決算ハイライト

種田清隆氏:みなさまこんにちは。長府製作所社長の種田でございます。本日はお忙しいなかお集まりいただきまして誠にありがとうございます。さっそくではございますが、説明を始めさせていただきます。

本日は、2019年12月期第2四半期決算概要と、2019年12月期の計画と展望の2部に分けてご説明いたします。

決算概要についてです。まず売上高ですが、203億1,500万円で、前年同期比でマイナス2.3パーセントです。計画を215億円で立てておりましたので、計画比でマイナス5.5パーセントです。

営業利益は3億6,800万円、前年同期比でプラス54.8パーセントです。計画を6億円で立てておりましたので、計画比でマイナス38.6パーセントです。

経常利益は11億5,500万円、前年同期比でマイナス0.5パーセントです。計画が15億円でございましたので、計画比でマイナス23.0パーセントです。

当期純利益は5,900万円の損失となっております。計画として10億円を立てておりましたが、当社が保有している投資有価証券の評価損で9億1,100万円を特別損失として計上して、この数字になっております。

2019年12月期第2四半期 決算概要①

具体的な内容をご説明いたします。当社は、売上高を5つのセグメントで分けております。

まず給湯機器は、石油やガスあるいは電気を主力とした給湯器(エコキュート)が含まれます。売上が87億900万円、前年同期比でマイナス5.3パーセントです。計画比でマイナス7.3パーセントです。

空調機器には、エアコンや暖房機、ハウスメーカー向けの空調システムなどが含まれます。売上が81億5,200万円となり、前年同期比プラス5.5パーセント、計画比マイナス0.6パーセントです。

システム機器には、システムバスやキッチン等が含まれます。売上が8億9,100万円、前年同期比でマイナス12.5パーセント、計画比でマイナス13.4パーセントです。

ソーラー機器・その他は、太陽熱温水器や種々の部品が含まれます。売上が14億2,900万円となり、前年同期比でマイナス10.3パーセント、計画比でマイナス11.2パーセントです。

次に、昨年より加えたエンジニアリング部門でございます。熱回収システム等の半業務用の熱回収システム等の設計・施工・メンテナンス、機器の修理を行う部門です。売上が11億3,400万円となり、前年同期比マイナス9.6パーセント、計画比でマイナス11パーセントの結果になりました。

設備投資は、第2四半期までで2億8,100万円と、従来よりも若干少なくなっております。

2019年12月期第2四半期 決算概要②

経常利益の増減要因についてご報告いたします。スライドの左の棒グラフが、2018年12月期第2四半期の数字です。右が2019年12月期第2四半期の数字でございます。

まずマイナス要因です。売上が4億7,000万円減ったことにより、売上減で1億900万円のマイナスになっております。原材料のコストアップは、2018年と比べるとかなり緩くなってきてはいますが、2,100万円のマイナスです。

増益の要因です。売上構成の変化は、具体的には高付加価値の商品を出してきました。その売上が徐々に増えてきて、プラス1億1,000万円になっております。

それから、販管費の減少で5,900万円、さらには工場の生産合理化によるコストダウンで9,200万円です。以上が、増益の要因でございます。

最後に営業外収益が1億3,700万円ほど減っております。これは主に為替変動による減益でございます。

その結果、2019年12月期第2四半期の経常利益は11億5,500万円と、前年同期比で600万円のマイナスになりました。

業績推移(四半期売上高・営業利益)

業績推移でございます。スライド左のグラフは、四半期売上高の推移です。右のグラフは、四半期営業利益の推移を表しております。

売上は、第1四半期は110億3100万円で、前年比マイナス1億2,600万円でございました。第2四半期は92億8,400万円で、前年比で3億4,400万円のマイナス、第1四半期と第2四半期で、4億7,000万円ほどマイナスになった状況です。

右の営業利益の推移ですが、第1四半期は前年比プラス3,300万円で、4億4,900万円の利益となりました。

第2四半期は残念ながらマイナスにはなりましたが、前年と比べると9,800万円改善されています。第1四半期第2四半期の合計は、昨年と比べますと1億3,100万円ほど増えて、3億6,800万円になりました。

業績推移(セグメント別売上高)

セグメント別の売上高をご報告いたします。まず、スライド右の円グラフ(売上に占める比率)をご覧ください。

給湯機器が42.9パーセント。空調機器が40.1パーセント。システム機器が4.4パーセント。ソーラー機器・その他が7パーセント。2018年より新たに加えましたエンジニアリング部門が5.6パーセントの割合になっております。このなかで注目すべきは、空調機器の売上比率が随分と上がってきたことです。

