2027年3月期第1四半期決算説明
ソラコム、1Qは前年比で売上高52%増、営業利益69%増と大幅増収増益 回線数は1,000万突破、海外比率も5割超に
エグゼクティブサマリー

玉川憲氏(以下、玉川):お忙しいところお集まりいただきありがとうございます。ソラコムの代表取締役社長CEOの玉川です。本日は私から、2027年3月期第1四半期決算についてご説明します。
スライドはエグゼクティブサマリーです。リカーリング収益は前年同期比48.6パーセント増の27億4,000万円、売上高は前年同期比52.1パーセント増の33億8,000万円と、大幅な増収を達成しました。
EBITDAは前年同期比81.5パーセント増の3億1,000万円、営業利益は前年同期比69.3パーセント増の2億1,000万円と、大幅な増益となっています。
ハイライトは3点です。まず、プラットフォーム「SORACOM」のKPIとして、契約回線数が今年7月についに1,000万回線を突破しました。206の国と地域、581の通信キャリアにより、グローバルで利用可能なカバレッジも継続的に増加しています。
次に、リカーリング収益におけるグローバル売上高比率が50.5パーセントに達し、過半数を占めるまで成長しました。前年同期比45.9パーセント増と非常に高い成長率を維持しており、ソラコムのグローバルにおけるプレゼンスが着実に拡大しています。
最後に、アフターAI組織としての取り組みについてです。サービス開発の側面では、業界特化型AIエージェント「SORACOM Agent」を新たに発表しました。生産性向上の面では、売上高に対する販管費割合が前年同期比で8.7ポイント改善しており、生成AIの活用を通じた業務効率化が着実に進んでいます。
目次

こちらのスライドは本日のアジェンダです。まずは四半期の決算、次に成長戦略の進捗について、順にご説明します。
強靭なリカーリング収益の四半期推移

まず四半期決算についてです。スライドは、リカーリング収益とインクリメンタル収益の四半期推移を示しています。当社は、安定的に積み上がるストック収益であるリカーリング収益の成長を重視しています。
今期のリカーリング収益は前年同期比48.6パーセント増と大幅に増収しました。売上高に占めるリカーリング収益の比率も、8割を超えています。
高い成長の主要因としては、昨年8月にM&Aしたミソラコネクトの連結と、グローバルビジネスの高い成長率が挙げられます。M&Aを除いたオーガニック成長だけでも20パーセント台後半の成長を持続しています。
このオーガニック成長を支えているのは、低いChurn(解約率)と高いNRR(売上継続率)です。主要顧客の年間解約率は0.4パーセントと低水準を維持しており、売上継続率は121パーセントで、業界ベンチマークでもトップティアの水準を達成しています。
当社はIoT向けのサービスを提供しており、一度デバイスに組み込まれると解約されにくい構造です。また、お客さまのIoTプロジェクトの成長に伴い、収益が自然に積み上がっていく仕組みが、当社の収益基盤の本質的な強さとなっています。
2027年3月期第1四半期 前年同期比

第1四半期の業績を前年同期比でご説明します。リカーリング収益は前年同期比48.6パーセント増の27億4,000万円、売上高は前年同期比52.1パーセント増の33億8,000万円、売上総利益は前年同期比29.9パーセント増の15億8,000万円となりました。
マージンは47.0パーセントとなり、前年同期比で8.0ポイント低下しています。こちらは、ミソラコネクトを連結した影響です。ミソラコネクトは現状、グループ内での粗利率が相対的に低い水準にあるため、この影響で一時的にグループ全体のマージンが低下しています。
今後は、ミソラコネクトの通信インフラについてソラコムのクラウドネイティブなモバイルコア技術への置き換えを進め、粗利率の改善を図っていきます。
販売費及び一般管理費は前年同期比25.3パーセント増の13億7,000万円でした。一方で、生成AIの活用による効率化が進み、売上高に対する販管費率は40.6パーセントと前年同期比で8.7ポイント改善しました。
結果として、EBITDAは前年同期比81.5パーセント増の3億1,000万円、営業利益は前年同期比69.3パーセント増の2億1,000万円と大幅な増益を達成しました。
2027年3月期 通期業績予想に対する進捗

通期業績予想に対する第1四半期の進捗についてご説明します。リカーリング収益、売上高は通期予想に対してそれぞれ24.0パーセント、22.4パーセントの進捗となっており、どちらも第1四半期として順調に推移しています。
販管費については、AI活用によるコスト効率化が継続しており、EBITDAおよび営業利益も順調に進捗しています。
リカーリング収益のKPI:グループ全体

