広告宣伝やプロモーションの効果
前澤友作氏(以下、前澤):すみません、今日はとくに私のほうからはお話がないので、このあとそのまま質疑応答に移らせていただきたいと思います。みなさん、今日はお忙しいなかお集まりいただきましてありがとうございます。質問なんですけれども、いろいろメディアで騒がれていることだったりとか、ちょっと答えづらいところもあって、みなさんのご期待する回答ができるかどうか。一生懸命やりますが、ほどほどにご質問ください(笑)。よろしくお願いします。
会社は無事20年を迎えまして、今期20期目ということで、今期もがんばってまいりますので、引き続きよろしくお願いします。じゃあさっそくご質問のほど、お願いします。
質問者1:SMBC日興証券のカナモリと申します。ちょっと多いんですけれども、4点お願いできればというふうに思います。まず1点目なんですけれども、広告宣伝およびプロモーション費用、本フォースクォーターに増やされたと思うんですけれども、実際その効果としてどのような手ごたえを感じられてるのかというのを、テレビコマーシャルと、新規ユーザー向けのポイントプロモーションと、分けて教えていただければというふうに思います。
2点目、ブランドクーポンに関してなんですけれども、アパレルさんが今もかなり積極的になっているのか、それとも少しスタンスが変わってるのかという点を教えていただければと思います。
私自身、小売企業を見ていまして、各社さんけっこう今までは積極的に使っていたと思うんですけれども、コスト意識というあたりも考えるようになっているような印象がありまして、少しこのクーポンへのスタンス変わってないかというところを、御社のお客さんであり、取引先であるアパレル屋さんのスタンスが変わってないかというところを教えていただければと思います。
3点目なんですけれども、同じようにアパレル企業の話を聞いてますと、イーコマース強化という話がかなり出てきています。あと在庫連携であるとか、そういった話もかなり出てきています。なので、それらの動きに合わせて、御社にどういう影響が出ているのか、機会ロスがかなり減るようなかたちで、在庫をかなり置いてもらえるようになっているのかというあたりを、前回も聞かせていただいたんですけれども、アップデートとして教えていただければと思います。
最後に4点目なんですけれども、全体の流れとして動画という動きがあると思うんですけれども、御社のこのファッションECに限ってみると、この動画というのはどういうふうに取り組むであるとか、どういうポテンシャルがあるのかというあたりを教えていただければと思います。よろしくお願いします。
前澤:ご質問ありがとうございます。まず1点目の3月のPRについてなんですが、先ほど柳澤から説明させてもらった通り、新規会員向けにポイントをお配りして、どうか登録して使ってみませんかというものと、みなさんもご覧になっていただいてるでしょうテレビCM。この2本立てでやらせてもらいましたけれども、最初のポイントキャンペーンはもちろん新規顧客獲得に効果がありました。
テレビCMは、ツケ払いという便利な支払い方法が増えましたよっていう訴求内容で、約1ヶ月間にわたって2つのクリエイティブで流させていただいたんですけれども、結果ツケ払いの認知度も上がりましたし、全体に占める利用率も上がりました。そういった意味では、2つのキャンペーンとも効果それなりにあったのかなと思います。
そのときに獲得した顧客や、そのときに知っていただいたツケ払いの認知というのが、この4月以降足元にもいい影響を及ぼしてるなという感覚を得てますので、よいプロモーションだったんではないかと考えます。
続いてクーポンについてなんですけれども、クーポンというのはけっこう前から実は決まるんですね。ブランドさんにとってみると、そのときに在庫を多く集める、そのためにそれこそ生産の調整をしていただく。そういうことで、せいぜい半年前くらいには、だいたいクーポン発行ブランドや、そのときの金額や、在庫の予算なんかが決まってくるわけですけれども、今期も前期同様に、非常にみなさん積極的にクーポン、ブランドさんやってくださる予定になってます。
なかにはもう今まで以上の何倍ものスケールでやりたいと、直々におっしゃってくださるブランドさんも増えています。ですので、我々から見たブランドさんのクーポンに対する姿勢というのは、極めてポジティブで積極的だと思っています。
続いて3つ目ですけれども、アパレルさん各社がECを強化されてるというふうにお話ありましたけれども、本当にうれしい限りで、より積極的にZOZOTOWNにも参加いただくブランドさんが増えてますし、在庫も回していただけるようになってますので、昔ほど在庫ないないといった状態に苦しむこともなくなってきたのかなと。それにつれ、成長率もまたみなさんに恥ずかしくない範囲で、お披露目できるレベルにまた復活してきてますので、このまま加速していきたいと思ってます。