個々にご説明を申し上げます。給湯機器が87億900万円、前年同期比でマイナス5.3パーセントでした。エコキュートは好調を維持しているものの、その他の給湯器の需要が減少したことにより、全体として売上の販売減となりました。

空調機器が81億5,200万円。前年同期比プラス5.5パーセントです。今年の冬は暖冬の影響で暖房機の売上は減少したものの、ハウスメーカー向け全館空調システムという、非常に付加価値の高い商品の販売が増加しました。その結果、前年比で5.5パーセントのプラスになっております。

システム機器は、システムバスやシステムキッチンの販売が非常に低調で、結果としてマイナス12.5パーセントになりました。

ソーラー機器・その他は、太陽熱温水器が主体となります。太陽熱温水器や関連部品の販売が減少して、結果的にマイナス10.3パーセントになりました。

最後に、2018年より新たに加えましたエンジニアリング部門は、11億3,400万円です。前年同期比でマイナス9.6パーセント。

先ほども言いましたように、半業務用の熱回収システムの設計や施工からメンテナンス、あるいは機器の修理等を行う部門ですが、売上の大半を進行基準でやっております。

その結果、第2四半期ではマイナス9.6パーセントですが、通期で考えれば、ほぼ同等になろうかと思っております。

業績推移(販路別売上高)

販路別売上高でございます。スライド右の円グラフ(売上に占める比率)を見ていただきたいと思います。

国内は当社の特約店や一般ルートの売上ですが、それが91.6パーセント、相手先ブランドによるOEMの商品が2.5パーセント、輸出が5.9パーセントの状況になりました。

国内(の売上高)は186億1,000万円で、前年比マイナス3.8パーセントになりました。暖冬等の影響で給湯器の需要がかなり減りました。空調機はとくにハウスメーカー等向けの全館空調が好調を維持していましたが、全体としては給湯器が厳しかったために、販売減となった状況でございます。

OEMは5億1,400万円となり、前年比プラス4.1パーセント、こちらは横ばいながら微増の状況です。

輸出は11億9,100万円で、前年比プラス26.9パーセントになりました。とくにヨーロッパへのヒートポンプ式の冷温水熱源機、オーストラリアへのガス給湯器が好調でございました。

当社の財務状況(資産)

当社の財務状況についてご説明いたします。

まず資産の部です。とくにお話することはございませんが、1番下を見てください。資産合計として1,331億5,200万円となりました。2018年12月期末と比較しますと、15億2,100万円の減少となっております。

当社の財務状況(負債)

負債でございます。1番下の段をご覧ください。(負債合計が)99億500万円で、2018年12月期末と比べて6億400万円の減少となっております。

当社の財務状況(純資産)

純資産は1,232億4,700万円。2018年12月期末と比べて9億1,700万円の減少でございます。その結果、自己資本比率は92.6パーセント、1株当たり純資産は3,547円74銭となっています。

2019年の事業環境①

2019年12月期の計画と展望についてご説明いたします。

当社を取り巻く事業環境でございます。まず、新設の住宅着工戸数です。2018年は94万2,000戸でした。2019年1月から6月までは44万9,000戸で、前年比99.8パーセントと、ほぼ横ばいでございます。

ただそのなかで持ち家だけを見ると、2019年1月から6月は前年比で108.6パーセントとなり、若干伸びております。

スライドの右側は、住宅リフォーム工事受注高の推移です。2018年度が3兆9,000億円ありましたが、(例年)ほぼ4兆円前後で推移しております。全国に空き家が850万戸あると言われておりますが、それらのリフォームが逐次なされています。

2019年の事業環境②

2019年は、大きなイベントがございます。2019年10月に、消費税の増税があります。その消費税増税後のリフォームや住宅購入への支援策として、スライドにありますように「次世代住宅ポイント制度」が導入されております。

簡単にご説明させていただきますと、これは予算1,300億円を投じて行っている国土交通省主導の施策です。対象は2019年4月から請負・契約・着工したものです。

その概要ですが、新築住宅では、エコ住宅・長持ち住宅・耐震住宅・バリアフリー住宅。このいずれかに該当する場合に、30万ポイントが付与されます。

さらに、認定長期優良住宅・低炭素認定住宅・性能向上計画認定住宅・ZEH。ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。これらに該当しますと、追加で5万ポイントが付与されます。結果として、(新築住宅では)上限35万ポイントまでが付与されます。

