2018年6月期第2四半期決算説明会
佐野富和氏:エンビプロ・ホールディングス社長の佐野でございます。どうぞよろしくお願いします。
また、今日はお忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、さっそく説明をさせていただきます。
目次
(目次に記載が)4つあります。第2四半期の決算概要、今期(2018年6月期)通期の見通し。会社概要(と参考データ)は(資料の)後ろについているだけなので、この1番と2番を中心に、お話をさせていただきます。
第2四半期 ハイライト
すでに決算短信で発表させていただいておりますので、数字はご存じかもしれませんが、前年(同期)は(業績が)非常に悪い状況でした。後ほどグラフが出てきますので、前年比は参考までにということで。半期としては、いい成績にできたかなと見ております。
この理由として、鉄スクラップ(の期中平均価格)が、前年実績の約2万円から当期実績約3万円と1万円上がっているということが、非常に大きく貢献をしております。
それから、この(主要TOPICSの)2番目は各工場に関することです。エンビプロの子会社の中には、リサイクル工場をやっているところが、持分法適用会社を含めて7つあります。
そのようなところ(リサイクル資源の集荷・生産工程)が、金属・スクラップ相場が上がっていることに対する恩恵を受けたということです。
それから、(鉄スクラップの)貿易の取引も、時々売り損なうことがあるのですけれども、この半期は非常にうまくいって、順調に利益を出したということです。
中古自動車・中古事業者部品につきましても、今期は順調に、とりわけチリへの販売、ロジスティクス系の仕事が好調で、収益に貢献しているということです。
ただし、後ほど説明しますが、新規事業の障がい者就労移行支援・木質系バイオマス(燃料の輸入)・デジタルサイネージ等は、立上げ費用等が先行し、なかなか立上げに苦労しているという状況でございます。
第2四半期 連結損益計算書概要
第2四半期の実績はこのようなかたちです。後で、ご覧いただきたいと思います。
経常利益差異分析
経常利益の差異分析です。粗利差異が7億5,200万円と、先ほどからのご説明にありますように、(金属・スクラップの)価格高騰の恩恵を受けまして、増えました。
それから、この「ダスト」というのは廃棄物から発生するゴミですけれども、(商材の)扱い量増加によりこのダストの処理費用と電力費が増えることによって(マイナスが発生しており)、リサイクル率を高めればこれを増やさないで済むのですが、(当期は)5,300万円のマイナス要因になっています。
為替は、収益があったということです。これは時々負ける場合もあるのですが、半期では1,900万円(の収益)となりました。
人件費・設備費・その他経費で、合わせて約1億9,300万円増えております。これはマイナス要因であり、このうちの約9,900万円……半分と少しが、新規事業における先行的な費用ということです。
持分法(による投資利益差異)も2社分ありますが、これも(リサイクル)資源系の会社なので、(金属・スクラップ相場上昇の)恩恵を受けまして、1億600万円増えました。この結果、(2018年6月期上期は)8億3,100万円という経常利益になっております。
四半期経常利益推移
それから、四半期の経常利益の推移です。これをご覧いただくとわかりますように、いろいろな他の事業をやっていることもありまして、季節要因はあまりありません。
過去は、例えば年度末や年末は(季節要因による)利益が出たことがあったのですが、最近は季節要因がないということで、これも参考までにご覧いただければと思います。
連結業績 売上高推移
売上の説明でございます。通期進捗率が60パーセントです。売上高前年比は、前年が非常に悪かったという前提ですけれども、43パーセント増えており、売上は順調にいっているということです。
これも、(金属・スクラップの)価格の恩恵の部分が多いですね。それに加えて、単価が上がると扱い量も増えてくるところがあるので、この両方の効果により、このような結果になっております。
連結業績 限界利益・率推移
ただし、限界利益率は2パーセントほど下がっております。
我々は、(限界利益について、商品価格が)2万円でも4万円でも一定の幅(で利幅を取っている)ので、価格が上がると、だんだん限界利益率が下がることになっています。
