logmi Finance
logmi Finance
リョービ株式会社5851

東証プライム

非鉄金属

目次

浦上彰氏(以下、浦上):みなさま、本日はご多忙の中ご視聴いただき、誠にありがとうございます。リョービ株式会社代表取締役社長の浦上です。貴重なお時間を割いていただいたことに、深く御礼申し上げます。

2026年12月期第2四半期連結期間の事業環境は、世界経済や為替相場の変動、資源・エネルギーの供給不足および価格の影響などにより、依然先行き不透明な状況が続きました。

特に、今年2月28日に発生したアメリカとイスラエルによるイランへの大規模軍事攻撃は、国際情勢の緊張を高め、世界経済に大きな影響を及ぼしています。

このような状況下で、当社グループは着実なマーケティングや生産性向上に努めてきました。公表した決算数値については、各事業においてみなさまのご期待に沿える部分もあれば、引き続き課題を抱えている部分もあるかと思います。

本日は、それらの背景を含め、業績の詳細や通期見通し、ならびに中期経営計画に関する取組みの進捗状況について説明します。本日の説明を通じて、当社の現状と今後の方向性について、みなさまにご理解を一層深めていただく機会となれば幸いです。

有廣弘氏(以下、有廣):執行役員財務部長の有廣です。本日は、ご覧の4項目についてご説明します。まず、1番と2番について、私からご説明します。

実績サマリー

2026年12月期第2四半期決算の実績サマリーです。

第2四半期累計の実績は、売上高が1,568億円と、前年同期比で30億円の増収となりました。一方、営業利益は45億円で前年同期比15億円の減益、経常利益は48億円で前年同期比13億円の減益、親会社株主に帰属する中間純利益は40億円で前年同期比4億円の減益となりました。結果として、増収減益の決算となっています。

今年2月12日に開示した業績予想に対しては、売上高は38億円の増収、営業利益は3億円の増益、経常利益は6億円の増益、親会社株主に帰属する中間純利益は5億円の増益となり、業績予想に対しては増収増益の決算となっています。

売上高増減要因

売上高の増減要因です。為替が円安方向に動いた影響で57億円の増加、また原料価格の上昇により51億円の増加となっています。

それらを差し引いた実質的な生産高の増減等による影響はマイナス77億円となりました。結果として、2026年12月期第2四半期累計の売上高は1,568億円で、前年同期比で30億円の増収となっています。

営業利益増減要因

営業利益の増減要因です。労務費や減価償却費といった固定費が増加していることに加え、ダイカスト事業で生産量が若干減少したことや、印刷機器事業の売上高が前年同期比で大幅に減少したことが主な要因となり、前第2四半期累計の60億円から15億円減益の45億円となっています。

セグメント別実績

セグメント別の実績です。2026年12月期第2四半期累計のダイカスト事業の売上高は1,433億円で、前年同期比で83億円の増収となりました。営業利益は47億円で、前年同期比で4億円の減益となっています。

生産量は若干減少しましたが、原料価格の上昇と円安の影響により増収となっています。ただし、原料価格の上昇分を売価へ転嫁するには一定の期間が必要なため、利益は減益となりました。

住建機器事業の売上高は51億円で、前年同期比で3億円の減収となりました。営業利益はマイナス2億円で、前期に比べて2億円の減益です。売上高は国内、海外ともに減収となり、営業利益については人民元高による中国からの調達コストの上昇が減益の要因です。

印刷機器事業の売上高は83億円で、前年同期比で50億円の減収となりました。営業利益はゼロで、前年同期比で10億円の減益となっています。

先行き不透明感による設備投資マインドの低下に伴い、国内、海外ともに売上高が減少しています。利益については減収の影響が大きく、大幅な減益となっています。

今年2月12日に発表した業績予想に対しては、ダイカスト事業の売上高が73億円の増収、営業利益が7億円の増益となっており、予想に対して増収増益となっています。

一方、住建機器事業は、業績予想に対して売上高が4億円の減収、営業利益がマイナス2億円の減益となり、予想に対して減収減益となっています。

印刷機器事業では売上高が32億円の減収、営業利益が2億円の減益となり、こちらも予想に対して減収減益となっています。

貸借対照表

貸借対照表です。2026年12月期第2四半期末の総資産は3,456億円で、2025年12月期末に比べて19億円増加しています。このうち、為替の影響が約65億円含まれています。資産では棚卸資産が増加している一方、現預金は減少しました。

