2027年3月期第1四半期決算説明
⼤阪ガス、長期契約LNGの競争力向上等により、タイムラグ影響を除く経常利益・当期純利益が増益
目次

坂梨興氏:大阪ガスの坂梨です。本日は、お忙しいところ、当社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。また、平素は当社事業へのご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
それではただ今より、2027年3月期第1四半期決算について、当社ホームページで開示していますプレゼンテーション資料に沿ってご説明します。
まず、3ページをご覧ください。
決算サマリー

3ページは、決算サマリーです。
上段は第1四半期の実績です。タイムラグ影響を含む経常利益は502億円となり、原油価格の上昇によるタイムラグ差損の発生等により前年同期比90億円の減益となりました。
一方、タイムラグ影響を除く経常利益は579億円となり、当社長期契約LNGの競争力向上等により、127億円の増益となりました。
下段は、直近の業績動向等を踏まえた通期見通しの修正について示しています。タイムラグ影響を含む経常利益は1,900億円で据え置く一方、タイムラグ影響を除く経常利益は、前回見通しから140億円引き上げ、1,970億円を見込んでいます。
また、ROIC・ROEはそれぞれ5パーセント、8パーセント以上となり、中期経営計画最終年度の目標水準を達成する見込みです。
なお、7月以降の前提を、原油価格は1バレル当たり80ドル、為替は1ドル160円に見直しています。
続いて、5ページをご覧ください。
中東情勢の不安定化によるDaigasグループへの影響について

5ページは、中東情勢の不安定化による影響です。現時点では、LNG調達や都市ガス・電力の供給に大きな影響はないと見込んでいます。
当社は、ホルムズ海峡を通過する必要がある国からの長期契約による調達はなく、複数の国・地域からLNGを分散して調達しています。また、LNGは基本的に長期契約で確保し、電力についても自社電源を活用して供給力を確保しています。
引き続き、情勢の長期化も想定し、事業への影響を注視するとともに、必要な対応策の検討を進めていきます。
続いて、第1四半期実績についてご説明します。7ページをご覧ください。
27.3期1Q実績|概要
7ページは、第1四半期決算のポイントです。
売上高は4,780億円となり、前年同期と概ね同水準でした。経常利益は、冒頭にご説明したとおり、タイムラグ影響を含むと前年同期比90億円の減益となりましたが、タイムラグ影響を除くと127億円の増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、タイムラグ影響を含むと128億円の減益、タイムラグ影響を除くと27億円の増益となりました。
増減要因について、次のページでご説明します。
27.3期1Q実績|経常利益 増減分析(前年実績との差異)

8ページでは、経常利益の前年同期からの増減要因をセグメント別に示しています。左側は、タイムラグ影響を含む・除くそれぞれの場合での増減をグラフで示しています。右側は各セグメントの増減内訳です。
国内エネルギー事業は、タイムラグ影響を含むと前年同期比226億円の減益となりました。これは、ガス・電力ともにタイムラグ差損が発生し218億円の減益となったことによるものです。
一方、タイムラグ影響を除くと、ガス事業粗利が33億円の増益となったものの、電力事業が64億円の減益となり、全体では8億円の減益となりました。
海外エネルギー事業は、米国電力事業が減益となった一方、米国・豪州での上流事業が堅調だったことから、前年同期比2億円の増益と、概ね前年並みとなりました。
ライフ&ビジネスソリューション事業は、都市開発事業や材料事業の増益などにより、15億円の増益となりました。
その他では、豪州LNGカーゴの利益計上時期がずれたことで、セグメント調整額が増加していることや、米国における火力発電所の持分売却や、為替差益の発生等により、営業外収益が増加したこと等から、117億円の増益となっています。
各項目の詳細は、9ページに記載していますので、後ほどご確認ください。
続いて、通期見通しについてご説明します。 11ページをご覧ください。
27.3期通期見通し|通期見通し修正の概要(5月8日公表との差異)

中東情勢の緊迫化以降の市況と、直近の業績動向を踏まえて通期見通しを修正しました。
売上高は、原料費調整制度に基づくガス販売単価の上昇等により、前回見通しを1,000億円引き上げ、2兆1,700億円を見込んでいます。
経常利益は、タイムラグ影響を含むと1,900億円で変更ありませんが、タイムラグ影響を除くと、前回見通しを140億円引き上げ、1,970億円を見込んでいます。
親会社株主に帰属する当期純利益は、タイムラグ影響を含むと1,450億円で据え置く一方、タイムラグ影響を除くと前回見通しを99億円引き上げ、1,499億円を見込んでいます。
前回見通しとの差異について、次のページでご説明します。
27.3期通期見通し|経常利益 増減分析(5月8日公表との差異)