もちろんタイムラグがありますので、(価格が)上がる時には、少し利幅は上がるのですけれども。そのようなことで、限界利益率は下がっているのですが、限界利益額は前年に比べて28パーセント増え、通期進捗率は51パーセントという状況です。
連結業績 経常利益・率推移
それから、経常利益・率の推移です。これも繰り返しますが、去年が悪かったという前提で、(2017年6月期の)1.5パーセントから(2018年6月期は)4.4パーセントとなりました。
だいたい計画では3.4パーセントくらいとしていましたので、そのような意味では、計画よりも利益率が高くなっています。これにより、経常利益の進捗率は77パーセントになりました。
連結貸借対照表概要
バランスシートでございます。ここ(資料下部)にトピックスが書いてありますけれども、これも(金属・スクラップの)相場が上がりますと、在庫や売掛手形及び売掛金その他が増えるので、流動資産が約16億円増加しております。
それから、その下の「投資その他資産(が増加)」です。太陽光発電所(を開発する合同会社)に対する匿名組合出資がありまして、22億5,700万円増えております。
この結果(資産合計は、2017年6月末の)178億円が(2017年12月末は)218億円になり、40億円増えております。
また、流動負債が37億円増えておりますけれども、太陽光(発電所)も(開発後)ずっと持つのではなく、開発の商品として短期で売却していくので、短期借入金でそれをまかなっているという状況です。
これを売却することによって、総資産は減っていくという状況で、今の利益を考えると、180数億円まで減るのではないかなということが、予想されております。
連結キャッシュ・フロー計算書概要
キャッシュ・フローです。投資(活動によるキャッシュ・フロー)が23億円に対して、借入等で財務活動によるキャッシュ・フローを増やすかたちです。営業活動によるキャッシュ・フローも、去年に比べればよくなったので、現金等が少し増えているという状況です。
地域別売上高・品目別売上高
これは地域別の売上高ですけれども、あまり変わっておりません。
ほとんどが日本とアジアです。この日本とアジアの部分は、鉄にしろ、非鉄にしろ、みんな資源系です。ほとんどは、鉄ですけれども。
特筆するとすれば、先ほど言いましたように、チリで車(の需要)が増えておりますので、南米が去年に比べれば増えているという状況です。
右側の品目別売上高は、鉄(スクラップ価格)が上昇したことで、鉄の比率が高くなっています。相対的に中古自動車等も、金額は減っていないのですけれども、比率的には減っているという状況です。
2018年6月期業績見通し(連結)
続いて、今期の見通しでございます。
今、経常利益は(通期)進捗率が77パーセントで、8億3,100万円になっています。ただ、資料を見ていただくとわかるように、2017年6月期(の上期)は、経常利益が2億円、2017年6月期下期が8億円です。
今期(2018年6月期)は、上期が8億3,100万円です。(2018年6月期下期計画が)2億4,700万円ということで、見通しを変えないということでやっています。
この(2017年6月期の上期の)ようなこともありうるということと合わせて、後ほど説明しますけれども、今回新しく株式会社VOLTAという、リチウムイオンバッテリーの会社を作りました。
もともと新規事業で、1億6,900万円くらいの(投資をする計画で)マイナス予算を作っていました。その倍まではいきませんけれども、3億円弱の(先行投資)予算を(投入し)、ある意味今の利益を、先行的に(新規事業の)経費にあてております。また原材料を先に集めておくということで、意図的に新規事業への投資(運転資金の増加)、あるいは経費を多く使うということがあります。
もう1つは、(通期業績見通しの)修正については(外部要因、とくにスクラップ相場に大きく左右されることから今後も変動する可能性があり)様子を見させていただき、その(通期の着地見込みが明確になった)あとに修正がある場合にはするということで、今回は修正せず、(経常利益は)10億7,800万円ということで、ご説明させていただきます。
足元の事業環境と取り組み
続いて、足元の事業環境です。引き続き、スクラップについてはいったん下がったのですけれども、また強含みに変わり始めてます。いずれにしても、非鉄・ニッケル・コバルトも含めた資源相場は、この半期は堅調だと思います。
もう1つは、中国の(雑品等の)輸入規制が、今じわじわ我々の業界に効いております。もともと中国にたくさん輸出されていたものが、戻ってきているという状況です。