リフォーム住宅は、導入設備によって最大30万ポイントまで付与されます。さらに若者・子育て世帯……若者は40歳未満、子育ては18歳未満の子供さんがいらっしゃる世帯ですが、この両方に最大30万ポイントが付与されます。

つまり既存の住宅を購入してそれをリフォームすると、最大60万ポイントが付与されるという仕組みでございます。

このポイントは約1円に相当ということで、新設の住宅であれば約35万円相当、リフォームの住宅であれば最大約60万円相当の商品と交換することができるというシステムです。

商品としては、スライドにありますように、家電製品とかインテリア製品であるとか、そういったものを選んで交換するということになります。

技術開発と商品ラインアップ①

当社(2019年)後半の、シェア拡大のための施策についてご説明いたします。

ポイントは、まず高付加価値の商品を開発して市場に出していく。それによって新たな市場の開拓をしていくということになります。

高付加価値の商品としましては、快適性を徹底的に追求したもの、それから減災対応をしっかりした商品です。減災とは、災害時において発生し得る被害を最小化する取り組みのことを言っております。

次に、お客さまの利便性を徹底的に追求したもの。これら高付加価値商品の開発をもって、新しい市場を開拓していきます。

当社は、戸建がとくに中心でしたが、今後は集合住宅と、いま力を入れている海外(への輸出)をさらに伸ばしていきたいと考えております。

技術開発と商品ラインアップ②

具体的にどんな商品で拡大を図っていくのか、(2019年)後半に出てくる商品を簡単にご説明いたします。

まず、快適性の追求ということで、スライドにあります天井輻射エアコン「眠リッチ」のご紹介をします。これは、大和ハウスグループの株式会社フジタさまと共同開発した商品になります。

「眠リッチ」は、健康的で心地よい生活環境を提供するために開発された、体に優しい寝室用のパネルエアコンでございます。エアコンの風と音を抑えて、不快なストレスを軽減し、快適な睡眠環境を提供するというのが1つのコンセプトになっております。

スライドの左に円グラフがございますが、これは某大学と共同で行ったストレス実験の結果です。睡眠時の自律神経が安定し、約9割の方がリラックスできたという実験結果が得られております。

技術開発と商品ラインアップ③

次に、もう1つお客さまの快適性を追求した商品をご紹介いたします。こちらは冷温水熱源機付エアコンと、冷温水輻射パネルを利用した空調システムです。エアコンによる空調と、風のない輻射との組み合わせにより、快適な室内空間を実現いたします。

空調から輻射へ移行した時は、冷房は木陰のさわやかさを、暖房はひだまりの暖かさを、徹底して追求した商品となっております。

技術開発と商品ラインアップ④

スライドにあります浸水対応「エコキュート」は、減災への取り組みから生まれた商品です。昨今では、少し雨が降ると集中豪雨で、床上浸水や床下浸水がよくありますが、そういったものに対応する商品でございます。

とくにこの商品は、床上浸水による影響を軽減するために、貯湯ユニットのなかの機能部品を1メートル30センチ以上の高さに設置して、水が引いた時に使用できる構造としております。

また、室外機は高置台を利用して設置することで、浸水することを防止します。それ以外にも、震度7相当に耐え得る耐震設計等、非常に高い安全設計の商品となっております。

技術開発と商品ラインアップ⑤

同じく減災対応で、停電でも使える給湯器です。これは従来からございましたが、停電になった時にバッテリーからの電源を利用して、4人家族で1日に洗面1回・シャワー1回、これを3日間使用できる商品になっております。

技術開発と商品ラインアップ⑥

さらに2019年は、給湯器に加えて、暖房も追加していきます。スライドの左は石油の温水暖房熱源機ですが、これに同じくバックアップ電源ユニット、バッテリーを取り付けまして、停電になっても、約16畳相当のリビングを3日間床暖房できるというシステムでございます。

スライドの右側は石油温風暖房機ですが、こちらも停電になっても木造で約11畳のお部屋であれば、24時間ちゃんと暖房ができるという商品になっております。2019年は、こういった減災商品に力を入れてやっていきたいと思っております。

技術開発と商品ラインアップ⑦

次に、ユーザーさまの利便性を追求する商品です。当社も、IoTシステムを活用した商品を立ち上げていきます。

当社の空調機器や給湯機器をインターネットに接続することで、例えば当社のサーバーを使って、スマートフォンやタブレット、パソコン等で外出先から遠隔操作をしたり、あるいは使用状況を確認できたりというシステムでございます。

