個人投資家トークライブ「決算前の投資戦略:注目セクター&必勝ポイント」
AI・半導体・インフレヘッジ、本決算の注目ポイントを語り尽くす!マーケットを熟知する3者の勝ち筋を大公開
登壇者名
株式会社hands 代表取締役 塩谷航平 氏
個人投資家 1UP投資部屋 Ken 氏
中小企業診断士、個人投資家 kenmo 氏
ゲスト紹介
司会者:トークライブ「決算前の投資戦略:注目セクター&必勝ポイント」を始めます。今回のゲストをご紹介します。向かって左から専業投資家のKenさんです。
Ken氏(以下、Ken):1UP投資部屋のKenです。よろしくお願いします。
司会者:続いて、株式会社hands代表取締役の塩谷航平さんです。
塩谷航平氏(以下、塩谷):「PERAGARU(ペラガル)」を運営している塩谷です。よろしくお願いします。
司会者:最後に、中小企業診断士で湘南投資勉強会主催のkenmoさんです。
kenmo氏(以下、kenmo):kenmoです。よろしくお願いします。「必勝ポイント」とハードルをすごく上げられて、つらいなという感じです。
(一同笑)
塩谷:ただでさえ株がつらいのに。
Ken:一気にプレッシャーがかかりますね。
司会者:本日は丸々1時間、好き勝手にお話しいただければと思いますので、よろしくお願いします。
塩谷氏恒例(?)の「キオクシアチェック」

塩谷:私はお二人に聞きたいことがたくさんあります!
Ken:やめてください(笑)。
塩谷:まず、最近会う人全員に確認しているのですが、キオクシアホールディングスを持っていますか?
Ken:キオクシアホールディングスは親分銘柄として、少し持っています。
塩谷:kenmoさんは持っていますか?
kenmo:少しだけ持ってます。
塩谷:お二人とも敵です。
Ken:敵なのですね。
kenmo:なぜですか?
塩谷:今、株をやっている人の中で、キオクシアホールディングスを持っている人と持っていない人で二分されていると思います。
kenmo:キオクシアホールディングスはお守り代わりというか、とりあえずポートフォリオの一角に少しでも入れておかないと、メンタルをすり減らしますよね。
Ken:「キオクシアが上がっていくのを見ているだけではきつい」ということですよね。
塩谷:そのとおりです。ちなみに、いつ頃キオクシアホールディングスを購入されましたか?
Ken:最初は3,000円で買いました。それから、2万円で買い直しました。
塩谷:3,000円の時は、いくらくらいで売却されたのですか?
Ken:7,000円くらいです。その後、高値を抜けるごとにトレードをしていたのですが、暴落がありましたよね。それで半導体関連の保有をだいぶ減らし、その後、2万円で買い直したという流れです。ストーリー自体はずっと変わっていませんね。
塩谷:なるほど。3,000円の時、つまり「3,000キオクシア」ですね。
Ken:「3,000キオクシア」です(笑)。
塩谷:kenmoさんは「何円キオクシア」ですか?
kenmo:私は2万円台ですね。
塩谷:すごいですね。そこから今も持ち続けている感じですか?
kenmo:持ち続けているといっても、まだ2、3週間程度です。3月の調整が終わった後、最初に上がっていったので仕方ないですね。
Ken:1.5倍から1.6倍ですよね。
kenmo:今回の決算シーズンでは5月15日にキオクシアホールディングスの決算がありますが、非常に大トリ感がありますね。
塩谷:そうですよね。本日のアドバンテストでも似たような動きがあります。ただ、明日のザラ場についてはまだわかりません。読みにくいですよね。
kenmo:決算シーズンの序盤戦では、個人投資家がキャッシュを持っていることが多く、良い決算を発表した銘柄に資金を投じる動きがあります。
しかし、前半戦の決算を受けて、「この決算がこういう反応ということは、きっとこの後出てくるあの会社の決算も良いだろうから先に買っておこう」という、いわゆる「決算スケベ買い」のような買いが徐々に入ると、中盤戦から後半戦にかけて需給が崩れることがよくあります。
また、5月8日(金)のSQ前後で、決算の流れが変わることも考えられるため、そこも注視したいところです。
塩谷:現在は決算への反応がやや緩い、あるいは甘いといった印象がありますが、お二人も同じように感じていますか?
Ken:そうですね。本日もアンリツが決算発表をして、PTSではストップ高に近い状態でした。
塩谷:「受注さえ伸びていればいい」という感じですね。
Ken:値幅は非常に大きく動くのに、その銘柄の購入者はあまり詳しくないという印象を受けます。逆に言うと、軽くて雑な買いが多いので、それがどの程度織り込まれているのかを注意する必要がありますね。
したがって、本来であれば5パーセント程度の上昇で決算を迎えるのが理想的ですが、需給が過熱すると20パーセントも上昇することがありますよね。その投資家たちが必ずしも詳しいわけではないため、その後に下落する可能性もあります。最終的には詳しい投資家たちが株を集めて終わることもよく見られるケースですが、とても難しい状況だと思います。
kenmo:さらに、PTSの動きと翌日のザラ場の動きがまったく異なる場合もあります。PTSは基本的に個人投資家が参加しています。個人投資家がつける値付けと、翌日以降に機関投資家や大口投資家がつける値付けはぜんぜん違うと思っています。
決算を予想するのも1つの戦略ではありますが、むしろPTSの値動きと翌日の大口投資家によるザラ場の値動きを見て、そのギャップを取るというのも戦略として考えられるのではないかと個人的に思っています。
Ken:そうですね。よくわかります。
塩谷:前場の反応はなだらかで、後場がとても強いこともよくありますよね。
kenmo:やはり現在は長期の大口資金が入ってきている状況です。決算を見て「今回の決算はすごく悪かった」と、個人投資家が売却する一方で、「安くなったら買いたい」という中長期のお金が流入しているため、決算発表直後はPTSでマイナス7パーセントにもかかわらず、翌日はプラスで始まり、そのまま引けるというケースも意外と見受けられます。
塩谷:そうですね。トーメンデバイスもあの数字でこれだけ上がるのかと驚きました。やはり織り込みが大事だと感じます。連れ買い・連想買いでミナトホールディングスやマクニカホールディングスも少し強い傾向が見られ、半導体全般が強いという、まさにkenmoさんがおっしゃった状況ですね。
kenmo:今回の決算シーズンはそのような動きがありましたね。
塩谷:ありがとうございます。冒頭でキオクシアチェックをさせてもらいました(笑)。ちなみに、最近はキオクシアホールディングスを保有していない人にはあまり出会いません。最近会った人は、「3万キオクシア」の人が多いです。
Ken:だいぶ高値ですね。
塩谷:けっこう高値で取引している人が多い印象です。
kenmo氏の注目セクター
塩谷:お二人の注目セクターについてうかがいたいのですが、kenmoさんからお聞きしてもよろしいですか?
kenmo:では、儲かっていない私から先に話しますね。その後、儲かっているKenさんにおまかせします。
(一同笑)
塩谷:そうなのですか?