12ページでは、経常利益の前回見通しとの差異をセグメント別に示しています。
国内エネルギー事業では、原油価格・為替の上昇に伴うタイムラグ差損を見込む一方、タイムラグ影響を除くと、当社長期契約LNGの競争力向上や電力市場価格の上昇等により、ガス事業で50億円、電力事業で30億円、それぞれ見通しを上方修正しています。
海外エネルギー事業では、米国・豪州での上流事業の増益などにより見通しを35億円上方修正しています。
その他は、第1四半期実績を踏まえて、見通しを25億円上方修正しています。
27.3期通期見通し|通期見通し修正の概要(前期実績との差異)

13ページでは、修正後の通期見通しを前期実績と比較しています。
売上高は前期比1,396億円増の、2兆1,700億円を見込んでいます。経常利益は、タイムラグ差損の発生により、タイムラグ影響を含むと前期比145億円の減益見通しですが、タイムラグ影響を除くと、前期比16億円の増益となる1,970億円を見込んでいます。
増減要因について、次のページでご説明します。
27.3期通期見通し|経常利益 増減分析(前年実績との差異)

14ページでは経常利益の前期からの増減要因をセグメント別に示しています。左側は、タイムラグ影響を含む・除くそれぞれの場合での増減をグラフで示しています。右側は各セグメントの増減内訳です。
国内エネルギー事業は、タイムラグ影響を含むと前期比224億円の減益、タイムラグ影響を除くと63億円の減益を見込んでいます。
一方、海外エネルギー事業は6億円の増益、ライフ&ビジネスソリューション事業は30億円の増益、その他はセグメント調整額及び営業外損益で42億円の増益を見込んでいます。
各項目の詳細は、15ページに記載していますので、後ほどご確認ください。
成長投資の実績と見通し
16ページは、成長投資の実績と見通しです。
左側は成長投資です。第1四半期の成長投資実績は554億円となりました。
国内エネルギー事業では発電所、海外エネルギー事業では米国上流事業、ライフ&ビジネスソリューション事業では都市開発事業等を中心に投資を行っています。
右側は財務健全性指標です。第1四半期末の自己資本比率は55.0パーセント、D/E比率は0.52倍です。中期経営計画で示した「自己資本比率45パーセント以上、D/E比率0.8倍以下」の水準を確保しています。
今後も財務健全性を維持しながら、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けた成長投資を進めていきます。
以降は説明を割愛しますが、19ページからは主な収支変動要因やBSの状況などの補足情報、24ページからは数値増減の詳細について記載していますので、ご参考ください。
以上で、私からの説明を終わります。
質疑応答
<質問1>
質問:ガス事業粗利の見通しをプラス50億円上方修正していますが、第1四半期実績を反映したものでしょうか? それとも第2四半期以降のエネルギー指標の変化も織り込んでいるのでしょうか?
御社はフリーポートをはじめ、米国LNGの調達比率が比較的高いことから、ヘンリーハブ価格がそれほど高くなく、JKMが高い現在の状況は御社にとって追い風なのではないでしょうか?
回答:第1四半期実績に加えて、第2四半期以降についても新たに置き直した前提の変化を踏まえて見通しを修正しました。具体的には、油価を従来の65ドルから第2四半期以降80ドルに、為替を1ドルあたり155円から第2四半期以降1ドルあたり160円に見直しています。公表はしていませんが、その他の指標も見直しています。
ヘンリーハブ価格については国内と海外の双方に影響があります。海外ではヘンリーハブ価格上昇が増益となる一方、現時点では多くをヘッジしているため、全体としては国内事業への減益影響の方が大きいです。また、JLCとの比較ではJKMの影響が大きく、JKMが上昇すると、現時点の調達構造上、プラス影響が大きくなります。
<質問2>
質問:電力事業の通期見通しを上方修正した主な要因をおうかがいしたいです。また、JEPX価格の実績・見通しの水準感や、価格上昇を全体としてポジティブに捉えてよいでしょうか?
回答:基本的には、JEPX価格上昇を通期のプラス要因として見ています。通期見通しにおける具体的な水準は申し上げられませんが、第1四半期実績よりは若干保守的に見ています。
電力市場への卸販売においては、単価上昇がそのまま増益につながる部分もあるほか、JEPX価格に応じて発電所の稼働を最適化することにより、価格上昇をうまく収益化できる可能性はあると考えています。
