットに関わるクラウドサービスの開発もこのセグメントに含まれています。
3つ目は「その他」で、農業関連やシステム販売関連が含まれます。IoT農業による農作業効率化を推進するためのサービスのご提案や提供、RFIDを活用した新規ソリューションのご提案をしています。また、さまざまなかたちの販売に関わる営業も行っています。
セグメント別業績ハイライト(累計)
セグメント別の業績ハイライトです。まず「ソフトウェア開発関連」ですが、対象組織は、システム開発を行うソリューション本部と、ソフトウェアの品質に関するCMMIコンサルティングを提供するコンサルティング部です。売上高は11億9,500万円、前年同期比8,800万円減、営業利益は2億4,800万円、前年同期比2,500万円減となりました。
次に「サービスインテグレーション関連」です。対象となる組織は、クラウドサービス運用サポートを行っているSI(サービスインテグレーション)本部、ならびに子会社のフィット・コムがこちらに属しています。売上高は2億8,600万円、前年同期比800万円減、営業利益は6,900万円、前年同期比1,800万円の減となっています。
最後に「その他」です。対象組織は、システム販売を行う営業部門と農業関連の部門です。売上高は1億100万円、前年同期比3,200万円増、営業利益は営業損失が900万円となり、前年度よりも改善されています。
得意先の状況
得意先の状況です。SCSKさま、大塚商会さまの比率が高く推移しています。先行き不透明な経済状況ではありますが、どちらの取引先も、直近の業績発表などを確認しても、活動や経営の健全さにおいて堅調に推移していることがうかがえます。
当社は、両取引先さまからコアパートナーとして位置づけていただき、良好な関係を維持しています。SCSKさまならびに大塚商会さまにおいては、パッケージソフトのレンジや分野等がそれぞれ異なりますが、パッケージソフトの開発や、関連するテンプレートの作成、カスタマイズといった部分に当社が関わっています。また、直近では、パッケージ分野以外でもご愛顧いただいています。
年度により取引量や比率にばらつきはあるものの、その他得意先からの依頼も年々増加しており、当社が多方面に向けてさまざまなかたちで努力している成果が現れてきています。
キャッシュフローの状況
キャッシュフローの状況です。営業キャッシュフローは、税金等調整前当期純利益は3億1,600万円、減価償却費は1,700万円、売上債権の増加に伴う資金減少は2億2,400万円、法人税等支払額は1億2,400万円となっています。総括すると、スライド右のグラフに記載のとおり、4,600万円のキャッシュアウトという結果となりました。
投資キャッシュフローを加えたフリーキャッシュフローは6,700万円のマイナスとなっています。財務キャッシュフローは、長期借入金の返済が3,200万円、配当金支払額が7,300万円で、財務キャッシュフローの1億600万円をほぼ占めるかたちとなりました。
自己資本と有利子負債
当社の自己資本と有利子負債についてご説明します。有利子負債に関しては、14年前の3月に東日本大震災の影響があり、震災の影響とその後の経済状況を踏まえて、借入を実施しました。その時点の有利子負債は5億6,900万円ほどでしたが、その後、2020年7月期には3,000万円ほどになりました。
さらに、2023年7月期には、M&Aした連結子会社の借入金処理を含めて8,500万円となりましたが、その後、スライドに記載のとおり、返済が進み、2025年7月期第2四半期は4,700万円となっています。今後も財務体質の強化を目指すとともに、機動的な財務対応を心がけます。総資本に対する有利子負債は0.77パーセントとなりました。
2025年7月期 連結業績予想
2025年7月期通期の業績予想です。まず、既存の変更の理由についてです。今回、通期業績予想において、売上高を前回予想の33億4,500万円から31億9,600万円に変更し、4.5パーセントほど下方修正しています。
第2四半期の数値は、前年同期比を下回る結果となったものの、システム案件が堅調で、売上高は期初計画値に対して99.0パーセントのランディングとなりました。
利益では、生産効率向上に努めたことで、営業利益、経常利益、親会社に帰属する中間純利益は期初予想を上回る結果となりました。こちらは先ほどご説明したとおりです。
通期の連結予想に関して、今後も不透明な状況ではありますが、将来の企業価値の向上を実現するためのリソースをいかに配分していくかを鑑み、売上高は期初予想を下回るものとしました。
そのリソースのシフト先ですが、スライドに記載したとおり、クラウドサービスならびに農業分野など自社プロダクトの強化を進めます。そして、大型案件やAIなどより高度な案件に対応できる人材育成への投資を第一に考えています。
一方で、資源価格の高騰ならびに為替の変動による物価の上昇、そして人件費の高騰も見込まれていますが、当社の得意技あるいは持ち味を活かして、引き続きさらなる生産性向上に努めていきます。それらを勘案し、今回の予想では、最終ランディングの利益は前回予想と同額としています。
各セグメントの見通し
セグメントごとの見通しです。「ソフトウェア開発関連」では、前年は法改正等による案件や駆け込み需要の案件が散見されましたが、今後は高度なDX化の案件に対応すべく、高品質なシステムを提供していきたいと考えています。
また、「サービスインテグレーション事業」では、自社プロダクト「Platinum School」ならびに「Platinum Fitness」を筆頭に、これらのプロダクトを提供できるサービスの機能強化を実現するためのリソースにシフトしたいと考えています。
農業分野においては、IoT、そしてすでに大学と共同研究に入っているAIなどのIT技術をさらに深掘りしていき、当社が掲げている「i-農業」の具現化に向けて、進めていきたいと考えています。
業績推移(連結)
業績推移です。売上高、いわゆるトップラインに関しては、若干のブレがあります。各年度の受注や節目に関わるさまざまな状況がありますが、着目していただきたいのは、利益を確実に積み上げていることです。
