logmi Finance
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登壇者名

株式会社hands 代表取締役 塩谷航平 氏
個人投資家 1UP投資部屋 Ken 氏
中小企業診断士、個人投資家 kenmo 氏

今回も塩谷氏の「キオクシアチェック」からスタートです

塩谷航平氏(以下、塩谷):株式会社hands代表取締役の塩谷です。それでは、決算前の投資戦略トークライブ「半導体から広がる 次に伸びる業界・銘柄は?」を始めます。みなさま、よろしくお願いします。

Ken氏(以下、Ken):1UP投資部屋のKenです。よろしくお願いします。

kenmo氏(以下、kenmo):湘南投資勉強会主催のkenmoです。よろしくお願いします。

Ken:毎回、ログミーFinanceはタイトルですごくハードルを上げてきますね。

塩谷:すごいですよね。今回は「半導体から広がる 次に伸びる業界・銘柄は?」というタイトルです。

Ken:今日(7月28日)は半導体が暴落していますからね。

塩谷:本当に、大きく下げましたね。

Ken:厳しいですね。

塩谷:開始前に確認しておきたいのですが、現在は「何キオクシア」の状態でしょうか? 

Ken例のチェックですね。今は「0キオクシア」です。

kenmo:私も「0キオクシア」ですね。

塩谷:ということは、今日はさすがにマイナスですよね? 

Ken:マイナスですよ。

塩谷:今日の日経平均は4パーセント下がっていますからね。

Ken:あれ? kenmoさんはマイナスではなさそうな表情ですね。

kenmo:「ちょいプラ」くらいです。

塩谷:少しプラスですか? すごいですね。

kenmo:いや、今年の前半は本当に波に乗れていませんでしたからね。ずっとKenさんにお金を吸い取られている感じでした(笑)。ようやくSaaSや情報通信系の逆張りが効果を発揮し始め、なんとか薄氷のプラスという状況です。

塩谷:これは薄氷ではなく、相当なプラスの可能性がありますね。

Ken:確かに。逆側と言うのも本当に失礼ですが、今月は良い結果が出ていますよね。

kenmo:そうですね。前半は儲かっていなかったチームが特に強かったですね。

Ken:銘柄としても非常に強かったです。

kenmo:今、つらいと言っている人たちは、なんだかんだで前半に利益を出していた人ばかりです。あまり真に受けないようにしています。引き続きがんばりましょう。

塩谷:今日は「株を引退します」というSNSの投稿も非常に多かったのですが、その方々は前半で儲けた勢ということですね。許せませんね(笑)。

Ken:ただ、やはりレバレッジは難しいと感じます。需給の強弱やバリュエーション、ダウンサイドリスクなどを踏まえ、ある程度調整する必要があります。守ることも大事ですからね。

塩谷:そのとおりですね。しかも、昨日は全面高のような相場でした。そのタイミングで購入した人も多いと思いますが、その後は振られてしまい、今日は損切りさせられるような展開になっているのではないでしょうか?

Ken:確かにそうですね。私はTOPIXと比較すればまだよかったのですが、中には10パーセントほど下がった銘柄もあり、かなりしんどい敗北感がありました。分散していた分、まだ救われたという感じです。

塩谷:本当に大きな下げでしたね。

「Anthropicショック」が起点となるチャンス

塩谷:ここからはテーマに移りたいと思います。前回のトークライブでは、「個別銘柄の話が少なすぎる」というコメントを多くいただきました。そのため今回は、お二人に個別銘柄について詳しくうかがっていきたいと思います。

まずは個別銘柄ではなく、業界全体についてお聞きします。Kenさんは今回の決算ではどのような業界に注目していますか? 

Ken:SIや情報通信など、生産性改善に関連する領域には比較的注目しています。業界というより、そのようなニュアンスのあるソフトウェアなどですね。

また、クリエイティブ要素が強い分野にも注目しています。例を挙げると、広告代理店のような会社やPR会社も該当するかもしれません。AIによる追い風を受けており、「ゼロクリック検索」なども強みになっています。これは生産性改善とも重なり、二重の利点があるという見方をしています。

塩谷:なるほど、イメージできました。

Ken:加えて、言葉を選ばずに言うと「便乗値上げ系」です。先日、日銀短観で「企業は来年以降の価格をどのようにしていくか」に関する調査を見たのですが、「値上げを進める」という方針が過去最も強かったのです。

つまりこれは、機会があればいつでも値上げする可能性が高いということです。今回のナフサ価格に関しても、自社への影響はそれほどないものの、価格改定を行う会社が多く出てくる可能性があります。

それが良いか悪いかは意見が分かれると思いますが、実際に取材をしていると、そのような動きがあると感じます。私はそのあたりに注目していますが、本日プラスのkenmoさんはどのようにお考えですか? 

塩谷:プラスの大先生にも、ぜひおうかがいしたいですね。

kenmo:難しいところですね。1ヶ月前の取材では「AI・半導体を持っていないと厳しい」という話をしていました。

前回もAI・半導体チーム、インフレヘッジチーム、情報通信の逆張りでポートフォリオを組んでいるというお話をしましたが、足元ではAI・半導体が急落し、インフレヘッジもかなり落ち込んでいます。現在は、情報通信の逆張りと中小型株が強いという状況が続いていますよね。

過去にはコロナショックやリーマンショックなど、さまざまなショックがありましたが、結局「◯◯ショック」が次の大相場の起点となることが多いです。

足元では「Anthropicショック」と呼ばれるショックが起きています。つまり、Anthropicショックで売られすぎた銘柄群の中に生産性が向上する銘柄や、AIによって収益が大きく改善するような銘柄があり、それらには比較的チャンスがあるのではないかと思います。

塩谷:見ているポイントは、Kenさんと似ていますね。

kenmo:ただ、足元ではAI・半導体関連のモメンタムがかなり強い状況にあります。一斉に買われて一斉に売られるといった動きが見られ、そのモメンタムの勢いで情報通信系を一気に買うような動きもあるように思います。そのため、若干スピード違反のような銘柄も散見されます。

Ken:言いたいことは、よくわかります。

kenmo:したがって、すぐに上値の銘柄を買えばよいというわけではなく、ボラティリティが高く、10パーセントから15パーセントほど下落する局面が普通にあると思います。そうなった時に、再びAIや半導体関連に資金が戻る可能性もあれば、SaaS系が切り返していく可能性もあります。