リカーリング収益のKPIについてご説明します。リカーリング収益は、課金アカウント当たりの収益であるARPAと、課金アカウント数の掛け合わせです。
グループ全体では、ARPAが前年同期比30.6パーセント増の104万4,000円、課金アカウント数が前年同期比21.3パーセント増の1万600アカウントと、いずれも高い成長を継続しています。
ARPAは第1四半期の時点で年間目標値に近い水準まで成長しています。上方修正については、今後の四半期実績を確認した上で、適切な時期に判断・実施していきます。
グローバル売上高

グローバル売上高についてご説明します。グローバル売上高は前年同期比47.0パーセント増と、大幅な増収を達成しました。売上高におけるグローバル比率は45.7パーセントです。
エグゼクティブサマリーでも触れましたが、リカーリング収益におけるグローバル比率はすでに5割を超えており、引き続き当社の成長を力強く牽引しています。
英国拠点、日本拠点、米国拠点のそれぞれで活用が広がり、AI/IoTコネクティビティプラットフォームとして、グローバルでの存在感を着実に強めています。
US事業の高い成長率

グローバルでの成長を特に牽引しているのは米国です。米国の売上高は、2024年3月期から2027年3月期までの第1四半期のCAGRが71パーセントと非常に高い成長率を継続しています。また、米国では大型案件の獲得が継続的に進んでいます。お客さま事例として、米国のエネルギーマネジメント企業であるSPAN社の事例をご紹介します。
こちらは、スマート分電盤のIoT通信に「SORACOM」を採用いただいています。ご家庭のWi-Fiや有線回線が切断されても、自動でセルラー回線に切り替わり、リモートでの監視や制御を継続できる仕組みです。通信の高い信頼性が評価され「SORACOM」が採用されました。
リカーリング収益のKPI:グローバル

グローバルでのリカーリング収益のKPIについて補足します。グローバルでもARPAと課金アカウント数はともに増加しており、ARPAは前年同期比20.7パーセント増の212万1,000円、課金アカウント数は前年同期比27.6パーセント増の2,700アカウントとなっています。
グローバルのARPAは、グループ全体の約2倍の水準にあります。海外、特に米国市場において、付加価値の高いソリューションに対してお客さまが積極的に対価を支払っている結果と捉えています。
アフターAI組織への進化

当社の生成AIに対する取り組みについて、組織面およびプロダクト面からご説明します。当社はこの1年間、「アフターAI組織」への進化に取り組んできました。
具体的には、もともとの大きな組織を、既存事業ごとに少数精鋭のチームへ再編成し、AIと一体となって働くことで生産性を大きく向上させています。さらに、省力化によって創出した人的リソースを新たな成長投資領域へ再配置する取り組みを進めています。
その成果として、社員のAI利用率は100パーセントに達し、開発コードのほぼすべてを生成AIが作成するようになっています。プロダクトのAI化も進展し、AIベースの新プロダクトも登場しています。
販管費の売上高比率は、前年同期の49.3パーセントから40.6パーセントへと8.7ポイント改善しました。後ほど、成長戦略のご説明に際して、生成AI関連プロダクトのアップデートについて補足します。
以上が2027年3月期第1四半期の決算説明です。
IoT市場全体の規模

成長戦略の進捗についてご説明します。まず、土台となるAI/IoTコネクティビティプラットフォームについて、その前提となるIoT市場全体の規模感をご説明します。
IDCの調査によれば、世界全体のIoT市場規模は2029年に約9,523億ドル、日本円で140兆円以上に達する見込みです。スライド左下の「サービス」「コネクティビティ」はIoT向けの通信を示し、「インフラストラクチャ」「ソフトウェア」「エンドポイント」はセンサーやデバイスを含んでいます。
これら複数のカテゴリーのそれぞれに膨大な市場が存在します。当社は「コネクティビティ」を主戦場としつつ、各カテゴリーへのリーチを拡大しています。
巨大なIoT市場とソラコムの成長余地