株主還元
株主さまへの利益還元です。基本的には将来への事業拡大、そのための内部留保、そして先ほどもお伝えした人的資本への投資のバランスを考慮しながら配当・株主還元を考えるのは、基本方針として変わりありません。
したがって、現時点において今回も、前回同様、1株あたり配当19円を予定しています。配当に関しては、スライドに記載のとおり、上場以来、減配は行わず、維持もしくは増配を繰り返しています。
加えて、過去7回、株式分割も行っています。上場以来お持ちいただいている株主さまは、4.312倍くらいになっていると承知しています。マーケットを注視しながら、基本方針に則って、株主さまへの利益還元を続けていきたいと考えています。
2025年7月期 トピックス
2025年7月期トピックスの振り返りに加えて、これから先の、今お話しできる内容をスライドに挙げています。
当社の幹となるソフトウェア開発関連については、リモートワークとオフィスワークのハイブリッド化を進める一方で、働き方改革の向上を図っていきたいと考えています。
電子帳簿保存法などの法改正対応で滞っていた、お客さまが本来求めているDX化、業務効率化のための投資や、大型案件など、今期においてさまざまなかたちで散見されるようになっています。これらにしっかりと対応できるよう、対策を講じていきます。
CMMIに関しても、いろいろなレギュレーションの変化があります。今まではオンサイトでしかできなかったアプレイザルも、オフラインだけでなくオンライン上でもできるということにも対応して、処理できる案件を維持しています。こちらも、国内で長きにわたって続けているおかげで、実施数としては国内1位を維持しています。
クラウドサービスに関しては、社会の変化に対応するお客さまのニーズに対応すべく、さまざまな機能強化が急務だと感じています。今期後半より、それらに着手していきます。
4番目のRFIDビジネスならびに5番目の農業関連に関しては、昨年12月と今年2月にプレスリリースを出しています。
のちほど、それらに関しても若干触れたいと思いますが、今期後半以降、これらを幹に、実になるような活動を深掘りし、広げていきたいと考えています。
成長戦略
成長戦略です。ソフトウェア関連事業では、取引先との連携強化、さらに高度化するご要望あるいはそれらのサービスに対応できるように向かっていくことが、1つの成長へつながる戦略だと考えています。サービスインテグレーション事業に関しては、機能強化を急務と考え、これに着手していきたいです。
農業事業に関しては、天候不順やさまざまな災害を乗り越えて農業を維持していくために、IT・ICT・IoT・AIの導入が不可避と考え、我々の持っている知見をさらに有効に展開できるように努めていきたいと考えています。
また、災害に加え、現場では気候の変化等による虫害が広がっています。この対策としても、当社にて開発している製品プロダクトやサービスを提供できるのではないかと考えています。
ただし、これを実現するためには、スライド下にプラスと記載していますが、なによりも人材の教育・成長が不可避だろうと思います。AIを活用できる社内人材についても専門組織を立ち上げ、また、外部の協力会社・取引先ともこれらに関する研究会や研修等も重ねていきます。
これらを達成すれば、当社の強みである品質をもとに、“魅力のある会社"が創れるのではないか、実現できるのではないかと考えています。
中長期目標・戦略と状況
参考資料として、中長期目標・戦略を挙げています。先ほどの成長戦略と関わってきますが、これらをどのように進めていくのかということです。課題としてスライドに掲げている6つを、一つひとつ実現することだと考えています。
この後に掲げている資料に関しては、今まで取り組んできている歴史、あるいは取り組んでいた内容を個別に挙げていますので、お時間のある際にご覧いただければと思います。
3.クラウドビジネスの推進
こちらのスライドには自社サービスである「プラチナ・フィットネス」「プラチナ・スクール」においての取り組みを記載しています。
4.「RFID」ビジネスの推進
クラウドビジネスの推進ならびにRFIDビジネスの推進についても「このようなところからスタートしています」ということを掲げています。
4.RFIDビジネスの推進
日本酒業界、蔵元ともさまざまなかたちでリレーションを持ち、世界への日本酒販売の新たな一助になれば、という活動も継続しています。
4.RFIDビジネスの推進
とりわけ、それを支えるRFIDといったICタグをどのように利用していくのかということです。利益のみを追求するのではなくて、エコ、あるいは社会貢献・福祉への一助となるような事業にも取り組んでいます。
4.RFIDビジネスの推進
昨年12月に、「NFC Link2(エヌエフシーリンクリンク)」というマーケティングサービス開始について、プレスリリースしています。
直近2月末にアナウンスしましたが、農業分野の新製品である「i MELON(アイメロン)」の販売、そして高品質なメロンをベースにしたメロンリキュール「月とメロン」の製品展開・販売も開始しました。「月とメロン」を購入すると、「NFC Link2(エヌエフシーリンクリンク)」をユーザー側で試すことができます。実際に自社製品で利用し、「このような使い方ができます」ということをお客さまに提示している一例です。
5.農業に関する活動
関連会社の浅小井農園の「朝恋トマト」は多くの方にご好評いただいています。また、従来より静岡県袋井市ではメロンならびにトマトを栽培していますが、特に高糖度トマトに関してはみなさまから高くご評価いただいています。「IT企業が作る高糖度トマトはどこで買えるのか?」と、消費者の方からお問い合わせいただいているという報告も受けています。
6.持続可能な成長を目指して
なによりも当社は人材育成にさらに力を入れていきたいと考えています。
6.持続可能な成長を目指して
オフィス環境についても手を抜かずに進めていきたいと考えています。以上が、今回のご説明となります。ありがとうございました。