ミッション

橋本舜氏(以下、橋本):みなさま、本日はお集まりいただきまして誠にありがとうございます。ベースフード株式会社代表取締役CEOの橋本舜です。2026年2月期第1四半期決算についてご報告します。

当社のミッションは「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」です。「主食にバランスよく栄養素が含まれていれば、だれもが健康でいられる。かんたんで、おいしくて、からだにいい、すべてを叶える未来の主食を創り広める。」を推進していきます。

Executive Summary

第1部として2026年2月期第1四半期の実績についてご説明します。まず、エグゼクティブサマリーとして全体像をご説明します。

売上高は39.4億円となり、前年同期比でプラス7.7パーセントでした。計画どおり自社ECが全体の売上成長を牽引し、通期計画に対する進捗率はおおむね想定どおりに着地しました。

内訳として、自社ECは26.2億円で、前年同期比プラス14.3パーセントとなりました。新商品の販促による新規顧客獲得の増加と、過去最低水準を維持した解約率が相乗効果を発揮し、堅調な売上高の成長を実現しました。

卸は10.0億円で、前年同期比マイナス7.1パーセントとなりました。コンビニチャネルが苦戦し、全体の売上高を押し下げたものの、スーパーマーケットをはじめとする新規チャネルの拡大は着実に進行しており、今後の成長が期待されています。

他社ECは2.4億円で、前年同期比プラス10.2パーセントとなりました。新規カテゴリである「BASE YAKISOBA」シリーズの販売が好調に推移しました。

海外売上高は0.5億円で、前年同期比マイナス3.1パーセントとなりました。認知拡大を目的に、香港での卸展開に注力した結果、チャネル間の単価差により売上高は一時的に減少しました。ただし、販売袋数は前年同期比で増加しており、顧客基盤は着実に拡大しています。

営業利益はマイナス0.7億円となりました。計画どおり第1四半期に広告投資を強化した結果、赤字で着地しましたが、損失額は大幅に改善しました。このため、営業利益率はマイナス2パーセントとなりましたが、前年同期比でプラス9.9ポイントと大幅に改善しました。

決算ハイライト

決算ハイライトをご説明します。売上高は、新商品の販促を強化した自社ECが成長を牽引し、おおむね想定どおりに着地しました。営業利益は、計画どおり第1四半期に広告投資を強化した結果、赤字となりましたが、継続的な売上総利益率の改善と固定費削減が寄与し、損失額は前年同期比で大幅に改善しています。

売上総利益は2026年2月期第1四半期において22.3億円、売上総利益率は56.6パーセントとなりました。これらは前年同期比でプラス16.3パーセント、プラス4.2ポイントの改善となっています。

広告宣伝費は10.5億円、広告宣伝費比率は26.7パーセントとなりました。前年同期比では、広告宣伝費がプラス5.2パーセントとなった一方、広告宣伝費比率はマイナス0.6ポイントとなっています。

営業利益はマイナス0.7億円、営業利益率はマイナス2パーセントとなりました。前年同期比ではプラス3.6億円、プラス9.9ポイントの大幅改善となっています。

売上高ハイライト

売上高ハイライトについてご説明します。新商品の販促を強化した自社ECが前年同期比プラス14.3パーセントと堅調に成長し、全体の売上高成長を牽引しています。また、通期計画に対する進捗率もおおむね想定どおりに着地しています。

チャネル別売上高(自社EC)

チャネル別売上高のうち、自社ECについてご説明します。新規カテゴリ「BASE YAKISOBA」シリーズの販促を強化するとともに、新規ユーザーの獲得数を増やしながら、継続利用を目的としたプランを新設し、解約率の上昇を抑えました。

結果としてLTVも上昇し、売上高は前年同期比プラス14.3パーセントと堅調な成長を実現しました。定期購入者数は23.2万人に達し、LTVは引き続き上昇しています。解約率についても、スライド右上のグラフのとおり、過去最低を更新し続けています。また、顧客単価も引き続き上昇しており、クオリティが継続的に改善していると考えています。

チャネル別売上高(卸)

チャネル別売上高のうち、卸についてご説明します。主力のコンビニチャネルが苦戦する一方で、スーパーなどの新規チャネルは順調に拡大しました。コンビニエンスストアには季節限定商品を投入して新規ユーザーの増加を図り、スーパーには最適化した専用商品を導入して、さらなる成長を目指して進めていきます。