続いて4点目の動画についてなんですけれども、こっそりサイト内でテストもしたりしてるんですけれども、今のところ積極的に動画を全開でみなさんに見ていただこうというポジティブな姿勢はもっておりません。引き続き検討はしたり、テストはしたり、継続していきたいと思います。以上でよろしいでしょうか。
質問者1:ありがとうございます。
プライベートブランドは「すごいことになる」
質問者2:三菱UFJモルガンスタンレー証券のサクライと申します。1点だけなんですけども、決算説明会のご説明にはなかったんですけど、決算短信のほうにプライベートブランドのところをコストだけ折り込んでますと文章書いてあると思うので、今回どのくらいプライベートブランドのコスト折り込まれてるのか教えていただければと思います。よろしくお願いします。
常井康寛氏(以下、常井):ご質問ありがとうございます。プライベートブランドのコストについてなんですが、現在見込める本当に一部のところだけを入れている状況ですので、今後の進捗を見てしっかりみなさまにご説明できるタイミングでまた改めてお話しさせていただきたいと思っています。ちょっとまだあんまり言えるところが少なくてすみません。ありがとうございました。
質問者3:ドイツ証券のカサハヤです。いつもどうもありがとうございます。3点お願いします。1点サクライさんの質問の続きで、PBの進捗っていうのは今どうなっているのかというところを教えてくださいっていうのが1点目でございます。
2点目なんですが、フリマを結果的にやめることになりましたと。その御社にとってのフリマビジネスってなんだったんだろうっていうところについてちょっと改めて総括いただいた上で、かなり足元が伸びているユーズドのビジネスの将来性についても合わせてコメントいただければというのが2つ目でございます。
3点目、昨今言われています物流費の件なんですが、私の理解ですと前澤さんは従来から受益者負担というところにかなりフォーカスされてる印象を受けてます。
その御社の取り組みがどうのってことはこれからなんだと思うんですが、eコマースにおけるラストワンマイルの配送費っていうのは、前澤さんはどういうふうに負担していくべきだっていうふうに、個人的なご意見でもいいので、思っていらっしゃるのかというところ。会社の決定というところではなくて、どういうふうなお気持ちをお持ちになられてるのかというところを教えてくださいっていうのが3点目です。
最後4点目なんですが、去年から海外の事業へのマイノリティ投資をされていると思います。ちょっと改めて、御社の海外事業の考え方、今後どうしていきたいとかいうところがあれば教えてくださいというのが4点目です。以上よろしくお願いします。
前澤:ご質問ありがとうございます。まずPBの進捗ですが、進んでます。もう僕はこればっかりやってまして、だいぶ自分自身楽しみながら進めております。思わずこの場でも言ってしまいそうで怖いんですけれども。本当にすごいことになると思いますのでご期待ください。「進んでいる」ということしか言えません。
ただ前期から、「前期中に」なんて言ってしまって申し訳なかったんですけれども、今期はもう、絶対にやりますから。がんばります。
フリマ、残念ながら終わってしまいましたけれども、今日の柳澤からの報告があった通り、ユーズド事業は非常に順調です。もう100億も超えて今期の予算は180億ってことで40パーまた伸ばしていこうということで順調です。
一方、フリマは思ったほど伸びずにやめることになったわけですけれども、このフリマで天下取ろうって感じでやったつもりは最初からなくて、そもそもユーズドから派生した、お客様にとっての選択肢を広げるっていう視点で展開していた関係で、そこまで大きな期待も当然なかったですし、大きな投資もしていなかったので、ひっそり終わることになりましたけれども。
その選択肢がなくなった分、ユーズドにさらに注力していくことになると思いますので、フリマ分は今後のユーズドに期待していただくということでユーズドの今度の進捗にご期待ください。
続いて3点目の物流についてなんですけども、個人的な見解を述べるのは非常に危険だということは重々私も過去の経験上勉強しておりますので(笑)、この場でのコメントは差し控えたいと思います。
ただ、ヤマト運輸さんとは非常にいい関係で今もやらせていただいてますし、今回の件で親身に相談に乗ってもいただいてますし、我々も親身な姿勢でヤマトさんの事情をなるべく理解するようにお話は続けております。そのぐらいで(笑)。
4点目の海外投資なんですけども、いくつか海外の会社にM&Aっていうか、出資をさせていただいたりもしてます。あとは「WEAR」の事業を通じて各国の状況だったりを調査研究並びに少し進出するというかたちでやらせてもらってますけれども。今のところ今期、大きく数字上で注意いただくようなところもないですし、まだ様子を探っているっているのが状況です。