やはり上昇したら少し売り、下落したら少し買うというスタンスが重要です。なるべく中長期の目線で自分がどの銘柄や会社を応援したいと思うかを見極め、「下がったら買いたい」と思える銘柄を購入するのがよいのではないかと思います。

私自身、今期の好調な銘柄や目先の上がる銘柄ではなく、今後2年から3年ほどで成長が期待できる銘柄を購入しようと考えています。そのため、「今ではないかもしれないけど、2年から3年後には業績が大きく伸びそう」と評価できるような分野に、少し資金を振り分けています。

直近の株価に強く意識が向いてしまう

塩谷:では、情報通信など一気に上がるスピードが速くなる銘柄の場合、今日のSHIFTなどはいかがでしょうか? あの上がり方は、速いという認識になりますか? 

kenmo:少しやりすぎ感がありますね。「1ヶ月前のSHIFTを知っていますか?」という感想です。急にモメンタム勢が入ってきている印象を受けます。

塩谷:今日もSHIFTは上値で買われていましたね。

Ken:(個人投資家の)cisさんなどもXに投稿していたと思いますが、目の前や直近の株価に強く意識が向いてしまうという話がありました。決算内容の変化により状況が好転したといえばそうなのですが、SHIFTを下値で買わなかった人が現在の高い水準でも買いたいと考えているケースが非常に多いと思います。

ここは、考え方を切り替える必要があります。これまでは、決算発表後に買うのであれば、基本的に次の決算をまたぐつもりで購入する方が多かったかと思います。

しかし、次の決算までの値幅が過去に例のないほど大きくなっています。キオクシアホールディングスは、前回の決算後に高値で4万円から5万円ほどでしたよね。

塩谷:5万円前後くらいですね。

Ken:それが11万円まで上がり、現在は5万円を割り込んでいます。倍になった後、半値になったというわけです。

Ken:先ほどのkenmoさんのお話の流れで言うと、Sansanも上昇していると思います。前回の決算時には1,200円から1,300円程度の株価水準でしたが、現在は2,000円弱に達しており、40パーセントほど上昇しています。

これはSansanが高いか安いかという話ではありません。40パーセント上がっているということは、決算に求められる内容も変わり、株主も入れ替わっている状況だということです。今買っている方が「決算が良かった」という理由で買っているのだとすれば、本来は初動で入るべきだったということを考慮する必要がありますよね。

塩谷:確かにそうですね。SaaS銘柄のSansanでこれほどのボラティリティが出ることは、これまでありませんでした。

Ken:そうですね。1月から2月は間違いなく、このような銘柄には厳しい相場だったと思います。しかし、Sansanが安値から60パーセントも上昇するような年はそれほど多くありません。ある程度タイミングを見極められれば、投資利回りとしては十分だと思います。

今年はまだ半分ほどが過ぎたところですが、さまざまな勝ち方があったと思っています。

今期の決算またぎへの期待値は?

塩谷:今後、資金が集まりそうなのは、中小型グロースの中でも時価総額が比較的大きな銘柄でしょうか? 

kenmo:機関投資家と個人投資家の動きを考える必要があります。機関投資家は、AIや半導体のインフラ投資関連銘柄の一部で利益確定を行い、AI×ソフトウェアやバリュー系銘柄へ資金をシフトしているような気がします。

当然、個人投資家もその流れに追随するでしょう。大口の機関投資家が投資するには、最低でも時価総額が300億円から500億円ほど必要です。個人投資家も資金を持っているため、現在は時価総額500億円から1,000億円以上の銘柄が比較的活況だと思います。

これらがいったん上がりきると、小型株にも資金が回ってくるでしょう。そして最終的には、すべてが一緒に大きく調整するというイメージを持っています。

塩谷:確かに、コンサル系でもノースサンドなど、ある程度の規模があるところは決算後の動きがよいですね。

Ken:ただ、独特のクセがありますよね。ノースサンドもいったん上がった後に下がり、その後また買われていました。

kenmo:そうですね。結局はボラティリティです。

Ken:全体としては上昇しているものの、1本の陽線や陰線で5パーセントから10パーセント程度の値幅が出るため、厳しいと言えるでしょう。

塩谷:これはきついですね。ノースサンドは決算後に一度下がったのでしょうか?

Ken:6月11日の決算後に一度下がっています。そのため、おそらく窓が開いている部分があると思いますが、これが決算の特徴だと言えます。

kenmo:確かに一度下がった後、最終的には買われていますね。

Ken:10パーセントまではいかない程度の下落であり、数字自体は悪くない状況です。

塩谷:そう考えると、今回の決算についても、決算またぎに期待値はないのかもしれませんね。

Ken:期待できない銘柄が多いと思います。

kenmo:この時期は機関投資家が夏休みに入ります。一方、個人投資家がお盆休みに入ると、デイトレーダーなど短期トレードをふだんはしない方も行うようになるため、需給の乱れが生じることがあります。

個人投資家は良い決算を評価して決算直後にすぐに買いに走るわけではなく、むしろ翌日に売られるケースも多いと感じています。お盆が明ければ機関投資家が買いに入ることがあるため、ポジションを取りすぎるのはリスクが高いかもしれません。

私は最近、中長期目線で「次の決算がどうであってもよい。下がったら買いたい」と思える銘柄を買うほうが良いと考えています。現在はボラティリティが非常に高いため、それに振り回されない戦略を考える必要があります。

塩谷:決算またぎを考えていても、例えば先ほどのノースサンドのように決算後に大きく下がった場合は、売却してポジションを整理するべきですよね。ポジションが多すぎると、ボラティリティについていけなくなります。

Ken:そうですね。kenmoさんがおっしゃっているように、下がってもむしろ買い増ししたくなるほどの銘柄でなければしんどいと思います。

自社株買いのインパクト変化やTOPIX改革にも注目

Ken:今日もう1つ話題にしたかったのが、日本株全体の時価総額についてです。日本株全体の時価総額は、非常に増加しています。それに対して、これまでの最大の買い手は自社株買いでした。

