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株式会社タナベコンサルティンググループ(9644)

東証プライム

サービス業

INDEX

若松孝彦氏(以下、若松):みなさま、こんにちは。タナベコンサルティンググループ(以下、TCG)代表取締役社長の若松孝彦です。本日は、お忙しい中ご視聴いただきまして、誠にありがとうございます。短い時間ですが、当社グループについてのご理解をより深めていただけると幸いです。どうぞよろしくお願いします。

本日は、会社概要から株主還元まで、インデックスに沿ってお話を進めていきます。最後のAppendixには資料を掲載していますので、ご参考にしていただければと思います。それでは、さっそく会社概要からお話しします。

タナベコンサルティンググループ概要

若松:当社は現在、経営コンサルティング領域の多角化を進めており、事業の拡大を図っています。ホールディングス&グループ8社体制で経営しており、TCGが東証プライム市場に上場しています。一番規模の大きな事業会社はタナベコンサルティングです。

スライドに示しているとおり、当社は「ストラテジー&ドメイン」「デジタル・DX」「HR」「ファイナンス・M&A」「ブランド&PR」という5つの経営コンサルティング領域を有しており、当社の売上高構成となっています。

また、現時点で6社のグループ会社を保有しています。リーディング・ソリューションはデジタルマーケティングの会社で、グローウィン・パートナーズは会計やERPの実装およびクロスボーダーM&Aを手掛けています。ジェイスリーはブランディングの会社、カーツメディアワークスはPRの会社です。

Surpassは女性が中心の会社で、セールスマーケティング支援を行っています。ピースマインドはコーポレートウェルビーイングを専門とし、臨床心理士などで組織された会社です。

創業の原点・経営理念

若松:当社がこのような構成に至った原点についてです。1957年に創業した会社で、日本の経営コンサルティングのパイオニアと呼ばれています。来年には創業70周年を迎えます。

創業当時はコンサルティングという言葉が存在しなかったため、コンサルタントを「ビジネスドクター」と呼んでいました。創業者には、自身が勤めていた会社が倒産したという原体験があり、その経験から「企業を救わなければならない」「潰してはいけない」という思いを込め、「ビジネスドクター」と名づけました。

「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念を掲げてスタートし、これが私たちの原点となっています。

パーパス(貢献価値)&バリュー(私たちの価値観)

若松:現在は、「その決断を、愛でささえる、世界を変える」というパーパスを掲げ、広く社会に貢献する会社でありたいという思いで経営しています。

コンサルティング業界について/TCGの対応領域

若松:原点をご理解いただいた上で、事業概要(競争優位性)についてお話しします。コンサルティング業界はなかなかわかりづらい業界ですが、大きく分けて3つの切り口、あるいは分類があると考えています。

まず、顧客企業の売上高規模です。当社はスライドに記載のとおり、中堅企業を中心とした大企業から中規模企業への支援を強みとしています。

次に、業種や機能です。当社はいわゆる総合型で、戦略や経営に強みを持っています。一方で、デジタルのみ、会計のみを支援する、あるいはヘルスケアや建設業界など業種や機能に特化したコンサルティングファームもあります。

最後に、支援領域です。当社は総合型であり、上流工程から下流工程まで一気通貫で支援できる体制を整えています。それ以外のタイプについてはスライドに記載のとおりです。

このように、当社の特徴は、中堅企業を中心に大企業から中規模企業を強みとしていること、総合型であること、さらに総合型の力で上流から下流まで一気通貫で関与できることです。

ターゲットセグメント①

若松:ターゲットについてです。スライド右側の図は、顧客の売上高規模を縦軸に、支援領域を横軸に示しています。上にいくほど顧客の売上高規模が大きくなり、下にいくほど小さくなります。また、支援領域は左が上流、右が下流となっています。

当社グループは、スライド左側の図に示しているとおり、大企業から中規模企業層、売上高でいうと1兆円以下から30億円以上の領域をターゲットとしています。現在日本には約360万社以上の企業がありますが、そのうちの5万社をTCGのターゲットとして絞り込んでいます。