展開店舗数は5万113店舗で、微減となっています。ただし、自社ECの新規ユーザーのうち、過去に小売店で購入経験がある割合は約49パーセントとなっており、認知および自社ECへの流入導線として重要な戦略的役割を担っています。

拡大余地についてです。コンビニエンスストアは日本国内に5万5,810店舗ありますが、配荷率は76.3パーセント、前年同期比でマイナス5.1ポイントとなっています。一方、ドラッグストアは2万2,621店舗中25.3パーセントの配荷率で、前年同期比プラス6.3ポイントとなっています。また、スーパーは2万3,028店舗中8.6パーセントの配荷率で、前年同期比プラス4.8ポイントとなっています。

店舗あたりの月間売上高はやや減少傾向にあります。全体として、コンビニ大手3社に一気に導入していただいた際には大きなモメンタムが生まれましたが、その後は自然と緩やかに減少していく局面にあります。この状況で重要なことは、広告や販促キャンペーン、さらには新商品投入などの施策を進めることで減少を遅らせ、また新たなピークを作っていくことです。こうした取り組みを一定の時間をかけて計画・実行し、しっかりとした成果を出していきたいと考えています。

一方、ドラッグストアやスーパーについては、まだ導入の余地があると考えています。また、コンビニエンスストア、ドラッグストア、スーパーではユーザーの属性が異なるため、それぞれに最適化された商品を展開することで、店舗あたりの月間売上高を改善する余地はあると考えています。

海外事業売上高

海外事業の売上高についてご説明します。当面はリソースをアジア圏に集中する方針を明確にしました。アメリカやシンガポールでの事業はいったん中止し、シナジーのあるアジア圏、特に東アジアでの販売を強化しています。韓国でも事業を開始した他、香港では現地「セブン‐イレブン」での導入店舗数が約300店舗に拡大し、順調に推移しています。

四半期ごとの販売袋数は、17.3万袋と大きく伸びています。

顧客のプロファイルとしては、働き盛りの年代層を中心に人気があり、30代と40代の方が多いです。男女比はほぼ半々で、男性がやや多い傾向にあり、日本のプロファイルに近いと考えています。また、購入意欲が高くユーザー数も多い層をターゲットにできており、「BASE FOOD」と親和性が高い層にフィットしていると考えています。

香港に関しては拡大フェーズにあります。現地のコンビニエンスストアで圧倒的シェアを持つ「セブン‐イレブン」での導入店舗数は300店舗に拡大しました。また、アジア圏へのリソース集中により、自社ECサイトのUX改善を中心とするシステム開発を強化しています。これにより顧客体験を向上させ、定期購入者の増加を目指しています。

中国については準備フェーズにあります。前回の決算発表でもご説明しましたが、現地の大手食品企業とレベニューシェア方式での製造・販売の業務提携に関する基本合意書を締結済みです。このプロジェクトは今期中の販売開始を目指しています。

台湾は検証フェーズにあり、自社ECサイトのシステム開発を強化しています。また、運用基盤を強化し、獲得効率の検証を進めています。

韓国も検証フェーズにあります。2025年3月から他社ECでの販売を開始し、初期テストは順調に完了しました。7月から新たに自社ECを開設し、本格的な検証を進めています。

利益ハイライト

利益のハイライトについてご説明します。売上総利益率は56.6パーセントで、前年同期比でプラス4.2ポイントとなりました。「BASE YAKISOBA」シリーズ発売に伴う商品構成の変化により前四半期比で微減しましたが、第2四半期以降に原価削減施策を予定しており、利益率の改善を見込んでいます。

営業利益率はマイナス2.0パーセントで、前年同期比プラス9.9ポイントと大幅に改善しています。引き続き売上総利益率の改善と固定費削減を進めた結果、前年同期と同規模の広告投資の下でも損失額を大幅に縮小しています。

販管費の推移

販管費の推移についてです。計画どおり第1四半期に広告投資を強化した一方で、広告費等を除く販管費比率の合計は前年同期比・前四半期比のいずれも改善しており、基礎的な収益構造が着実に改善しています。