ただPBがもしうまくいったらなんか国内だけじゃなくて海外もなんて話もしたいなって思ってますので、それも含めて今検討しております。そんな答えでよろしいでしょうか。追加でもしご質問あれば。
質問者3:3点目をもう少し突っ込んで欲しかったなって
前澤:物流ですか(笑)
質問者3:そうですね。
前澤:いやいや、もうね。昔、僕、佐川急便さんの倉庫で働いてたことがあるってぐらいで勘弁してもらっていいですか(笑)。高校生の頃バイトしたことがあります(笑)。
質問者3:あとすいません追加で。今回、今期物流センターの件「ZOZOBASE」の件がコストと書いてあるんですが、これの進捗というところにつきまして、常井さんか柳澤さんからでけっこうなので、よろしくお願いいたします。
常井康寛(以下、常井):物流センターのところなんですが、今期の下期あたりを目途に少しスペースを広げようかなと思っています。ただ、具体的にこの時期にこの場所でっていうのは決まっていないので、それについてはもう少しお待ちください。
質問者3:ありがとうございました。
成長のステージ
質問者4::メリルリンチのアオキと申します。よろしくお願いいたします。すごい今さらっていう感じの質問になるかもしれないんですけど、取扱高が2,000億を超えてきて、さらに今プロモーションをかけて新しいお客さんを入れてきているということで、既存の1人あたりの売上が上がっていますから、とくに心配をしているわけではないんですけれども。
今入ってきているお客さんの属性といいますか、従来例えばアーリーアダプターみたいな人たちが入ってきていて、ちょっと違うタイプのお客さんも今入ってきているのかな、っていう感じがするんですけども。
御社の成長のステージといいますか、今どのぐらいのステージにあって、まだこれからまだまだ伸びるぞっていう感じを持っていらっしゃるのか、それとも今入ってきている人たちもかなりマスのところに入ってきていて。例えば会員数は増えるかもしれないけれども、単価としてはやっぱりあんまり見込めないのかとか、そのあたりの御社の成長のステージについてコメントいただければと思います。よろしくお願いします。
前澤:ご質問ありがとうございます。もう3,000ブランドさんを超える規模になってきていますので、もうニッチではないかなと思っています。
ただ、うれしいことに10年以上前から使ってくださっている顧客様たちも相変わらず使ってくださっている傾向が見られます。あと、そういうお客様に限って、我々会社だったりサービスに何かあると、まず最初に「いいことやってくれたね」「おもしろいことやるね」っていうような、本当に絶大なファンというか支援者になってくださっていて、心強く感じています。
一方、ブランドさんが増えるイコール顧客のみなさまの層もだんだん広がっていくわけですけれども、十分もうマスな領域にいるんじゃないかなと思っています。
もう登録規模では1,000万人の会員を超えていますので、このあとそれを2,000万人3,000万人と増やしていけるサービスになればいいなと一生懸命頑張っております。
質問者4:最初の革新者というか、かなり技術的なITに関してリテラシーの高い人のつかみの時代がもう終わって、けっこうマスな人たちに火がついているっていうことだと、考え方によってはまだ成長が加速するっていう考え方もできるかもしれませんよね。このあたりの見通しについてはいかがなんでしょう。
前澤:先ほどもありましたけど、アパレル各社さんがECをさらに強化するぞっていう時代にもなってきていますので、もう間違いなく追い風ですし。洋服をネットで買うという10年前には信じられなかった行為が、もうほぼほぼ当たり前になりつつある状況ですので、非常に我々にとってはフォローの風が吹いているということだと思います。
質問者4:ありがとうございます。
ツケ払いは継続サービスとしてやっていく
質問者5:すいません、野村證券のショウダでございますが、1点だけテクニカルな質問を教えていただきたいと思います。取扱高比の営業利益率のよさなんですけども、前年比で0.5パーセント下がるということで、一方プロモーションの取扱高が0.8上がるとさっきおっしゃった気がしたんですけど、この差の0.3は改善ということだと思うんですが、これがどの辺からくるのかっていうことと。
さっきの質問、お答えなかったんですけど、配送のところなんですけど、どういう折り込み方を、上下上下というか、で見ていらっしゃるのか教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
常井:ご質問ありがとうございます。まず、その差額のところなんですけど、そこについては基本的には取扱高拡大によるスケールメリットのところでコスト負担が軽くなっていると。プロモーションのところであったり、物流センターのところは一部拡張していますけれど、十分吸収できるだけの規模で成長しているところですね。