実際に我々の工場も、プラスチックの廃棄物が(溢れて)置ききれないということがございます。違った要因ですけれども、人手不足も相まって、前はモノが高くて(それでも)どうしても欲しかった(状況だった)わけですが、(現在は)モノはあっても加工ができない、あるいは(モノが溢れて)お断りするという状況です。これは必ず、また逆転するような気がします。
今の足元の段階では、この半年はおそらく、中国に輸出していたものが溢れてしまうと。なおかつそこには、廃棄物が含まれているのです。日本はある意味、廃棄物もそのまま輸出していたことになるのですけれども。(その結果、日本国内では廃棄物が増加し)最終処分場で、以前のようにひっ迫感が出てきました。一時は、小康状態だったのですが。
そのようなことで、いろいろなおもしろい状況になる……我々はそこをビジネスチャンスにできるように細かくやってきました。そのため、(中国の輸入規制は)8割がたはメリットで、(残りの)2割ぐらいは、実際に、中国へ輸出もしていましたので、ひょっとしたらデメリットかなと、私は考えています。
(資料中ほどの)取り組みとしては、(2017年)8月の開示の時にも申し上げておりますが、相場(変動)をうまく活用する(ことで利益を出す)ということで、「活相場」と書いています。
そのような部分と、相場に左右されにくいモノの取引+コト(の取引)、あるいはコトのみの(取引の)事業を、いくつか増やしていきたいなと考えています。
相場もうまく活用するのですけれども、それに翻弄されないような事業構造をつくっていきたいと思っています。
(これは)取扱いアイテムを増やしていくということです。あるいは、仕入先・販売先も増やしていって、利益の源泉を多様化するということは、これからもずっとやっていきたいと考えています。
先ほども言いましたが、既存事業の利益をなるべく新規事業に投資していきます。これからは非連続の変化が起こると思います。我々がここ2、3年間に圧倒的な変化を仕掛けていくという、覚悟みたいなものを持って、いろいろな新しいことにチャレンジしております。
①リサイクル資源取引(貿易)
それでは、既存事業の取り組みの中で、代表的なものを申し上げます。
最初に、リサイクル貿易部門です。これを見ますと、ベトナムが少し増えています。意図的な部分もありますし、韓国の買いが弱いということもあって……ただし、「弱い」と言っても、いまだに韓国中心の販売をしているということが、これを見るとわかると思います。まだ、そこから脱却できていないと言えると思います。
出荷量は上期と比べると、14パーセントぐらい増えている状況にあります。
①リサイクル資源取引(国内)
リサイクル資源取引ということですけれども、これは先ほど言ったように、工場部門です。
出荷量が13パーセント増えて、出荷量増加による粗利の増額が1億8,000万円、粗利単価の利幅が26パーセント増えています。それによる(粗利の)増額が4億3,000万円ぐらい影響しているのではないかということで、こちらで紹介させていただきました。
あわせて、建物の解体・土壌浄化など(を行っている実績が)がございます。土壌浄化専門の会社はすでにいっぱいあるのですけれども、我々は一貫して、中の残置物の片付け・建物の解体・土壌浄化を行っています。自前ではできないので、土壌浄化事業をやっているところと組んでいるだけなのですが。
そこを一貫してマネジメントさせてもらうことで、モノ以外のコトのサービスとして実績を積みましたので、このようなことも強みにしていけたらいいなと思っております。
②リユース商材貿易等の取引
続いて、リユース商材貿易等の取引です。ほとんどが、株式会社3WMという自動車の会社の説明になりますけれども、今年は堅調にいってます。売上も、通期の66.4億円の目標に対して(2018年6月期第2四半期で)約36億円ですから、半分以上になっているということです。利益も、それに伴っています。
ですが、やっぱり車(中古車登録台数)は減ると(見ています)。電気自動車になったら、事故もない。なかなか外に出せない(輸出できなくなる)と(考えています)。そのような中で、「新しい商材を、輸入も含めてやろう」ということです。今はまだ(既存の商流で)利益が出ていますので、苦労しながら(新商材・新商流への取組みを)やっています。ほぼ、輸入に関することですけれども。
