暴落に負けない技術を身につけよう

中原良太氏:みなさん、こんにちは。株式予報の中原良太です。今、日経平均が大きく下がっています(2016年1月22日時点)。

みなさん、いろいろな株を買っているかと思うんですけれども、まあだいたいの方が今の相場だと勝てないんじゃないかなと思います。

ごく一部の私の知り合いの方は、その中でも安定的な利益を出しているんですが、今、とても難しい相場です。

それで、今回はどんなテーマをお話しするのかというと、「暴落に負けない技術」ということで、今の相場を乗り切る方法をご紹介できればと思っています。じゃあさっそく、講義に入っていきます。

今回の講義の目的

今回の講義の目的は、リーマン・ショックのような暴落があっても、破産せず、安全に投資するために必要なスキルというのを理解していただきたいと思います。

そのために、みなさんに今回お話しするのが、まず初めに、「破産しない方法は何なのか?」というところをお話ししたいと思います。

その次に、複利運用のワナ。こちらは今回のテーマにとても密接に関わっていることになりますので、併せてご紹介していきます。

その次が、実際に大暴落の相場を乗り切っていくためのヒントですね。ここには「答え」と書いてありますが、こちらには私なりの考えをご紹介していきたいと思います。

次に、2つの実例です。実際にこのノウハウを使って、どのようにすれば暴落を乗り切れるのかといった点をお話しできればと思っています。

最後に、このノウハウを実際に使いこなして得られるメリットをご紹介したいと思います。だいたい2つか3つぐらいかな?ということで、今日もよろしくお願いいたします。

破産しない方法とは?

じゃあさっそく、一番初めに「破産しない方法」というテーマでお話をしていきます。

まず、破産しないために、みなさん何をすればいいかと考えてみた時に、おそらく株をうまく選べばいいんじゃないかということを思いつくと思うんですね。

ただ実際、今の相場のような状況になってしまうと、おそらく相場全体で4,000銘柄ぐらいあるなかで、上がってる銘柄は50銘柄だけ、負ける確率が99パーセントみたいな。ほとんど何を選んでも勝てないということに陥るんですね。

ですので、大損しない方法として、株の選び方を徹底すればいいんじゃないかというのは、間違いだと言えます。

同じように、どんなに注文を工夫したとしても、例えば……指値注文を使いましょうとか、ものすごく株価がグングングングン下がった時にだけ株を買いましょうとか、こういった工夫をされる方もいらっしゃるんですけども、これでも危険を排除することはできません。

同じように、投資のタイミング、これは注文方法と非常に似通っているんですけれども、注文のタイミングを厳密に見極めたところで、結局、リーマン・ショックのようなことがいずれ起こりますし、持ってる銘柄が被害を被るのは、どうしても避けられないんですよね。

ということで、売買のタイミングを見極めるというのも、非常に重要なんですけれども、これだけではどうしてもリスクを排除しきれないと言えます。

同じように、よくたくさんの方は、「知識があれば大丈夫」とか言うんですけれども、まず今回の大暴落を予想していた人がどこにいるかと。まあ大抵の人は無理なんですよね。

どんなに勉強しても、それこそ毎日毎日新聞を読んで、投資関連の書籍を読んでも、おそらく9割5分とかそれぐらいの方は、今回の大暴落は予想だにしていなかったんじゃないかと思います。

そういった意味で、知識を得ればリスクは避けられるというのは、大きな間違いで、どれだけ情報を仕入れたところで、避けられないものは避けられないと考えられます。

最後に、「自分がお金をたくさん持ってればいいんだ」と。例えば、「1億円持っている人だったら大丈夫だった」「2億円持ってれば大丈夫だった」と言う方もいらっしゃるんですが、こちらも大きな間違いです。

1億円を持ってる人だったら、むしろ今すごくやられてるんじゃないかな。この半月ぐらいで何百万も損したとか、数千万を損してしまったという方も、少なくないんじゃないかなと思います。

