東邦亜鉛株式会社【速報版】
【速報版】東邦亜鉛株式会社 2027年3月期第1四半期決算説明
※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。
本日のキーメッセージ
佐藤義和氏(以下、佐藤):皆様、本日はご多用のところ、当社FY2026第1四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。6月26日付で代表取締役社長執行役員に就任いたしました、佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、まず私から決算のキーメッセージをお伝えし、続いてCFOから決算の詳細を、その後、私から事業再生計画の進捗をご説明します。
キーメッセージは5点です。
第1に、第1四半期は、前年同期を上回る増収増益でスタートしました。
第2に、足元で銀相場が下落する中でも、EBITDAは黒字を確保しました。在庫評価損益の影響を除いたEBITDAは15億円です。
第3に、在庫評価損益を除いたEBITDAおよび経常利益の通期計画に対する進捗率は、20%程度です。現時点で通期業績見通しに変更はありませんが、計画達成に向けて、決して楽観できる状況ではないと認識しています。
第4に、純資産は、当期純利益の黒字化やヘッジ差益などにより、第1四半期末時点で改善しました。
第5に、FY2027以降の再生計画数値の達成に向けて、外部環境に依存しない収益基盤の構築と、事業構造改革を進めています。
第1四半期は増収増益でスタートしましたが、当社の再生はまだ道半ばです。目先の改善にとどまらず、将来にわたって安定的に利益とキャッシュを生み出せる会社への転換を、着実に進めてまいります。
それでは、第1四半期決算の詳細について、CFOよりご説明いたします。
2027年3月期(FY2026)1Q決算の概要(前年同期比)
二木健匡氏:2026年度第1四半期の概要を前年同期比でご説明します。
左の売上高は、全体で42億円増収の311億円となりました。灰色の撤退・再編事業で亜鉛製錬事業の在庫減少により売り上げが減少となりましたが、水色の基盤・成長事業のうち、製錬における銀価格の上昇と鉛の生産回復などの増収が主な要因です。
EBITDAにつきましても増益となり、前年同期の生産不調からの回復と再編事業の亜鉛製錬事業における銀を含む保有資産の売却による影響もあり1億円となりました。低価法による会計上の損失約14億円を除外しますと、右隣の通り15億円でした。
当期純利益は、前年度の11億円の赤字から3億円の黒字となりました。主に金属価格に関連したヘッジ評価損が評価益に振り替わった税効果会計によるものです。
2027年3月期(FY2026)1Q増減および在庫評価損益影響除外EBITDA
5ページにお進みください。
前年同期比のEBITDAと当期純利益のWFCです。
左から、セグメント別に、まずは、製錬のマイナス21億円、こちらは、銀などの金属価格や円安影響のプラス要因があったものの、今期中に価格下落があった銀などの低価法による影響を含めた在庫評価損失、銀や副産物などの生産・販売量の減少や厳しい原料条件などのマイナス要因が大きかった影響を受けました。
環境リサイクルでは、主力製品の酸化亜鉛の販売はほぼ横ばいでしたが、亜鉛価格の上昇と円安影響により3億円のプラスとなりました。
これに、亜鉛製錬からの再編事業としている金属リサイクルの、銀を含む保有資産の売却効果と前年度の残務処理費用の反動等もあり17億円のプラスなどでEBITDAは1億円となっております。低価法による損失影響14億円は金属価格のヘッジを行っており、純資産の部にヘッジの評価益を認識しておりますので、これを足し戻しますと15億円となります。
2027年3月期(FY2026) 純資産の状況
6ページにお進みください。
純資産の2023年度末からの推移です。赤丸を付した純資産額は47億円増加の184億円となり、自己資本比率は3.2%上昇の17%になりました。
コメントに記載の通り、今四半期の銀価格など価格下落によるマイナスの影響はありましたが、ヘッジ評価が損失から利益に転換したことによるその他包括利益の増加、また、MSワラントの行使、税効果会計などにより改善しました。
(参考) 直近1年の資源価格推移(ドル建て、円建て)
7ページにお進みください。
直近1年間の資源価格と円建換算価格の状況です。