獲得可能な市場についてご説明します。IDCの調査レポートをもとに2031年のTAMを試算したところ、IoT市場全体のTAMは約1兆2,390億ドルと見込まれています。
この中で、仮に保守的にソラコムのコアプロダクトであるIoTコネクティビティ市場だけに絞った場合、SAMは約1,249億ドル、日本円に換算すると約18兆円になります。
当社が掲げている5年後の売上高目標である500億円は、市場全体から見るとごく一部に過ぎません。非常に大きなマーケットが存在し、その市場自体が成長していることから、ソラコムの成長余地が非常に大きいことをご理解いただけると思います。
中長期の成長目線

ここで、前回の決算で発表した中長期の成長目線について、あらためてスライドに掲載します。当社は、2031年3月期までに売上高500億円の目線を持っています。
売上高のCAGRは30パーセントを超える見込みです。リカーリング収益比率は70パーセントから80パーセントを維持しつつ、オーガニックの成長を着実に推進していきます。
さらに、全体の20パーセントから30パーセント程度はM&Aによるインオーガニック成長を計画しています。利益面の成長にも注力しており、特にオーガニックにおいてはEBITDAマージンが20パーセントを超えることを目指しています。
中長期の成長戦略

この成長目線を達成するために、グローバルのAI/IoTコネクティビティプラットフォームを基盤とし、複数の成長市場への拡張を進めていきます。
具体的には、通信事業者向けサービス、コネクテッドカー、AIネイティブカメラ、AI×IoTソリューションの4つの成長領域への拡大を指します。
これらの成長領域は、AI/IoTコネクティビティプラットフォームの成長に伴い相乗効果を発揮します。それでは、ここから各領域の進捗について順にご説明します。
AI/IoTコネクティビティプラットフォーム:足元の市場シフト

現在では生成AIの登場により、コネクティビティ市場自体に追い風が吹いています。この市場は「Massive IoT」と呼ばれるスマートメーターや設備監視などの用途が主流でした。データ量は小さいものの台数規模が大きく、長期間利用されるため、安定成長の土台となっています。
コロナ禍以降は、スライド中央の「Industrial DX」が注目されるようになりました。遠隔制御や決済端末等、現場オペレーションに組み込まれ、スイッチングコストが高い領域です。
そして、現在進行しているのが「Physical AI」です。AIカメラ、ドライブレコーダー、ドローンなどが代表例で、今後は自動運転、宅配ロボット、四足歩行ロボット、ヒューマノイドなどにも広がることが期待されています。
現実世界の画像や映像をAIに接続して読み込ませる用途が多く、データ量が多く、1デバイス当たりの単価も高いという特徴があり、急成長しています。
これら3つのカテゴリはいずれも拡大が続く見込みで、当社のAI/IoTコネクティビティプラットフォームも、この市場の拡大とともに高成長を続けています。
AI/IoTコネクティビティプラットフォーム:契約回線数

当社グループの契約回線数は、今年7月に1,000万回線を突破しました。こちらは、創業以来の大きなマイルストーンです。
先ほどの3つのトレンドに加え、グローバルに展開するコネクテッドな製品・サービスへの活用も増加しており、着実に成長を続けています。
AI/IoTコネクティビティプラットフォーム:グローバルでの評価①

当社のプラットフォームはグローバルでも高い評価を獲得しています。前回の決算説明の際、「Gartner Magic Quadrant」において、Soracom-KDDIがいよいよリーダーの1社として位置づけられたことをお話ししました。
世界最大級の調査機関によるレポートで、スライド右上に示しているとおり、リーダーとしての評価をいただきました。こちらは、ビジョンと実行力の両面で高い評価を獲得したことを意味しています。
Gartnerの「Magic Quadrant」のリーダーポジションは、特に海外大企業のRFPプロセスにおいて、最終選定のショートリストに入るための基本条件となります。これにより、従来アクセスが難しかった商談の数が増加するため、今期以降のグローバル売上成長に質的な変化をもたらすと考えています。
AI/IoTコネクティビティプラットフォーム:グローバルでの評価②

ソラコムは、Gartnerに加え、QKS Groupが発表した「AI Maturity Matrix for IoT Connectivity Management Platform, 2026」においても「Most Valuable Pioneer」に選出されました。
こちらは、生成AIをIoT開発ワークフローに直接組み込んでいるソラコムのケイパビリティが評価された結果です。
Gartnerに加えて、異なる調査機関から相次いで高く評価されたことは、ソラコムのグローバルでの技術力とビジネス実績が客観的に裏づけられたものと受け止めています。
今後も当社のコアであるAI/IoTコネクティビティプラットフォームを、グローバルトップのプラットフォームとして成長させていきます。
通信事業者向けサービス

