株式会社Synspective【速報版】
【速報版】株式会社Synspective 2026年12月期第2四半期決算説明
目次
新井元行氏:皆様、本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。これより、2026年12月期第2四半期決算説明会を開始いたします。
本日は、第2四半期のハイライト、事業進捗、決算概要、通期業績予想の順にご説明します。
事業のハイライト:第2四半期~足元まで
第2四半期のハイライトについてご説明します。スライドには、第2四半期から決算発表の足元までを対象に記載しています。
まずビジネスの状況につきまして、当第2四半期末の受注残高は、2026年2月に締結した防衛省衛星コンステ事業の寄与によって1,217.1億円に到達し、同事業にかかる画像データ取得業務委託契約は4月よりサービスを開始しました。また、内閣府実証・防衛省データ納入などの官公庁向け継続案件に加え、環境省や民間企業向けもソリューションサービスを中心に契約を獲得しています。
補助金は、継続案件である宇宙戦略基金、SBIR等に加えて、令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金の2.2億円が新たに決定しています。また、欧州子会社の設立を完了し、稼働を開始しております。
衛星の開発・製造・打ち上げにつきまして、2026年5月に9号機、続いて6月に10号機の打ち上げに成功し、9号機・10号機ともに8月に初画像の取得を発表しました。今後の打上げ機会に関しても引き続きRocket Lab17機、SpaceX7機の合計24機分を確保している状況です。
また国内外の旺盛な需要に対応するため、当社の量産工場である「ヤマトテクノロジーセンター」の拡張を決定いたしました。これにより、最大で年産30機を製造できるスペースを確保してまいります。
一方で、4号機につきまして、想定運用年数未達の可能性が見込まれたことから、耐用年数の短縮を決定いたしました。こちらの詳細および財務上の影響につきましては、後ほど詳しくご説明いたします。
2026年12月期第2四半期実績および通期業績見通しのハイライト
2026年12月期第2四半期実績及び通期業績見通しのハイライトについてご説明します。
総収入は39.1億円に達しました。うち売上高16.9億円は、主に内閣府の令和7年度分および防衛省データ納入案件の完了に加え、当期よりサービスを開始した防衛省衛星コンステレーションの整備・運営等事業に係る画像データ取得業務によるものです。補助金収入22.2億円については、主に宇宙戦略基金の第1期における21.7億円を計上しました。コストは、先ほどの4号機の耐用年数短縮による減価償却の前倒し計上の増額があったものの、その他のコストの後ろ倒しなどによって総額ではほぼ想定通りに推移しました。
通期の業績の見通しについて、通期業績に対して第2四半期までの売上高の進捗率は26.6%です。売上高は決算期末に向けて運用機数に連動して増加する見通しです。
総収入は進捗率24.4%、補助金収入は、下期偏重の見通しとなっています。
従って、通期見通しは前回から据え置きとしております。先ほどの耐用年数短縮による売上原価の増額に対しては下期の販管費および一部投資プロジェクトの効率化によってこれを吸収する方針のため、通期業績見通しの変更はございません。
国内官公庁との主な契約/案件と計上時期 パイプライン
契約案件と計上時期のパイプラインにつきまして、引き続きこちらに示しています。
先ほどお話ししましたが、現在の受注残高は1,217.1億円に達しました。10機前後での運用機数下で、黒字化が想定されており、その後機数増に伴い海外政府へのデータ販売が拡大する計画となっています。
大きな契約としては、前回お示しした内容から引き続きになりますが、宇宙戦略基金第1期において補助金収入として計上予定の受注残高が191.2億円、防衛省の衛星コンステ事業において売上高計上予定の受注残高が951.7億円、宇宙戦略基金第2期において補助金収入として計上予定の受注残高が37.6億円となっています。
「ソブリン需要」の拡大が事業機会を構造的に押し上げる
次に海外事業についてです。
海外政府を中心とした海外事業は、ソブリン需要の拡大が事業機会を構造的に押し上げる状況が続いています。データ共有から、衛星アセットを自国で保有することを志向する自前主義への動きが世界各国で加速する中、国内外におけるSAR衛星の需要拡大に対応するため、自社量産工場の拡張を決定いたしました。
スライドの右、事業機会の拡大と今後の見通しに記載のとおり、アジア・欧州を中心に安全保障用途の需要が急増しております。需要拡大局面においては衛星の機数がキャパシティとして成長の制約となり得ます。そこで量産性能の高いStriXと、自社量産工場の製造能力の優位性を活かすため、供給力の拡大を目的に年産30機を製造できるスペースの確保を決定いたしました。