ということで、今からお話しする内容というのは、この5つのポイントとはまったく関係のないものなんですね。

なかなか想像するのは難しいと思うんですけれども、これから、この暴落でも負けないための技術を順を追ってご紹介していこうと思います。

初心者が陥る「複利運用のワナ」

具体的なお話に入る前に、「複利運用のワナ」というのも、非常に重要なテーマですので、こちらも併せてご紹介したいと思います。

アベノミクス相場で運用してきた方で、資産を2倍とか3倍に増やされた方って、けっこうたくさんいると思うんですね。

そういう方は、いわゆる上昇相場しか経験したことがないので、「株って儲かるじゃん」みたいな、ものすごいポジティブなイメージしか持ってない方がたくさんいると思うんですよ。

ただ、それで運用資金をガツガツ増やしていくというのは、けっこう大きな過ちというか、すごい危ないことをしてるんですね。

この利益が出た時に、運用資金を増やすということを複利運用と言いますが、この複利運用のワナをまずご紹介していきます。

株式投資が下手くそな人というのは、絶対に複利運用をやっちゃダメです。なんでかというと、もちろん利益を出そうと……まあ出そうと思えばというよりは、出る時にはとことん出るんですね。

複利運用すれば、リターンも2倍、3倍みたいな感じで増やすことができるんですけれども、同じようにリスクの量も増えていきます。

ですので、がんばって利益を積みましてきて、運用資金も積みましてきましたと。それで今回のような暴落が起こった時に、せっかく出した利益を全部飲まれちゃうということにもつながりかねないんですね。

まあ、リスクを大きくしてしまって、せっかくコツコツコツコツ貯めてきた利益が、1週間、2週間で全部吹き飛ばされちゃうことがあるので、複利運用する時には、最大限の注意をする必要があります。

「今になってから遅い」と言う方もいるかもしれませんが、1つの勉強代だと思って、「そういうのは危険なんだ」と認識していただけるといいかと思います。

それで、先ほどもお話ししたように、銘柄選びとか、注文方法とか、投資のタイミングとか、あとは自分の頭の中になる勉強量や知識量、あとは自分が保有してる資金の量が厳密であったり、正確であったり、たくさん持ってればいいとか、そういうものじゃないんですね。

注意一秒、怪我一生

ということで、暴落に負けない技術は、こちらだけではどうしても不十分になってしまうと。なら、答えは何なんだろうかと、私なりの答えがこちらです。

中原:「リスク管理」。なぜ、このリスク管理を挙げたかというと、先ほども複利運用のワナというテーマでお話をしましたが、どんなに成功しても、少し無茶してしまえば簡単に大怪我するのがこの相場の世界なんですね。

よくことわざにもありますが、「注意一秒、ケガ一生」と。たった1秒間の注意を怠っただけで、人生丸ごとの大怪我を負ってしまうことがあるんですね。

簡単な例を挙げると、目をつぶって階段を降りましょうとか。明らかに危ないじゃないですか。階段を1歩でも踏み外せば大怪我します。下手したら死にます。

ただ、その死んじゃうとか大怪我するというその原因は、たった1秒とか2秒の注意不足が原因なんですね。それこそ目をつぶるとかいう些細なことが原因なんです。

それだけ危機管理、リスク管理というのが、非常に大切なものになってくるんですね。とくに相場においては、自分が必死に貯めてきたお金を、すごく危険なところに投入するということになりますから、このリスク管理は徹底しなければいけない領域になってきます。

実際にこのリスク管理を徹底することによって、100パーセント安全ということはありません。

もちろん損することだってありますし、利益が出せなくなっちゃう時期も、もちろん出てきます。ですが、できるかぎり安全に取引できるようになってきます。

極端な例を言うと、FXとかやってる方だと、自分のお金を持っている以上の金額、自分が100万持ってるとしたら、例えば2,000万円分ぐらいの、自分が持ってる以上のお金を投資することができるんですね。

そういうことをやってると、大失敗をした時には借金を負っちゃうという、人生が破滅的なまでに悪化するということもありうるんですね。

ですので、このリスク管理をとにかく徹底して、自分が安心して過ごせるように準備をしておかなければならないと考えられます。