まず、販管費の内訳推移についてご説明します。スライド左下のグラフをご覧ください。計画どおり需要期に広告投資を強化した結果、広告宣伝費や販売促進費は前年同期と比べて増加しているものの、ほぼ同水準を維持していると考えています。

人件費については採用停止を進めた結果、これに伴う関連費用が減少しています。具体的には、上場前後にタレントを多数採用してきましたが、現在はすでに必要なタレントは採用済みだと認識しています。

また、昨今のAIの急速な発展を受けて、将来的に1人あたりの生産性が大幅に上昇すると見込み、採用を停止しています。ただし、特別に優秀な方に関しては採用する方針であり、柔軟な対応をしていきたいと考えています。また、基本的に人件費率は今後も改善傾向にあると予想しています。

次に、販管費対売上高比率の推移についてご説明します。販売手数料については、自社ECのチャネル構成比が増加した結果、決済手数料が発生し、やや増加しました。ただし、決済手数料の変更を予定しており、これによる改善を見込んでいます。

また、荷造運賃費について、「BASE YAKISOBA」は「BASE BREAD」と比べると、出荷作業の効率がやや悪い状況です。ただし、対応策を講じる他、ファンダメンタルとして出荷作業をさらなる自動化により効率化し、出荷作業費を削減する方向性が確立されつつあります。これにより、今後の改善が見込まれます。

新商品及び商品リニューアルの実績

新商品および商品リニューアルの実績についてご説明します。まず、新商品については2種類を販売しました。「BASE BREAD」シリーズでは、「ミニ食パン・オレンジ」を新発売しました。こちらは非常においしく、「BASE BREAD」シリーズの中で最もユーザー評価が高い商品となっています。夏のパン需要はやや減少する傾向がありますが、爽やかで食べやすい商品だと考えています。

次に、「BASE YAKISOBA」シリーズの「塩焼きそば」についてご説明します。「BASE YAKISOBA 塩焼きそば」を新発売したことで、「BASE YAKISOBA」シリーズ全体の全社売上高に占める割合は、1桁前半台から約10パーセントへと成長しました。計画比でも上振れて推移しており、今後はマス広告やタレント採用を通じて商品の認知拡大を目指します。

「BASE YAKISOBA」はリニューアルによりさらにおいしくなり、中でも「塩焼きそば」味は、一般的な塩焼きそばと比べても遜色のないおいしさです。苦みや雑味がなく、パンチや満足感も兼ね備えたおいしさを実現しています。

健康に良いものが、そうではないものと比較しても同等以上においしいという世界を目指して取り組み、その成果が「BASE YAKISOBA」シリーズの1つの商品に表れています。この商品を広げていくだけでなく、当社の未来を見据えたマーケティング活動を展開していきたいと考えています。

新商品及び商品リニューアルの実績

商品のリニューアル予定についてです。商品バリエーションの拡充も重要ですが、最も大切なことは商品の基盤を向上させることだと当社では考えています。

例えば、パンの生地が良ければ新商品もおいしくなり、すべての商品がおいしくなるため、当社ではパンや麺であっても、小麦ベースの栄養バランスが良い原材料の組成に変更していきます。その生地を改善することで、全体のクオリティ向上を目指しています。また、当社が重視しているのは、コストを抑えながらおいしさを向上させることであり、この実現のためにテクノロジーを活用しています。

当社の中で「BASE BREAD チョコレート」は最も売れている商品であり、「BASE BREAD」の「ミルク」や「メープル」「シナモン」も当社の売上の柱となっています。この柱となる商品のおいしさを改善しました。

まず、「おいしさ評価」についてですが、チョコレートに関しては10点中0.4点増加しています。10点満点は世の中には存在しないレベルであり、達成が非常に困難な高さを示しています。そのため、1点の増加は劇的においしくなるレベルといえます。0.4点の増加も、かなり大きな改善幅だとご理解いただければと思います。

また、購入意向に関してお客さまにお聞きしたところ、従来よりも7ポイント、つまり7パーセント程度改善しています。そのため、当社の基盤的な実力向上につながることを期待しています。例えば、小売店さまでの導入においてもプラスに働くと考えています。

なお、今回のリニューアルは原価削減も同時に実現しているため、売上総利益率も着実に改善する予定です。

バランスシート

バランスシートについてご説明します。第1四半期の営業損失計上に伴い純資産は微減していますが、自己資本比率は23.8パーセントと健全な水準を維持しています。また、資産・負債に大きな変動はなく、財務基盤は安定的に推移しています。