弊社の現在の戦略は国内の防衛省衛星事業をベースに海外需要を取り込んでいくことであり、売上拡大に伴い供給力を強化していくことが不可欠になっています。
地域別の競合環境と当社の戦略
続いて、地域別の競合環境と当社の戦略についてです。
まず背景として、一部繰り返しになりますが、宇宙関連アセットに限らずAIや量子コンピューターなども含め、各国が主権を保ちながら情報収集や意思決定、サプライチェーンの構築を志向する「ソブリン需要の拡大」があります。しかし、すべてを自国で整えられる国は限られているため、どのように協力体制を敷くかという交渉が現在、各国政府間で進められています。こうした中、当社は安定したポジションで組みやすい相手という日本の立ち位置を活かして営業を展開しています。政府へ直接営業できる国がある一方、ソブリンティの観点からローカルパートナーと組むことが必須となるケースも多いため、現地の大手や新興宇宙企業との連携構築に重きを置いています。
具体的な進捗としては、十数カ国と商談を進める中でアジアとEMEAの展開がやや先行しており、北中南米でも並行して商談を推進している状況です。
海外展開の進捗
こちらで海外展開における具体的な進捗をまとめています。
まず、アジア圏においてはタイ政府と日本政府の間で、低軌道衛星コンステレーション協力覚書に基づく共同調査が行われ、これに対する協力として当社も参加しております。
こちらは6月に経産省とタイ高等教育・科学・研究・イノベーション省の間で覚書を締結し、JAXA・タイ宇宙機関GISTDAと産業界連携による、低軌道衛星コンステレーションの日本技術活用の検討を目的としております。
当社は国民生活、産業、安全保障領域での具体的協力に接続する共同調査に協力いたしました。特に現地ニーズが強い自然災害への対策、インフラの効率的な管理、環境モニタリングなどの領域において、具体的な可能性を検討し、日タイ両国の宇宙システム発展への寄与を目指しております。例えば自然災害の発生の仕方は都市部の構造によって異なるように、現地に合わせたカスタマイズが必要となる中で、現地のパートナーシップや宇宙機関と協力体制を敷いたうえで調査等を進めているという状況です。
EMEAではイタリアのe-GEOSと複数年にわたる戦略的なパートナーシップを締結しています。
e-GEOSはイタリアの地球観測サービスプロバイダーであり、COSMO-SkyMedという大型のSAR衛星を所有しております。当社は過去にこちらの衛星データも用いてソリューション開発等を進めていたところ、今後はより踏み込み、それぞれが有するデータや技術を組み合わせ、より高度なサービス提供のための共同開発を目的としています。
またノルウェーのKSATと戦略的提携を拡大しました。KSATは、主に衛星運用に必要な地上システムを運用しています。SAR衛星コンステレーションの拡張およびグローバルな地球観測能力の強化を行います。
以上のように、具体的な進捗がアジア・欧州・中東・アフリカ地域で進んでおります。
活動実績:20件の災害緊急観測と解析データ提供を実施
次に災害緊急観測の活動実績についてお話しします。
2026年4月〜6月は台風や地震などの災害が多数発生した中、日本を中心に20件の災害について、緊急観測と解析データの提供を行いました。
弊社のミッションとして、レジリエントな世界を実現することを掲げており、このような災害に国内外で対応していくことを事業の目的の1つとしております。夜間や悪天候下でも観測できるというSAR衛星の特性は発災直後の状況把握において有効な手段になります。
当社は平時より国内の災害対応において公的機関と連携して、観測体制の整備を進めてまいりました。今回はこれを活かす形となった熊本地震の対応実績を事例として取り上げております。7月28日午後4時27分頃に地震発生後、当日中に緊急観測の登録を終え、翌日未明には被災地域の撮像を完了し、取得データを処理した後、順次関係機関に無償提供を行いました。また判読解析の結果についても、段階的に提供を行っています。
コンステレーションの拡大とともに観測頻度を向上し、引き続き日本国内の災害についてしっかり対応してまいります。
衛星の製造および打上げ計画
次に衛星の製造・打ち上げ計画についてですが、大きな変更はなく順調に進捗しています。
先ほどお話しした年産30機以上の製造キャパシティ確保等により、30機以上の衛星コンステレーションを確立し観測頻度の向上および高い収益性の実現に向けて動いてまいります。
9・10号機の打上げに成功、現在軌道上で7機運用中
それから、打ち上げに関しては9号機、10号機の打ち上げに成功し、結果8月14日現在、軌道上で7機が運用中です。