Ken:いや、まぁ、ぎりぎりです(笑)。
kenmo:今年は1月、2月が本当に……1月は良かったのですが、2月はぜんぜん乗れていませんでした。3月、4月はマーケットが荒れていたため、なんとかそこでビハインドを取り戻したという感じです。
私は情報通信セクターをずっと見ていますが、やはり買われにくいという印象ですね。結局、コンサル系の企業は決算自体は良いのですが、5年先をマーケットが織り込んでいて、「マーケットってそんな先を織り込むんだっけ」という印象を受けています。
マーケットは1年や2年先の決算の良し悪しで動くものだと思っていたのですが、半導体業界と同様に、5年先を織り込んでいるように感じます。その結果、PERの極端な差が出てくるわけです。
塩谷:そうですね。AI関連銘柄などの目線や時間軸で他の銘柄も見るようになりましたよね。
kenmo:私はポートフォリオをAI・半導体チーム、情報通信セクター逆張りチーム、そしてインフレヘッジチームの3つに分けています。
塩谷:えぇ!?
Ken:それはおもしろいですね。
kenmo:結局、情報通信セクターが売られると半導体が買われたり、逆に半導体が利益確定されると情報通信セクターが買われたりと、連動している面があります。安いのは情報通信セクターだと思う一方で、AI・半導体も追随しなければなりません。したがって、そのバランスを取るために、だいたい1対1対1くらいの割合でチームを分けています。
塩谷:本当に3等分くらいですね。
kenmo:そうです。AI・半導体系を1、情報通信系を1、インフレヘッジ系を1という感じでポートフォリオを組んでいます。
塩谷:インフレヘッジ系は、具体的にどのような領域を指しているのですか?
kenmo:メーカーで値上げに成功しており、AIや半導体には直結しないものの、日本のインフラを支える企業です。ある程度価格転嫁ができている会社をポートフォリオに組み入れています。
塩谷:コンサルティング分野では、ノースサンドが第4四半期単体でもガイダンスが完璧で、さらに修正余地もあるという非常に良い具合であった印象を受けましたが、結果は芳しくありませんでした。
kenmo:日本のだいたい1.5年先を行っていると言われているアメリカで、現在アクセンチュアが低迷している状況です。
おそらくアメリカのコンサルティング市場も二極化が進んでおり、小規模で機動力のあるコンサルティング企業が成功している例があります。選別を進めれば興味深い発見があると考えています。
ただ、これまでのコンサルティング企業のあり方を大きく変えなければならない時期に差し掛かっています。アクセンチュアは現在約2万5,000人の従業員を抱えていますが、おそらくその人員を削減し、構造改革を進める必要があるでしょう。
小規模のコンサルティング企業は今後さらに成長する余地がありますが、規模が大きくなりすぎたコンサルティング企業は、人員削減や組織再編を求められる可能性があり、その過程でトップラインが伸び悩むことがあると思います。
本日、ノースサンドは大幅に下がりましたよね。

Ken:でも、このようなかたちのチャートは多いですよね。
塩谷:多いですね。4月中旬以降、他の銘柄でもこのようなチャートが続いています。業績は良いのに、なぜか弱いというこの現象は何なのでしょうか? グロース株の業績が良かったところがみんな下がっています。
kenmo:確かにそうですね。
Ken:本日の理由は定かではないですが、買いが続かないという印象が強いです。先日「Claude」を使ってAIで物品を売買するというようなニュースがありました。おそらく、あれからメルカリなどが連想されたという話題があったと思います。
塩谷:ありましたね!

Ken:そのような連想が入ると、みんなが売ってきますので、どこかで売らなければならない銘柄になってしまうのではないでしょうか。
ノースサンドの事例も売りやすい状況なのではないかと思っています。これだけのガイダンスが出ても買う人が現れない場合、次に普通の決算が出てきたとしても、サプライズというわけでもありません。自社株買いがあったら少し厳しいくらいなのではないかと思います。
売りやすい状況が続き、さらにAnthropic系のニュースが出た場合、1日で5パーセントほど下げることもありますから、そのように考える面もあると思います。長期的な視点での買い方はしにくい傾向にあります。
塩谷:おっしゃるとおりですね。
Ken:さらに言えば、次のガイダンスが強くても、決算をまたいで第1四半期からいきなり上方修正があるかというと、そうではないですよね。
塩谷:先ほどのお話は、Anthropicが社内でメルカリのようなツールを作るというニュースでしたが、あえてあのような動きをするのは、フリーマーケット系の会社の株価を下げるように動いているようにも感じます。
Ken:それが意図的かどうかはわかりませんが、そのような流れができていますよね。
塩谷:Anthropicについては、最近ニュースフローの頻度がどんどん高まっているため、グロースが下がりやすいというのはわかります。
Ken:そうですね。先ほどkenmoさんから5年後を見据えているという話がありました。しかし、5年後のことは予測が難しいため投資判断ができない、つまり買えないということなのかと思います。
AIの進化について、私たちは5年後までを完全に予測することはできません。現在の話を経営者が話すことは可能かもしれませんが、5年後の話を明確にできる人はほぼいないのではないでしょうか。
塩谷:そうですね。いないですね。
kenmo:インサイダーをしているのではないかと思ってしまいますよね。
Ken:できてしまう立ち位置ですよね。
kenmo:たいしたことのないプロダクトであっても、ニュースフロー1つで5パーセントほど下げることがあります。アメリカでも、戦争のタイミングで少しインサイダーっぽい動きが見られることがありましたよね。ここでするお話ではありませんが、そのような動きがあるのかなと邪推してしまう時もあります。
塩谷:どうしても思ってしまいますよね。社内でもそのような話ばかりしてしまって、それで傷を癒しているというところもあります(笑)。
Ken氏の注目セクター
塩谷:Kenさんの注目セクターはいかがですか?