しかし、自社株買いの金額は今年も昨年とほぼ同じ水準です。それにもかかわらず、株価は大きく上昇しています。さらに出来高も増えているため、市場における自社株買いのインパクトは、比率としては小さくなっていると考えています。

株価上昇分を考えると、自社株買いも20パーセントから30パーセントほど増加する必要があるはずです。しかし、それが増えていない中でも大型株などは日経平均で大きく上昇しているため、自社株買いのクッション材としての役割が弱まっているのではないかと考えています。

塩谷:買い主体である法人ですよね。そのインパクトが弱まっています。どこかの証券会社のレポートでも最近目にしたような記憶があります。

Ken:私もAIを活用して「TDnet」から情報を集めて確認していますが、自社株買いの金額は昨年とほぼ同じです。

決算前は自社株買いが進み、残りの枠が減少するタイミングです。つまり、7月は自社株買いの枠が少なくなりやすい時期といえます。その後、8月には決算と同時に新たな発表があることもあります。5月や11月は、自社株買いが最も増える傾向がありますね。

塩谷:1Qと3Qは残りの枠が減少しやすく、2Qと4Qの間には新たな発表が出やすいというわけですね。

kenmo:もう1つ付け加えると、この夏の大きなイベントはTOPIX改革だと思っています。TOPIX残留に向け、特にボーダーライン上の企業が大きな還元策を打ち出す可能性があります。

塩谷:8月の平均値が基準になりますから、あるとすれば7月中でしょうか。

kenmo:ボーダーライン上の多くの企業は、残れるものなら残りたいと考えています。ただ、企業側が考える「がんばりました」と、市場が求める「がんばりました」には違いがあると思っています。

塩谷:ギャップはありますね。

kenmo:おそらく、その差はかなり大きいのではないかと思います。企業としては「自社株買いを2パーセントやります」で、「がんばりました」と考えていても、市場が7パーセントや10パーセントを期待していれば、その期待が先行し、反動で売られる可能性があります。ましてや、自社株買いがなければ、それだけで売られることも考えられます。

TOPIX残留を目指した企業のアクションという短期材料を狙い、決算前に買いが入る可能性もあります。そのため、需給がさらに複雑になる決算シーズンになると思います。

TOPIXのカタリストはおもしろいと思う一方、出口となってしまう可能性もあります。「ここで抜けなければ、いつ抜けるのか」と考えている方も多いですよね。そのため、カタリストを本気で狙いにいくのも怖いと感じています。

塩谷:TOPIX残留や新規組入れについて言及する人は増えていますね。ライブ配信のチャット欄にも「残留期待の銘柄は、全部空売りでよいと思う」という投稿がありますが、全体的には買い目線で狙っている方が増えている印象です。

今回、『会社四季報』のコメントには「TOPIX残留に意欲」という表現が多く見られます。私もそのような銘柄をメモしていますが、やはり反応していますね。

kenmo:そうですよね。企業の話を聞いても「残れるものなら残りたい」という発言が多く見られますが、「遮二無二残りたい」という企業は、本当に数社程度だと思います。

大半の企業の温度感は「残れるものなら残りたい」という印象です。その温度感を誤って購入すると、痛い目に遭う可能性があります。

塩谷:確かに、そのとおりですね。

防衛関連銘柄は拾いやすいテーマか?

kenmo:塩谷さんの今年の夏の投資戦略についてもうかがいたいと思います。

塩谷:本日は「情報クレクレくん」としてお話ししたいと思います。

kenmo:「情報クレクレくん」は許しませんよ(笑)。

塩谷:フリーライドは良くないですね。私の場合、直近では安保三文書の改定を踏まえ、防衛関連の銘柄を再度見直そうと考えています。

防衛関連銘柄は比較的売られて調整が入りました。とはいえ、防衛予算が具体化するのは概算要求が出る8月頃です。その具体的な数字が出た時にインパクトがあり、連想されそうな銘柄を検討しています。

例えば、防衛装備庁の「迎撃ドローン早期取得プログラム」にTerra Droneが採択され、株価が1.5倍になったような、短期的なアイデアもなんとなく持っています。

一方、長期的に防衛関連銘柄を予想するのは難しい面があります。1Qから3Qまでは数字が出にくく、4Qの期末にまとめて計上されることが多いためです。政府調達関連は、特にこの傾向が強くあります。

したがって、先ほどお二人が話していた「長い目線でじっくり買う」というような投資は、今回は少し難しいかもしれませんね。

kenmo:防衛関連銘柄はわかりやすいですね。米国のロッキード・マーティンは大きく下げた後、少し戻しています。ボーイングやノースロップ・グラマンなども買われています。

米国のリバウンド買いが続く間は、日本の防衛関連もおもしろいと思っています。そのため、米国の防衛関連を見ながら投資判断をするかたちになると思います。

塩谷:昨年は、米国のロッキード・マーティンを参考に、翌日にミラートレード的なかたちで日本の重工業系やIHIなどを購入すれば利益が得られる局面がありました。しかし、最近は動きがかなり分離してきた印象があります。

kenmo:そうですね。米国は米国、日本は日本といった動きになってきています。チャット欄に「弾薬系はどうですか?」というコメントもいただいています。

塩谷:カーリットなど、そのあたりのお話でしょうか。日本に弾薬庫の数を増やすという話題で、昨年はたびたびカーリットが取り上げられていましたが、今年はあまり話題になっていないようですね。

防衛関連は、昨年ひととおり見た方が多かったのではないでしょうか。そのため、再びテーマ化されれば比較的拾いやすいと思います。

Ken:今年も、ある意味では宇宙関連などが防衛関連としてのテーマ性を持っていると思います。

AI・半導体関連は中国企業の動きに注目

塩谷:決算前のため言いにくい点もあるかとは思いますが、ここからは具体的な銘柄について話を進めたいと思います。

kenmo:具体的な銘柄に関して、コメントで多くいただいているのは「AI・半導体はまだ買えるのか?」「キオクシアホールディングスをどう見ているのか?」という質問ですね。

個別銘柄については、特にAI・半導体関連から話を進めたいと思います。AIや半導体といえば、やはりKenさんですね。

塩谷:そうですね。Kenさんは、どのようにご覧になっていますか? 