4号機の耐用年数短縮について
次に、4号機の耐用年数短縮を決定いたしましたので詳細をご説明します。
まず発生事象につきまして、2024年3月に打ち上げられた4号機について、発電性能の低下傾向を再評価した結果、当初の想定よりも早く進行しているということが確認されました。
解析を進める中で現在判明していることとして、発電機能の一部部材についての性能の低下傾向が見られて、結果として効率的な発電ができていない状態を認識し、これにより運用に必要な電力を確保できる期間が当初見積もりよりも短くなる見込みとなっております。
対策としては大きく2つあり、現在軌道上運用中の衛星については同じ部材が使われているため、効率的な発電を行うためのチューニングを実施することで、運用期間の延伸を図っています。今後打上予定の衛星につきましては、恒久的対応として、推定原因として可能性の高い部材を代替部材に換装していくことで対応してまいります。
財務的な影響としましては、償却終了見込みを2027年1月まで短縮することを決定しており、減価償却の前倒し計上を行います。業績予想に与える具体的な影響額は、2026年12月期8.2億円、2027年12月期0.9億円を予定していますが、下期の販管費精査および一部投資プロジェクトの効率化によりこれを吸収する方針のため、通期業績見通しは変更ありません。
会計上の影響については、後ほど志藤より説明します。
連結業績ハイライト
志藤篤氏:それではまずは連結業績ハイライトです。グラフは2024年12月期第2四半期から、当期の2026年12月期第2四半期までの推移を示しています。
総収入は39.1億円となりました。前年同期は13.6億円でしたので、前年同期比で186.5%の増加となっています。当第2四半期より計上を開始した防衛省衛星コンステ事業による売上高の増加、及び補助金収入の宇宙戦略基金の寄与によるものです。
コストサイドは、衛星運用機数の増加に伴う売上原価の増加及び販管費の増加により、営業損失は△33.5億円と前年同期から拡大しました。一方で、補助金収入の寄与により経常損失は△13.7億円と前年同期から縮小しています。詳細な内訳につきましては、この後の連結損益計算書のスライドで改めてご説明します。
主要な経営指標
続いて、主要な経営指標です。
まずスライド上段左の総収入は先ほどお伝えしたとおり39.1億円、前年同期比プラス186.5%の増加です。
次に受注残高ですが、1,217.1億円となっています。前期末比でプラス387.6%ということで、大幅な積み上がりとなりました。これは、2月に締結した防衛省「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」に係る画像データ取得業務委託契約(契約額960.7億円)を反映したものです。
次にEBITDAです。当第2四半期は8.6億円となり、前年同期比プラス18.3億円となっています。算出は経常利益に支払利息、減価償却費、株式報酬費用を加えたものとなります。補助金収入の寄与により経常損失が縮小したことが、EBITDAの大幅な改善につながっています。
次に現預金は162.0億円となりました。前期末比でマイナス83.3億円です。主に衛星製造・打上げによるものですが、詳細な増減要因につきましては、後ほど連結貸借対照表のスライドでご説明します。
最後に四半期末の衛星運用機数は6機です。前期末から2機増加しています。
連結損益計算書
続いて、連結損益計算書を前年同期と比較する形でご覧いただきます。
総収入は39.1億円で、前年同期13.6億円から25.5億円の増収です。売上高は16.9億円で、データ販売の増加(12.8億円、前年同期比7.5億円増)が主因であり、当第2四半期より計上を開始した防衛省衛星コンステ事業によるものです。補助金収入は22.2億円(前年同期比21.8億円増)で、宇宙戦略基金第1期の計上額が積み上がったことによります。
売上原価は24.0億円で、前年同期から9.7億円増加しました。主因は減価償却費の増加(13.5億円、前年同期比4.8億円増。うち4号機の耐用年数短縮による影響2.7億円を含む)と、衛星運用等に係る費用の増加(5.9億円、前年同期比3.8億円増)です。
販売費及び一般管理費は26.3億円で、前年同期比6.3億円増加しました。人件費8.2億円(給与・株式報酬費用の増加)、研究開発費7.6億円(主に次世代衛星の研究開発)、その他10.5億円(業務委託費、販売手数料、旅費交通費等の増加)が主な内訳です。
この結果、営業損失は△33.5億円(前年同期比12.4億円拡大)となりました。一方、営業外収益は宇宙戦略基金21.7億円の計上により22.9億円(前年同期比22.4億円増)となり、経常損失は△13.7億円(前年同期比11.1億円改善)と、営業損失とは対照的に縮小しています。