Ken:AIはもちろんですが、その周辺領域ですね。例えば、本日であれば電力が強いですし、AI導入関連の動向にも注目しています。
塩谷:導入関連とはどのような部分でしょうか?
Ken:私はエンジニアではなく素人ですので専門的なことはわかりませんが、自分でAIを使い始めてから、サーバーやWebアプリとしてデプロイするためのツールなどがあることを知り、注目しています。
例えば、私もGoogle系のツールを使っていますが、AWSの事業などは成長が期待できるように思います。また、課金体系がトランザクションや保存容量に基づいている部分もあり、「Amazon S3」のようなサービスがさらに伸びそうだと感じています。キオクシアホールディングスのようなアイデアと同じだと思います。
これまでSaaSが支持されてきた理由の1つに、「自分で1つずつシステムを作るとコストが高いし大変だ。ある程度共通化されたパッケージをみんなで使い、それをアップデートしたほうがいい」といった点があったと思います。
しかし、コストが急激に下がったことにより、個人や企業専用のシステムが構築しやすくなりました。自社開発でも外注でも、さまざまなシステムを作りやすくなったと考えています。その結果、これまでシステム化を必要としなかった部分でも、費用対効果が見合うようになり、システム化が可能になったと感じています。
それに伴い、保存容量の需要が増し、サーバーの負荷も必然的に上がるでしょう。そうなると、導入系のサービスを行っている企業は少し利益を得られるのではないか、ということですね。
塩谷:SIerのような企業ですか?
Ken:これは特に注目しているわけではありませんが、例えばサーバーワークスのような会社ですね。
塩谷:なるほど! そのような銘柄ですね。
Ken:請求額に対して10パーセントの手数料を上乗せしているようなモデルがありますよね。導入やその後にかかる費用としてサーバーワークスに支払われますが、約9割はAWSなどに支払われるかたちで、10パーセントだけ自社の利益となるような仕組みです。そのようなビジネスモデルは、円安の影響もあり、少しおもしろいかと思います。
例えば本日、アンリツで下期からの需要として1.6テラ容量の製品が出てくることが話題になっています。これは昨年頃からすでに議論されていたことで、製品群としては2024年末頃から、データセンター向けに1.6テラの製品が市場に出てきています。
今年はこの需要に対してどの製品が採用されるかが鍵となります。明らかになるまでもう少し時間がかかるかもしれませんが、その動向が注目されることは多くの人が知っていたことです。
知っている人は普通に知っていたことですが、Xなどでもあらためて話題になっており、それで株価が上がるのであれば、まだ難易度は低いかと思います。
kenmo:ファナックがストップ高となり、レーザーテックもストップ高となりましたね。
Ken:そうですね。当たり前と言えば当たり前ですが、資金の入り方が情報通信銘柄とはぜんぜん違いますよね。特にお話ししたいのは、なぜ二極化相場になったのかという点です。
いろいろと調べて思ったのですが、現在はまず大前提として指数が上昇相場にあります。そうなると、指数上昇についていくためには、基本的にその中でも高ベータ株を買わないといけないのです。低ベータ株を買っているとアンダーパフォーマンスしてしまいます。
例えばTOPIX500で見ると、高ベータ株は150銘柄程度しかありません。これは何と連動しているかというと、MSCIの採用銘柄です。かなりリンクしているようで、レポートでもそのような内容がよく出ています。
塩谷:アナリストレポートが出ていましたね。
Ken:私も調べてみましたが、そのリンクはかなりあると思います。結果として、高ベータ株を買うしかない状況になり、150銘柄ほどに集中しているということです。上昇する銘柄を買っていく以外に手はなく、それによってストップ高の銘柄が出るわけです。
ファナックは少し特異な例ですが、キーエンスなどもストップ高になるケースがありましたね。
塩谷:確かにありましたね。
kenmo:仕方なく買わされるという感じがありますね。
塩谷:海外の投資家の多くは、高ベータ銘柄のスクリーニングを実施しているらしいですね。そうすると直近では130銘柄から140銘柄しかないらしいです。
Ken:そうですね。しかも、株の流動性が高いかというと、高ベータ銘柄の多くは日銀によってかなり買われていることが多いです。アドバンテストなどもそうですね。
そのため、流動性はあまり高くありません。一見、売買代金が上がっているように見えるかもしれませんが、例えば100億円、200億円という規模の注文が飛んできた時には、高値から供給がないと難しい状況です。
質疑応答:投資へのAI活用事例について
塩谷:コメントが多く寄せられているようですので、少しご紹介していきましょうか。
kenmo:「バリバリKenさん、バリバリkenmoさん、塩谷さん、こんばんは。よろしくお願いします」というコメントが来ています。ありがとうございます(笑)。
Ken:塩谷さんだけそのままですね(笑)。
塩谷:「バリバリ」は『バリバリ伝説』から来ているのでしょうか(笑)。
kenmo:「AI投資活用の事例を教えてほしい」との質問が来ていますが、「PERAGARU」を開発された塩谷さんの得意分野ではないですか?
塩谷:投資に直接活用しているというよりもツールの運営なので、AIは開発にけっこう使っている感じです。
「Claude Code」や「Codex」など、エンジニアによって使用するツールは異なりますが、当社の開発チームも非常に変化しています。現在はエンジニアのほとんどがコードを書いておらず、一気に状況が変わりました。
Ken:それはすごいですね。生産性にも大きな変化があったのではないでしょうか?
塩谷:私自身は非エンジニアですが、それでも自作の「オレオレ株ツール」のようなものをある程度作れるようになりました。おそらく個人投資家の中にも、このような方が増えていくのではないかと感じています。AIによる直接的な投資アイデアとは異なりますが、短期の定量と定性の数字や情報は織り込まれ、アルファが失われる可能性があると強く感じています。
私自身は決算短信の変更点を記憶しておき、翌四半期の内容を見て「ここが異なっているから決算判断が甘くなっている可能性がある」といったレポートを作成していました。しかし、今回の決算期からは差分ツールを作成する動きが広まっているように思います。
kenmo:新しい表現が出てきていますね。
塩谷:多くの人がアラートを設定する仕組みなどを構築しているので、従来の手法は効かなくなっていくのだろうと感じています。そうなると、時間軸が徐々に長くなり、さらに難しさが増していくのだろうと思います。
お二人の活用事例はいかがですか?