負債では、短期借入金と長期借入金を合算したいわゆる有利子負債の残高が、借入金の返済により61億円減少しています。

キャッシュフロー増減

キャッシュフローの増減です。

税前利益に減価償却費を加え、運転資本、その他を調整した営業キャッシュフローは、75億円のプラスとなりました。

一方で、設備投資の支払いなど投資活動によるキャッシュフローは47億円のマイナスとなり、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを合算したフリーキャッシュフローは28億円のプラスとなりました。

借入金の返済や配当金の支払いに伴う財務キャッシュフローは87億円のマイナスとなり、その結果、2026年12月期第2四半期の現金および現金同等物の残高は226億円で、2025年12月期末比で47億円減少しています。

ダイカスト生産重量の推移

こちらのグラフはダイカスト生産重量の推移を示したものです。連結ベースの生産重量は当初の予定を若干下回るものの、前年とほぼ同程度の生産量を見込んでいます。

業績予想(2/12から変更あり)

2026年12月期の通期業績予想です。売上高は3,400億円を予定しており、前期比で309億円の増収を見込んでいます。営業利益は130億円で前期比3億円の増益、経常利益は140億円で前期比6億円の減益となる予想です。

親会社株主に帰属する当期純利益は120億円を見込んでおり、8億円の増益となる見込みです。

売上高は、新規品の量産に加え、原料価格の上昇や円安による在外子会社の円換算額の増加などが要因となり、増収を見込んでいます。

利益については、経常利益では前期は為替差益や助成金などの収入が多かったものの、これらが減少するため減益となります。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益については、投資有価証券の売却益を見込んでいることから、増益となる見通しです。

セグメント別業績予想

2026年12月期におけるセグメント別の通期業績予想です。

ダイカスト事業の売上高は3,070億円を見込んでおり、前期比で327億円の増収となります。営業利益は125億円で、前期比で12億円の増益を見込んでいます。新規品の量産に加え、原料価格の高騰や為替の影響などから、増収増益を見込んでいます。

住建機器事業の売上高は115億円を見込んでおり、前期比で6億円の増収となります。営業利益は2億円で、前期比で1億円の増益を見込んでいます。国内、海外ともに増収による増益を予想しています。

印刷機器事業の売上高は215億円を見込んでおり、前期比で22億円の減収となります。営業利益は3億円で、前期比で10億円の減益を見込んでいます。国内、海外ともに売上高が減少し、その影響により減益となる見込みです。

営業利益予想増減要因

営業利益の予想増減要因です。営業利益は前期の127億円から、2026年12月期の予想は130億円となり、3億円の増益を見込んでいます。

固定費の増加がある一方で、下期に向けてダイカストの生産量増加に伴う増収効果や原価低減、生産性向上に取り組むことで増益を見込んでいます。

設備投資・減価償却費推移

設備投資および減価償却費の推移です。2026年12月期の設備投資は200億円を予定しています。当初は220億円を計画していましたが、投資の減額や時期のずれなどにより20億円減額し、200億円としました。減価償却費については190億円で、前期と同水準で推移すると見込んでいます。

有利子負債・D/Eレシオ推移

有利子負債とD/Eレシオの推移です。2026年12月期末の有利子負債残高は700億円と予想しています。前期末である2025年12月末の747億円から、47億円の減少を見込んでいます。D/Eレシオについては、引き続き0.5倍以下を維持する計画です。

中期経営計画(2025年-2027年)の位置づけ

浦上:ここからは、当社の中期経営計画における2026年第2四半期の進捗状況を中心に、各事業の状況やトピックス、さらに企業価値向上に向けた取組みについてご説明します。

まず、中期経営計画の位置づけをあらためて確認します。2035年に向けた「ありたい姿」として、売上高4,500億円、経常利益270億円、ROE9.0パーセント以上を設定しています。

この「ありたい姿」を実現するために、バックキャストで2025年からの3年間で何をすべきかを設定し、今回の中期経営計画最終年度となる2027年では、売上高3,370億円、経常利益150億円、ROE7.0パーセントとする目標を掲げています。

中期経営計画(2025年-2027年):事業別基本方針

事業別の2035年の「ありたい姿」、それらを実現するための事業共通の基本方針として「収益力の向上」「効率性の向上」「成長力の強化」を設定しています。各事業の課題は、スライドのとおりに設定しています。

2026年の取組み状況(ダイカスト)

