時価総額1兆円を達成して
前澤友作氏:みなさまこんにちは。
我々はこの8月1日をもちまして、ついに時価総額1兆円を達成させていただきました。本当にありがとうございますという、感謝の気持ちでいっぱいです。
約20年前に会社を創業したときに、まさか時価総額1兆円にいくなんて思いもしなかったわけですけれども、こうなった以上、社会的な責任もありますし、いち起業家、いちファウンダーとしての責任もありますので、引き続きみなさまの応援をいただきながら、1兆円と言わず、5兆円、10兆円、もっとそれ以上を目指していけるように頑張ってまいりますので、みなさまよろしくお願いいたします。
私からはまず、10月から導入している「送料自由化」についてのご報告と今後の方針についてご説明させていただきます。
並びに、ずっと「やるぞやるぞ」と言って、時期も内容も曖昧にし続けていたプライベートブランドについても、今日の時点で全容はお話しできないのですけれども、3分の1から半分くらいの内容について、少しお話しさせていただきたいと思っております。引き続きお付き合いください。
送料自由化の結果
まず「送料自由化」ということで、10月1日からお客様に送料を自由に決めていただくという取り組みを始めています。
これをやるに至った経緯は、昨今の物流事情が逼迫していて、各宅配会社さんでもいろいろなチャレンジだったり、トラブルだったり、社会的にいろいろな話が出ている中で、お客様は実際に送料無料をどう考えているのか。
もしくは送料を有料でいただけるのであれば、どれくらいが適正なプライスで、どれくらいが容認ラインなのか。
そのようなところをアンケートで聞いてしまうとあまりリアリティがないので、お客様に実際に(送料を)設定いただくことで、実態を把握しようということで試験的に導入を始めました。
結果としては、期間中の平均値ですけれども、送料0円を選ばれたお客様が全体の43パーセントいらっしゃいました。
つまり、送料有料を選んでくださった方が57パーセントいたということなのですけれども、みなさまの送料を平均すると約96円(税込)になったという結果です。
今後の料金体系
これを受けまして、今後の送料体系についてこちらでいろいろ考えた結果、11月1日から体系についての変更があります。
この体系変更については、すでに会社からプレスリリースというかたちで各メディアさんに配信させていただいておりますので、その重複にはなりますが、ご報告いたします。
シンプルにすることにしました。11月1日より、すべての注文で一律の送料をいただくことにします。金額は200円です。
「送料無料」というのは、キャンペーンワードとして本当にバズってしまいましたし、バズってしまった要因は我々のようなEC事業者にあると思っています。
本当は送料が無料なわけがないのですけれども、送料無料という過度なキャンペーン、宣伝告知で、一部のユーザーさんに「送料は無料が当たり前だよね」という誤認識を与えてしまったという反省もあります。
そこで、我々はこう考えました。送料というのは基本的には有料ですと。
もちろん運んでくださる方がいて、段ボールに包まれてお客様のもとに届きますので、無料で届くわけがないということを改めて社会的に認知いただく、そしてその意識を広げていこうということで、注文金額の大小にかかわらず、すべての注文で送料をいただくことにしました。
ただ、たくさん買ってくださる方や長く使ってくださる方には、別のかたちで何らかののインセンティブがあってもしかるべきだと思っていますので、それはまた別途サービス内で発表していきたいと思います。
ただ、送料については、今後一律でいただくことにさせていただきます。
こちらが与えるコストインパクトについてなのですけれども、契約上、配送運賃が上がったということは、先ほど柳澤から報告があったとおりなのですけれども、そこもなるべく吸収したいという中で、一律200円という設定をしていますので、この(送料の)変更が今期の予算に大きく与える影響はないと考えていただいて構いません。
ですので、期初予算で発表いただいたとおりの運賃コスト割合で落ち着くものと思われます。送料については以上です。
PB(プライベートブランド)について
続いて、焦らし続けたプライベートブランドについて、少しお話をさせていただきます。今日初めてお話しする内容も多々含まれますので、耳をすませて聞いていただければと思います。
まず「我々のやるブランドの名前は何なのでしょう?」というところですが、幸先悪くて申し訳ありません。こちらは発表まで楽しみにお待ちください。
「いつはじまるの?」ということで、こちらもずっと言ってなかったのですけれども、ついに発表できることになりました。
まず国内の開始時期は年内です。年内ということは2017年中にはじめる。つまり3Q中のどこかで必ずはじめたいと思っております。
そして、こちらも初めて言うのですけれども、当然海外でも売っていくわけです。海外の準備も実はもうしております。具体的にいうと、アメリカとドイツからスタートさせます。
このスタート時期は来春。つまり2018年3月か4月頃の春を予定しています。当然アメリカ・ドイツだけに限らず、それ以外の国も順次広げていくわけですけれども、今、絶賛準備中ということで、楽しみにしていただきたいと思っています。
アメリカ・ドイツについては、もう具体的に現地に法人を設立して、現地のスタッフを雇用して、着々と準備を進めております。アメリカは、ロサンゼルスのベニスビーチ界隈です。
実は僕、高校卒業後すぐにロサンゼルスのサンタモニカベニスビーチあたりにいたのですけれども、その18歳頃にいたあたりにオフィスを設けまして、アメリカ法人をスタートしております。
ドイツはベルリンです。昨今、ベルリンはテクノロジー系の企業が集積していて、非常に世界的にも注目される「ネクストシリコンバレー」などと言われていますけれども、その波に乗ってドイツのベルリンに会社をつくっています。
PBはどんなブランドになる?