<質問3>
質問:次期中期経営計画の検討状況をおうかがいしたいです。
回答:次期中期経営計画の期間においても持続的に成長できるよう、利益成長と自己資本のコントロールを継続する方向で検討しています。2030年代早期のROE10パーセント、ROIC6パーセントを目指す中で、次にどの水準を掲げていくべきかを検討しています。
<質問4>
質問:タイムラグ影響を除く通期見通しの修正について、第2四半期以降の上振れ余地をどの程度織り込んでいるのでしょうか? 足元では油価に変動がある一方、JKMは想定以上に上昇しており、JEPX価格も上昇しています。この状況が続けば、御社にとって今後の上振れ要因になるとの認識でよいでしょうか?
回答:明確な数字は申し上げられませんが、第1四半期に顕在化したものが多く、第2四半期以降には大きなプラスは見込んでいません。仮にJKMやJEPX価格が想定より上昇すれば、基本的には上振れ要因となりますが、市場は依然として予測が難しいため、現時点の当社前提に基づき今回の見通しをお示ししています。
<質問5>
質問:海外エネルギーセグメント・米国エリアではマイナス9億円減益となっていますが、事業別の増減要因をおうかがいしたいです。
回答:主な減益要因は米国電力事業(火力)で、21億円の減益となりました。一方、上流事業では、ヘンリーハブ価格の高騰等を受け、生産量を若干増やしたことにより増益となりました。
<質問6>
質問:ガス事業粗利の第1四半期実績はプラスとなっていますが、主要因としている「JLCと比較した当社長期契約LNGの競争力向上」の貢献はどの程度ありましたか?
回答:明確にはお伝えできませんが、タイムラグ差損の減益を一定程度相殺できています。
<質問7>
質問:電力事業の前年同期比64億円の減益の内訳をおうかがいしたいです。また、電力市場取引については、9月から新たに上限価格の引き下げが予定されていますが、この影響は通期見通しに織り込んでいるのでしょうか?
回答:マイナス要因としては、電力市場取引の利益縮小や姫路発電所の固定費増がある一方で、電力市場価格の上昇によるプラス影響で、半分程度は相殺されています。
市場取引の制度は継続的に変更がなされていますが、当社にとっては期初の制度変更影響が大きかったと認識しているため、今後の改正の影響については通期見通しには織り込んでいないものの、その影響は軽微であると考えています。
<質問8>
質問:第1四半期実績に関して、国内エネルギー事業「その他」の「LNG販売の増益」について、詳細をおうかがいしたいです。
回答:販売価格の適正化等により、利益が増加しました。
<質問9>
質問:通期見通しの修正について、見直し後のタイムラグ除きの経常利益1,970億円に含まれる一過性要因はありますか?
回答:修正後の通期見通しと前年実績との差異のうち、「その他」のプラス110億円は一過性要因であると考えていますが、それ以外は、概ね現時点の実力水準と理解しています。
<質問10>
質問:ガス導管事業の託送料金について、現時点の考え方をおうかがいしたいです。電力では、インフレや金利上昇を理由とした値上げを視野に入れる動きがありますが、ガスはどうでしょうか?
回答:ガス導管事業の託送料金制度は、ガス事業環境整備ワーキンググループで見直しが検討されています。8月に中間取りまとめが行われる予定であり、現在示されている方向性では、物価や人件費の上昇を反映する仕組みや、足元の金利上昇を踏まえた事業報酬率の算定方法の見直し等が議論されています。従来、導管事業者側が負担していたインフレや金利上昇を託送料金制度へ反映しやすくなる方向性は、ポジティブに受け止めています。ただし、行為規制の観点もあり、具体的な時期や規模については、当社は知る立場にはありません。
<質問11>
質問:米国電力事業について、前年同期比での減益要因は何でしょうか? また、フリーポートの現状と今後の見通しについてもおうかがいしたいです。
回答:米国電力事業(火力)における主な減益要因は、容量市場において、一部の発電所の容量単価が下がったことによるものです。
フリーポートについては、昨年度は、生産好調と好市況が重なったことで利益が上振れましたが、今期は現時点では計画どおり進捗しています。ただし今後、昨年同様、好市況が継続し、その局面で安定的に生産することができれば、追加的な利益を狙う機会はあります。
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