Ken:決算当日に「Claude」などを活用して資料の内容を即座に取得できるようになり、その精度も向上しているので時短のために使用しています。私はエンジニアではないのですが、銘柄を管理するツールを試行錯誤しながら少しずつ作ってみたりしています。
ただ、画期的な「これだ!」と言えるようなものはできていないですね。
塩谷:それはよく聞きますね。「オレオレ株ツール」を作っている人たちは、スコアリングやスクリーニングの機能としては良いものを作れても、それが投資において大きな影響を与えるような変化をもたらしたかというと、そうでもないと言う人も多いですよね。
kenmo:確かに多いですね。ただ、周りを見てみると、「Claude Code」で開発された「オレオレ株ツール」を今回の決算から使ってみようという動きもありますよね。
塩谷:ちなみに、駄犬さんの「オレオレ株ツール」はすごいですね。
Ken:そうなのですか!? 駄犬さんはエンジニアでもありますよね。
塩谷:すごいツールです!「こうやって個人がエンパワーメントされていくのか」と思います。ただ、誰もがあのようなツールを作れるわけではないので、結局、勝っている人がより勝つという構図になりますよね。
kenmoさんもけっこう使っていますか?
kenmo:一時期はAIを使った銘柄分析や「Claude Code」を試してみたりしました。しかし、3月と4月のマーケットが大きく荒れたタイミングで一度AIを捨てたのです。
塩谷:えぇ!?
kenmo:AIではなく、しっかりと現場を見に行かなければならないと思いました。あえてAIで銘柄分析をしたり、騰落レシオを云々したりせずに、一度パソコンから離れました。「現場を見なきゃいかん」と思って、展示会に行ったり銘柄調査やヒアリングをしたところ、わりとパフォーマンスが良くなってきました。
塩谷:なるほど、そうなのですね。
kenmo:またいつかAIに戻るかもしれませんが、うまくいかない時はやはり現場を見たほうがいいと感じました。それが意外と重要ですね。
Ken:確かに、みんながAIを使うなら、むしろ逆のアプローチを取ったほうが良いという考え方もあるかもしれないですね。そこに織り込まれていないものを参考にできます。
kenmo:良し悪しですね。
質疑応答:NECとAnthropicの業務提携について
kenmo:「NECがAnthropicと提携するというニュースがありましたが、今後は日本企業が業務提携や資本投資することが増えるでしょうか? また、それにより株価上昇を期待できるでしょうか?」というご質問です。
Ken:知りたいですね。
塩谷:Anthropicと提携後のNEC株の値動きを見ていると、ゆっくりと毎日強いので、提携が発表されてからでもいいのだろうなと思ってしまいますよね。
kenmo:このセクターは、このような提携によって2、3日は株価が強い動きを見せるものの、1、2週間すると結局は下がってしまうという傾向があります。明日はNECの決算がありますね。明後日は祝日ですが、祝日前の決算は少し嫌ですね。
塩谷:確かにそうですね。
kenmo:日本の情報通信セクターの運命は、けっこうNECにかかっていると私は思っています。NECの決算が良い雰囲気であれば、中小型株やグロース系も含めて情報通信セクター全体が盛り返すと思います。
もしNECの決算がふるわなければ「中小型株も含めてグロース系は結局駄目だ」という認識になるのではないかと考えています。感覚的な話ですが、ここは非常に重要な決算となるように感じています。
Ken:そのようなことはよくありますよね。結局のところ誰も確実なことはわからないため、現在のEPSで勝負しているわけではなく、来期のEPSや全体の雰囲気が重視されるのですよね。
ですから、アメリカ株の動向を注視したりしますね。その点で言えば、AIでアメリカ株の前日の動向をまとめてくれるサービスなどは非常に便利だと思います。また、安値を更新しているセクターなども気になりますね。
塩谷:確かにそうですね。
kenmo:昨今では外国人の個人投資家も日本株に参入しており、アメリカ株と連動する傾向があります。
Ken:私たちがぜんぜん知らないインフルエンサーが煽って、ストップ高になっていることもありますよね。
塩谷:ありますよね。
kenmo:日本と同じようなことが起こっていますね。
塩谷:「Substack」のAltay Capitalというアカウントを知っていますか? 影響力を持っていて、ほどよいサイズの銘柄を動かしています。
Ken:時価総額1,000億円くらいの銘柄という感じですか?
塩谷:1,000億円未満が多いですね。いろいろなアカウントがありますね。
Ken:値動きの癖が本当に難しいですよね。
kenmo氏の注目銘柄
塩谷:本日はお二人の注目銘柄をぜひお聞きしたいと思っています。先ほどはセクターについてお話しいただきましたが、ここでは具体的な銘柄について教えていただけますか?
kenmo:実は先週末に公開された動画の影響で、株価がけっこう動いてしまったのです。
Ken:あの動画ですね! 本日も値動きがありましたよね。
kenmo:金曜日に動画を公開したら、PTS市場が反応して、本日も取引時間内で動いてしまいました。そのため、あまり詳しくは言えないのです。
Ken:確か10パーセント以上も上昇していましたよね。kenmoさんすごいですね!
塩谷:10パーセント以上ですか!? 具体的にどの銘柄でしょうか?
kenmo:詳しい内容は動画をご覧いただければと思います。
塩谷:本当に注目されていますね!
Ken:大スターじゃないですか!
