FY2024通期決算 エグゼクティブサマリ

山本浩司氏:Atlas Technologies株式会社代表取締役の山本です。本日は当社の説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。これより、2024年12月期通期決算の説明会を始めます。どうぞよろしくお願いします。

FY2024通期決算エグゼクティブサマリとして5点記載しています。

1点目は、「FY2024の事業の総括(FY2025通期黒字化に向けて)」です。FY2024においては、「クライアント基盤の構築」および「コンサルタント体制の拡充」に係る積極的な投資を実行しました。2024年8月に開示した中期経営計画のガイダンスのとおり、FY2025通期での黒字化達成に向けて着実に成果を創出しています。

2点目は、「新規サービスの立ち上がりとFY2025以降の収益貢献」です。国内事業においては、2018年来祖業として取り組んでいる「決済分野」におけるコンサルティングが引き続き収益に大きく貢献しています。

加えて、FY2024より新規立ち上げ中の「銀行・証券・保険分野」におけるプロジェクトのパイプラインが大きく積み上がっています。FY2025からの本格的な収益貢献フェーズへの移行を予想しています。

3点目は、「適切な投資・経費管理」です。販管費において、財務規律を見極めながら積極的にコンサルタントの採用を実施しています。加えて、長期的な事業成長へコミットするべく、取締役・執行役員へ新たな業績連動報酬制度を導入するなど、固定費の変動費化をはじめとした適切な投資・経費管理を実行しています。

4点目は、「FY2025以降におけるのれん償却費負担の大幅減少」です。海外事業において、シンガポールを中心とした中長期的な事業方針に大きな変更はないものの、シンガポールなどにおけるコンサルティング業界の市況悪化などにより、現地法人Kapronasia社の予算実績が、買収時の事業計画対比で下振れして推移しているため、FY2024にのれん減損に伴う会計処理を実施しています。

中期経営計画の達成に関する不確実性を最小化し、FY2025以降に関しては、年間約7,000万円ののれん償却費の負担を大幅に減少させることで当期純利益を改善していきます。

5点目は、「FY2025通期での黒字化達成予想」です。FY2024業績予想未達およびのれん減損に伴う会計処理のため、前年同期比で減収減益となりましたが、国内事業における売上拡大と収益性改善を見込んでおり、FY2025通期での黒字化達成の目標に変更はありません。

目次

本日のアジェンダです。こちらの目次に沿ってご説明します。1点目はFY2024第4四半期および通期の業績、2点目はFY2025通期業績予想、3点目は中期経営計画です。

FY2024第4四半期および通期業績ハイライト

アジェンダ1点目の、FY2024第4四半期および通期業績についてご説明します。スライドの表の左側をご覧いただくと、FY2024第4四半期は、前年同期比で売上高が5.7パーセント増加しています。これには、決済分野のコンサルティングが引き続き売上に貢献しているという背景があります。

スライドの表の右側をご覧いただくと、FY2024通期の業績は、業績予想比で、売上高は93.8パーセントと未達となりました。こちらは、FY2024から新規立ち上げ中の銀行・証券・保険分野におけるプロジェクトにおいて、パイプラインの収益化がFY2024の期間中には十分実現できなかったためです。収益貢献は、FY2025へ後ろ倒しとなっています。

加えて、シンガポールの現地法人であるKapronasia社を対象としたのれん減損を計上しており、特別損失として4億8,300万円を計上しました。その結果、当期純損失として8億5,200万円の着地となりました。

四半期業績推移

四半期業績推移についてです。スライドのグラフの右側のとおり、FY2024第4四半期の営業利益率は、販管費の適切なマネジメントにより、直前四半期と比べて6.5パーセント改善しています。FY2024通期において売上高は底堅く推移しており、FY2025営業利益の黒字化を見据えています。

クライアント数・クライアント別売上高比率の推移

クライアント数・クライアント別売上高比率の推移についてご説明します。1点目は、グラフの左側に記載のクライアント数の推移についてです。Fintech領域で蓄積したナレッジ・ノウハウや、各業界のリーディングカンパニーとの先進的なプロジェクト経験によって得られた知見を活用し、FY2024第4四半期のクライアント数は合計15社となっています。内訳としては、継続のクライアント11社に加え、第4四半期に新規のクライアントを4社獲得しています。

2点目は、グラフの右側に記載のクライアント別売上高比率の推移についてです。新規および継続のクライアントからの受注を積み増すことで、クライアント別売上高比率の適正化を推進しています。