なかなか本格的なものに当たらないのですが、それでも一生懸命にやっている状況で、2020年6月期で売上6億円にしようと考えています。
③金銀滓(Au、Ag、Pt、Pd、Cu)回収事業の拡大①
それから金銀滓というのは金、銀、プラチナ、パラジウム、銅の混ざったもので、先ほど言った雑品類を粉砕したところに、けっこう金(や銀)が入っていて、それを回収する(事業)ということです。
それから、いわゆる焼却残渣由来ミックスメタル(からの金銀滓回収)、これは私のライフワークとして、今いろいろな自治体を回って、さまざまな提案をさせてもらっていますが、なかなか自治体の場合には時間がかかります。
「3年後にできる焼却炉から(焼却残渣を)出しましょう」とか、そのように時間がかかるのですが、確実に回収量は増えると思っています。
ただ、足元では金(の回収量)74キログラムの目標が、足元では26キログラムしかいっていないので、ここは下回っています。
ただし、銀は713キログラム(の通期目標)に対して352キログラム回収しています。これは仕入がほぼタダと言いますか、備忘価格なので、その意味では売上が(そのまま)粗利になっていくのですが、これで売上が6億円ぐらいです。金も単価が5,000円以上しますし、銅も700円など、そのような世界の中で、単価がいいということが言えます。
併せて、ヨーロッパで同じような事業を行っているところから製品を買って、商品として仕入れて国内の精錬所に繋げるということも、今(当期で)、2コンテナの実績ができました。
また、セメント会社(との実証事業)、これは(2018年)1月に開始の予定でしたけれども、前回「1月稼働」と書いて、今日ここで、「どこと組んで、どこの工場(で稼働)ですよ」と言えればよかったのですが、3月にずれました。
稼働すれば開示させていただきますので、これが成功に終われば「いろいろな工場に展開していきましょう」という話にはなっています。まず結果を見るということです。
これ(金銀滓回収事業)も売上の進捗が53パーセントと、金は回収が少ないですが、ほぼ順調に行っています。
③金銀滓(Au、Ag、Pt、Pd、Cu)回収事業の拡大②
併せてもう1つ、これはすでに作ってあるグループ会社の(設備の)写真です。
実はセメント会社で作ることも、これと同じようなものなのですが、もう1社エコネコルというところに、もう1機これ(精選別ライン)を増設します。
先ほど言った雑品類、焼却残渣類その他の中から金属を回収するための生産能力(の拡大)と、今まではパーツごとで行っていたものを、連続ラインにするということ(での省力化が目的)です。人手がないということもありますので、省力化するという(精選別)ラインを、(2018年)8月稼働ですけれども、今、建設に差し掛かろうとしています。
④ASR再資源化事業
それから、ASR(Automobile Shredder Residue)、自動車由来のごみという意味で、我々の専門用語でございますが、エンビプログループではエコネコル、クロダリサイクル、アビヅの3社が、ASRの再生化事業の認定をいただいております。これ(上期の再資源化量)が(前年同期比で)約7パーセント増えました。
名古屋の製鉄所の炉が(ASRの)再資源化施設だったのですが、そこが(2018年)3月で停止するということで、少し(ASRが)あふれてしまって、それを「我々のグループ会社のところに引き受けてくれませんか」ということでオファーは来ていますので、これ(再資源化量)は順調に増えていくのではないかなと思っております。
⑤RPF・鉄鋼副資材等の製造販売事業の拡大
RPF・鉄鋼副資材ということで、6万3,000トンの目標に対して(第2四半期現在)約3万トン(の進捗)ということで、半分弱なので少しだけ下回っていますけれども、RPFとセメント原燃料は増えています。鉄鋼副資材はやや頭打ちになっていますが、全体の出荷量としては6パーセントぐらい増えている状況にあります。
⑥動産撤去・処理サービス
それから、これも(2017年)8月に開示したいわばフォローということで、同じ項目で説明をさせてもらいます。
動産撤去・処理サービスということで、「もったいないBOX」。これも順調に扱い数量を伸ばしていまして、主に(長野県)松本市と(静岡県)富士宮市で(展開していたので)すが、それが(長野県)安曇野市や(同県)塩尻市など(に地域を拡大し)、各自治体の協力をいただきながら、今進めています。
ただし、これは一般廃棄物なので、非常に展開が遅いと言いましょうか、限度があります。その地域に工場がなければいけないなど(一定の条件があり)、そのような(展開が遅く、広げることに限度がある)部分があります。