事業別の取組み状況です。

こちらのスライドは、ダイカスト事業の主要課題に対する取組み状況です。2026年は金型部品の規格化等による製作リードタイム削減や、検査工程の省人化といった生産性向上策を進めています。

また、販売面では、非自動車分野を含めた新規領域の開拓、軽量化・電動化・環境負荷低減に貢献する技術開発、さらに、「ギガキャスト」製品の試作品受注の拡大や異材接合技術の開発に取り組んでいます。

ダイカスト:2026年の重要トピックス

ダイカスト事業における、環境負荷を低減する技術開発についてご紹介します。

スライド左側は、今年4月6日付の日刊工業新聞にも掲載された事例です。工場内に熱処理専用炉を設置し、エネルギー消費を抑えた熱処理技術を確立しました。これにより、バッテリーケースなどの量産において、従来比6割のCO2削減を実現しました。

スライド右側は、今年5月14日付の日刊工業新聞および7月14日付の山陽新聞に掲載された事例です。

従来、アルミの二次合金は、高い強靭性が求められる自動車の車体部品への適用は困難とされていました。この課題を改善し、自動車の重要保安部品への適用が可能な再生材原料アルミ合金を開発しました。

これにより、新塊ではなくリサイクルアルミで部品を製造することが可能となり、製造時の電力使用量およびCO2排出量の大幅な削減にもつながっています。さらに、厳格化する環境規制に対応し、自動車業界の課題解決に貢献しています。

なお、スライドの写真は、当社の主要なお客さまにより採用された、再生材原料アルミ合金で製造したステアリングナックル部品です。

ダイカスト:2026年の重要トピックス

超大型ダイカスト、いわゆる「ギガキャスト」の状況についてご説明します。当社の菊川工場にて昨年より稼働を開始した大型製品試作工場では、リアアンダーボディやリアサスペンションメンバーなどの大型自動車部品を中心に、試作品の受注は堅調に推移しています。

さらに、生産効率を高めるため、政府機関や大学との共同開発や実証も行っています。さらなる受注拡大を目指し、幅広い適用領域への訴求を並行して進めています。

また、主力である自動車以外の領域に対しても、各種製品のダイカスト化を提案しています。具体的には鉄道、船舶、航空・宇宙、建材といった非自動車領域において、ダイカスト技術の進歩や工法の優位性を積極的に説明しています。

なお、2026年上期における技術プレゼン実施件数は103件でした。昨年2025年は、国内外の得意先やポテンシャルのあるお客さまに対して140件以上の技術プレゼンを実施し、累計では250件を超えています。今期中に新規領域での受注を目指しています。

2026年の取組み状況(建築用品・印刷機器)

建築用品事業と印刷機器事業の取組み状況です。建築用品事業においては、電動式ドア開閉装置「RUCAD(ラクアド)」のさらなる高付加価値化を目指し、システムの高度化や外部デバイスとの連携強化に取り組んでいます。

印刷機器事業においては、技術交流会や代理店との連携を通じてお客さまとの関係強化を推進しています。

建築用品:2026年の重要トピックス

建築用品事業の具体例です。

電動式ドア開閉装置「RUCAD(ラクアド)」のさらなる高付加価値化として、お客さまの使用環境に適したシステムのアップグレードや、より安全にご使用いただくための動作速度の最適化といった改良を行いました。

お客さまのニーズを反映しながら、複数の新機能を搭載したソフトを新たに開発し、利便性のさらなる向上を実現しています。

また、お客さまのドア開口部に関する困りごとに対して「RUCAD」を提案し、採用拡大を図っています。

スライド右側は、あるお客さまの流通センターにおいて、感染症への不安やドア付近での衝突事故といった社内環境整備上の問題を解決した導入事例です。

その他、自走ロボットとの連動や病院・福祉施設でのバリアフリー用途、宿泊施設でのホスピタリティ向上など、さまざまな目的に応じた現場での課題解決に貢献し、採用拡大を目指しています。

印刷機器:2026年の重要トピックス

印刷機器事業においては、顧客ニーズに基づいた開発と個別要望への対応力強化を進めています。お客さまや印刷会社との技術交流会、代理店との連携を通じて、お客さまとの関係強化に取り組んでいます。