前年度の第1四半期からの推移では、真ん中に記載の為替は円安でした。鉛価格はゆるやかに上昇し、円建価格も上昇しました。銀価格は、25年度末比ではドル建て、円建てともに下落しましたが、前年同期比では上昇しました。
(参考)銀価格の推移
8ページにお進みください。
銀の大きな価格変動は続いております。月次平均価格では、1月の92ドルまで上昇したのち、下落しており、6月の平均価格は67ドルでした。一時期50ドル台後半が続いておりましたが、直近では60ドル台に戻しております。外部環境によって価格変動が見極めづらくなっており、前年同期比では価格水準が切りあがっております。
参考:主要な資源価格及び為替の想定と感応度
9ページを御覧ください。
金属価格と為替相場の前提と感応度です。2026年度の想定は、5月14日に公表しましたガイダンスからは変更を行わず、鉛相場は1900ドル、銀相場は80ドル、為替は160円としております。感応度につきましては記載の通りです。なお、金属高、円安は当社収益に貢献します。
2027年3月期(FY2026)通期に対する進捗率
10ページは事業再生計画の計数進捗です。
EBITDAより下の利益項目につきまして、在庫評価の低価法による損失を戻したベースで進捗率を見ていただきますと、約20%となります。銀などの販売の遅れを取り戻すことなど鋭意取り組みを行ってまいります。
11ページ以降は社長より再生計画取組についてご説明します。
事業再生計画の全体像
佐藤:事業再生計画の全体骨子に変更はありません。当社は、資源事業からの撤退や亜鉛事業の再編を進める段階から、基盤事業・成長事業の収益を伸ばす段階へと移行しつつあります。
現在は、生産性向上、営業拡販、コスト削減などの施策を具体化し、その効果を早期に収益へつなげることに注力しています。
その先に目指すのは、当社が長年培ってきた製錬・リサイクル技術を生かし、社会インフラを支える「リサイクリングのリーディングカンパニー」へ成長することです。
鉛製錬におけるリサイクル原料比率の向上、環境・リサイクル事業の強化、成長分野での顧客開拓を通じて、外部環境に左右されにくい収益構造への転換を進めてまいります。
足元の外部環境/内部環境
足元の事業環境についてご説明します。
銀相場は昨年度の非常に高い水準からは落ち着いているものの、引き続き高水準にあり、収益への貢献を見込んでいます。
一方、鉛のTC・RCは、中国の旺盛な精鉱需要などを背景に、歴史的な低水準が続いています。廃バッテリーについても回収コストが高騰しており、原料調達環境は厳しさを増しています。ただし、不適正ヤードへの規制強化による適正処理の進展は、中長期的には当社への原料集荷拡大につながる機会と捉えています。
内部環境では、昨年度、契島および小名浜で発生した操業トラブルは解消し、足元の操業は正常化しています。
中東情勢については、一部エネルギーコストへの影響を見込むものの、現時点で操業停止につながるような大規模なリスクは想定していません。また、日本鉱業協会を通じて、重要物資の供給の偏りや流通の目詰まりの解消に協力してまいります。
事業再生計画におけるFY2026の方針について
現在の事業環境を踏まえ、FY2026を「外部環境に依存せず、自らの力で収益を創出する基盤固めの1年」と位置づけています。
基本方針は4点です。
第1に、安全・安定操業をすべての前提とし、設備トラブルの未然防止と再発防止を徹底します。
第2に、原料ベストミックスの高度化や、二次原料からの有価金属回収強化により、収益力を高めます。
第3に、各施策の効果を早期に収益へつなげるとともに、低収益事業や不採算資産の見直しを進めます。
第4に、投資については、収益性と投資効率を十分に見極めるとともに、将来の非連続な成長に向けた戦略投資やM&Aの検討機能を強化します。
それぞれの施策について、実行時期、責任者、収益効果を明確にし、進捗を厳格に管理してまいります。
事業構造改革転換における進捗 ①基盤/成長事業強化
FY2027以降の収益貢献に向け、現在、3つの取り組みを具体化しています。
1つ目は、安中製錬所の既存設備を活用し、リサイクル原料から有価金属を回収する取り組みです。既存設備を最大限に生かし、投資を抑えながら早期の収益化を目指します。
尚、昨日、一部報道機関においてレアアースに関する記事が掲載されましたが、現時点におきましては、レアアース事業の事業化について決定している事項はございませんことを、併せて申し添えさせていただきます。