配送コストのところなんですが、こちらについてはちょっとまだ具体的なお話ができる状況ではないので、なので予算上の取り扱いっていうのも具体的に落とし込めているわけではないです。
質問者5:ありがとうございました。
質問者6:すいません、立花証券のクリハラと申します。答えられないのもあるということだったんですけど、ツケ払いについてですけど、3Qと4Qで実際に取扱いとしてはどれぐらいの量があったのかというところと、決済リスクについてはGMOさんが負っているということだと思うんですけれども。
いろいろとデフォルトリスクみたいなところを報じられていますので、実際2ヶ月経ったけど入金がないとか、そういう事態は実態としてあるのかっていうところと、潜在的なデフォルト率みたいな、もし試算されているものがあれば教えていただきたいんですけども。以上です。
前澤:ご質問ありがとうございます。ツケ払いの利用率についてはお答えできません。それから、支払われていないものがどれくらいあるかっていうことは、こちらでは正直把握はできておりません。
ただ、GMOさん、ペイメントさんとの関係は長いですし、お互いで共同でやっているサービスですので、もしいろいろな不測の事態が発生するようであれば、お互いに話し合って解決していくということになろうかと思いますが。今のところ建設的な取引をさせていただいていますし、今のところ危惧するようなことは起こっておりません。
質問者6:今のところ、これを様子見で縮小するとか、そういうことはする必要なくて、従来通り伸ばしていくっていうふうに見てよさそうですか。
前澤:はい、このまま継続サービスとしてやっていきたいと思っています。
質問者6:わかりました。どうもありがとうございます。
新店効果、ツケ払い、PR効果のインパクトの大きさ
質問者7:JPモルガン証券のムラタと申します。よろしくお願いいたします。補足的に2点追加でお願いしたいんですけれども、先ほど物流センターについて質疑あったと思うんですけれども、ちょっと追加で確認で。
下期に拡張っていうお話だったんですけれども、これは既存のやつを下期にキャパを拡張するっていうことで、とくにやり方を変えるとかそういうことはなくて、しかも投資とか費用っていうのはそれほど大きくないと考えてよろしいでしょうか。差し支えない範囲でそのあたり補足いただければというのが1点目です。
それから、2点目が商品取扱高についてちょっと確認なんですけれども。従来御社のご説明のなかであまり施策をしないで、全体でいくとファッションECが伸びているということで、だいたい15パーぐらい伸びて、でいろんな施策でプラスアルファというようなお話されていたんですけども。今そのような状況が18年3月期も継続という、そういう認識でよろしいでしょうか。
そして、あとプラスアルファの部分で、施策の効果として新規ブランド、ツケ払い、それからプロモーションっていう説明をされていたと思うんですけれども。第4四半期でだいたいそれがどのくらいあって、あと18年3月期ですね、どのくらいのイメージで見られているのか、イメージだけでけっこうなんですけども、取扱高の伸びの背景について補足いただければと思います。以上2点、よろしくお願いいたします。
柳澤孝旨氏(以下、柳澤):ご質問ありがとうございます。1点目の物流センターに関しては、これはまさにキャパシティのみですので、大きな設備投資は特にない、基本的には賃料がちょっと上がるというイメージになっております。2つ目は常井の方から。
常井:2点目のところなんですが、自然成長率っていうところでいくと、この進行期、2018年3月期についてもそこまで大きな変化はないかなと思っております。ここに追加で新しい施策をすることで、事業計画の成長率を達成できるようにやっていきたいと思っています。
3点目の取扱高拡大効果の内訳なんですが、ちょっと具体的な数字をお伝えはできなくて、ただ、インパクトの大きさとしてはご説明させていただいた順番でして、1つ目が新店効果、2つ目がツケ払い、3つ目にPR効果という順番にはなっております。
質問者7:今の影響度の順番は第4四半期の実績っていうことで……。
常井:そうです、はい。
質問者7:あと、18年3月期のイメージっていうのはなにか、もしございましたらお願いできますか。施策の効果の見通しという意味で。
常井:取扱高の伸び率の内訳までは開示していないので、ちょっとそちらについてはこのタイミングではコメントは控えさせてください。
質問者7:はい。わかりました、ありがとうございます。
常井:ありがとうございます。
司会:それでは、以上をもちまして株式会社スタートトゥディ決算説明会を終了いたします。本日はお忙しいなかご出席いただきまして、誠にありがとうございました。