海外市場においても、営業とサービスが一体となり、お客さまの生産の安定性向上を図るとともに、売上拡大に取り組んでいます。

また、海外からの訪日ツアーの受け入れや、国内外でのオープンハウス開催を通じて、お客さまとの関係強化を図るとともに、代理店サービスの教育を推進しています。

企業価値向上に向けた中期的な方針

企業価値向上に向けた取組み状況についてご説明します。

当社は、企業価値向上に向け、段階的にROEを引き上げ、株主資本コストを上回る水準の達成を目指しています。

2027年の中期経営計画最終年度でROE7.0パーセント、2035年にはROE9.0パーセント以上を目指し、政策保有株式の縮減、資本構成の最適化、成長に向けた戦略投資、そして資本市場との対話の強化に努めています。

株主還元(自社株買い・配当政策)

株主還元です。当社では、本中期経営計画期間中に累進配当を採用しています。

昨日の決算発表に合わせて開示していますが、直近の業績予想を上方修正しています。株主還元の充実を図るため、期末配当予想も従来の予想から2円増額し、1株当たり年間配当金は106円を予定しています。

また、前期に引き続き15億円の自社株買いを実施することを決定しました。これらの施策を通じて、引き続き株主還元の強化と資本効率の向上を推進していきます。

環境・社会課題への対応に関するトピック

環境・社会課題への対応です。

「カーボンニュートラル達成に向けた取組」では、国内ダイカスト製造拠点である広島東工場および静岡工場に自家消費型の太陽光発電設備を導入することを決定しました。

広島東工場では2027年、静岡工場では2026年中の設置完了を予定しています。両工場合わせて年間約3,300トンのCO2削減を見込んでいます。なお、2025年における両工場の排出量合計は3万9,021トンであったため、1割弱の削減となります。

「持続可能なサプライチェーンとの共創」では、「リョービグループ サステナビリティ調達方針」の策定および「リョービグループ サプライヤーサステナビリティガイドライン」の改訂を行いました。

また、中小受託取引適正化法(取適法)の施行に伴い「パートナーシップ構築宣言」も更新しています。サイバーセキュリティ対策、グリーン化の取組み、そしてBCPに関する教育や共有をサプライヤーと一緒に進めていくことを付け加えました。

「ガバナンスの取組強化」では、リスクマネジメントの推進として「自動車産業サイバーセキュリティガイドライン」への準拠、グループ会社へのサイバーセキュリティ対策推進サポートを通じて、サプライチェーン全体の情報セキュリティレベルの底上げにも取り組んでいます。

キャッシュ・アロケーションの実施状況

キャッシュ・アロケーションの進捗状況です。

2025年からの営業キャッシュフローの累計は214億円、政策保有株式の売却累計は31億円です。中小受託取引適正化法に対応するため、支払いの早期化を実施した影響で、想定より営業キャッシュフローが減少していますが、計画どおり政策保有株式の売却を進め、キャッシュ創出に努めています。

キャッシュ・アウトの状況として、設備投資は2025年からの累計で279億円となり、当初予定の設備投資支出を下回っています。

これは先ほど有廣からもご説明した、自動車の電動化に向けたOEM各社のペースダウンが主要因です。引き続き、ダイカスト技術をはじめとする成長および戦略投資への配分を進めるとともに、配当や自社株買いを通じて適切な株主還元を実行していきます。

今後の中期経営計画に関する開示方針

最後に、今後の中期経営計画に関する開示方針についてご説明します。取組みの進捗状況は、引き続き半期ごとに報告します。また、中期経営計画の最終年度となる2027年期末の振り返りを経て、2028年2月には次期中期経営計画の開示を予定しています。

私からの説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:ダイカスト生産重量の推移について

質問者:通期業績予想の中で、ダイカスト生産重量の推移について、それぞれの地域ごとに期初の想定から変動が見られると思います。

例えば、期初の説明では、日本およびタイは新規品の増加により後半にかけて成長が見込まれ、米州と中国では前期と同程度の水準で推移するとご説明がありました。特に中国については重量ベースで見ると前半はやや弱含んだ印象を受けています。このような地域ごとの状況について、解説をお願いします。

有廣:日本については、当初、もう少し右肩上がりに伸びると見込んでいましたが、上昇のペースがやや緩やかになっています。要因としては、お客さまの受注状況による影響が挙げられます。ただし、全体の傾向としては緩やかに上昇を続けており、大きな変化はありません。

中国では第1四半期に生産量が落ち込み、第2四半期から回復を見込んでいましたが、日米欧の自動車メーカーによる減産の影響を受け、第2四半期では中国の生産量がわずかに減少しました。