4つの成長領域における進捗をご説明します。1つ目は通信事業者向けサービスです。
今回は「SORACOM」のクラウドネイティブなモバイルコア技術を国内外の通信事業者へ提供する新サービスを発表しました。これまでもKDDI社に当社の技術をOEMで提供してきた実績があります。第1四半期の取引は前年同期並みでしたが、上期を通じては増収を見込んでいます。
子会社のミソラコネクトへも、加入者管理データベース(HSS)の提供を開始しました。このように、ミソラコネクトの粗利改善についても着実に進めていきます。
今後は、KDDI社やミソラコネクトに限らず、国内外の通信事業者への拡販を通じて、設備更新需要の取り込みを目指します。
コネクテッドカー

2つ目はコネクテッドカーについてです。コネクテッドカーの分野では、車載通信からサービス運用までを支える「SORACOM Automotive Suite」の提供を開始しました。
コネクテッドカーにおける通信の役割は多岐にわたります。具体的には、スライド左上に示されているアプリによる車両制御、スライド左下にあるファームウェアやAIモデル更新、スライド右上の車内エンターテインメントや同乗者へのWi-Fiホットスポットの提供、そしてスライド右下の緊急通報用の音声サービスなどが挙げられます。
これら複数の通信を組み合わせ、10年以上の長期にわたり、グローバル各国の要件に適応させながら提供していくことが求められます。
「SORACOM Automotive Suite」では、必要な機能を一気通貫でカバーし、今後は国内外の自動車メーカーや通信事業者との連携をさらに拡大していきます。
AIネイティブカメラ

3つ目はAIネイティブカメラについてです。これまで、現実世界の映像を簡単にAIやクラウドにつなげる「ソラカメ」を提供してきました。
このたび、セルラー通信機能を内蔵し、電源につなぐだけで使用できる新モデル「ソラカメPro」を発表しました。防水防塵や光学ズームに対応し、生成AIとも簡単に連携可能です。
今年9月から発売する予定です。あらゆる現場を簡単にデジタル化するAI時代の眼として、建設現場やインフラ現場でのさらなる成長を見込んでいます。
導入事例

「ソラカメ」やAIの具体的な事例をご紹介します。豊田自動織機社では「ソラカメ」とAI分析を活用し、トラックのナンバープレートを自動分析して構内滞留時間の管理に役立てています。
導入事例

日本航空社、JALカーゴサービス社では、空港の冷蔵コンテナ内部の遠隔監視を、「ソラカメ」とAIの自動解析によって実現しています。
以前東洋製罐社の事例を発表しましたが、これらの事例も含めて「ソラカメ」とAIを活用した事例が数多く出てきています。
AI×IoTソリューション:SORACOM Agent

最後に、AI×IoTソリューションの領域において、新サービスとして「SORACOM Agent」を発表しました。「SORACOM Agent」は、IoTの企画から開発、運用まで、プロジェクト全体を「SORACOM」に精通したAIエージェントが伴走支援するマネージドサービスです。
特徴としては、目標を伝えるだけで自律的にタスクを完遂し、専門家でなくても気軽に相談できる点が挙げられます。さらに、プロジェクトの長期記憶を保持しているため、現場の暗黙知が蓄積されます。
また、ユーザーごとの隔離環境で安全に動作し、入力データがユーザー自身の知的資産となります。これらの機能を利用するためにローカル環境は必要なく、「SORACOM」のWebコンソールからすぐに使用できます。
AI×IoTソリューション:SORACOM Agent デモ①

デモ動画を使用してご説明します。スライドはWebサイト上のものですが、そちらですぐに使い始めることができます。お客さまにチャットでご相談いただくと、IoTの専門知識を持ったエージェントが対応します。
このエージェントの特長は、IoTデバイスを遠隔で制御できる点にあります。デモをご覧いただきます。
例えばソラコムのオフィスには「ソラカメ」が設置されていますが、「ソラカメ」を使って「オフィスにいるLOVOTを探して」とエージェントに指示を行います。
すると、エージェントがオフィス内の「ソラカメ」を動かし、LOVOTがいるかどうかを探します。LOVOTが見つかると、画像を送ってくれます。
AI×IoTソリューション:SORACOM Agent デモ②