kenmo:発表する場所やタイミングによっては視聴率が高まり、それに伴って株価が大きく動いてしまうことがあります。本当に雑な動きだと思います。とりあえずの材料として動くケースもあり、あまり個別の銘柄については現時点で言えないという感じです。
塩谷:確かに、決算発表前の銘柄だとあまり良くないですね。
kenmo:決算が終わった銘柄についてはまったく問題ありません。気になっている銘柄が2つありますので、そのお話をします。
1つめはSHIFTです。もう1つはボードルアですが、いずれも4月に決算が発表された銘柄です。この2銘柄に対して私が良いと感じたのは、情報通信セクターの中で株価が軟調な状況ですが、両社の決算説明資料にAIによる世の中の変化がマーケットコンセンサスとして織り込まれている点です。
その上で「弊社はAIが追い風です」などいくら言葉を尽くしても、糠に釘のような効果しか生まれない状況がある中で、AI時代においてどのポジションを取るのか、どの立ち位置を選ぶのかという点がSHIFTとボードルアの決算説明資料ではしっかりと訴求されていました。そこが非常におもしろいと感じました。

kenmo:SHIFTの「2026年8月期第2四半期 決算説明資料」6ページには、投資家のみなさまから寄せられる質問への回答が示されています。「AIによって、開発・テスト業務はなくならないのか?」という質問に対し、「将来的になくなる可能性があると予想しています」と明確に述べられています。

kenmo:一方で、どのような立ち位置やポジションを取っていくのかについては、11ページからのAI戦略で具体的に「世の中がどういうふうに変わっていっても、弊社はそこに対応していきます」といった戦略が提示されています。

kenmo:ボードルアについても、「2026年2月期 通期決算補足説明資料」2ページで「生成AIに業務が置き換えられる可能性」というかたちで記載されています。自社はITインフラストラクチャ領域で事業を展開しており、データの器を作る分野に属しているため、AIに代替されるものではないという説明が記載されています。
今回の決算シーズンでは、自社の立ち位置を投資家にしっかりと訴求できるかどうかが、かなりシビアに見られるのではないかと思います。
結局、SHIFTやボードルアの株価は決算発表直後に大きく買われても、その後軟調に推移しましたが、情報通信セクターにおいては、自社の立ち位置を明確に訴求できる企業と、「AIには代替されません」といった曖昧な表現で済ませてしまう企業で、二分される印象を受けます。
企業がどのような考え方を持っているかは自由ですが、重要なのは個人投資家がどの未来を信じて投資するかという点です。そのため、会社として「我々はこう考えています」という姿勢をはっきり示してほしいと思います。
曖昧なスタンスを取る企業には、個人的にあまり投資したくないというのが正直なところです。その考えが正しいかどうかは別として、未来に賭ける価値があると感じさせる企業こそ、個別銘柄投資の醍醐味です。そのような明確な姿勢を示す企業が出てきてほしいと思います。
5月の決算シーズンには、自社の強みをしっかりとアピールする企業がより多く現れることを期待し、注目していきたいと思います。
塩谷:kenmoさんらしい目線のお話ですね。
Ken:確かにおもしろいですね。
塩谷:ボードルアやSHIFTのように、AIに代替されるかどうかという質問に答えてくれるオーナー系の社長やCFOの方々は、株式市場を理解しており、株価がどう見られているかに対して非常に意識が高いと思います。
先ほどおっしゃったように、AIに代替されるかどうかはわかりませんが、「代替される可能性があるか」という視点で投資家は見ていますよね。それを理解した上で回答してくれているのだと感じると、「自社株買いなど、積極的な施策をしてくれそうだな」というポジティブな印象を受けますね。
kenmo:このような会社は、やはり機関投資家との面談も非常に多いので、その中でさまざまなフィードバックを受け、自社がどのように見られているかを意識して開示を行っていると感じます。

Ken:私が注目したのはSHIFTの「2026年8月期第2四半期 決算説明資料」5ページです。上期に約25億円の投資を実施すると書かれており、この中にはインフラ費用が含まれています。原価部分に「インフラ費用0.3億円」と記載されており、販管費の項目では「AI関連システム利用料0.8億円」とあります。
資料最下部に「システム利用料について、AWSなどのインフラコストは30%分をAI関連として定義」と書かれていることからすると、やはりインフラの利用量が増えていきそうだなと感じます。これはSHIFTだけの話ではないと思います。
kenmo:AI導入に前向きな企業が増えるほど、このようなニーズが高まるので、それもおもしろい点だと思います。
塩谷:確かに、その切り口は見たことがなかったです。
kenmo:ただ、そのような会社にも良し悪しがありますよね。期待して投資をしても、意外と期初のガイダンスが弱かったりするので、判断が難しいところです。
塩谷:本来は一番上流のサーバー部分を提供している企業ですが、さくらインターネットなどは少し厳しそうですよね。日本企業で導入支援を行う銘柄は確かにおもしろいかもしれませんね。
Ken:その点では一応安定しています。今後データ量が増えるかというと、おそらくないだろうと思います。
Ken氏の注目銘柄
塩谷:続いて、Kenさんの注目銘柄をお聞かせください。この流れですとKenさんのお話でも株価が動く可能性がありますね。
kenmo:ありますね!
Ken:単純に「いいんじゃないですか?」というものではなく、ログミーFinanceの企画で対談した富士製薬工業をご紹介します。
良い部分でいうと、対談した際にはわりと自信がありそうに見えました。塩谷さんも製薬業界に詳しいと思いますが、どうなるかわからない点として、メーカー側が価格を決定できないため、原価が上がった場合には単純に利益率が落ちてしまいます。工場の稼働状況にもよるとは思いますが、基本的にはそのような構造です。
一方で、医薬品自体は伸びていると思われ、それに対してどのようなガイダンスを出すのか注目しています。本日は中外製薬がやや落ちていたようにも感じますが、そのような意味では医薬品メーカー全体に注目しています。原薬などのコストがどの程度上がっているのかなどを留意していますが、調達が難しいという話はあまり耳にしていないのが現状です。
塩谷:そうですね。私は東和薬品がいいと思っています。
Ken:ジェネリックですね。
塩谷:ジェネリック医薬品の数量が伸びていくのは間違いなく、すでにトレンドになっています。また、先ほど触れた薬価改定においても、ジェネリックで価格がすでに下がりきっている品目が多いため、ネガティブな影響はそれほどありません。
イラン攻撃の発生により、薬の包装や梱包に若干影響が出ています。ただし、原料全般にはそれほどネガティブな影響はなさそうなので注目しています。
Ken:原料はヨーロッパからの輸入が多いという認識で合っていますか?
塩谷:ジェネリックの場合、原料調達は比較的分散されています。また、ジェネリックに限らず製薬全般においては、どれだけ設備投資を行い生産増強を進めるかという点が、特に薬価の低い薬をメインに製造している企業にとって重要な論点となっています。
ジェネリックでは東和薬品とサワイグループホールディングスの沢井製薬があります。このガイダンスのタイミングで言うと、沢井製薬は設備投資計画をすでに公表しているため、市場にとって目新しさはないかもしれません。東和薬品はまだ計画を出していないため、もし発表があれば市場からの注目が高まり、買いが集まるのではないかと見ています。
Ken:設備投資によって償却負担が懸念されるということですか?