繰延税金資産の再評価に伴う調整等を経て、親会社株主に帰属する中間純損失は△14.1億円(前年同期比10.6億円改善)となりました。
連結貸借対照表
続いて、連結貸借対照表です。衛星の製造および設備投資への支出は、計画どおりに推移しています。
資産合計は500.0億円で前期末比6.2億円の増加です。現金及び預金は162.0億円で、前期末比83.3億円の減少となっており、有形・無形固定資産投資104.7億円と中間純損失14.1億円が、借入の純増16.0億円を上回った結果です。固定資産は320.4億円で、前期末比92.1億円の増加となり、8号機目以降の製造進捗により運用/製造中の衛星は289.8億円、前期末比86.1億円の増加です。
負債合計は120.5億円で、前期末比14.7億円の増加です。主に新規借入の実行16.0億円による借入金の増加です。
純資産は379.4億円で、前期末比8.4億円の減少となりました。主因は中間純損失14.1億円の計上です。なお、5月に欠損填補(資本準備金38.1億円をその他資本剰余金・繰越利益剰余金へ振替)を実施していますが、純資産合計への影響はありません。自己資本比率は73.1%で、前期末比(76.2%)では低下していますが、引き続き高い水準を維持しています。
全体として、衛星の製造・打上げへのキャッシュ・アウトは、当社の通期計画線上で着実に進んでいるとご理解いただければと思います。
連結キャッシュ・フロー計算書
続いて、連結キャッシュ・フロー計算書です。営業活動によるキャッシュ・フローは継続して黒字を確保しつつ、衛星コンステレーションの早期構築・拡大に向けた投資を加速しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは7.5億円で、前年同期の3.5億円から4.0億円の増加です。税金等調整前中間純損失は△13.7億円(前年同期△24.8億円から11.0億円改善)となった一方、減価償却費15.4億円(前年同期比5.8億円増、主に4-8号機衛星の減価償却費の増加による)、株式報酬費用3.9億円を計上したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△105.9億円で、前年同期の△43.9億円から61.9億円の増加です。主に衛星製造による投資額の増加△58.8億円、ソフトウェア開発による投資額の増加△1.9億円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは14.9億円です。短期借入の実行による増加12.5億円が主な要因です。
2026年12月期通期 連結業績予想
続いて、2026年12月期の通期業績見通しについてです。
結論として、2026年2月13日に公表した業績予想から据え置きとしています。足元は防衛省衛星コンステ事業および補助金収入を想定どおり計上しています。
進捗率としては、第2四半期の実績ベースで、売上高が26.6%、総収入が24.4%となっていますが、売上、補助金ともに年度末に向けて偏重して計上される見込みであり、現時点で年間計画に対する懸念はございません。
なお、昨今の中東情勢に係る業績への影響につきましては、製造や打上げへの直接的な影響は現時点ではなく、コスト増や物流制限などの課題についても、過去の経験から対処可能と想定しています。
2026年12月期 連結業績予想の前提
業績予想の前提についてです。
まず売上高についてですが、当期売上高の94%程度を政府向けと見込んでいます。そのうち96%程度がすでに落札済みまたは契約済みです(全体の90%)。
衛星コンステレーション事業については、引き続きペナルティのリスクを一定程度織り込んだ前提としています。海外および民間向けの売上は、前年の実績と業績予想策定時点のパイプラインから予測しており、こちらの前提に変更はありません。補助金収入については、当初予想に織り込んでいなかった宇宙戦略基金第2期(支援上限額37.6億円)及び令和7年度補正のグローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(補助金申請額2.2億円)の採択が新たに決定しています。
続いて売上原価です。運用中の衛星のうち4号機について、残存耐用年数の短縮を決定しました。2026年12月期通期の業績予想に与える影響額は8.2億円です。
最後に販売費及び一般管理費です。4号機の耐用年数短縮による売上原価の増額については、下期の販管費精査および一部投資プロジェクトの効率化による吸収を見込んでおり、通期業績の変更は不要と判断しています。
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