Ken:先日、「革ジャンCEO(NVIDIAのジェンスン・フアンCEO)」が来日していましたよね。その際の話では、「日本は化学や材料科学で非常に優れたものを持っている」という話題が何度も出ていました。

その文脈で考えると、中国の露光装置の国産化や、メモリメーカーであるCXMTの昨日の上場、また、明日に控えているSK Hynixの決算など、さまざまな材料が挙げられます。

一方で、「半導体材料の需要が本当にそこまで減少するのか?」という疑問も残ります。代表的な銘柄としてはレゾナック・ホールディングスが挙げられますが、キオクシア関連として大きく下げている銘柄では、関東電化工業やラサ工業なども本日下げています。

また、サムスン電子やSK Hynixなど、韓国の半導体メーカーに関連する銘柄まで視野を広げると、ADEKAなども挙げられます。メモリ価格が下がる可能性はあると思いますが、半導体材料の需要量が減るというイメージは湧きません。

しかし今後、米国と中国がAI開発競争をさらに進める中で、どこまで事実かは不明ですが、DeepSeekのCEOも「まだチップがまったく足りない」と述べています。中国製AIが成長していけば、中国向けに薬品などを供給している企業も引き続き強さを示していくのではないかと思います。

さらに、中国が半導体の生産量を増やせば、世界全体の材料需給が引き締まると考えられます。例えば、これまで中国が輸出していた材料が輸出できなくなれば、米国や日本は新たな調達経路の確保を迫られ、サプライチェーンの整備がさらに進むでしょう。

塩谷:やはり数量は増えますよね。メモリ半導体やロジック半導体の需給が引き締まった状態から、供給の増加によって需給が緩むという状況が出てきても、より上流の材料使用量が増えることになります。その結果、上流に位置する材料の需給が逆に引き締まる可能性がありますね。

今日の値動きは、そのようなことをまったく考慮していないように、関連銘柄が一様に下がっていました。そのような局面に、買い拾うチャンスがあるのかもしれませんね。

kenmo:今日のキオクシアホールディングスは、寄り付きからしばらく値がつきませんでした。

Ken:しばらく寄りませんでしたね。このままストップ安になるのかと思いました。

kenmo:20分以上寄らなかったので、その間は売れず、余力を確保するためにほかの銘柄を売る動きが出たのだと思っています。

キオクシアホールディングスの値動きが落ち着けば、次のAI・半導体相場の主役も出てくると思います。そのため、いったん値動きが落ち着いてから、強い銘柄を素直に買っていくという戦略でもよいかもしれません。

Ken:そうですね。ボラティリティが落ち着くことが、今の日本市場にとって非常に重要です。先ほどもお話ししましたが、そのクッションの1つが自社株買いだったと思います。しかし、市場全体に占める自社株買いの比率は低下しています。

また、AI関連でいうと、今日見ていたのは「Kimi K3」です。

塩谷:中国のAIモデルですね。

Ken:AIの利用量や課金額を確認できるサイトがあります。「Claude Opus 5」が今後1位になるとは思いますが、現時点では「Claude Opus 4.8」「Claude Opus 4.7」に次いで「Kimi K3」が3位に入っていました。

これは、中国製AIモデルにとって非常に大きなことです。これまで中国製AIモデルは、大量のトークンが使われることはあっても、課金額ベースのランキングで上位に入ることはほとんどありませんでした。

トークン数ベースでは、Xiaomiの「MiMo」シリーズなど、中国製モデルが上位に入ることもありました。今回、「Kimi K3」が課金額ベースでも上位に入ったことで、中国が本格的に計算資源を購入するフェーズに入る可能性もあると思います。

この流れが続けば「DeepSeek」をはじめ、さらに強いモデルが出てくるかもしれません。相応のコストはかかりますが、課金額ベースでも利用が伸びる中国製モデルが増えていくと思います。実際に米国企業でも「Kimi K3」を利用している会社はかなり多いと思います。

塩谷:米国企業が中国発の生成AIサービスやフロンティアモデルを使っているという話は、私も聞いていて意外に思いました。不思議ですよね。

kenmo:その動きが数字にも表れているのですね。

Ken:中国製AIモデルがなければ厳しいという会社もあるほどだそうです。中国が計算資源を増やしていくことは、ほぼ間違いないと思います。

そうなると、半導体製造装置まわりでは、中国国内で国産化を進めたいという動きがあると思います。しかし、半導体製造用の薬品などはすぐに代替できるものではありません。日本企業が世界的に高いシェアを持つ分野もあります。

そう考えると、半導体材料関連企業も数量アップとなるのではないでしょうか。

塩谷:中国におけるDUV露光装置についても「今年5台納品できます」「2028年にがんばって20台納品します」というかたちですよね。

Ken:その台数のレベルであれば、ASMLへの影響度は「2、3年後に1桁パーセント後半の数値が出るかどうか」というレベルの話になるのではないでしょうか。

塩谷:そちらのSPE(半導体製造装置)を含めたキャッチアップが進むことで、この3年から5年の間に化学や材料などは、これまでどおりのサプライチェーンになるのではないかと思われます。

今こそウォッチリストに入っていない中小型株を発掘するチャンス

塩谷:kenmoさんからも、なにかありますか?

kenmo:AI・半導体について、私は「結局わからんな」というふうに落ち着きました。

(一同笑)

塩谷:私も同じくです。

kenmo:Kenさんのように、日々のニュースをしっかりキャッチアップして売買の判断ができる人であればそれも良いかもしれませんが、私はもう疲れてしまいました。

Ken:ボラティリティが異常ですから、疲れますよね。

kenmo:ボラティリティも異常ですし、毎日の仕事や趣味、遊びに使うリソースをニュースを追うことに使わなければなりません。しかもアメリカのニュースは夜に出ることが多いじゃないですか。

Ken:朝起きたら、また新しい情報が入っていることもありますよね。

kenmo:私は一個人投資家の立場で、そこまでしてニュースを追う必要はもうないのではないかと思っています。

もっとわかりやすく業績が伸びている企業や身の回りの企業に注目することで、中小型株投資の本来の楽しさを再認識してもよいのではないかと思っています。現在、中小型株はどれを買っても非常に割安です。