例をもう1つご紹介します。最近日本列島でクマが非常に話題になっていますが、クマ以外にもハクビシンやタヌキなど、さまざまな動物が農業被害をもたらしています。例えば、スライドに示したような箱罠を作り、IoTやAIで制御したいというニーズがある場合、意外と複雑な課題となります。
ハードウェアを製作したり、クラウドアプリを構築したり、AIによる制御を行ったりしますが、このようなモノ作りをしたい場合には「SORACOM Agent」にご相談ください。
まずは「箱罠のIoTをやりたい」と相談し、「どういう動物ですか?」などさまざまな質問に答えることで、仕様を固めることができます。
次にハードウェアの製作についても、どの部品を購入しどのように組み立てるのが適切か、相談することができます。最後に、クラウドアプリ部分に関しては、エージェントが最も得意としている分野であり、「SORACOM」を活用してクラウド側の設定も対応します。
このように「箱罠に動物が掛かった際、AIを活用して状況を分析し捕獲する」という仕組みを構築できます。
こちらは単純に1つの例としてご紹介していますが、「SORACOM Agent」はテクノロジープレビューとして発表しており、今後はお客さまとともに実際のプロジェクトに取り組み、順調に進捗させていきたいと考えています。
本日のまとめ

本日のまとめです。1点目は、2027年3月期第1四半期において大幅な増収増益を達成したことです。
リカーリング収益は前年同期比48.6パーセント増、売上高は前年同期比52.1パーセント増となりました。リカーリング収益におけるグローバル比率が50パーセントを超え、名実ともに日本発のグローバルプラットフォームへと成長しています。
2点目は、AI/IoTコネクティビティプラットフォームについて、契約回線数が1,000万回線を突破したことです。Gartnerの「Magic Quadrant」においてもリーダーの1社として評価されました。
また、今回のQKSのアナリストレポートでは、生成AIを組み込んだプラットフォームとして「Most Valuable Pioneer」と評価されるなど、グローバル市場におけるプラットフォームの存在感が着実に向上しています。
3点目は、成長領域の進展についてです。4つの成長領域におけるアップデートを発表しました。
AI/IoTコネクティビティプラットフォームを基盤とし、通信事業者向けサービス、コネクテッドカー、AIネイティブカメラ、AI×IoTソリューションにおいて、今後も取り組みを進めていきます。
以上で、本日のご説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:2027年3月期第1四半期の業績評価について
質問:2027年3月期第1四半期の業績に対して、会社としての評価をお聞かせください。
玉川:第1四半期は大幅な増収増益となり、第1四半期としては過去最高の売上高と営業利益を達成しました。
リカーリング収益は前年同期比48.6パーセント増、売上高は前年同期比52.1パーセント増、EBITDAは前年同期比81.5パーセント増の3億1,000万円、営業利益は前年同期比69.3パーセント増の2億1,000万円となり、非常に良い結果だったと考えています。
これらの成長の主なドライバーとしては、ミソラコネクトの連結化があります。昨年8月に連結対象となり、そちらが今期寄与しています。それに加え、アメリカやヨーロッパでのリカーリング収益が大きく伸びていることや、国内におけるデバイス販売が好調だったことも要因です。
利益面では、生成AIの活用による生産性向上により、販管費の売上高比率が40.6パーセントと前年同期比で8.7ポイント改善しました。こちらがEBITDAおよび営業利益の大幅な増益につながったと考えています。
今期の通期計画に対しても非常に順調な立ち上がりであると評価しています。ただし、通期はまだ始まったばかりであり、この良いスタートに慢心することなく、グローバルでのさらなる成長を目指し、また生成AIがマーケットを盛り上げている現状を踏まえ、より大きな成果を創出していけるよう、引き続き粛々と施策を実行していきたいと考えています。
質疑応答:IoT市場の成長見通しとPhysical AIシフトの影響について
質問:IoT市場の成長の見通しとPhysical AIシフトが御社に与える影響を教えてください。
玉川:生成AI、特に最近注目されているPhysical AIの当社の事業への影響については、非常にポジティブであり、アップサイドがあると考えています。
先ほどもマーケットサイズについて少し触れましたが、IoT市場は非常に大きく、日本円で140兆円以上の規模があり、2桁成長を続けています。その中でもIoTコネクティビティ市場だけで18兆円規模と大きく伸びています。
当社の事業領域においては、これまでMassive IoTではスマートメーターや設備監視が主流でしたが、こちらに加えてIndustrial DXのような遠隔制御の領域が広がりを見せています。
特に日本国内では、人件費高騰や人手不足といった要因から、遠隔での設備監視、ビルメンテナンス、工場監視などの需要が高まっており、これらの分野は引き続き成長していくと見込まれます。
さらにPhysical AIの動向として、AIカメラ、ドローン、自動運転などの新たなユースケースが増えています。これらは従来とは桁違いに大きなデータ量を伴うもので、平均で数ギガから数十ギガのデータを送信するため、デバイス当たりの単価が非常に高い領域となります。
その結果、Massive IoTおよびIndustrial DXの成長に加え、Physical AIがさらに積み重なることで、当社にとっては構造的な追い風となっていると考えています。
当社のコネクティビティビジネスについては、先ほど述べたように、すでに押し上げ効果があります。映像とAIのワークロードはデータ量が非常に多く高単価であるため、接続数の増加および回線単価の増加の両面において、当社の成長を後押ししていると考えています。
それとは別に、AIネイティブな事業の可能性も非常に大きいと考えています。当社ではAIネイティブカメラの開発を進めています。また、「Wisora」というAIボットエージェントのサービスに加え、今回発表した業界特化型AIエージェント「SORACOM Agent」などのサービス群が存在します。