また、(「かたづけ隊」については、)「もったいないBOX」まで持ってこれないような、私どもの社内では、語弊があるかもしれませんが「かたづけ弱者」という言い方で、ご年配の方ですとか、車の免許がない方ですとか、あるいは重い物で持っていけない方ですとか、(そのような方に対して)我々が取りに行ってかたづけをさせていただくというサービスで、これは非常に好評をいただいております。
言わば、市役所の代わりのようなことで、ごみを中心に他の住民サービスを1つのサービス化・商品化をして利益に繋げていこうかなと考えています。
ただ、(これらは)地域限定なのです。今は一般廃棄物は全部、市町村単位で許可(制)なんで(許可がない地域では展開できないので)す。
だからバッと(サービスを)広げられないということで、今回初めてですけれども、同業のしかるべき、我々と相性の合う、このようなものに興味があるところと契約をしまして、今1つ(事業を)立ち上げようとしてます。
このようなかたちで、フランチャイズというところまでは行かないのですが、他社ではできないことを、(我々のノウハウを提供し)少しフィーをいただきながら一緒に立ち上げていくということで、これを実現すれば、少し(展開する地域にも)広がりが出てくるかなということで、役所のごみ行政を軽減していくこと(にもつながると)考えています。
これは事業として世の中の役に立ちますし、非常に地味で、売上も大したことはないですけれども、非常に良い評判をいただいています。
また、「就職したい」とか、(同事業を展開している)松本の会社は(人員を)募集するとバッと(応募が)来て、すぐ(就職が)決まってしまうということで、会社の良いイメージ作りにも非常に役に立つということでございます。
⑦弾性舗装材市場拡大への取組み
それから、弾性舗装材。これは東洋ゴムチップ社によるゴムの舗装ということで、これも3年ほど前にM&Aした会社ですけれども、ここも第2四半期は前年に比べて(売上高が)増えています。ここは我々で言う第3四半期、とりわけ2月〜3月で(年間の)ほぼ8割ぐらいの経常利益を計上するんです。
従って、今は非常に繁忙期で、これは平準化の問題はあるのですが、ここも生産能力が追いつかなくて、お仕事をお断りしているということなので、ここは順調に予定どおり利益を上げていけるのではないかなと思っています。
⑧太陽光発電所開発
続いて、太陽光発電の開発案件です。
今年は16.9メガワットを予定する中で、昨年の(粗利)2億9,000万円に比べて1億3,000万円ほど(増収)、4億2,000万円ほどの粗利(見込み)です。
上期に1件だけ、特別高圧案件ということで1億数千万円の計上がありました。
残り(開発中の案件)の大半はまだ下期に残っていますので、これもけっこう行政の遅れが出る場合があるのですが、順調にいって今期中に仕上がれば、安定的な利益を下期に計上できると思っています。
新規事業の進捗
続きまして、新規事業についてでございます。今度は5つです。リチウムイオンバッテリーも含めて説明をさせていただきます。
①障がい者就労移行支援事業
障がい者の就労移行支援事業。これは松本市で成功して、東京の恵比寿に(事業所を)展開しました。ところが、半年で恵比寿を撤退をしました。やはり地方と東京では(状況が異なり)、もちろん、プロの人も入ってもらってはいるのですが、やはり少し我々の元々の見通しが甘かったなということで、大変反省しております。
ただし、(神奈川県)川崎市と埼玉は予定どおり(拠点を)作って、ここはまだ1人、2人と、ポツポツですが(利用者が入っており)、「東京とはぜんぜん当たりが違うな」ということで、ここはなんとかやっていけそうな感じがあります。
(2018年)3月1日にはエコミットあずみ野店の(開所予定ですが)、これは(長野県)松本(で展開している事業所)の延長線上です。松本(の事業所)に障がい者の方がたくさん来ていただいているのですが、もう受けきれなくなってしまったので、隣の安曇野市で(同事業を)行うということです。
このパターンだったら、我々のような半分素人でも順調にいったのですが、最初に東京に出てきたことは、「志は良し」ということですけれども、一発でポーンとノックアウトされてしまいました。
ただ、この事業は引き続き、リサイクルとの相性が合いますし(取り組んでいきます)。