ただし、下期にかけて、ある程度生産を増加させるとの情報を基に計画を立てており、回復していくと見ています。

また、タイでは生産量は少ないものの、おおむね想定どおりの状況にあります。新規プロジェクトの立ち上げが始まっており、下期に向けて成長していく見通しです。

質疑応答:通期業績予想の見通しについて

質問者:2026年12月期の業績予想についてうかがいます。資料でセグメント別に開示されており、ダイカスト事業については、ダイカストの生産量は前期と同程度というお話でした。また、その他の2つのセグメントでは業績予想は据え置きとなっています。上期の実績を踏まえた、業績予想見通しの蓋然性についてご説明をお願いします。

有廣:セグメント別にご説明します。ダイカスト事業については、生産量は前年とほぼ同等水準で推移すると考えています。ただし、第1四半期から第2四半期にかけて原料価格が上がっていた影響で、第2四半期までの業績が伸びなかった状況があります。

第3四半期および第4四半期に関しては、原料価格はほぼ高止まりすると見込んでおり、売価の改定が追いつくと見ています。そのため、ダイカスト事業は前年よりも利益が増加する見込みです。

一方、印刷機器事業の売上は苦戦しており、それに伴い、印刷機器事業の利益は伸び悩むと予想しています。

質問者:住建機器事業と印刷機器事業の業績予想は据え置きとなっていますが、現状の見通しとして、達成は十分可能なのか、それともチャレンジングといえる状況なのでしょうか? 

有廣:目標の達成に向けて、現在さまざまな施策を進めています。

質疑応答:「ギガキャスト」試作品および新規領域の業績インパクトについて

質問者:トピックスとして、「ギガキャスト」の試作品と新規領域についてお話がありました。これらの業績へのインパクトについて、どのように考えればよいでしょうか? 次の中期経営計画の段階で組み込むのかなど、現時点での感触について教えてください。

浦上:当社ではこれまで型締め力が3,500トン程度のものを扱っており、国内では他社も含めて4,000トン程度のものがありました。これらは通常のサプライチェーンや物流を含めたインフラで対応可能です。

しかし、「ギガキャスト」のような6,500トンといった超大型のものになると、量産する際にさまざまな課題が存在します。お客さまからは技術検証や海外生産を想定した試作のご依頼をいただいており、当社としても今後もそのような案件を積極的に獲得していきたいと考えています。

また、自動車産業に留まらず、適正な量産規模が見込める他の産業の製品についても、ダイカストの適用領域を拡大すべく、可能性を模索しています。

現在の感触としては、「ギガキャスト」のような大型機械を増やしていく方向性ではなく、量産規模が小さい自動車以外の産業で大型ダイカストを活用していただくことに手応えを感じています。

また、「ギガキャスト」が実用化されてきたことを、多くのダイカスト事業者に認知・認識いただくことで、これまで扱ってきた一回り小さいサイズのダイカスト製品の需要を掘り起こせるのではないかと考えています。

このような副次的な効果も含め、当社の収益に貢献するものと期待しています。

質疑応答:キャッシュ・アロケーションと設備投資計画の見通しについて

質問者:キャッシュ・アロケーションの状況について確認させてください。営業キャッシュフローは取適法の対応なども影響して現状十分ではなく、設備投資の遅延やOEM企業のペースの鈍化といった課題があるとのことでした。

キャッシュ・アロケーションについて、次回の本決算説明会などで見直しが行われる可能性はありますか? 

また、中期経営計画の売上や利益に関しては2027年目標に近づいている部分もおありかと思います。半年後の説明でなにかしらの見直しが行われる可能性があるのかなど、このあたりの議論についてもお聞かせください。

浦上:2025年から2027年の中期経営計画を作成したのは2024年の後半ですが、その時点と比較して変化している点として、OEMを中心とした電動化やEV化に向けての遅れが挙げられます。それに伴い、投資も遅れる可能性があると考えています。

また、当社の政策保有株式の株価が上昇しているため、その見直しも必要だと考えています。

加えて、金利の上昇により、従来はレバレッジを効かせて事業展開に活用しようとしていた部分を、今年はやや控えめにしようと考えています。

このため、微調整レベルではありますが、数字上の見直しを行う可能性は大いにあると思います。

藤井和彦氏(以下、藤井):設備投資については「700億円プラスアルファ」という部分にはクエスチョンマークが付く状況ですが、おそらく700億円近くまでは進むのではないかと思います。

質問者:今期の設備投資が計画どおりに進捗した場合、累計では400億円前後になるのではないかと思います。来年の設備投資は300億円前後となりますが、現時点ですでに案件として見えているのでしょうか?