塩谷:それもありますが、ジェネリックに関して言えば、設備投資が発表されると市場は基本的にポジティブに反応する傾向があります。
沢井製薬や東和薬品に注目している投資家の中には、「東和は設備投資計画がないから、ちょっと買いにくい」と見ている人が多いようです。これがガイダンスのタイミングで出れば、少しおもしろい展開になるかもしれません。
決算前に情報があれば株価に織り込みますが、時間がかかりそうなものは決算後に確認するべく、今回の決算を見ています。
Ken:その点でいうと、ゼネコンの状況もなかなか厳しいですよね。Xなどでも週末には議論が盛り上がっていましたが、現場の停止などへの懸念も話題でした。
しかし、それでもゼネコンは結局は必要とされるものでしょうし、大幅に株価が下がった局面では買い時になるかもしれませんね。後出しでゼネコンはいい選択だと感じます。株主還元をがんばっているところも多いですよね。
塩谷:例えば淺沼組などですね。
kenmo:今回の決算シーズンは、順張りも逆張りもやらなければならず、非常に難しいですね。
Ken:逆に言うと、逆張りの投資家は活躍しやすいかもしれません。同じようなチャートで動いて、すべてが下がるケースもあり得ますので、分析力が高くて逆張りができる人にはチャンスがあると思います。まだ手段は残されているといったところですね。
質疑応答:10年後の日本経済について
kenmo:「10年後の日本経済は世界比較で今よりも良くなっていると思われますか? GDPや富裕層の数といった諸々や、株式市場全体の時価総額等々を鑑みて、10年後の日本経済をどう思っていますか?」というご質問です。
塩谷:孫正義氏に聞いたほうがよさそうですね(笑)。正直なところ、10年後についてはわかりません。
Ken:日本全体としては予測が難しいですが、一人ひとりの生活という点では、より豊かになっているかもしれませんね。
kenmo:10年後を想像するには、10年前を振り返る必要があります。2016年当時、現在の姿を想像できたかといえば、まったく想像できなかったのではないでしょうか?
2016年はチャイナショック後だったと思いますし、2017年には中小型株相場が活況を呈し、中小型のグロース株が全盛期でしたよね。現在は真逆の状況と言えるでしょう。現在はAIや半導体が主流の状況ですが、10年後にはまったく異なるマーケットになっていると思います。そのため、どうなるかはわかりません。
Ken:良い方向に進んでいてほしいですね。せっかくこれだけの革新がありますから。
質疑応答:株価ギャップアップ時の判断について
塩谷:「決算後にギャップアップしても買いにいく場合の具体的な条件はありますか?」というご質問です。具体的ではなくても、見ているポイントはいかがでしょうか?
Ken:単純にギャップアップしても、バリュエーションがまだ安く、十分に評価が反映されていないと感じる場合や、次の決算をまたいでもいいと考えられることが最低条件です。さらに言うと、継続性があることが重要です。
そこから相場がスタートする場合、ギャップアップで進んでいく選択肢しかないので、ストップ高でも買いにいかないといけません。
塩谷:継続性はガイダンス時にどのあたり先まで見ますか? 第4四半期決算が発表され、次の2026年度が始まり、第1四半期や第2四半期の上期が良さそうであれば買いにいけるのか、それとも来期のガイダンスもきちんと出るか確認するのでしょうか?
Ken:製造装置などは、やはりそのようなところまで確認しますね。特にAIなどでマルチプルがそれなりに高い場合は、QonQで来期くらいまでかなり強いことが期待できないと買いづらいですよね。
塩谷:kenmoさんも、そのような時間軸ですか?
kenmo:PERの水準が変わらない限りは、ギャップアップで買ってはいけないと思っています。
例えば、ノースサンドが良い決算だったにもかかわらずストップ高となり、その後軟調になるようなケースでは、コンサル業がコンサル業として評価されているため、PERの水準に変化がありません。
おそらく、AIや半導体も同様で、今でこそAI・半導体銘柄としてPERが40倍や50倍といった高い評価を受けていますが、そうでなかった時期もありました。
フジクラ然り、JX金属然り、以前はPER10倍程度の普通のメーカーとして評価されていたところから、AI・半導体インフラ銘柄としてPERの評価が変わっていく際のギャップアップは、大相場の始まりとなることがあります。
よく「マルチプルの拡大」という表現がされますが、マルチプルの拡大が起こりそうな変化が見られる決算であるかどうかが、けっこう重要だと思います。
ギャップアップでとりあえず買い進めながらも、マルチプルの拡大が起きるかどうかを考えます。そうなると、次のガイダンスの内容よりも、マルチプルの拡大、つまり投資家の評価が変わる可能性があるかどうかを重視しています。
Ken:織り込まれているかどうかにつながるということですね。
kenmo:今回の決算シーズンでは、隠れ半導体銘柄や隠れ防衛銘柄などに注目しています。これまで見向きもされていなかった銘柄が、決算のタイミングで「実は防衛銘柄だ」「実は半導体銘柄じゃん」と、評価がガラッと変わる可能性があります。後から気づく投資家も多いため、そうした銘柄はギャップアップのタイミングで買いに行きたいと考えています。
塩谷:隠れ半導体銘柄は、すでに物色している人がかなり多いようですが、隠れ防衛銘柄などは、まだけっこう残っているかもしれませんね。ギャップアップはいいですね。おもしろいです。
ちなみに、具体的な会社名は言いにくいかもしれませんが、隠れ系以外でマルチプルが変わりそうな業界はありますか? 例えば、化学業界は以前のマルチプルから現在はほぼ倍になっているのが標準ではないでしょうか。このようなかたちで、今後変化が起こりそうな業界はどこでしょうか?
kenmo:それがわかれば苦労はしませんよね。
Ken:それはある意味、注目セクターだと思いますよ。
塩谷氏の注目セクター
kenmo:塩谷さんの注目セクターはいかがですか?