これらのサービス群は、まさに当社のプラットフォームにおいて、付加価値サービス、いわゆるValue-Added Servicesとして機能し、Physical AI市場の成長をそのまま取り込むことができる事業ポートフォリオとなっていると考えています。全体的に非常にポジティブな影響があると見ています。
質疑応答:通期予想据え置きの理由と上方修正の可能性について
質問:第1四半期決算が好調であったにもかかわらず、通期予想を据え置いた理由について教えてください。上方修正の可能性はありますか?
玉川:リカーリングのKPIにおいてARPAの進捗が非常に良く、顧客アカウント数も大きく伸びていることから、好調な業績を達成できたと考えています。ただし、現時点では通期予想を据え置くことが適切であると判断しました。
今後の四半期の業績動向を踏まえ、見通しを継続的にレビューし、必要に応じて適切なタイミングで対応していきたいと考えています。
一方で、上方修正につながる可能性のある上振れ要因がいくつか存在します。具体的には4つ挙げられます。1点目は為替レートです。当社では想定レートを150円と設定していましたが、それを超えて円安が進行した場合、売上高において上振れが期待できると考えています。
当社の為替感応度は、円安が1円進むごとに売上高が4,000万円ほど増加するため、現在の為替レートは約159円という水準で、10円弱の円安が進むことで、約4億円の増加につながる見込みです。
営業利益への影響はほぼニュートラルであり、プラス1円当たり約400万円の増加となる見込みです。仮に為替レートが159円で推移する場合、営業利益は数千万円程度のプラスになると考えています。
2点目としては、米国を中心にグローバルで高成長が現在のペースで継続した場合です。この第1四半期におけるグローバルの売上高は前年同期比47パーセント増と大幅な増収となっています。この増加にはミソラコネクトの連結は特に関係していません。この勢いが続けば、上振れ要因になると考えています。
3点目は、大型デバイスの案件獲得です。当社の業績予想では、新規で獲得予定の大型デバイス案件を保守的に計画に見込んでいません。そのため、このような案件が獲得・計上された場合には、上振れ要因となります。
最後に、Physical AI自体の勢いが非常に強いため、投資の加速によってお客さまのIoT需要が想定以上に拡大した場合、アップサイドにつながると考えています。いずれにせよ、このような上振れ要因が実績として確認できた際には、上方修正について適切に判断し、実施していきます。
質疑応答:第1四半期の進捗状況と今後のインクリメンタル収益について
質問:「SORACOM Discovery」で話題に上がった北米の非常に好調な業績については大変安心しています。ただし、第1四半期の進捗状況を、もう少し定量的に教えていただきたいです。
社内計画比で為替の影響を除くと、第1四半期の売上・利益がどの程度上振れたのかについてお教えください。また、「SORACOM Discovery」のコストを第1四半期で早めに積んだと拝察しますが、この点も含めて、実質的にはさらに上振れている可能性があると考えているため、そのあたりの詳細をご説明いただければと思います。
さらに、通期の計画を見るとインクリメンタルは37億円となっていますが、第1四半期で6億円しか計上されていない状況です。第2四半期から第4四半期にかけては、強めに出るインクリメンタルが発生する四半期もあるのではないかと考えています。
加えて、北米の案件についても、社内的評価では力強い状況にあるのではないかと思います。このような状況下で、第2四半期以降にどこかで特定の案件が発生する予定があるのかどうかについても、ご教示ください。
玉川:四半期ごとの計画との比較については、四半期ごとの計画を開示していないためあまりお話しできることはないのですが、為替比較の観点で言うと、為替の上振れがあるのは事実です。実績はリカーリング収益が前年同期比48.6パーセント増とお伝えしたとおりです。
為替を調整せずに150円と仮定した場合でも、リカーリング収益の成長率は40パーセント強程度となっており、このような点から着実に成長していると考えています。
インクリメンタル収益について、第1四半期は予定を少し上回る結果が出たと考えています。この後、第2四半期、第3四半期、第4四半期において、もともと想定しているデバイス売上やKDDI社とのシナジーは想定どおりの結果が出ると考えており、これらがしっかり進捗すれば、さらに上振れにつながると見ています。
もう1点北米の成長の強さについてですが、こちらは当社でも、想定以上の成果が出ていると考えています。今後もグローバル市場での強い成長が続けば、着実に上振れにつながると見ています。
したがって、全体的には為替影響を除いても良いかたちで進捗していると考えています。
質問:1点、利益は実はもっと強かったのではないかと思っており、「SORACOM Discovery」の費用が数千万円、第1四半期に去年よりも計上されているとうかがいました。そちらを考慮すると利益も相応に上振れているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
玉川:利益は第1四半期において少し上振れているかと思いますが、インクリメンタル収益については第2四半期にも現時点でそれなりのものが見込まれています。そのため、第2四半期もそこそこの良い結果が出ると考えています。
追記:「SORACOM Discovery」というIoTカンファレンスを7月に自社開催しており、その広告宣伝費の一部を第1四半期に執行しています。ただし、アフターAI組織への変革により人件費は計画対比では抑えられているため、利益面については、第1四半期は計画を少し上振れて着地しており、第2四半期以降もしっかり創出できる見込みです。
質問:まとめると、第2四半期はインクリメンタルがさらに強くなり、下期にはKDDI社案件も多く、インクリメンタルはかなり好調で、リカーリングについても第1四半期は相当良いという理解でよろしいでしょうか?
玉川:おっしゃるとおりです。
質疑応答:中長期売上計画におけるMassive IoT、Industrial DX、Physical AIの成長見通しについて