それから「障がい者サテライトワークシステム」と書いてありますけれども、これは(障がい者雇用率を満たしていない)会社で障がい者を雇用しづらいところ(企業)に対して、我々の会社のスペースと商材を提供して、そこで(障がい者の方に)仕事をしていただいて(法定雇用率に)カウントするかたちで(サービスを提供する)新しいモデルを作っていて、これは非常に評判が良いです。
これをもう1つ、埼玉の「アストコラボ」で、その仕掛けをしているということで、今実質動いているのは「ブライト松本」だけですけれども、就職先も含めて、このようなところを自前で用意することも、今まで他の方(他社)が行なっていないという意味での差別化にはなるかなということです。
今日もここ(株式会社アストコ)の社長が富士市で、障がい者雇用に関する講演をして、私も朝、少し見てきましたけれども、その思いは非常に強いものがあり、社会的にも意味のあるということで、フォローしていきたいと思っています。
②木質系バイオマス燃料事業①
それから、木質バイオマスです。
これもけっこう苦労していますが、2020年ぐらいから需給が逆転します。だからもう、来年ぐらいから逆転しはじめるのですが、(当初の見込みでは)需要側が強くて、供給側は(体制が整っておらず)育ってくるということで、みんな供給体制を作りました。
ただ、結局需要側がまだ伴っていないということ(だったの)ですが、これから(需要が強くなるであろう発電所の)計画はいっぱいあるので、我々としては2ヶ所目の(拠点を)、(2018年)6月か7月ぐらいに、(スライドには)「2018年前半」と書いてありますから、もう少し手前になるかもしれませんが、インドネシアのペカンバルというところに1ヶ所作ろうということで、準備をしています。
②木質系バイオマス燃料事業②
次のページです。一応この半期で、ベトナムの木質ペレットを韓国に1万トン売りました。PKSも同じく(1万トン)ベトナムに(売りました)。日本で売れない。日本で売れなくて「さあ、どうしよう」と言ったときに、ベトナムには、日本の食品メーカーに蒸気を供給する会社があるのですが、「自然由来のもので作った蒸気を使いたい」というところがあるんです。そういったところを見つけたということで、約1万トンを販売しました。
下期の目標としては、通期合わせたら8万トンぐらいになるわけですが、この木質ペレットもベトナムから韓国向けのものはもうすでに契約が取れまして、逆に言えば今度は供給側をきちっとしないといけません。ここは自前の供給の会社を持っていませんから、売れたは売れたんですけれども、これから少しずつ供給側と交渉していけば、これはうまくいくと思います。
PKSのマレーシアーベトナム間も1万トン決まっています。それからマレーシアー台湾間も(一度取引をしたら)非常に評判が良かったということで、新たに(販売を)予定しています。日本の国内販売は、1万6,000トンのうちの6,000トンは契約して、あと1万トンはまだ未契約ですが、この状況でいくと10万トンは扱えるかなと(想定しています)。
売上10億円、限界利益3,000万円ですから非常に(利益率は)低いですけれども、最初は安売りも含めて、まずお客さんとの関係性を作るということで、利益はあまり上げずにインフラ作りと言いましょうか、むしろお客さんとの関係作りにお金を使うということでやっています。
③再生プラスチック製造事業
そして、これ(プラ2プラ社)はまだ稼働しておらず、やっと4月から本格稼働しますけれども、プラスチックのリサイクルの会社です。アビヅ、エコネコル、それからマキウラ鋼業、この3社がASRの再資源化工場ですが、車も含めてプラスチック(の再生も行う)。
それに進栄化成さんというプラスチックの専門家を入れて、4月からいよいよスタートするということで、新しい技術と言いましょうか、機械(を入れてスタートします。)今までコンタミ(異物混入)が多いと作れなかったプラスチックペレットが、その機械を使うとできるということです。
今は、この進栄化成さんのところにも、すでにその機械が入って、いろいろな原料で実施しています。これ(プラ2プラでの稼働)は4月からです。これも、雑品・廃プラが中国に(輸入規制で)入らなくなる中で、ここは追い風になっています。
あとは、いい商品を作り、それをいい値段で売却できるかどうかという問題は残っていますけれども、これは順調に進むのではないかなと思います。
④リチウムイオン2次電池リサイクル事業①