藤井:6月が終わった時点で、各事業で再確認した上での見込みとなっています。700億円だとすると、今期予想を含むと累計は約60パーセントの進捗状況となります。少し遅れ気味ではありますが、これから積み上げていく予定です。

質疑応答:ギガキャストの菊川工場での生産状況と試作品受注拡大について

質問者:「ギガキャスト」について、菊川工場で金型から一貫生産することが課題の1つになっていると思います。現在の状況はいかがでしょうか?

浦上:ご指摘いただいたとおり、当初「ギガキャスト」設備を設置し、最初に使用した金型については、加工および熱処理を中国で行いました。

国内での加工・熱処理を段階的に進めたいと考えていますが、現時点では、まだ実現には至っていない状況です。引き続き努力を続けていきます。

熱処理に関しては高圧ガス保安法の問題があります。当初、日本の炉メーカーに製造をお願いしたいと考えていましたが、残念ながら国内ではニーズが少なく、海外の炉メーカーの製品を高圧ガス法にも適応するかたちで日本国内に設置できればと考えています。加工については、なんとか実現は可能ではないかと考えています。

当初から菊川工場ですべてを一貫生産することは困難であると認識していましたが、徐々に効率化を進めるとともに、金型の原価低減に努めたいと思っています。

質問者:時間軸としてはどのようにお考えでしょうか? 

浦上:2027年までの中期経営計画の期間中に、ある程度は国内生産、自前での生産へシフトする計画を立案する必要があると考えています。

質疑応答:「ギガキャスト」受注拡大の規模感について

質問者:「ギガキャスト」の試作品の受注拡大に向けてさまざまな施策を講じるとのことでした。どの程度の拡大を想定しているのでしょうか?

浦上:現在はさまざまな方面にアプローチしています。ただし、「ギガキャスト」については、現時点で6,500トンの鋳造機は1台しかありませんので、基本的にはその稼働を最大限に活用できる程度の試作や少量の量産品の受注が中心になるかと思います。

工場のインフラとしては、もう1台設置できるスペースを確保していますが、お客さまからの反応を見極めながら検討を進めていきたいと思っています。

質疑応答:ギガキャストの自動車以外の領域への展開と期待について

質問者:先ほど、「ギガキャスト」の試作品と新規領域に関する質疑がありました。「ギガキャスト」について自動車以外の領域についても開拓を進める方針だと理解したのですが、この認識に相違はないでしょうか?

浦上:従来、アルミダイカストは「油や空気が漏れる」「衝撃を受けたら折れる・割れる」という認識を持たれていることが多いと思います。

そこで「ギガキャスト」を用いたさまざまなサンプルを作り、アンダーボディなどの構造材も製造可能だという認識が広がれば、これまで切削などで作られていた製品もダイカスト化が進むのではないかと考えています。この「ギガキャスト」を旗印にしてダイカストの需要を掘り起こしていきたいと思っています。

ただし、そこで考えている製品は、いわゆる「ギガキャスト」クラスの大型製品ではなく、2,000トンや3,000トンクラスの鋳造機で製造できるものをイメージしています。

質問者:つまり、あくまでも車の部品だと考えてよろしいでしょうか?

浦上:いいえ、車以外も含めてです。ダイカストに関しては、これまで自動車を中心にアピールを続けてきたことで、徐々に車体部品を受注できるようになってきました。しかし、この分野にもまだ成長の余地はあると考えています。

それ以外の産業ではおそらく「ダイカストは10万個ぐらい作らないと金型がペイできない」と認識されているお客さまが多いと思います。そのため、「少量でもダイカスト化できますよ」「構造材でもダイカストでできますよ」といった点をご理解いただき、採用していただければと思っています。

質問者:それは試作に関するお話でしょうか?

浦上:いいえ、量産も含めてです。

質問者:では、「ギガキャスト」を使用する場合は試作となるのですか? 

浦上:先ほどお伝えしたように、6,500トンの鋳造機は1台しかありません。キャパシティの関係で数が多い量産案件については、積極的な獲得には取り組んでいないのが現状です。

質問者:ちなみに「ギガキャスト」で自動車以外の試作を受ける分野として、どのような領域を期待されていますか?

浦上:6,500トン程度のダイカストマシンでの試作については、資料の図(p22)にあるとおり、例えば鉄道分野では車輌のパネル類などを想定しています。

facebookxhatenaBookmark