質問:今回、スライドの18ページにあるように、IoTに関して「Massive IoT」「Industrial DX」「Physical AI」と分類し、将来像を提示されたと思います。
ラフでかまいませんが、中長期の売上高目標500億円について、それぞれがどのようなミックスで構成されると考えているのか、また足元の第1四半期ないし前期実績において、この3つがそれぞれどの程度の割合で御社を支えているのか、産業別の事業機会や実績についてのイメージを教えてください。
玉川:現在の状況についてですが、Massive IoTとIndustrial DXの割合が非常に大きいです。例えば、ニチガス社のように100万台を超える案件があり、また、Industrial DXにおいてはアズビル社の事例もありますが、この他に決済端末の案件も100万台を超える規模となっています。このように、主にMassive IoTとIndustrial DXが足元を支えている状況です。
一方で、ここ1年から2年でPhysical AIの事例も増えてきています。スライドで記載しているBusPatrol社は非常に高成長しており、デバイス単価が高い点が特徴です。この事例は、スクールバス周辺に設置したカメラの映像をクラウドへ送信し、AIで画像・動画分析を行うというものです。
スクールバスが停車中に法律違反となる車両を監視し、その後罰金を通知するユースケースとなっています。このように、Physical AI関連の成長が著しいため、5年後にはこの分野の比重が非常に大きくなるのではないかと考えています。
また、今回の事例には記載していませんが、ドローン監視やエネルギーマネジメント分野においても、GPUを活用してAIのワークロードを生み出すユースケースが出てきており、期待のできる分野だと考えています。
さらに、個人的におもしろい動きとして、Massive IoTを進めていたお客さまがPhysical AIへの移行を進めている例があります。例えば、スライドでもご紹介しているSollatek社は業務用冷蔵庫の温度管理を行うイギリスの企業ですが、生成AIやAI技術の進化に伴い、冷蔵庫内にカメラを設置して映像を解析し、冷蔵庫自体を自動販売機化していくソリューションを始めています。
このように、Sollatek社を含む多くのお客さまがMassive IoTからPhysical AIへシフトしていく動きが見られ、将来的にはPhysical AIの割合がさらに拡大していくと考えています。
一方で、Massive IoTの分野も衰退するわけではありません。例えば、スマートメーターは依然として未接続のものが多く、また設備監視では、5Gをはじめとしたセルラー接続に加え、衛星通信の導入によって新たなマーケットが開拓されています。このように、3つのカテゴリーはすべて成長していくと考えています。
最後に、500億円の内訳を詳細に分ける作業は行っていませんが、多様なお客さまの成長機会をしっかり追跡し、そちらを実現していきたいと考えています。
質問:理解の確認なのですが、スライドの右に行くほどデータの利用量が増え、御社にとって売上・利益ともに大きくなるというイメージでよいでしょうか? また、マージンについて違いはあるのでしょうか?
玉川:マージンに関しては通信を伴うような莫大なデータ容量が必要な場合、比較的マージンが下がる傾向があります。ただし、例えば当社の「SORACOM Flux」やAIエージェント、あるいは「ソラカメ」のようなクラウド常時録画を利用いただく場合、それらは粗利が高いという特徴があります。
そのため、データ通信料部分とクラウドプラットフォーム部分をどの程度の割合で利用するかによって、粗利の質が変わってくると思われます。
とはいえ、当社にとって重要なのは粗利の質ではなく、むしろ粗利全体の量、いわば面積をどれだけ確保できるかです。その観点から、Physical AIのユースケースは非常に歓迎すべきものだと考えています。
質疑応答:AI×IoTソリューションにおける営業活動の変化と成果について