続いて、リチウムイオンバッテリーです。ここは全体感ですけれども、今はもう新聞を開けば「コバルトが足りない」「AppleがEVと対抗して、とにかくコバルトの確保にかかる」など、非常に世間を騒がせているので、みなさんもご存じだと思うのですが。
このようなかたちで、(ビジネス機会は)これから増えていく。これは、私がここで説明するまでもないと思います。
④リチウムイオン2次電池リサイクル事業②
それを背景にして、(株式会社VOLTAを)今回作りました。まず今年(2018年)の7月か8月になるかもしれませんけれども、ある一定の工場設備ができます。これは、株式会社エコネコルの工場の中でやります。もともと、選別技術はエコネコルが持っていましたし、各スクラップ屋さん・リサイクル業者・小型家電リサイクル業者など、このようなバッテリーが出るところとは、貿易部があるので、(当社では)全国的な関係性があり(回収網があり)ます。従いまして、そのようなところからの回収もできるということです。
それからもう1つは、国内はもうすでにいろいろやっているところ(企業)もあるということで、海外から輸入するということを考えています。半分くらいを、輸入した原料でやるという計画です。今まで(この事業を)やっている人たちに、もうご迷惑もかけないということも含めて、そのようなかたちでやっていこうとしています。
2019年に国内外集荷体制を大きくして、次の展開をやっていけるような基礎を、ここ1年~2年の間に、きちっと作っていこうということです。
ただしこれは、大手もけっこう参入するんです。だから、今まで(の事業)と競争の相手が違うということです。魅力がある業界であればあるほど、相当の覚悟を決めて、やらないとだめだと思いますが。
もともとそれ(リチウムイオン2次電池リサイクル事業)をやっていた海外の方とのご縁があって、その方に役員で(VOLTAに)入ってもらいました。その人は(業界の)全体感もわかっていますし、世界的ないろいろなつながりがあり、そのような意味では、全体の流れがわかっていますので。
我々だけでは、ちょっと難しかったのですけれど、(事業展開の)可能性がすごく高まってきたと。ただし、「全固体電池」など、電池もころころ変わっていきますので。それでも、きっと10年くらいはできるんだろうなと。その後どういうかたちになるかは(わかりませんが)。従って、あまり大きな投資を、一気にはできないということです。
しかし、後ろのコバルトや金属まで回収できるようなものを作らないと、モノが集まらないので、できれば最後までやっていきたいなと思っています。
④リチウムイオン2次電池リサイクル事業③
次のページに(生産フローが)ありますけれども。
まずは、電池をいわば前処理(手選別・プラスチック除去)して、電気炉で放電・焼成をして、それから粉砕・選別をします。「Black sand」というのは、正極がアルミなのですけれども。これは焼いてしまうと、ほとんどなくなるんですが。
負極のアルミを篩上で取って、篩下のカーボンと正極材についている、いわゆる活物質……ここに、ニッケル・コバルトなど、何種類かあるんですけれど。そのようなものの粉を総称して、「Black sand」と言っています。
そこにコバルト・ニッケルが入るので、当面はそこからコバルトを回収する・国内外に販売するところからスタートしていき、最終的には自社でも、そのラインができるようにしていきます。
ある一定の量を確保できないと投資ができないので、様子を見ながら、これをやっていこうと思います。
今までは鉄くず業でやってきましたけれども、私はこの事業を、将来の最大の柱にしたいと思っています。(VOLTAの)社長は34歳で、(この事業は)非常にチャレンジャブルなことなので、今夜も眠れない時間を過ごしているかもしれませんが。
全社一丸、私自身も思いを込めて……思いを込めるものがいくつもあって困るので、そこはちゃんと集中していますけれども(笑)。
焼却残渣とリチウムイオン電池、この2つが、おそらく大きな戦略商材になるのではないかなと思っています。
⑤デジタルサイネージ事業
次は、デジタルサイネージです。なかなかまだ(事業が)立ち上がっていません。ただ、(商品の保守及び販売で協力体制にある)日立システムズさんとの関係性が、非常に良くなっています。
もう2年くらいかけて、日本に(事業を)持ってくるための許可、日本で流通させるための許認可等(を取る必要が)がありました。商品をまず認めてもらうということと、日立システムズの人たちにその気になってもらうということで、いよいよ勉強会が、今月開催されています。