続いて「どんなブランドになるのでしょうか?」。こちらも初めての話が多いのですけれども、まず販売するアイテムはZOZOTOWNのみで販売します。
どこかのショップに卸したり、自前でリアル店舗をやったり、ショールームを仕掛けたりということは一切ないです。ZOZOTOWNのみで粛々とやる予定です。
展開するアイテムは、書いてあるとおり、ベーシックアイテムです。ベーシックアイテムと言っても、超ベーシックアイテムです。誰もが1枚や2枚、1本や2本持っているであろう、あんなアイテムやこんなアイテムをやっていくということです。
「品質や価格はどうなの?」ということですけれども、少し曖昧な表現で申し訳ありませんが、最高品質をなるべくバリュープライスで提供するということで、世界的な水準で見ても、世界で戦っていける品質ならびにプライシングになる予定です。曖昧で申し訳ございません。
「今までのブランドとどこが違うの?」というところが、今日の一番のキーポイントになると思います。こちらも曖昧に書いてますけれども、科学やテクノロジーの力を使い、実現したいことがあります。
それは究極のフィット感です。洋服はどのようなものがカッコよく見えるかというと、サイズが合って、フィットしているものがやはりシルエット的にも綺麗に見えるので、カッコいいい服。それはつまりフィットしている服だし、シルエットの素晴らしいものになると思います。そのようなことを、科学やテクノロジーの力で実現していきたいと。
以前に僕がTwitter等で「IoTを使って新しいことをする」と言っていたのですけれども、そのIoTを使うというのも、こちらの「科学やテクノロジーを使って」というところの一部に含まれます。ですので、この科学やテクノロジーの中に、当然IoTの技術が利用されると想像いただいて構いません。
大丈夫ですか? ワクワクしていただければと思います。
他ブランドと競合しない?
続いて、ZOZOTOWNも6,000ブランドぐらいあり、たくさんのお取引をさせていただいてますけれども、そのようなブランドさんの商品と競合しないのかと前々からよく聞かれてますけれども、極力競合しないようにしたいと思います。とくにデザインの面だったり、価格の面で、まずは競合しないことを心掛けます。
それからよくある質問で、「ZOZOTOWNはもう10年以上やっいて、たくさんのブランド売っていて、どんなものが、どんな時期に、どんな人に買われるかよく知っていますよね?」「それをそのままコピーして、少し安く売ればたくさん売れるのではないですか?」といろんな方に聞かれるのですけれども、そんなことはするわけがありません。
仮にブランドの売上が減って、自分たちの(PBの)売上が上がったとしても、総量が変わらなければ取扱高の規模は拡大しないですし、ファッション業界に何の貢献も寄与もしないので、ブランドさんのコピーを売るような卑劣なマネは一切いたしません。ここ(スライド)に書いてあるとおり、「売れているものをそのままコピーして売るようなことはしません」ということです。
今までのファッション業界にない商品だったり、考え方だったり、フィット感を提供することによって、ファッション業界に革命を起こしたいとずっと言っていますから、それをそのままできるようにがんばっていくつもりです。ですので、当面は(ZOZOTOWNの)6,000ブランドのみなさまの商品とは競合しないように心掛けながらやっていくということです。
事業規模は?
それでどのぐらい気合入っているのか、どのぐらいの事業規模で展開するのかという話なのですけれども、当然こういうことです。
ZOZOTOWNに次ぐ、第二の収益の柱を目指してやります。しかも、数年内に現在のZOZOTOWNの事業規模を超えるスケールでいろいろやりたいと思っていますので、注目いただければと思います。
アナリストのみなさんも多いので、そんなに気合入っていて、今期の予算にどのような影響があるのというところなのですけれども、今期中の予算には基本的に影響はありません。
柳澤からいくつかあったとおり、コスト面ならびに投資面で、いくばくかの費用が第2四半期中に発生しておりますけれども、これによって今期の期初に開示した予算に対する大きな影響はありませんので、ざっくりというと、基本的に影響はないということです。
(資金を)何に使っているのかというところで、気になる方も多くいらっしゃると思いますので、簡単にご説明します。
まずは投資キャッシュ・フローのところで11億円程度発生していますけれども、大きくプライベートブランド(PB)用に使ったのはこのような感じです。
まず1点目、約9億円を使っていますけれども、先ほどからのご説明にあるとおり、究極のフィット感を実現することが我々のPBの差別化ポイントなわけですけれども、そこである機械設備を使います。
おそらくこの機械は、ファッションブランドは今まで1回も使ったことのない機械です。機械屋さんも「ファッションブランドが買いに来たことはない」と言っていましたし、おそらく世の中のアパレルが使ったことのない機械を我々が世界初で使って、フィット感を実現することになると思います。機械のメーカーや内容は今日の時点ではお話しできません。
続いて、先ほどの話にあったとおり、アメリカとドイツにそれぞれ法人をつくりましたので、資本金約2億円ということで、(設備投資)合わせて11億円使わせていただいております。
さらに業務委託費で実費としてすでに10億円が発生しておりますが、このような感じで使っております。
究極のフィット感を実現するための研究開発費に約5億円。さらに来春から海外(展開を)スタートすると言いましたが、海外ではZOZOTOWNと言っても誰も知りませんから、ブランディングだったりマーケティングの努力にすでに着手しておりまして、そちらに約5億円の投資を行っております。
今日、PBについて私からお話しできるのは以上です。ご満足いただけたでしょうか。半分から3分の1ぐらいのお話はできたのかなと思っていまして、年内(開始)ということなので、まもなく始まる我々のプライベートブランドにどうかご期待ください。
私からの話は以上とさせていただきます。ありがとうございます。