その結果、FY2024の、私どもの主要なクライアントであるNTTドコモを除く売上高比率は、前年同期比14.0パーセント増で着地しています。

クライアントの継続性

クライアントの継続性についてです。スライドの円グラフのとおり、FY2024通期における継続クライアントの売上比率は90.1パーセントとなっています。

スライド右側の棒グラフでは、NTTドコモを除く継続クライアントの売上高比率は、前年同期比10.3パーセント増加しています。

このように高い継続性を維持しながら、追加受注によるアップセルに引き続き注力し、安定的な業績の拡大およびクライアントの売上高比率の着実な適正化を推進しています。

海外事業の今期総括と今後の対応方針

海外事業のFY2024の総括と今後の対応方針についてです。FY2024において、シンガポールの現地法人Kapronasia社では、一定規模のプロジェクトや日本とのクロスボーダープロジェクト支援などの受注成果がありました。

その一方で、シンガポールでのコンサルティング業界の市況悪化等を主因として、Kapronasia社でのプロジェクトの失注や遅延が複数発生し、買収時の事業計画比において実績が下振れで推移しました。

このようなビジネス状況に対応するべく、シンガポール現地法人のマネジメント交代等を行い、Atlas Technologies本社がマネジメントを主導する体制に移行するなど、各種のリストラクチャリング策を実行しています。

ただし、結果として買収時計画の達成に係る蓋然性が低下したため、監査法人等との慎重な協議を踏まえて評価を見直し、FY2024にのれん減損に伴う会計処理を実施しています。

現在、シンガポールを中心とした中長期的な事業方針の展開に大きな変更はありませんが、FY2025中に、事業活動拠点として併存している親会社であるAtlas Technologies社の既存のシンガポール支店に、経験豊富なコンサルタントを現地責任者のカントリー・マネージャーとして派遣予定です。

Atlas Technologiesの本社とシンガポール支店との事業展開の連携をさらに強化し、並行して、今回対象となったシンガポール現地法人の位置づけの見直し等を行いながら、海外事業の立て直しを予定しています。

このような海外事業の動向による中期経営計画の業績への影響予想はありません。FY2025以降に関しては、年間約7,000万円ののれん償却費の負担が大幅に減少されることにより当期純利益を改善していく方針です。

以上、FY2024第4四半期および通期業績についてご説明しました。

FY2025通期業績予想

アジェンダの2点目、FY2025通期業績予想についてです。スライドの表のとおり、FY2025は、売上は23億7,800万円、前年同期比12.1パーセント増、営業利益は3,000万円、前年同期比4億1,200万円増となる見込みで、通期での黒字化を目指していきます。

主力の決済分野に加え、FY2024に新規に立上げた銀行・証券・保険分野のプロジェクトにおいて、本格的な収益貢献を予定しています。今後の成長戦略および財務規律を見極めながら、引き続きコンサルタントの採用および育成に積極的に投資していきます。

その他、長期的な事業成長へコミットするべく、取締役・執行役員へ新たな業績連動報酬制度を導入するなど、適切な投資および経費管理を実行します。

FY2025サービス戦略 (1/2)│サービスポートフォリオの拡張

FY2025において、サービス戦略・クライアント戦略・人材戦略の3点についてどのように行っていくのか触れたいと思います。

FY2025のサービス戦略においては、サービスポートフォリオの拡張を予定しています。Fintechコンサルティング・サービスの分野において、2018年の創業以来、祖業である「決済」分野に加えて、FY2024に「保険」「銀行」「証券」分野のコンサルタント体制を確立しました。FY2025から本格的にプロジェクトの受注およびサービス提供を開始することで、収益貢献を予定しています。

今回のFY2025においても、さらに「ITリスク」および「PMO支援」分野において、新規にサービスを立ち上げるとともに、決済・保険・銀行・証券・ITリスク・PMO支援のすべてにおいて高付加価値なサービス展開を推進していきます。

FY2025クライアント戦略(1/2)│プロジェクト獲得施策

FY2025のクライアント戦略においては、プロジェクト獲得施策を進めていきます。スライド左側の円グラフで、右上から右下に流れる順で重点施策を3点記載しています。自社単独でクライアント・ニーズを掘り起こし、クライアントのグループ関連企業等への横展開を図り、さらに当社のビジネスパートナー企業などとの協働を進めて、これらの施策を通じてプロジェクト獲得を推進していきます。

1点目の、「自社単独でのクライアント・ニーズの掘り起こし」については、私どもが直接クライアントのみなさまにご提案していくことになりますが、既存クライアントの異なる事業領域や部門などに対しても支援を提案することで、アップセル・クロスセルを推進していきます。

2点目の、「クライアントのグループ関連企業などへの横展開」については、これまで支援実績のある既存クライアント企業各社からの紹介などを通じて、グループ企業・関連企業などに対してサービスを提案していきます。