塩谷:本当に安いですよね。

kenmo:期待がまったく乗っておらず、流動性も低いため、機関投資家も入り込んでいません。

私もウォッチリストの1ページ目はAI・半導体関連ばかりになっています。おそらく、多くの個人投資家の証券アプリのウォッチリストも同様に、AI・半導体関連で埋め尽くされているのではないでしょうか。

塩谷:当社の「PERAGARU(ペラガル)」も、AI・半導体関連が最初に表示されるようになっています。耳が痛い話ですね。

kenmo:今こそ、ウォッチリストに入っていない中小型株やログミーFinanceに登壇されるような企業を発掘するチャンスではないかと、個人的には思っています。これは私の願望も含みますが、2017年の中小型株相場の再来を2027年に期待したいという気持ちがあります。

塩谷:めちゃくちゃ良い話ですね。

kenmo:現在の良い点は、発射台が低く、誰も注目していない点です。これは消去法的に資金が流入する理由になると思っています。

ただし、そのためのカタリストが何なのかは難しいですね。AI・半導体に疲弊した方々は、もう少しほかの分野に目を向けても良いのではないかと、強く思っています。

塩谷:すばらしいお話ですね。コメント欄でも「わかる」という反響を多数いただいています。

kenmo:ありがとうございます。本当に疲れますよね。

塩谷:確かに、ニュースを見る時間も夜遅く、疲れることもありますよね。

生産性改善による利益率向上は、まだ織り込まれていない

Ken:カタリストとしては、生産性改善などが挙げられるかもしれません。「Claude Fable 5」や「Claude Opus 5」などは、私自身も「これはめちゃくちゃ業務改善になるな」と思いながら利用しています。

塩谷:本当にめちゃくちゃ使っていますよね。

Ken:間違いなく生産性改善へのハードルは非常に低くなっています。現在のコスト感覚であれば、自然と改善が進むでしょう。そうなると、小型株で効率的な施策を導入することで利益率が大きく変わる可能性が高まります。

生産性改善は実際に試してみなければわからない部分が多いですが、「これぐらいになりそうだけど……」というものも含め、ガイダンスに織り込まれていない点がおもしろいところです。

先日、noteの上方修正がありました。noteはさまざまな提携を進めており、マルチプルが高かったため納得感のある印象はあったものの、まったく織り込まれていない状況でした。

kenmoさんが話していたように、PERが10パーセントから15パーセント程度、営業利益が20パーセントから30パーセント成長だったものが、今期は突然60パーセント成長となることも、当然ながら織り込まれていないのです。

それだけで一発ストップ高になっても不思議ではない状況です。そのような点では、非常に魅力的だと思います。

塩谷:先日取材したとあるSaaS企業は「生産性の改善が実現すれば劇的な変化をもたらす一方、人件費はすぐに削減できないため、最初に減らすのは外注費だ」とおっしゃっていました。

Ken:業務委託費などですね。

塩谷:それを踏まえ、「直近1年間で見えるPLの変化は限定的かもしれない」と正直に回答してくれました。一方で、以前はARRの成長に伴って採用数を増やしていたため、人件費も増加していましたが、現在は同じ人員で運営可能となっています。

企業からは「ARRが20パーセントずつ成長していく中で、例えば粗利率が50パーセントの場合、販管費が一定であれば、1年半から2年後には利益率が10ポイント改善する将来像は十分にあります」という説明もあり、確かにリアルな見通しだと感じました。

Ken:ある意味で日本的な考え方とも言えますね。

塩谷:日本は人員整理が難しいですからね。そう考えると、来年にはこのような状況が徐々に顕在化されてくる可能性があります。

Ken:来年には、少しずつ兆候が見えてくるのでしょうか?

kenmo:そうですね。パートスタッフや外注の見直しが徐々に進行し、採用も段階的に抑制されていく状況になるかもしれません。

Ken:また、それに関連した株式を保有していなければ「景気はどうなんだ?」というような話題が出てくる可能性がありますよね。

塩谷:確かに、そもそも雇用は縮小トレンドだという点ですね。

Ken:上場企業は生産性の向上によって利益が一気に拡大する局面が訪れると考えられます。ただし、雇用環境に関してはどうでしょうか? 日本の場合、アメリカと比較すると人材不足だと思われますが、話題になる可能性もありますね。

塩谷:そうですね。現時点では有効求人倍率も良好な数字を示しています。確かに、来年や再来年頃には影響が出てくるかもしれませんね。

決算前のトークライブは行間を読むのがコツ!?

kenmo:「御託はいいから、はやく上がる株を教えて」という催促が届きました(笑)。

塩谷:すごいコメントが届いていますね(笑)。

kenmo:難しいんですよ。ここで「じゃあ、おすすめ銘柄3選」と言えば、またPTSで購入されるわけです。「あいつが煽りやがって」とSNSで批判されますし、逆に言わなければ「ケチだな」と書かれるわけで。

(一同笑)

kenmo:私は、どうすればいいのでしょうか(笑)? このような配信では、いつも悩んでいます。

塩谷:人間の業の深さを表してますね(笑)。

Ken:ただ、読み取らなければ、個別銘柄についてお話しした内容は誰もがわかってしまうため、アルファのような特別な価値は一瞬でなくなってしまいます。

塩谷:そうなんですよ! みなさま(笑)!

kenmo:けっこう「行間を読んでもらいたい」と思いながら話しているところがありますよね。

塩谷:今も、けっこうなヒントが出ていましたよね。

kenmo:「例えば◯◯」というように、本当は銘柄について言及したいのですが、最近はあえてぼかさざるを得ない状況です。視聴者のみなさま、本当に申し訳ありません。個別で具体的に「この銘柄」と言えない事情もあるのです。

ただし、最近では「ChatGPT」のようなツールがあります。この配信の書き起こしを「ChatGPT」に入力し、そこから連想される銘柄を探してみると、けっこうおもしろい銘柄が見つかるかもしれません。

塩谷:今の話には良いヒントがありましたね。そのような使い方も、確かに効果的だと思います。

kenmo:最近の「YouTube」の活用方法も、おそらくこのような方向性だと思います。

塩谷:Kenさんのアジアにエクスポージャーを持っているテック関連の素材のお話や、kenmoさんのウォッチリストに入っていない企業を発掘するというお話など、けっこうヒントがありましたよね。