この5万社に対し、戦略策定から実装まで一気通貫で支援することが、私たちの独自のポジションです。当社が作成した右側のポジショニングマップにはライバル企業もプロットしていますが、当社グループは独特なポジションで経営コンサルティングを展開していると考えています。

ターゲットセグメント②

若松:当社グループの売上高を分析すると、約83パーセントが重点ターゲットである中堅企業層によるものです。また、グループ全体で支援している上場企業数は1,350社にのぼります。

さらに、中堅企業を強みとしていることから、北海道から沖縄まで、地域や業界でNo.1の優良企業を顧客として多数有しています。そのため、地域創生にも貢献していると自負しています。このような構成で事業を展開しています。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):質問を挟みながらうかがっていきます。会社の概要についていろいろお話ししていただきました。このスライドで、顧客の約8割が中堅企業というお話があり、大企業をターゲットの中心にするのではなく、地域や業界で活躍している中堅企業を中心にサポートしています。

中堅企業が成長することが日本経済にとって重要であるという話もありますが、なぜ中堅企業を主なターゲットにしているのか、また御社の役割について今一度教えてください。

若松:経済産業省が具体的なデータとして示していますが、過去10年間で国内・海外の売上高、設備投資、人材育成投資において、中堅企業が群を抜いて成長しています。ご存じのとおり、中小企業や零細企業は後継者不足が深刻で、60パーセントが後継者不足というデータが出されるほど、存続や再編が課題となっています。

一方、中堅企業は地域No.1を誇る企業が多く、優良企業が各地に存在しています。東京や大阪などの都市圏はもちろんですが、地域の中堅企業を支援し成長させることにより、経済発展につながり、雇用の創出を促進し、非常に高い社会的貢献価値があると考えています。

当社は50年以上前から中堅企業を定義し、コンサルティング活動を継続してきました。その実績を基に、この分野をさらに磨いていきたいと考えています。

競争優位性(唯一無二の経営コンサルティングモデル)

若松:スライドに、当社グループの競争優位性を3つ挙げています。1つ目は「トップマネジメントアプローチ」であり、当社グループの顧客は社長、つまりトップマネジメント(経営者層)であることが特徴です。

2つ目は「チームコンサルティング」です。先ほどご紹介したコンサルティング領域専門のメンバーでチームを組成しています。

3つ目は「一気通貫の支援モデル」です。トップマネジメント(経営者層)が抱える課題に対する戦略を現場で実装し、成果を上げていきます。

「トップマネジメントアプローチ」「チームコンサルティング」「一気通貫の支援モデル」を我々は「3つの流儀」と呼んでいます。唯一無二の経営コンサルティングモデルとして強化しています。

1 トップマネジメントアプローチ

若松:少し詳しくご紹介します。トップマネジメントアプローチとは、トップマネジメント(経営者層)が抱える経営課題を全方位から解決するということです。先ほどご紹介したコンサルティング領域がセグメントとなります。

社長は常に5つの要素を念頭に置いて経営を行っています。この5つが組み合わさることで初めて、経営や戦略を語ることが可能になります。

病院に例えると診療科目に相当します。診療科目のデザインにより、患者さまはどの病院に行くかを決定すると思います。これが揃っていることが、トップマネジメントアプローチと呼ばれる由縁です。

2 チームコンサルティング(業種特性・戦略課題・地域特性に応じた支援)

若松:チームコンサルティングについてです。5つのセグメントを中心に、業種特性に加え、地域特性として北海道から沖縄、さらには海外も含めて拠点を持つことで、各メンバーを組み合わせ、チームとしてコンサルティングを展開できます。

3 一気通貫の支援モデル

若松:一気通貫の支援モデルについてです。それぞれのセグメントの上流工程から中流工程、下流工程のコンサルティングメソッドを持っています。それらを提供することで顧客企業が成果を上げていくところまで支援するのが、一気通貫のモデルです。結果的に、非常に高い継続率を実現しています。

1・3・5の成長戦略メソッド

若松:継続率を長く維持できる要因として、「1・3・5の成長戦略メソッド」があります。スライドに示しているように、売上高が100億円、300億円、500億円、つまり「1・3・5」と成長する過程では、それぞれ壁が存在します。