3点目の、「当社のビジネスパートナー企業等との協働」については、ソリューション提携企業や既存プロジェクトにおいて共同し、デリバリーを行った実績を有するSIer企業などのビジネスパートナー企業からの案件紹介や共同提案の推進を図っています。

FY2025クライアント戦略(2/2)│クライアントの新たな支援ニーズの取り込み

クライアント戦略「クライアントの新たな支援ニーズの取り込み」についてです。創業以来、当社は「金融機関の事業成長支援ニーズ」と「異業種企業の金融事業支援ニーズ」に特化したコンサルティングを提供しています。

スライド左側に4点記載しています。1つ目は「新規・追加プロジェクトの獲得」です。決済分野の受注は底堅く推移しているため、さらなるアップセルによる受注も獲得しています。また、新規の金融系クライアントからの受注も獲得しており、しっかりと従来の注力分野として拡大していきます。

2つ目は「新規サービス分野の受注開始」です。銀行・証券・保険分野において、大手企業のプロジェクトを新たに複数受注しています。2025年からはこれらのデリバリーが開始されます。

3つ目は「PMOサービスのニーズを取り込み」です。2018年の創業以来、まずは決済分野で培ったPMOノウハウを体系化することで、2025年1月より正式に新たなチームを立ち上げています。クライアントから根強いニーズがあるPMO分野のサービスを、決済・銀行・証券・保険の各金融分野を対象に横展開していきます。こちらもプロジェクトの受注を開始しています。

4つ目は「ITリスク・セキュリティ分野のサービス強化」です。2025年1月に大手コンサルティング会社などにおいて、長年ITリスク分野での戦略コンサルティングに携わった執行役員パートナーが就任しています。各金融分野におけるITリスクに関するニーズは非常に大きいものがあるため、新規・既存クライアントからの受注を拡大していきます。

FY2025人材戦略(1/2)│優秀なコンサルタントの採用と育成

人材戦略「優秀なコンサルタントの採用と育成」についてです。まず「優秀な人材の採用」によりコンサルタント数の増加を図ります。すでに昨年度に就任しているCHRO(人事責任者)を中心に、引き続き社員紹介制度・ダイレクトリクルーティング・エージェント採用を強化していきます。

また、スライド中央の「働きがいのある環境の整備」として、従業員の定着率向上を行っています。従業員がより働きやすく成長できる環境を、制度面・組織風土面の双方から整備し、入社後の定着率を向上しています。

「サービスの高付加価値化」については、これらによってサービス単価の向上を目指します。教育研修コンテンツ等を社内で制作し、知見を共有するほか、外部セミナーなども活用し、OJTを加えて社員に成長機会を提供していきます。

中期経営計画(FY2025-2028)のサマリ:財務計画(2/2)

中期経営計画についてご説明します。まず、中期経営計画(FY2025-2028)の4ヶ年度の計画です。財務計画のサマリとしては2つあります。1つ目は、FY2025下期から黒字化を達成し、FY2025通期での黒字化を目指すことです。2つ目は、FY2028に連結売上高50億円以上、営業利益率15パーセント以上を目指すことです。

中期経営計画(FY2025-2028)のサマリ:事業成長に向けた取り組み(1/2)

中期経営計画について進捗を含めてご説明します。FY2025の事業成長に向けた取り組みです。

スライド左側には「コンサルタント体制の拡充」と記載しています。コンサルタントの数について、FY2023は36名でしたが、FY2024は26名増加し62名体制となっています。

新規立ち上げ中のサービス分野において、優秀なコアメンバーの採用を完了しています。クライアントのプロジェクトのデリバリーに必要な体制を構築しており、今後はデリバリーの中心となるマネージャークラスの採用のさらなる強化を予定しています。

スライド中央の「クライアント基盤の構築」についてです。FY2024第4四半期のクライアント数は合計15社でした。新規クライアントを4社獲得しています。

新たな銀行・証券・保険の分野においても、大手企業のプロジェクト・パイプラインを大幅に積み上げ、FY2025からのプロジェクト開始を予定するとともに、さらなるクライアント基盤の強化を推進しています。

スライド右側は「収益貢献」です。FY2025下期からの黒字転換、FY2025通期での黒字拡大に向けて、既存の決済サービスの売上拡大はもとより、先ほどご説明した新規立ち上げ中の銀行・証券・保険サービスによる収益貢献を予想しています。

質疑応答:新規立ち上げサービスの受注進捗状況について

「中期経営計画の中で、新規立ち上げ中の銀行・証券・保険サービス分野でのクライアント獲得状況について、星5のうち4としていますが、具体的な進捗状況を教えてください」というご質問です。

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