最近では非常に核家族化が進んでいますので、遠く離れた年を取られたご両親の見守り等にも使えるような機能になっております。

技術開発と商品ラインアップ⑧

同じくお客さまの利便性を追求した商品で、業界初となるタッチパネルリモコンを開発いたしました。これは画面を直接タッチすることで、直感的な操作ができるのが1つの大きな特徴になっております。

また、使用頻度の高い機能に絞ったカンタン画面に切り替えることで、複雑な操作が苦手な方、あるいは高齢者の方でも簡単に使える、使いやすいリモコンとなりました。こういったものを今後出していきます。

技術開発と商品ラインアップ⑨

2019年問題ということで少し問題になりましたが、2009年11月に開始した太陽光発電の余剰電力買取制度が、2019年11月以降に順次満了となっていきます。とくに2019年11月、12月で満了になるお客さまが、約53万戸と聞いております。

このFIT(固定価格買取制度)の終了によって、今まで48円で(電力を)売られていたお客さまが、今後は自由売電となり、だいたいキロワット10円ぐらいになると聞いております。

そこで、夜に沸かすお湯の一部を、太陽光発電で余った電力を使って昼に沸き上げを行うという、いわゆる電力を自家消費できる商品でございます。自家消費できるようなシステムをつくろうということでつくった「エコキュート」が、その商品になっていきます。

2019年12月期 施策

当社の輸出売上についてお話をさせていただきます。

当社はピーク時で46億円程度の海外売上がございましたが、2008年のリーマンショック後に徐々に減ってきて、2012年にはスライドの表にありますように、2億8,000万円まで落ちました。その後、少しずつ回復して、2018年は24億円まで戻ってきたという状況でございます。

その要因としては、1つはヒートポンプの冷温水熱源機のヨーロッパへの輸出が非常に好調なことです。それからもう1つは、オーストラリアへのガス給湯器が売上を伸ばして、昨年は24億円までいったという状況でございます。

2019年も当初は30億円の売上予測をしていましたが、最近のイギリスのEU離脱の問題、あるいは円高や為替の不透明感等が少しあり、2019年は少し下方修正して、26億円(の計画)でやっていきたいと考えております。

2019年12月期 通期計画

その結果の、2019年12月期の最終的な通期計画でございます。

売上高が460億円で、前年比プラス0.6パーセント、営業利益が22億円で、前年比プラス9.5パーセント、経常利益が38億円、プラス1.9パーセントです。

当期純利益が18億円です。これは損失の計上がございましたので、こうなっております。前年比がマイナス32.6パーセント、1株当たりの配当金は32円を予定しております。それから、設備投資が18億円を予定しています。

株主優待制度について

株主優待制度についてご説明いたします。対象は2019年12月31日現在の当社株主名簿に記載された100株以上かつ保有期間1年以上の株主さまとなります。株主優待の贈呈品は、保有株式数により2,000円、3,000円、5,000円のクオカードを用意いたします。

社会貢献活動

社会貢献活動について簡単にご報告いたします。

まず、当社が特別協賛しております下関海響マラソンが11月にございます。これは参加者約1万2,000人規模の市民マラソンで、2008年に始まり、今年は12回目の開催となります。

いつも自慢しているのですが、2016年、2018年には当社の社員が優勝しております。ちなみにその時のタイムは、2時間24分25秒というタイムでございました。

同じく協賛しておりますのが、関門海峡花火大会です。これは8月、お盆の時期にございます。2018年は、当社がある下関側と九州の門司側を合わせて、105万人の人出があったという一大イベントでございます。

それから、スライドの右側が地元の長府地区の約105社が集まって行う長府企業フェスタです。当社が幹事会社となって進めており、今年で17回目でございます。

スライドの下に、一般財団法人川上米男奨学会とあります。これは当社の創業者の名前がついた奨学会ですが、昭和55年より勉学にいそしむ学生の支援をしております。今までで、のべ約370名の方にご利用いただいている奨学会です。

蛍遊苑(長府製作所記念館)のご紹介①

次に蛍遊苑、長府製作所記念館でございます。城下町長府にある、敷地370坪、建坪260坪で、日本庭園を備えた当社の記念館となっております。2014年の開館以来、のべ7万人の方に来館いただきました。

蛍遊苑(長府製作所記念館)のご紹介②

蛍遊苑のなかには和室やホール、会議室等、さまざまなスペースがあり、ご活用いただいております。下関にお越しの際は、ぜひお立ち寄りいただければと思います。

それでは今回の決算説明会をこれにて終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。