10億円から始まり、30億円、50億円、100億円、300億円、500億円、1,000億円、3,000億円、5,000億円、1兆円と成長していきますが、その過程に壁があるということです。

例えば、50億円では事業モデルの壁、100億円では組織経営の壁、300億円では事業領域の壁、500億円ではNo.1事業を構築できるかどうかの壁があります。それぞれの課題に対し、支援のメソッドを私たちは有しています。

スライド下部に記載しているように、中堅企業は複雑な課題を解決するための経営者層が十分に育成されていないという現実があります。加えて、規模の拡大に伴い初めて経験することも多く、「何をしていいのかわからない」という経営者の方も多いです。さらに、経営資源がすべて揃っておらず、限定的である場合も少なくありません。

こうした課題に対し当社グループが支援を行うことで、「1・3・5」の壁を乗り越え、成長モデルを構築していきます。これが私たちの考え方です。この内容について、スライド右下に掲載しているとおり、先般『中堅企業白書』という書籍を発刊しました。書籍を通じて、広く中堅企業の経営者のみなさまに向けて発信しています。

業界No.1メーカーA社への長期支援事例(長期の契約継続)

若松:業界No.1メーカーのある会社における20年間の長期支援事例です。スライドの図は、縦軸がコンサルティング領域、横軸が時間軸、中央にコンサルティングテーマを示しています。

最初に中期経営計画を策定し、「このような会社にしよう」という会社のビジョンを共有した上で課題を洗い出し、すべてを診療科目で解決していくことで、20年間に亘り支援を継続しています。実際にこの会社は私も関わりましたが、売上高90億円だったところ、現在は860億円となり、上場を果たすまでに至っています。

高い契約継続率(LTV)

若松:先ほど「高い契約継続率を実現している」とご紹介しました。当社グループはこれをLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)と呼んでいます。1年以上の契約が約75パーセント、5年以上が約45パーセントで、さらに20年契約、30年契約、40年契約なども数多くの実績があります。

これは、当社グループが69年前に経営コンサルティング業としてスタートし、これまで日本経済の中で取り組んできたことの1つの証であり、非常に大事にしているKPIです。70パーセント以上の高い契約継続率を実現しています。

競争優位性が生み出す参入障壁

若松:競争優位性が生み出す参入障壁についてです。

長期の契約実績もあり、「顧客以上に顧客を知る」は私たちのポリシーとなっています。経営の主治医として、顧客企業と広く深い関係性を構築することが可能です。もちろんその背景には、先ほどの「1・3・5の成長戦略」でご覧いただいたように、当社のメソッドやビジネスドクターとしての力量、技術力をさらに向上させていくことが不可欠です。

一方で、顧客企業では、当社グループによる支援が習慣化し、体質化することで、新たに当社の役割を果たせるコンサルタントを見つけるのは容易ではないという事実があります。仮に契約を他社に変更したとしても、新しいコンサルタントはイチからその企業を理解する必要があるわけです。

私は過去に4代の社長を支援してきた経験があり、先ほど例に挙げた会社もその1つです。「顧客以上に顧客を知る」というポジションを当社グループが担うことで、顧客に大きなメリットを感じていただき、結果として長期的なお付き合いが増えていると考えています。

坂本:契約継続率が70パーセント以上で、5年以上継続している企業が45パーセントというのは、非常に高い数字だと思います。

一方で、例えば大手のコンサルティングファームやITベンダーなど、大企業を含めて主要顧客とする企業が御社の競合になり得る可能性もあり、中堅企業へのアプローチも進めてくるかと思います。その中で、御社の強みや競り負けない理由について教えてください。

若松:おっしゃるとおり、システム系などのライバル企業では、DXが一巡し、AIの登場により現在大きな変化が起きていると思います。一方で、当社はトップマネジメントアプローチにより社長との信頼関係を基盤に戦略を構築しています。これが非常に優位性の高い点であり、地域密着で活動している点も2つ目として挙げられます。

坂本:以前もお話しいただいたように、特殊性があるということですね。「この地域はこのような商習慣がある」ということを熟知されていることも大きいですね。

若松:さらに、その中の業界や業種においては、独創性や個性がいっそう強くなります。そして、3つ目として挙げられるのが実装力です。地域に根ざして活動し、チームコンサルティングを行っていることに加え、診療科目が多岐に亘るため、経営課題を複合的に捉え、最後まで成果を上げていきます。