塩谷:私はアイデアが乏しいので、唯一挙げるとすれば広告業界でしょうか。現在はマルチプルが9倍のところが、1.5倍増の12、3倍になるといった世界観があるのではないかと思い、いろいろと探しています。
AIによる検索行動の変化に加え、テレビの視聴率計算が全面的に見直され、広告効果の算出方法が業界で一新されたようです。ただし、広告というのは打たざるを得ないものでもあります。そうなった時に、これまでの超勝ち組が入れ替わると考えています。
kenmo:AI時代における次の主役のような存在が出てくるということですね。
Ken:お金を使って無理やり露出させることができた時代から、そもそもインプレッションを強制的に出すことができない世の中に変わっているということですよね。
塩谷:まさにそのような観点で、何か新しいものがないかと考えています。
Ken:リアルでの司会や演出には大きな価値が出てきそうですね。
塩谷:一時期注目していたのは、テー・オー・ダブリューというイベント会社です。リアルに強く、広告業界で川上から川下まですべてを手掛けるような会社は、これまではイベント会社として6倍や7倍の評価で、利回り5パーセントといったかたちでした。
そのような世界観が変わらないかと思って物色していたのですが、これといったものはないですね。
質疑応答:化学セクターにおけるナフサ不足の影響について
塩谷:「ナフサ調達ができなくなって、化学セクターへの影響をどのように捉えていますか?」というご質問です。Kenさんは化学セクターをよく見ていますよね。
Ken:高性能なデータセンターや半導体関連製品に使用される材料については、最終的には顧客側が購入せざるを得ないため、価格転嫁は比較的容易だろうと思います。いろいろな企業のリリースを見ても、頻繁に価格改定が行われているような印象を持っています。
電力関連の変圧器やさまざまなスイッチなどについても、業者向けには値上げがけっこう起きている様子が見受けられます。これらは値上げにより対応可能な状況ではないかと思います。
塩谷:仮に落ち込むとしても、第1四半期単体の一時的なものという感じですか?
Ken:どうなのでしょうね。ウクライナ侵攻の影響が出ていたところもありましたし、そことの比較として考えることになるのですが、セグメントがある程度変化している部分もあります。ただ、完全に影響を受けないというのは難しいのかと思います。
ナフサではありませんが、建設分野でもシンナーなどの調達は厳しいですよね。
塩谷:kenmoさんのポートフォリオにはインフレヘッジ系もありましたが、ナフサ問題などの影響はありますか?
kenmo:ナフサ不足というのも、ある意味ではスタンダードというか、日常になっていくのだと思います。
新型コロナウイルスも、最初は非常に深刻だと言われていましたが、最終的にはそれが日常の一部になりましたよね。がんばっていただいている業界のみなさまには大変申し訳ないですが、ナフサが足りないという状況についても、同じようにそれが日常になっていく気がします。
将来的には物が入ってこないなどの問題が発生し、我々の生活にも大きな影響を及ぼす可能性はあると思いますが、そのような問題も日常になるのではないかと感じています。
翻って今考えているのは、結局のところ、値上げができるかどうかに尽きるではないかということです。現在の状況がスタンダードになった時に、値上げが可能であれば、EPSは伸びるのではないかと思います。
私がインフレヘッジと言っているのは、値上げができる会社ということです。インフラとしてある程度必要なものを製造し、値上げの発表をしている会社や、実際に値上げが実現している会社を選んで投資しています。
塩谷:銘柄が少し気になりますね(笑)。
kenmo:それは動きが出てしまいますからね(笑)。ただ、本音を言えば、本日はログミーFinanceの番組ですので、中小型株にもっとがんばってほしいと思います。
ログミーFinanceに登壇してくださる企業は中小型株が多いですよね。ただ、個人投資家も最終的にはみんなAI・半導体のほうに流れて行かざるを得ないです。「もう、このマーケットいつまで続くの?」と思いながらIRセミナーに登壇しています。
(一同笑)
塩谷:湘南投資勉強会の登壇企業も、中小型グロースが多いですよね。
kenmo:難しい部分として、防衛関連などの企業は国の秘匿義務があり、IRで開示できる情報がどうしても少なくなります。ただ、そのような企業のほうが株価が上がったりしますね。
IRで詳しく語らない企業ほど株価が上昇し、逆にIR活動を積極的に行い、しっかりとアピールする企業ほど株価が下がるといった現象が見られることもあります。
いつかIRをがんばっている企業が日の目を見ることになり、「ログミーFinanceで話を聞いてよかった」と思える場面が早く訪れるといいなと思います。
AI時代におけるログミーFinance活用法

kenmo:AI時代におけるログミーFinanceのあり方は、とてもいいと感じています。ログミーFinanceは書き起こしが非常に充実していますよね。最近はAIで分析しますので、動画を見て判断するよりもAIにテキスト情報を読み込ませて投資判断を行うことが、かなり一般的になっていると感じます。
ログミーFinanceのいいところは、個人投資家がなかなかアクセスできないような決算説明会の情報が、テキストとして公開される点です。ぜひ活用していただきたいと思います。
塩谷:最近リリースされた「AI決算分析アシスタント」の機能もとてもいいですよね。前回の書き起こし記事との差分をAIがサジェストしてくれるのです。これが非常に便利です。
Ken:文言が変更された箇所などがわかりますね。
塩谷:そうなのです。例えば「このようなトーンだったものが、こう変わりました」という具合に、質疑応答をベースにした比較まで行ってくれます。PCでもスマートフォンでも見られるのでしょうか?
司会者:現在はベータ版ですが、どちらでも見られます。対応している記事の場合は、決算説明会の記事ページの画面右下にポップアップが表示されますので、そこから確認できます。
塩谷:ベータ版なのですね。非常に優れた機能だと思います。
kenmo:せっかくですから、本日の配信を見に来てくださった方に有益な内容をお届けできるといいですね。
Ken:結局、このような便利なツールをうまく活用する人が、また成果を上げていく感じですよね。特に最初の頃は専業のほうが有利だったりするのでしょうか?
kenmo:意外と兼業のほうが有利ですね。
Ken:そうなのですか?
kenmo:専業だと日々のチャートをずっと見続けてしまうことが多いですからね。ザラ場が始まってから少し時間が経って、例えば1時間後、トイレ休憩の時にサッと見るぐらいのほうが、逆に冷静な判断ができたりします。
Ken:それで思い出しましたが、チャートをより大きく映すためにモニターを1台追加で購入してしまいました。
(一同笑)
kenmo:確かに、モニターが増えると新しい収益チャンスが広がるように感じますよね。Kenさんのようにうまく活用できる方なら、それで成果を出せると思います。
しかし、私のようにあまりうまくない人がモニターを1台増やすと、逆にそこにお金を吸われてしまうわけです。たまに値動きを確認しながら、中長期で運用するぐらいのほうが絶対に良いと思います。
Ken:今は本当に中長期目線のほうが絶対に良いです! 短期の需給や値幅の動きは意味がわからないですね。
「AI決算分析アシスタント」をぜひみなさまも使ってみてください。
塩谷:ぜひ試してみてください。
豪華ゲストが集結!ログミーIR Meetのご案内

司会者:そろそろお時間となりますが、「ログミーIR Meet」が6月20日に開催されますので、ぜひその告知をお願いします!