今後はAIのトークンコントロールも重要に

kenmo:ライブ配信前にシンプレクス・ホールディングスの話題が出ましたが、コメントでも届いています。「昨日出たシンプレクスの決算は、AIの使いすぎにより営利悪化していました。会社曰く、AI活用でコストと利益改善がフラットらしいです」ということです。

塩谷:これは、ありますよね。

Ken:おそらく、今後は最適化が重要になるのでしょうね。私も「無限に予算があります」と言われたら「Claude Opus 5」や「Claude Fable 5」を使いたいです。

しかし、私が行っているのは情報を要約し「Googleドキュメント」に記録して蓄積することなどがメインです。「Claude」の観点で言えば、「Claude Sonnet」や「Claude Haiku」など昨年登場した低コストモデルでも十分対応できます。そのため、コストコントロールを徹底すると、費用を5分の1に抑えられるのです。

塩谷:これからは、トークンコントロールのような概念が重要になってきますね。

Ken:今のタイミングが一番楽しい時期だと思います。エンジニアたちも、最新鋭のツールを会社の予算で自由に使えるような状況があれば、どんどん活用しますよね。だからこそ、さらに効率化を進めることが来年のテーマになるのではと考えています。

塩谷:そうですね。私もモデルごとのパワーコストを一覧で見られるサービスサイトをチェックしていますが、「Claude Haiku」であれば「Claude Opus 5」の4分の1程度のコストで済みますよね。

Ken:本当にコストが低いですね。

塩谷:このような低コストのモデルを活用すれば、法人導入した場合も十分なコストコントロールが可能ですね。

Ken:「Claude Opus」をメインで使用し、実行部隊はサブエージェントに切り替えて使い分けることも可能です。精度に問題がなければ、コストをさらに下げていけます。

また、これは慎重に話しますが、Anthropicなどからすれば、上位モデルを利用してもらったほうが、同じトークン数を入力しても「Claude Opus」や「Claude Fable」のほうが金額的には利益が出ますよね。したがって、AI企業側が上位モデルを推奨する可能性もあると思っています。

「この業務は『Claude Opus 5』がいいですよ」と言うものの、「Claude Haiku」に任せても十分な出力が得られる場合もあり、そこは選択次第だと思います。

塩谷:シンプレクス・ホールディングスは見た目があまり良くなく、内容もフラットなポジティブとネガティブが入り混じったものでした。とはいえ、それに対して、今日の動きを見ていても株価は下がりませんでしたね。

Ken:そうですね。下がると思っていました。

塩谷:昨日は9パーセントほど上昇していたため、その分は戻すだろうと思っていました。

Ken:5パーセント程度は下げてもおかしくないイメージでしたよね。

塩谷:このような動きを見ると、市場の潮目が変わりつつあるのかもしれないですね。

Ken:今日はkenmoさんが得意とするような銘柄が買われる動きが見られました。一方、シンプレクス・ホールディングスは本来であれば5パーセント程度買われてもよかったのですが、それ以上に上げ切れなかったというのが現状かもしれません。

kenmo氏が注目する優待需給投資

kenmo:私が現在考えている投資戦略があります。昨年出版した書籍でもご紹介したものです。

塩谷:聞きたいです!

Ken:大先生ではないですか。

塩谷:今、何万部ですか? 

kenmo:現在は24万部です。

Ken:すごいですね!

kenmo:書籍の中で、新高値ブレイク投資とモメンタム投資について紹介しており、それが昨年後半から今年前半にかけて非常に効果を発揮しました。中小型株の中長期投資も引き続き注目すべきだと思いますが、もう1つの投資方法として、優待需給投資を紹介しています。

具体的には、株主優待が出る権利日に向けて株価が徐々に上がるため、その値幅を取るという戦略です。最近の中小型株は、特に上場してから5年以内の企業で株主優待を導入するところが増えています。

Ken:確かに、デジタルギフトなどの導入がありますね。

kenmo:このような企業は、人件費の高騰やAI・半導体に資金が流れる中であまり注目されていませんでしたが、最近はバリュー株に資金が戻りつつあります。需給的には多くの売り手がすでに売り切った状態で、株主優待目的の買いがじわじわと入ってくることで需給のメリットがあります。

今年の8月はボラティリティが高く、全体相場が大きく下げたり調整したりしても、今年の後半から来年3月にかけて権利確定する銘柄を目指して、優待株を少しずつ取得していくことは、個人投資家の戦略としては有効かもしれません。

塩谷:おもしろい観点ですね。

kenmo:先日、ログミーFinanceのIRセミナーに登壇したSun Asteriskもけっこう良い株主優待を実施しています。これから株主優待を始める可能性がある企業もありますので、そのような株を100株や1,000株単位で分散して購入するのは、下期以降の投資戦略として有望だと思います。

Ken:ちなみに、そのような株は優待権利日まで保有するイメージですか? 

kenmo:優待権利日まで、徐々に株価が上がる傾向があります。あまりにも上がり過ぎた場合は、一度売却するのもよいでしょう。

おすすめとしては2単元分保有して、株価が上がれば1単元を売り、もう1単元は応援の意味で長期保有するかたちです。価格が大きく上昇し過ぎた場合は、両方とも売却してもかまいません。

Ken:なるほど、興味深いです。

塩谷:Sun Asteriskはどのような株主優待を実施していますか? 

kenmo:株主優待ポイントを提供しています。

Ken:ウィルズが提供するポイント型の株主優待サービスですね。

塩谷:さらに12月決算なのは良いですね。

kenmo:ログミーFinanceのIRセミナーでお話をうかがい、優待や配当を出していると知りました。

Ken:しかも、1Qの業績も良いですね!

kenmo:業績もまあまあ良好です。

塩谷:デザイン関連の企業なので、AIを活用して外注費を削減する側面もあるかもしれませんね。

kenmo:ベトナムの人材を活用しつつ、AIで生産性を向上させています。これは一例ですが、このような銘柄はログミーFinanceのIRセミナー登壇企業にも多く存在していると思いますので、探していくとおもしろいのではないのでしょうか?