これは単にパッケージソフトやシステムを導入するのとは意味が異なります。広い視点で見ると坂本さまがおっしゃったとおりですが、現場では当社グループの優位性が非常に高いと感じています。

坂本:確かに、システムを導入する際には商流や商習慣に合わせてある程度チューニングする必要がありますし、御社は一気通貫で取り組んでいるため、「ここだけお願いします」といったことはなかなか厳しい面があるのではないでしょうか?

若松:そのとおりです。また、中堅企業の場合、人材が潤沢に揃っているわけではありません。

坂本:担当者が少ないような状況ですね。

若松:おっしゃるとおりです。実は、DXの実装1つとっても、現場の感覚が非常に重要で、これが固有の課題解決へとつながります。言葉は少し違うかもしれませんが、手間がかかります。そのため、大手企業とは基本的に合いません。

坂本:高コストというか、従来のやり方では難しいということですね。

若松:いろいろなやり方がありますし、顧客から見ても、まったくかゆいところに手が届かないことがあります。

坂本:不満が溜まっていきますね。今日の資料にあるかもしれませんが、御社は支店がかなり多く、地域に密着した体制が整っています。

若松:北海道をはじめ、主要地域に10ヶ所拠点があります。また、営業所ではなく、コンサルタントが常勤しています。

坂本:しっかりとコンサルティングができる方がいるのですね。

若松:そのため、当社のコンサルタントは地域への愛着が強いです。

坂本:転勤などはあまり多くはないのでしょうか?

若松:あるといえばありますが、本質的には地域密着を優先しており、郷土愛が非常に強いコンサルタントが多いです。

決算概要(前年同期比)

若松:第1四半期の業績についてお話しします。第1四半期は、売上高および各段階利益が増収増益となり、過去最高の売上高・営業利益を記録しました。売上高は38億4,400万円、営業利益は2億8,500万円、経常利益は2億9,200万円です。前年同期比では、すべて2桁成長を達成しています。

営業利益増減要因分析(前年同期比)

若松:前年同期比における営業利益の増減要因分析です。増収となったことにより、売上総利益が約3億円増加しました。人的資本への投資やシステム投資を吸収し、営業利益も18.9パーセントの増益となっています。

坂本:業績は非常に好調で、売上高は前年同期比16.5パーセント増、営業利益は前年同期比18.9パーセント増となっています。この結果は過去最高であり、通期業績予想と比較しても非常に良好な進捗状況だと思います。

御社は継続性の高い業種かと思っていますが、通期での上振れ要因や下期のペースなどについて、お話しいただける範囲でかまいませんので、季節性も含めてご説明いただけると、視聴者のイメージが湧きやすいと思います。

若松:ご指摘のとおり、季節的な要因もあり、また決算のタイミングは顧客企業ごとに異なります。また、当社グループも人的投資やシステム投資を行う必要があるため、上期および通期については投資しつつ、公表している数字を着実に達成していくという方針ですので、ご理解いただければ幸いです。

経営コンサルティング領域別売上高分析

若松:経営コンサルティング領域別売上高分析です。ストラテジー&ドメインからブランド&PRまで、前年同期比でほぼ2桁成長を遂げています。

売上高構成比を見ると、どれか1つの領域に偏ることなく、バランス良くそれぞれが成長を遂げています。これは、先ほどお話ししたようにチームコンサルティングなど、チームで連携している結果だとご理解いただければと思います。

主要KPI(チームコンサルティング指標)

若松:当社は、チームコンサルティングを主要KPIとして設定しています。スライドに、過去5年間の推移を示しています。売上高、件数、社数ともに、月次契約による安定した売上高で過去最高を記録していることがおわかりいただけると思います。

従業員数の推移

若松:人員については、今期の期末目標を890名としており、現在は866名と順調に推移しています。長期的には1,250名を目指しており、業界における実務経験者のキャリア採用を重視するとともに、新卒採用も強化しています。