Ken:私たちも参加します。
塩谷:ちょる子さんとSTFさんが対談するイベントですね。
Ken:私もずっと参加していて、今回で7回目になります。
塩谷:すごいですね。
Ken:毎回、参加者が増えている印象がありますね。本当に豪華すぎます。
kenmo:12時半にスタートし、その後IRセミナーが4枠あります。12時半からはSTFさんとちょる子さんの「スペシャルステージ~敏腕投資家特別対談~」です。やはりログミーさんは煽りますよね。
(一同笑)
塩谷:お二人とも敏腕投資家ですからね!
kenmo:敏腕であることは確かですけどね。
塩谷:STFさんの現在の含み益が気になりますね。そのあたりについても話してくれるのですか?
kenmo:なかなか表に出てこないSTFさんです。
塩谷:二人の対談は初めてではないですか? YouTubeでも見たことがないかもしれないですね。
kenmo:STFさんとちょる子さんの組み合わせは初めてだと思うので、ログミーさんもがんばってアサインしたんだろうなと思います。
Ken:キャパ的には何人ぐらい入れるのですか?
司会者:150人です。
Ken:それならば早めの行動が必要ですね。現時点である程度の申し込みがきていると聞いています。
塩谷:前回のイベントはチケットが完売していましたよね。
Ken:今回も楽しみですね。交流会が午後5時半から行われる予定で、私たちも参加しますので、ぜひお越しください。
塩谷:私の「キオクシアチェック」も参加者全員にお願いしたいですね。
Ken:その時点でのキオクシアホールディングスの動向が気になりますね。ちょうど6月の開催ですからね。
塩谷:「5万キオクシア」とかになっていたらどうしよう!?
Ken:そうしたら、もう塩谷さんは泣きながら参加ですね(笑)。
塩谷:誰ともしゃべらないようにしようと思います(笑)。楽しみですね。
Ken:みなさま、ぜひご参加ください。
視聴者へのメッセージ

kenmo:最後に、1人ずつ決算に向けてのコメントなどを述べて終わりにしましょう。私からいきますね。
塩谷:それでは、並んでいる順でいきますか。
Ken:いやぁ、ダメです!
kenmo:最後にKenさんが、とっておきのおすすめ銘柄を教えてくれるということです(笑)。
ご視聴いただいたみなさま、ありがとうございました。4月末ということで、これから決算シーズンが本格化していきますが、今回はゴールデンウィークを挟んで、その後は本当に最後の週が地獄の1週間になると思います。
SQがあったり、6月にはアメリカの大型IPOでSpaceXも予定されていたりするので、そのあたりで資金需要がどうなるのか気にしています。キオクシアホールディングスも含めて、半導体関連の決算が最後の週に集中してくるため、市場がどう反応するのか注目されます。
けっこうおもしろい決算シーズンでもあり、また怖い決算シーズンでもありますが、チャンスも非常に多いシーズンになると思いますので、ぜひログミーFinanceを活用して、この決算シーズンを乗り越えていきましょう。ご清聴ありがとうございました。
塩谷:すばらしいコメントです(笑)。
Ken:すごいですね(笑)。
kenmo:では、塩谷さんどうぞ。
塩谷:先ほど東和薬品の話でも少し触れましたが、決算前に何かを仕込むことは、少し難しい決算期になるのではないかと思っています。むしろ、決算発表後にどれだけその情報を読み解き、長期的な投資につなげられるかが重要になってくるのではないでしょうか。この決算期は理解力を試されるようになると思います。
ログミーFinanceのツールも含め、個人投資家が情報を得るためのさまざまなツールが増えてきていると思いますので、ぜひそれらを活用しながら、この決算期を乗り越えていただければと思います。
繰り返しになりますが、「ログミーIR Meet」などでお会いした方々に「キオクシアチェック」を行うつもりですので、それぞれ「何円キオクシア」か教えていただければと思います。本日はありがとうございました。
(一同笑)
Ken:決算に関しては、ゴールデンウィーク前後がポイントになるのではないかと思っています。前回の決算では、前半に発表された銘柄をきっかけとして関連銘柄を連想し、それが成功したケースが多く見られました。
「サンテックが良かったら、ここもいいよね」というような事例もありました。そのため、今回も同様の機会がまだあるのではないかと少し感じています。また、「このような銘柄の場合、このような買われ方をする」というように、前半の段階である程度把握できると思います。それを活用することもできるのではないでしょうか。
短期的な値動きは非常に難しいため、短期ではなく中長期で投資を検討するほうが、現状では有利に進めやすいと考えています。さらに、建設関連銘柄などの場合、後出しのほうが今回はうまくいく可能性もあるかもしれません。
一方で、買いにくいケースも十分に考えられますし、下期の展開が予測しにくい場合もあると思います。そのため、ゴールデンウィークの時間も有効に活用しつつ、それぞれ準備を整えて挑むことが重要だと感じています。ぜひ、ログミーFinanceもご活用ください。
みなさま、夜遅くまでありがとうございました。
登壇者プロフィール
塩谷航平氏
株式会社hands代表取締役。2013年に野村證券へ入社。2018年に株式会社handsを創業し、機関投資家向け日本株リサーチサービス「PERAGARU」を提供。オルタナティブデータを駆使し、中小型株を中心に多様なセクターの企業分析を得意とする。
1UP投資部屋Ken氏
専業投資家。2020年に大学卒業後、専業投資家に。1日の大半の時間を投資に費やす。投資手法は、中長期で1.5倍〜3倍になると思えるような銘柄に投資。投資以外では、YouTubeチャンネル「1UP投資部屋」を中心に情報発信。
kenmo氏
中小企業診断士、個人投資家。1年で2倍を狙えるような日本の中小型株を主力とし、情報通信、建設、サービス、小売セクターを得意とする。2018年より湘南投資勉強会を主催。IR説明会も多数実施しており、個人投資家の側に立った、企業を鋭く掘り下げる質問に定評がある。


