サマリー:通期業績

曽我部完氏(以下、曽我部):株式会社グリッド代表取締役社長の曽我部です。2024年6月期の決算説明を開始します。

まずはサマリーです。2024年6月期は、売上高が16億5,200万円、営業利益が3億6,500万円、当期純利益が4億300万円という結果になりました。

前年同期比較

売上高は前期比22パーセント増となりました。期初計画の17億5,000万円からは、マイナス1億円の未達という結果になっています。一方で、営業利益含め各段階利益は期初計画を上回り、前期比で見ても大幅に伸長しました。

当期純利益は、6月に行った減資に伴う欠損金の控除限度額の増加により、税前利益から6,000万円増加し4億300万円で着地しました。

産業ドメイン別の売上構成

産業ドメイン別の売上構成です。2024年6月期は、電力・エネルギー領域に注力しました。その結果、前期は約30パーセントの比率だったところ、今期は約半分が電力・エネルギー領域の売上となっています。

物流・サプライチェーン領域は、構成比率は下がったものの金額ベースでは微増となりました。一方で、都市交通・スマートシティは減少しました。これにより、各ドメインの構成比率はスライドのように変化しています。

次年度以降も電力・エネルギー領域の案件開発が進んでいますので、売上構成比は電力・エネルギーにさらに偏ると見込んでいます。

フロー型売上とストック型売上

売上高について、フロー型とストック型に分けてご説明します。フロー型売上は前期比で1億4,600万円増加しました。

ストック型売上の運用・サポートにおいては、多くのお客さまを獲得しました。それにより、前期の売上高2億4,800万円から1億5,200万円増加し、4億円のベースに乗ったという状況です。

四半期プロジェクト数

四半期ごとのプロジェクト数の推移です。2023年6月期と比べて、第2四半期以降のプロジェクト数が増えてきています。

スライドのグラフ上に括弧書きで示しているのが、運用・サポートを開始した顧客に対するアップセル・クロスセルの件数です。前期はほとんどありませんでしたが、2024年6月期は既存のお客さまへのアップセル・クロスセルが徐々に始まっています。

運用・サポートの件数は、前期の7社程度から2024年6月期は11社程度へと倍増しています。後ほどご説明しますが、全34社の顧客のうち約3分の1が、なんらかの運用・サポートをご利用いただいています。

既存のお客さまがAIエンジン開発から運用・サポートに移り、さらに新しいシステムの開発に取りかかるというサイクルに入り始めたと考えています。そのため次年度以降は、この比率が50パーセント程度まで上昇していくと見込んでいます。

営業利益増減要因

営業利益の増減要因です。前期の営業利益2億800万円に対して、フロー型売上が1億4,600万円、ストック型売上が1億5,200万円増加しました。また、例年どおりエンジニアを増やしていますので、人件費が1億3,200万円増えています。

それ以外の費用は大きな増減なく横ばいで推移し、結果として営業利益が3億6,500万円積み上がりました。

主要な経営指標

主要な経営指標についてです。取引先数が前期の29社から34社に増加しています。我々の主たるサービスをご利用のお客さまも、27社から33社へと増加しました。

お客さまの数を増やしながら、1社当たりの案件を横に広げています。

サマリー:25/6期計画

2025年6月期の計画についてご説明します。まずはサマリーです。2025年6月期は、売上高を22億円、営業利益を4億円、当期純利益を2億7,000万円と見込んでいます。

売上については、引き続き電力・エネルギー領域に注力します。都市交通・スマートシティ領域では、前年度からの売上が一部計上されました。鉄道会社のお客さまとの案件を開発し、すでに大手の鉄道会社と一部の契約が入っていますので、こちらも収益に貢献すると考えています。

当期純利益に関しては、繰越欠損金を使い切る見通しです。その結果、2025年6月期は繰延税金資産が大幅に減少し、法人税等も発生しますので、計画どおりに営業利益が着地した場合の当期純利益は2億7,000万円となる見通しです。

営業利益増減要因

今期の営業利益の増減要因です。前期の営業利益は3億6,500万円でしたが、今期の売上高は5億4,800万円の増加を予想しています。

エンジニアの人件費に関しては、前期の1億3,000万円程度からさらに1億円積み増して、2億3,200万円増加させる見込みです。また、今年度は営業体制強化に取り組むために営業の人員増に向けて動いていますので、販管費も一部で増加する予定です。

人件費以降のその他の勘定科目は、前期は横ばいでしたが、今期は営業強化に取り組むため販管費が増加します。

その結果、営業利益は4億円の微増で着地する計画です。さらなる飛躍を目指すため、今期は社内体制を固める事業年度だと捉えています。翌期以降に大幅成長できるような体制を、今期でしっかりと作っていきたいと考えています。

四半期累計

四半期累計の売上高と営業利益の計画です。前第1四半期は赤字となり、株主さまに非常にご心配をかけたと理解しています。今期は、第1四半期の案件が十分に積み上がっているため黒字で着地できると考えており、全会計期間においてもしっかりと利益を積み上げていく計画です。

営業利益率は前年度が22パーセントということで、このスケールにしては比較的高い利益率を出せたと思っています。しかし体制強化等も行うため、本年度の営業利益は控えめの計画とし、20パーセントを切るくらいで着地できると見ています。

また、先週に蓄電池関連事業の開始をご案内しましたが、こちらの決算説明時においては、当事業に関する売上高と利益計画を盛り込んでいません。当事業の収益蓋然性が高まった時点で、あらためて株主のみなさまに開示し、業績が現出するものが確実に見通せる段階で修正を報告できればと考えています。

質疑応答:蓄電所開発のビジネスモデルについて

司会者:「蓄電池事業における蓄電所の開発は、自ら資金を投じて蓄電所を開発所有し、電気料金のさやで利益を上げるビジネスになるのでしょうか?」というご質問です。

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