また、スライド右側に示しているとおり、当社は非常に多様なコンサルタントを受け入れる構えが整っています。多彩なビジネスドクターを採用でき、人員は順調に増加しています。

決算見通し

若松:今期の決算見通しです。売上高は172億円、営業利益は19億円、営業利益率は11パーセント、経常利益は19億円で、前期比はスライドに示しているとおりです。戦略的な投資を行いながら、売上高・営業利益ともに過去最高を更新する計画で経営を進めています。

経営環境認識

若松:今期から新たに中期経営計画を策定しましたので、その内容をご紹介します。まず、先ほどお話があった、中堅企業が経営環境上で非常に重要であることをスライドで示しています。

スライド左下に記載しているとおり、政府も日本経済や地域経済を支えていくのは中堅企業と考えており、そこにどう投資するかについて、経済産業省がしっかりとKPIを設定しています。

また、スライド右上では、過去10年間で中堅企業の売上高や投資環境が著しく伸びていることを示しています。そして、当社は約50,000社をターゲットとして定め、ターゲットである中堅企業層に対してTCGの経営コンサルティングを提供することで、日本経済および地域経済の発展に貢献していきたいと考えています。

経営環境については、ご視聴いただいているみなさまも十分にご理解されていると思います。その環境の中で中堅企業の重要性がますます高まっている状況です。

成長ビジョンコンセプト

若松:成長ビジョンコンセプトとして、「50,000社の中堅企業層を“世界のFirst Call Companyへ”」を掲げています。「First Call Company」は、私たちが10年以上に亘り提唱してきたオリジナルのメッセージです。

「100年先も一番に選ばれる会社となる」というのが顧客と共有する価値観であり、今回のビジョンのコンセプトには「世界の」という言葉を加え、唯一無二のグローバル経営コンサルティンググループを目指しています。

坂本:中堅企業が約50,000社あり、トップシェアを目指す中で、地域密着ということで地域金融機関や行政とも関係があると思います。これらとの関係やサポートについて、またターゲットである中堅企業の顧客獲得における足元のスピード感について教えてください。

若松:現在、地域の金融機関は、地方銀行、第2地方銀行、信用金庫などを含め約300の金融機関と提携しています。

坂本:ほぼ主要なところと提携しているのですね。

若松:地域に密着した長いお付き合いの中で、企業の支援を行っています。また、先ほどご質問にあったように、日本経済の低成長が長く続いているという背景もあり、中堅企業を顧客としたいと望む会社が多い状況です。例えば、メガバンクや証券会社などもそうです。

当社グループは全国にネットワークがありますので、そうした金融機関と連携し、中堅企業が大企業へとさらに成長していけるよう取り組みを加速しており、非常に良いかたちで増えてきていると感じています。

ビジョンサマリー(数値計画)

若松:50,000社の中で圧倒的なポジションを目指していきたいと考えています。5年後のビジョンとして、売上高は250億円、営業利益は30億円、営業利益率は12パーセント、ROEは15パーセント、時価総額は500億円、連結総還元性向は100パーセントを目安とすることを目標に掲げています。

売上高・利益計画(全体)

若松:このスライドは、売上高と利益の計画をグラフとして展開したもので、右側には売上高250億円時の構成を示しています。

オーガニックな事業成長で約225億円、さらに20億円から30億円をM&A戦略の推進により上乗せすることで、最終的に売上高250億円を達成する計画です。また、来年は当社の70周年となり、大きな節目となります。

坂本:2031年3月期に売上高250億円、営業利益30億円という目標を掲げられています。現状では、既存の5領域が順調に成長し、大きな偏りなく推移しているように見受けられます。

今後は、目標とする営業利益率12パーセントを達成するために、売上の増加だけでなく、利益率の向上にも力を入れる必要があると思います。この目標を達成するための中期経営計画におけるコア領域があれば教えてください。

若松:トップマネジメントアプローチを標榜しているため、まずはストラテジー&ドメインの戦略領域が非常に重要なコアとなると考えています。また、近年「人的資本」という言葉が頻繁に使われるようになっており、HR領域も非常に期待できる分野です。