2つ目は、廃バッテリー処理ラインの増設です。処理能力と回収エリアを拡大し、二次原料の安定確保と、鉛製錬におけるリサイクル原料比率の向上につなげます。
3つ目は、電子部材事業の一部生産拠点のバングラデシュへの移管です。製造コストの低減と価格競争力の強化を図り、拡販と収益貢献につなげます。
いずれも、投資効率と実現可能性を見極めながら、早期の収益化を目指す施策です。
事業構造改革転換における進捗 ②CTO組織設立による技術立社推進
続いて、CTO組織の設立による技術立社の推進です。
当社には、長年の製錬・リサイクル事業で蓄積した技術や現場の知見があります。一方で、それらが事業所や個人にとどまり、全社で十分に活用できていないという課題がありました。
そこで、生産技術の横串連携、研究開発機能の強化、技術系人材の一体的な運用と育成を目的として、CTO組織を設立しました。
製造領域では、技術やベストプラクティスの標準化、暗黙知の形式知化、データ活用を進めます。
研究開発領域では、有望なテーマに経営資源を集中し、新たな元素回収の技術検証や、外部企業・研究機関との連携を進めます。
人的資本の領域では、技術系人材の採用、育成、配置を一体的に行います。
製造、研究開発、人材をつなぎ、当社が持つ技術を収益と競争力に変えてまいります。
事業構造改革転換における進捗 ③DX推進による生産性向上
当社はこのたび、経済産業省が定めるDX認定を取得しました。
今回の認定はゴールではなく、DX推進の基盤が整ったことを示すスタートラインです。
現在、次世代IT基盤の構築、KPIを活用した経営管理、各拠点におけるDX推進、スマート工場化などに取り組んでいます。
DXは、それ自体が目的ではありません。AIやデータを活用して操業や業務を可視化し、設備トラブルの予防、生産性向上、業務効率化といった具体的な成果につなげることが重要です。
今後も、DXを現場に定着させ、収益力と安定操業の向上につなげてまいります。
再生計画の数値
事業再生計画の数値です。
当社の経常利益は、FY2023のマイナス107億円から、FY2024は37億円、FY2025は57億円まで回復しました。FY2026は45億円を見込んでおり、現時点で通期業績見通しに変更はありません。
一方、FY2027以降については、為替や資源価格の変動、各事業や投資施策の進捗を踏まえ、現在、数値を精査しています。
重要なのは、外部環境の前提を置き換えるだけではなく、自らの取り組みによって、どこまで収益を積み上げられるかを明確にすることです。
先ほどご説明した各施策について、実現時期と収益効果を精査し、相場環境に依存しない、多様な収益モデルへの転換を進めます。精査後の数値については、内容がまとまり次第、改めてご説明します。
商号変更と新たなロゴマークの制定
当社は2027年4月1日より、社名を「東邦メタリクス」へ変更します。
新たな社名には、約90年にわたり築いてきた技術と信頼を継承しながら、特定の金属にとどまらず、幅広い金属資源を循環させ、新たな成長ステージへ進むという決意を込めています。
新たなロゴマークは、「メタリクス」の頭文字である「M」と、当社のMission「有限な資源を、無限の価値に。」を表すインフィニティマークを組み合わせたものです。
商号変更を、事業構造転換と持続的成長に向けた新たな出発点としてまいります。
新社長就任メッセージ
最後に、社長として私からお伝えします。
第1四半期は、前年同期を上回る増収増益となりました。しかし、当社が目指す収益水準にはまだ届いておらず、再生は道半ばです。
これまで、資源事業からの撤退や亜鉛製錬事業の再編など、大きな改革を進めてきました。前期に当期利益の黒字化を達成しましたが、これは再生の完了ではなく、持続的な成長に向けた出発点です。
今後は、安全・安定操業をすべての前提として、二次原料の調達拡大、有価金属の回収強化、金属リサイクル事業の再生を、具体的な収益につなげてまいります。
私の責任は、改革を掲げることではなく、具体的な成果として皆様にお示しすることです。
「リサイクリングのリーディングカンパニー」の実現に向け、四半期ごとに着実に成果を積み上げ、企業価値の向上につなげてまいります。
引き続き、ご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
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