塩谷:Sun Asteriskは意外ですね。

Ken:今後、還元を強化していきそうな企業もありますよね。

私は先日、ログミーFinanceのIRセミナーで明治ホールディングスのお話を聞いたのですが、次の中期経営計画で還元を強化する方向性であることを示唆していました。書き起こし記事を確認すれば、内容も載っているかと思います。

そのような情報をもとに、企業を見ていくのもよいのではないでしょうか。今のところ、まだ誰もマーケットをそのようには見ていないと思います。逆に、これまで深くウォッチしていた人たちが、この分野を見なくなってしまったようにも感じます。

塩谷:その気持ち、わかります。

kenmo:多くの人が、ウォッチリストからも外してしまいましたね。

Ken:だからこそおもしろいです。決算後の株価の反応も、今年は過去6年の中で一番悪い状況のようです。おそらく今回が特に悪いということもあり、本当に興味深いですよね。

例えばマクニカホールディングスは、一昨日の決算で株価が5パーセント上昇したかと思えば、今日は14パーセント程度下落している状況です。「なぜ買ったのだろう?」と思うような動きですよね。

塩谷:マクニカホールディングスは本当に難しい動きでしたね。

Ken:卸業や商社がマルチプル20倍、PER20倍というのはどうなんだという視点も、当然ながらあると思います。

塩谷:「CrowdStrike」の導入支援がほとんど自社SaaSのようになっているので「これくらいのマルチプルは許容だ」というような買いでしょうか?

Ken:確かに、セキュリティ分野の成長は著しいですよね。

塩谷:昨日来たかと思ったら、今日は半導体関連が15パーセント安という状況でしたね。株式市場については、非常に難しい状況が続いています。

kenmo:今年前半はSaaS関連銘柄が一斉に売却され、現在はAIや半導体関連銘柄が一斉に売却されるという、まさに「連帯責任相場」という様相ですね。

塩谷:本当に困ったものです。ただ、今日お二人が見ているポイントを理解できて、非常に参考になりました。今日の話をすべてAIに入力し、個別株の選定まで行ってみたいと思います。

ログミーFinanceのIRセミナーで注目の企業

塩谷:ここからはログミーFinanceの直近のイベントについてご案内します。

最近、ログミーFinanceはUIが大きく変わり、どんどん見やすくなっています。トップメニューの「オリジナルイベント」のセクションをご覧いただくと、直近でIRイベントを開催する企業が一覧で確認できます。

例えば、8/12開催予定のGENDAは、以前ナフサの価格が影響してプライズ関連の粗利率が非常に低下する状況がありましたが、回復がどの程度進んでいるのか非常に注目しています。GENDAは個人投資家の取材をあまり受けていないのではないかと思いますが、ログミーFinanceでは詳細に話を聞くことができることもあり、この点に注目しています。

Ken:8/25にはイノテックも開催予定ですね。こちらはプローブカードを取り扱っている企業ですよね。

塩谷:こちらもキオクシア関連ですね。ほかに気になるところはありますか? 個人的には、大石産業が気になっています。

Ken:ダンボールを手がけている企業でしたっけ? 

塩谷:ダンボールや紙パルプモールドの卵容器を取り扱っていますね。

Ken:ダンボールや紙に関連して、従来の食品容器はプラスチックや発泡スチロールが主流でしたが、最近では紙に切り替えるという需要が増加しています。

塩谷:多いですよね。最近は取材を通じてそのような変化を強く感じており、「誰にも言わないでおこう」と思っていました(笑)。

kenmo:触れられてしまいましたね(笑)。

Ken:少しずつ、そのような取り組みが増えていますよね。

塩谷:以前は紙のほうが高く、プラスチック並みの耐久性を持たせようとするとコストがかかっていました。しかし、最近のナフサ価格の高騰により、そこまでの差がなくなっています。

kenmo:逆に紙のほうが、ということですね。

塩谷:さらに、ESGの観点から採用する企業も増えているようです。

Ken:紙であれば、再利用やリサイクルが容易ですからね。

塩谷:大石産業やダイナパックはいいなと思います。

Ken:ダイナパックはデパートなどの紙袋にも多く採用されていますよね。

塩谷:そうですね。他にはなにかありますか? 

kenmo:Kenさんは最近とても忙しいですよね。ログミーFinanceのIRセミナーで引っ張りだこではないですか?

Ken:ありがたいことです。

kenmo:いつもKenさんが出ている気がします。

塩谷:いやいや、kenmoさんのほうが出ていますよ! おそらくkenmoさんが一番ですよね。

Ken:さすが、大先生ですからね。

SaaS企業の業績評価で注目すべきポイント

塩谷:7/30開催のSansanも気になります。今日は名前がたくさん挙がりましたね。個人投資家向け説明会かと思いますが、確か質疑応答も行ってくれるはずです。

Ken:マネーフォワードも7/31に開催予定ですね。

塩谷:7月30日から31日はSaaSの大型祭りですね。

Ken:変化があっておもしろいですよね。このようなSaaS系企業は新しいものを取り入れるのが早いため、わりと最初の段階で変化が見られます。

塩谷:ここで実施している内容が、その後のTier2やTier3の企業に波及するイメージがあるため、しっかり見ておく必要がありますよね。

kenmo:SaaS企業の業績評価において、注目すべきポイントはどこでしょうか? PSRで評価するべきなのか、生産性の改善なのか、それとも損益分岐点を超えて収益を上げているかどうか、どのように見るべきなのでしょうか?

Ken:最近では、ARRの伸びがより重要視されている気がしますね。なぜかと言うと、生産性改善はいつでもできるという考えもあるからです。まずは売上のトップラインを可能な限り伸ばし、その後に大きく改善を図るほうが、最終的に絶対に良い結果が得られるのではないかと思います。

塩谷:改善幅も大きいですからね。私もARRの伸長に注目しています。最近、決算説明資料や質疑応答でよく取り上げられているのが、AI関連の新プランや製品による伸長です。

日本企業ではまだ事例が少ないですが、アメリカではServiceNowのような企業がAI関連製品でARRの予測を上方修正する動きも見られます。例えば7月30日のSansanの発表で、AI関連製品のARR伸長について具体的な数字が出てくると、評価につながる可能性があると考えています。

Ken:各社がAI活用に慣れたため「AI予算」なども設定されるようになりました。収益の増加も期待できそうですね。

塩谷:確かに、その可能性はありますね。

kenmo:チャット欄に届いた「赤字を掘って攻めているSaaSよりも、きちんと儲けて還元しているSaaSのほうが好き」というコメントに共感しています。個人的には、こちらのSaaSモデルのほうが好みですね。