さらに、中堅企業が最近よく掲げる「100億宣言」のように、売上高100億円を超えることが通過点だとすると、300億円、500億円といったさらなる成長を目指す上では、中堅企業のM&Aは欠かせない要素です。

特にTCGは顧客型M&Aとお伝えしていますが、当社グループが中堅企業の顧客の中核に関与しているため、それを中心としたM&Aが今後増えていくのではないかと考えています。

一方で、実際の現場感覚としては、中小企業同士が仲介によって統合するM&Aは今後減少し、非常に難しくなっていくと感じています。中堅企業を中心としたM&Aがこれから大きく発展していくと考えており、当社はその中核として活躍していきたいと考えています。

ビジョンサマリー(売上高成長イメージ)

若松:売上高成長イメージを図式化したスライドです。先ほどお伝えした5つの領域を成長させると同時に、新たな領域を付け加えていきたいと考えています。さらに、グループ会社を増やし、先ほどご説明したとおり人員数は1,250名を目標としています。海外比率も結果的に増やしながら、成長を実現していきたいと考えています。

5つの成長モデル(サマリー)

若松:当社で「5つの成長モデル」と呼んでいる内容をサマリーとしてまとめています。まず、「経営コンサルティング領域の多角化」については、5領域から8領域へと拡大していきます。また、グループ会社は6社から10社へと増やしていく予定です。

次に、「Consulting & BPaaSモデル」についてです。常駐型もしくは半常駐型の実行支援モデルをさらに強化していきたいと考えています。そして、「マーケティング&セールスの強化」を通じて、LTVの向上を目指します。

「チームおよびリーダー人材の拡大」については、パートナー人材を150名に増やすことを掲げています。プロフェッショナル人材は当社の成長に不可欠であり、現在の100名から150名へと増員を進める計画です。

「人的資本経営の推進」においては、採用、育成、定着&活躍、報酬について、コーポレートウェルビーイングの強化で実現していきます。その一例として、現在当社の総人員数は1,000名を超えており、男女比率は50対50です。経営コンサルティングファームでこの男女比率を実現しているのは日本では当社のみだと考えています。

このように、多様な課題を解決できる体制を構築していることが、当社のコーポレートウェルビーイングの1つの表れといえるかもしれません。

Actus Consulting Group, Inc.のグループイン(2026年8月19日開示)

若松:8月19日に開示したとおり、Actus Consulting Group, Inc.(以下、Actus社)を仲間に加えました。この会社は米国の5都市に拠点を展開しており、ニューヨークで事業を開始してからすでに約25年が経過しています。日系企業を中心に1,000社以上の支援実績がある経営コンサルティングファームです。

特に人材支援やHR領域を得意としており、現在は米国進出を目指す企業に対し、事業拡大のためのマーケティングやセールス支援も行っています。このように、グローバルビジネスコンサルティング体制をさらに強化していきたいと考えています。

スライド左側にActus社について示しています。また、現時点で当社のグローバルビジネスコンサルティングは、すでに海外30社とアライアンスを築いています。

また、クロスボーダーM&Aを数多く手掛け、海外向けデジタルマーケティングや、ピースマインドを中心とした海外向け従業員支援プログラム(EAP)も展開しています。さらに、海外PR支援や、海外にPRするための「Global PR Wire」というシステムも実装しています。

これらを組み合わせることで、米国から日本企業を支援しながら、アジアやヨーロッパへと事業展開していくグローバル戦略を推進していきたいと考えています。そのため、Actus社に仲間に加わってもらいました。

坂本:Actus社の参画により、御社のグローバル体制が大幅に強化されたと思います。国内の中堅企業の顧客に対し、日本からの米国への進出やクロスボーダーM&Aの支援など、グローバルなクロスセルは進んでいるでしょうか? Actus社が持つ実績もあるかと思いますが、今後の海外展開戦略の大まかなフレームを教えていただければと思います。

若松:現在、いわゆる超大手企業、エンタープライズ系における売上高の海外構成比は70パーセントから80パーセントで、大半が海外で売上を上げているのが現実です。一方で、中堅企業はこの比率が20パーセントとなっています。