「勉強会」というのは、要するに日立システムズの営業マンに(商品について)勉強して(いただいて)、それから売ってもらうというところからスタートするので、ちょっと他力本願なところはありますけれども。
これが動き始めれば、おもしろいかなと思います。併せて、先ほどの「かたづけ弱者」に対して、「情報弱者」と言いましょうか。地方でそのような情報を(得るのが難しい方に情報を)提供していくことも、このツールを使ってやれるのではないかなと考えています。
その他 カーボンマネジメント・コンサルティング
あと、これ(CDP)は、財務には大きな影響はないのですが(お話しします)。今、いろいろなプロジェクトをグループ内でやろうとしているのですけれども、グループ内コンサルも含めて(ブライトイノベーションで行っております)。
この「CDP」というのは、イギリスに本体がある、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトです。いわゆるESG投資のためのもので、このCDPのスコアが高いと、非常に評価される(とくにESG投資のなかのEnvironment、環境の部分が評価される)というものです。
ということで、今は日本の会社も、ここの会社(ブライトイノベーション)が「CDPのセミナーをやる」と言うと、わあっと(申し込みが)集まってきます。もう5、6回やっていますけれども、もうすぐ満席になるような状況で、非常にニーズがあります。
そのスコアリングパートナーというのは、みんな大手ばかりなんです。もうみんな非常に、有名なコンサル会社や大手監査法人です。そのような(スコアリングパートナーが)何会社かがあって。ここ(ブライトイノベーション)は、(社員)3人しかいないんですけれど。
非常に評判がいいです。というのは、ガタイは小さい会社ですけれど、プロ中のプロだなと思っています。すでに自動車会社・製薬会社・製鉄会社、それからセメント会社等々から、いろいろな契約をいただいています。
それが、ずっと継続しています。今までの既存の契約をずっと繰り返しているということで、これだけを見ても、評価をいただいているのではないかなと思います。
その他 持分法適用会社「アビヅ」の新たな動き
これ持分法適用会社の株式会社アビヅです。これも昨年(2017年)8月にご紹介したかもしれませんが、NEDOの実証事業で認められました。それで今年(2018年)の2月末で一応FS調査が終わって、そして3月に、ステージゲート委員会というものがあるそうです。
そこで認められると、本格的にプラントがタイで立ち上がります。タイの会社に、我々の仲間の会社がいるんです。日系の、歴史がある会社ですけれども。
そこの工場の中で、そこ(日系の企業)がメインに(になって)マネジメントをしてもらうかたちです。こちら(日本側)からは、(マネジメント)できませんので。技術はこちらから提供して、そしてやるということです。これもできれば、おもしろいなと思います。
タイにどれだけ商材があるかとかいう話になれば(情報を集めていれば)、オーストラリアにある会社が、「じゃあ、うちのものもやってください」と……日系の会社ですけれども(そのように商材が集まってきます)。
きちっとしたリサイクルの仕組みはできていないところから、そのようなオファーがあるというかたちです。この業界は、「機械が商材を呼び寄せる」みたいなジンクスがありまして。ジンクスというか……実際は、そういう法則ですよ。
やっぱり、他にない機械を作ると、自然にモノが集まってきて。我々の商売は、モノを集めるのが仕事なんです。それを加工して売るのは、もともと資源が足りないという前提があったので。
「集めるのが仕事」という意味では、この機械ができれば、何かそういう動きもできるのではないかなと考えています。これは、未知数のところがあります。
連結業績予想
これ(連結業績予想)は、もうこういうことで、数字を変えていませんので、このようなかたちになっているということで(ご覧ください)。
グループ概要
最後にちょっと、会社の概要だけ。株式会社VOLTAが増えて、孫会社まで入れると13社です。10社の子会社と、持分法適用関連会社の2社で、やっています。
拠点
拠点は、このようなかたちでやっています。ちょっと大急ぎで、汗をかきながらで申し訳ありません。お見苦しかったと思いますが、これで説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。