塩谷:では、一番還元に積極的なSaaS企業はどこでしょうか? 

kenmo:そんなに積極的でなくてもいいので、還元に対する方向性や意志をしっかりと示していれば良いと思います。

Ken:確かにそうですね。

塩谷:ウォンテッドリーはどうでしょうか? 還元には非常に力を入れ始めていますが、売上成長がやや止まり、利益成長も停滞しているように見えます。

Ken:バリュー株のような印象になってしまいますよね。

塩谷:そのあたりまでいくと、バリュー株に分類されるかたちになり、また少し異なった様相になりますかね。

kenmo:やはり、トップラインが伸びつつ……。

塩谷:還元も行ってくれて……。

Ken:ウォンテッドリーは、現在のPERが5.7倍ほどです。今期は減益のようですが、特別利益が計上されているようですね。

塩谷:不動産やオフィス立ち退きに伴う特別利益のようですが、やはり独特ですよね。ルノアールモデルのような、白金台の古い建物に拠点を構えるなど、独自の戦略を取っています。

Sansanも還元に少し力を入れていますね。

Ken:そうですね。自社株買いを初めて実施した企業は評価できると思います。

塩谷:確かに、初めての自社株買いを実施したといったスクリーニングは良いですね。

決算シーズンに参考にしたいKen氏のAI活用法

Ken:初めての自社株買いについて、私はAIにアラートを設定して監視するようにしています。

kenmo:あと4分となりましたので、せっかくですからAIの活用法についてお聞きしたいです。

塩谷:Kenさん、ぜひお願いします。

kenmo:この決算シーズンに、AIをフル活用して次のお宝銘柄を見つけなければいけません。

Ken:私の場合、もちろん「J-Quants」は活用しています。「TDnet」での開示情報も取り入れ、前回の四半期や昨年と比較して大きな変化が見られる箇所を抽出し、その理由を分析しています。特に、強気な理由が判明した場合も抽出させていますね。

塩谷:それはいいですね。

Ken:基本的には、決算短信をメインにしています。決算説明資料を対象にしてもいいのですが、コストが非常に大きくなってしまいます。いったん決算短信をもとに、良いポイントで文言の変化が見られる箇所を拾っています。

また、自社株買いに関するデータも収集しており、新規取得や取得枠の推移を把握・更新しています。初めて自社株買いを実施する場合には、それを通知してわかるようにも工夫しています。今年は初の自社株買いが良いパフォーマンスを見せている印象です。

塩谷:しかも、わりと取得規模のパーセンテージが大きいですよね。最初のリリースで、いきなり3パーセントや4パーセントを実施するケースもあります。

Ken:そうですね。株価水準も低かったため、Sansanをはじめ、いろいろとおもしろい動きが見られます。

塩谷:決算短信の差分検知などは「PERAGARU」でも対応可能です。トークン節約のために「PERAGARU」を試してみてはいかがですか? 

Ken:なるほど、それは助かりますね。有料会員なので活用します。

kenmo:すかさず宣伝ですね(笑)。

塩谷:すみません、ここが差し込みどころかと思いました(笑)。実は、差分検知に関しては、ログミーFinanceの書き起こし記事でも差分検知の機能を準備しているとか。(注:過去決算との変化をAIで要約、記事中の該当箇所へワンクリックで移動できる「AI記事比較」として、現在は実装済み)

Ken:そうなのですか? 

塩谷:前回のトークライブでお聞きした時は、テスト的な機能だというお話だったかと思います。私はログミーFinanceの書き起こしで差分を読み取り、中期経営計画に対するテンションの変化などを確認しています。

「なんだか社長の自信がめちゃくちゃ強まっているな」「この社長は中計のことをあまり言わなくなっている」など、そのような点はよくチェックしていますね。

Ken:では、今後いろいろな機能が追加されるということでしょうか。私たちが最初に、みんなに気づかれる前に使うわけですね(笑)。

塩谷:誰にも言わず、こっそり使うかたちですね(笑)。

このような場をいただけるのは本当にありがたく思っています。決算前にお二人の話を聞けるのは、大変貴重な機会です。

kenmo:次回はお客さまを入れたいですね。

Ken:スタジオは比較的広いので、30人から40人は入れそうですよ!

kenmo:本日もたくさんの方にご覧いただいています。現在、同時接続で450人の方に視聴いただいていますよ。

塩谷:同時接続でですか? すごいですね。

Ken:スタジオに来たい方も、おそらくいるでしょうね。

kenmo:Kenさんと塩谷さんのお話を聞きたいと思っている方が多いでしょうね。

Ken:kenmoさんのサインが欲しい方も来られるかもしれません。

塩谷:確かに、リアルでも開催したいですね。

kenmo:ということでログミーさん、ぜひ次回はリアルイベントをご検討いただきたいと思います。

Ken:次の決算前となると、10月でしょうか。

塩谷:お二人とも、決算前の本当にお忙しい中、貴重なお話をいただきありがとうございました。

Ken:ありがとうございました。

kenmo:ぜひ、決算シーズンをがんばっていきましょう。

塩谷:視聴者のみなさまも、決算シーズンをがんばりましょう。

※このイベントは情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・銘柄の売買等を推奨または勧誘するものではありません。

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登壇者プロフィール

塩谷航平氏

株式会社hands代表取締役。2013年に野村證券へ入社。2018年に株式会社handsを創業し、機関投資家向け日本株リサーチサービス「PERAGARU」を提供。オルタナティブデータを駆使し、中小型株を中心に多様なセクターの企業分析を得意とする。

Ken氏

専業投資家。2020年に大学卒業後、専業投資家に。1日の大半の時間を投資に費やす。投資手法は、中長期で1.5倍〜3倍になると思えるような銘柄に投資。投資以外では、YouTubeチャンネル「1UP投資部屋」を中心に情報発信。

kenmo氏

中小企業診断士、個人投資家。1年で2倍を狙えるような日本の中小型株を主力とし、情報通信、建設、サービス、小売セクターを得意とする。2018年より湘南投資勉強会を主催。IR説明会も多数実施しており、個人投資家の側に立った、企業を鋭く掘り下げる質問に定評がある。

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