中堅企業が成長するということは、海外比率が上昇することを意味しています。そのため、ここを支援する体制を整備していきたいと考えているのがTCGのグローバルビジネスコンサルティング領域で、現在30社以上のアライアンスを世界各地で構築し、海外支援を行っています。

ご承知のとおり、日本企業の海外売上高の多くは米国で稼いでいます。実に50パーセントから60パーセントが北米地域に集中しているのが現状です。そのため、当社としては、現在米国市場に進出している日本企業をさらに強化し、支援していきたいと考えています。

また、新たな市場として中堅企業を捉え、そこにおけるブランド戦略を構築していきます。ブランド価値を高めることなくして、日本企業がアジアやヨーロッパを含めた戦略を組み立てることは難しいと考えています。しっかりとした戦略を構築し、付加価値の高い商材やサービスをグローバルに展開していきます。

日本型の経営やマネジメント、製品・商品を世界に広めていきたいという思いも込めて、今回のグループインを実現しました。これからさらに強化していく所存です。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

若松:資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、PBR4倍以上、ROE15パーセント以上、PER25倍以上を目指しています。スライドに記載の5つの政策に加え、具体的な取り組みとして、収益性の向上、資本最適化、流動性の向上、情報開示の充実を展開していきたいと考えています。

キャッシュアロケーション

若松:キャッシュアロケーションです。キャッシュインとキャッシュアウトについてですが、M&A投資で約30億円、株主還元で約70億円、現預金等を約75億円とするキャッシュアロケーションを組んでいます。スライド右側が成長戦略投資です。この投資により、売上高250億円、営業利益30億円、ROE15パーセント以上の達成を目指していきます。

株主還元

若松:最後に、株主還元についてです。当社は増収増益に伴う増配を経営基調としており、これを10年以上続けてきました。

株主還元方針としては、引き続き機動的な自己株式の取得を実施し、配当性向は70パーセントから80パーセント、DOEは7パーセント以上、連結総還元性向は100パーセントを目安とします。また、株主優待はデジタルギフトを中心に実施していきます。

株主還元(配当金)

若松:実際の株主還元として、配当金は中間配当金と期末配当金をそれぞれ1円増配し、年間配当金は29円を予定しています。前期比2円増配で、配当性向は80.3パーセントです。「増収・増益・増配」を経営基調に、安定的な配当を継続していきたいと考えています。

スライドのグラフに予定を示しており、総還元性向100パーセントを目安としています。この点をご理解いただければと思います。

株主還元(株主優待制度)

若松:株主優待制度についてです。当社ではアンケートを実施し、株主優待制度の復活を希望する株主のみなさまの声を反映して導入しました。

当初は「QUOカード」を採用していましたが、現在はデジタルギフトに変更しています。保有株式数に応じて優待内容を調整し、デジタルギフトを通じて還元を行っています。また、スライド右側には参考として総合利回りも掲載していますので、ご確認ください。

以上で、私からの説明は終了します。この後はAppendixを掲載していますので、ぜひ資料をご覧いただければと思います。長時間に亘るご清聴、誠にありがとうございました。

質疑応答:業績に関するリスクについて

荒井沙織氏(以下、荒井):「高配当と優待で株主としてはとてもうれしいです。若松社長もIRに積極的で、業績も好調ですばらしい会社だと思います。株価がさらに上がってもよいと思うのですが、企業側から見てリスクとして考えられるものはありますか?

配当性向が高いため、業績が下がったときの減配の懸念があるかとは思いますが、この点について教えてください」というご質問です。

若松:業績についてお褒めいただき、ありがとうございます。株価に関してはさらに上がるよう努力していきますし、それに応えるようなIR活動にこれからもしっかり努めていきますので、引き続きよろしくお願いします。

リスクに関しては、やはり人の部分だと思います。人材の流出や採用が難しくなることは、非常に大きなリスクとして認識しています。一方で、しっかりと対策を講じており、人的資本に関する施策も実施しています。

実際に人材の定着率は89パーセントで、さらに向上させる必要はありますが、業界内では非常に高い水準です。人的リスクは常に抱えているものの、適切な対応を進めています。

また、採用については、実務経験のある方を積極的に採用しています。必ずしも経営コンサルタント出身者や有資格者ではなく、企業で生産責任者やファイナンス責任者、広報担当者を務めていた方などを採用しています。

その上で、当社では企業内大学を設置しており、社内で人材育成を行う仕組みを整えています。私は社長とともに学長の肩書を持ち、この企業内大学で人材をプロフェッショナルへ育成しています。このような仕組みにより、リスクを最小限に抑えながら経営を進めています。

荒井:現場をよく理解している方ということで、企業側もアドバイスを受け入れやすいということもあるのでしょうか?