今後の成⻑の基本方針

第2部として2026年2月期の業績見通しについてご説明します。まず、繰り返しになりますが、中期的な今後の成長の基本方針についてあらためてご説明します。

従来の戦略的投資によって培ったR&Dノウハウ、人材、ブランドなどの資産やプロダクトのクオリティを高めることで、利益率を緩やかに改善しつつ、売上成長率をプラス10パーセントから30パーセントに向上させることを目指します。

これを「クオリティ・グロース」と呼ぶこともあります。営業利益が赤字で急成長していた時期もありましたが、前期に黒字化を達成しました。今後は、黒字を維持しながら利益率の改善を進めるとともに、売上成長率をプラス10パーセントから30パーセントに引き上げ、指数関数的な成長を続けることを目標としています。

2026年度2月期 通期業績予想

今期はその初年度にあたります。業績予想はスライドに示しているとおりで、期初からの変更はありません。売上高は前年通期比プラス14.2パーセントの174.1億円、売上総利益は前年通期比プラス19.1パーセントの99.7億円、売上総利益率は57.3パーセントで前年通期比プラス2.3ポイントです。営業利益は前年通期比プラス41.8パーセントの1.9億円、営業利益率は1.1パーセントで前年通期比プラス0.2ポイントとなっています。

2026年度2月期 業績見通し

業績見通しについてです。売上高の第1四半期進捗率は22.7パーセントで、おおむね計画どおりとなっています。今後の商品リリースに合わせて、引き続き自社ECを中心に投資を強化する予定です。また、卸については、トライアル層の獲得を目的とした戦略的商品を第3四半期以降に発売し、成長を目指します。この戦略的商品は、先ほどチャネル別売上高における卸の説明で触れた内容と同様です。

売上総利益率の進捗率は22.4パーセントで、こちらもおおむね計画どおりです。商品構成比の調整や継続的な原価削減施策により、期末に向けて利益率の改善を見込んでいます。

営業利益については、第1四半期はマイナスとなりました。しかし、例年どおり第1四半期に広告投資を強化する流れの中でも赤字幅は想定以上に小さく、計画を上回る水準です。このため、第2四半期に広告投資を再度強化する予定であり、第3四半期、第4四半期についても前年と比較して強化が可能だと考えています。

その他の固定費には大きな変動はないため、先ほど述べたとおり順調に改善しています。また、売上高の増加に伴い、費用比率も改善する見込みです。

売上高の四半期推移イメージ

当社の特殊性によりわかりにくい部分について補足説明します。2026年2月期の売上高予想として前年通期比プラス14パーセントを計画していますが、第1四半期は前年同期比プラス7パーセントでした。そのため、業績予想は大丈夫なのかというご心配があるかと思いますので、ご説明します。

前期は、下期の広告投資を抑制したことで後半の成長が鈍化しました。しかし今期は、前期から継続的に実施している固定費削減により、広告投資の余力を確保しています。そのため、下期に控えている複数の強力な新商品を成長ドライバーとして、しっかりとマーケティング予算を投入することが可能です。これにより通期計画の達成を見込んでおり、現状計画どおりに進捗しています。

営業利益の四半期推移イメージ

営業利益についてです。第1四半期は赤字でしたが、通期では黒字を計画しています。例年どおり第1四半期は赤字となり、そこから黒字化する流れですが、今期は第1四半期の赤字幅が特に小さかった点が特徴です。こちらについても説明します。

例年どおり需要期と重なる第1四半期に広告投資を強化しましたが、計画どおり第2四半期以降は黒字化を見込んでいます。その中で、第1四半期の営業損失が想定以上に縮小したことを受け、第2四半期以降も商品リリースに合わせて広告投資をさらに強化し、年間の成長を加速させていきます。

以降のスライドは毎回同じですので省略し、説明を終了します。ありがとうございます。

質疑応答:「BASE YAKISOBA」導入の課題と成長戦略について

司会者:「『BASE YAKISOBA』の販売に注力されていると見受けられますが、特にコンビニエンスストアなどの一部小売店では『BASE BREAD』ほど見かける機会が多くない印象です。『BASE BREAD』と比較して、導入における課題などはあるのでしょうか?」というご質問です。

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