若松:おっしゃるとおりです。当社グループは実装まで行い、上流での目標を下流で成果につなげるという考え方を持っています。トップマネジメントアプローチを行っていますが、成果を上げるのは社員のみなさまです。

TCGも同様です。私は社員によく「TCGは人でできている会社だから、人って大事なんだよ」と話します。顧客も同じで、現場で働くみなさまがイキイキと活躍することで初めて成果が上がります。

そのため、現場のことをよく理解しているメンバーがコンサルティングに入り、一緒に伴走することで成果を上げていきます。そうでなければ、契約継続率は向上しません。おっしゃるとおり、現場を知っていることは非常に大切です。

荒井:企業内大学でさらに学んでいるのはすばらしいですね。

質疑応答:各領域で売上高が成長している要因について

坂本:「『各領域で売上高が成長している』というお話がありました。この成長は、新規顧客の増加によるものなのか、それとも既存顧客のアップセルやアップサイドが貢献しているのかを教えてください」というご質問です。

若松:契約継続率が高いため、それを除いた成長率の部分は新しい顧客を開拓する必要があります。当社では独自のマーケティングとCRMの手法を持っており、新規顧客の3分の1は当社が保有する新しいデジタル戦略サイトから流入してきています。残りの3分の1は、セミナーや研究会などを開催することで新たな顧客を獲得しています。

坂本:その際、御社の出版物を見て訪れる方もいるということですね。

若松:そのとおりです。当社グループでは、有料セミナーで年間約2万名が参加するプラットフォームを運営しています。その参加者の多くは社長や経営者であり、そこで課題を抽出することが可能です。

私たちはビジネスドクターとして、企業や社長の課題を解決することが顧客満足度向上につながると考えています。そのため、しっかりと情報収集を行い、適切にアプローチしています。また、アライアンスや紹介でも新規顧客を獲得しており、これは約70年の経験を経てほぼ確立しています。

既存顧客に関して専門家は、専門分野に引きずり込む傾向があります。例えば医者であれば、外科なら外科、内科なら内科といったかたちで、そこからしかアプローチしません。

しかし、自覚症状が必ずしも本当の病気を反映しているとは限りません。自覚症状がない部分に潜む病気に気づくためには、さまざまな分野の専門家が総合的に診ることが重要です。HRにおけるコンサルティングでも同様で、会社のビジョンが明確に定められていない場合があります。

最近では「センスメイキング」と表現することもありますが、組織の中に十分に浸透していないという状況で、これではHRの課題を解決しようとしても限界があります。もちろん、HRとして処遇や制度、体系の改善には取り組みますが、ストラテジーのメンバーもしっかりと支援し、もう一度ビジョンの再検討や実装を見直すことをアドバイスしています。

このような取り組みを当社グループでは「クロスソリューション」と呼んでおり、すなわちクロスセルを推進しています。これが、顧客の契約単価が上がってきている要因の1つにもなっています。

坂本:御社はビジネスドクターとして、まるで総合病院のように多様な課題を解決しているのですね。

若松:それを当社グループの強みとして、これからもさまざまな課題を解決していきたいと考えています。

若松氏からのご挨拶

若松:本日の説明を通じて、少しでもTCGへの理解を深めていただければ幸いです。先ほどプレゼンテーションでもお話ししたように、「50,000社の中堅企業層を“世界のFirst Call Companyへ”」を掲げ、唯一無二のグローバル経営コンサルティンググループを目指していきます。

私たちが成長することで、日本の経済や地域経済、そこで活躍する企業、そして人々を幸せにすることがTCGの役割だと考えています。ぜひ私たちのミッションや考え方にご共感いただき、今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

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