質問:中期の成長のドライバーのうち、AI×IoTソリューションの部分についてお尋ねします。今回はGartnerなどのさまざまな調査で上位にランクインしたとのことですが、そちらを踏まえた営業活動について、変化や手応え、成果についてはどのような感じなのでしょうか?
玉川:AI×IoTソリューションについてですが、先ほどのGartnerの評価もそうですし、QKSにおいても、当社がこのプラットフォーム自体に生成AIをすでに組み込んだ最先端のプラットフォームを提供しているという点が高く評価されており、非常にうれしく思っています。
営業活動の変化という点では、アナリストのレポートで高い評価をいただくことで、お客さまからも「生成AIを絡めてこういったことがしたい」といった際に、単純に通信だけを提供するベンダーではなく、生成AIも組み込まれた、あるいは生成AIと連携する際に非常に利便性の高いプラットフォームとして認識されるようになっています。
その結果、単純な通信を提供するプラットフォームと比較されることが少なくなり、名指しで「『SORACOM』を使いたい」と評価してくださるお客さまが増えていると感じています。
もともと当社が強みとしているのはコネクティビティプラットフォームですが、最近では「ソラカメ」に代表されるようなAIカメラを活用したソリューション、「SORACOM Flux」のように現場でAIを使って自動化する取り組み、さらに今回発表した「SORACOM Agent」のような業界特化型AIエージェント、いわゆるバーティカルAIエージェントの領域にも取り組んでいます。
その結果、「このようなAIに取り組む上でのパートナーとして一緒にやっていこう」のようなお声掛けをお客さまから多くいただくようになりました。このように、当社の対応範囲が広がり、さまざまなお客さまのご要望にお応えできるようになってきたと考えています。
質疑応答:通信事業者向けサービスの商談状況について

質問:成長戦略の通信事業者向けサービスについてお尋ねします。これまではKDDI社向けのサービスでしたが、これは本当にKDDI社以外の通信キャリア、国内では少し限られますが、海外のキャリアとの商談は実際に進んでいるのでしょうか?
玉川:現在、複数の通信事業者(MNO)からご相談を受けている状況です。
従来とは異なる通信事業者のご要望に応えるため、ヨーロッパの通信事業者がお客さまをサポートしようとする際、単にヨーロッパ内にとどまらず、グローバルでのサポートが必要とされるケースにおいても、当社が現地でお手伝いするという事例があります。
また、クラウドやAIとの連携についても、通信事業者がこれらのケイパビリティを獲得する際、従来のようにハードウェアに設備投資を行う方法に加え、当社のようにクラウドテクノロジーを活用し、サービス提供をSaaS形式で行う企業と協力することで、設備投資費を抑え、CAPEXをOPEXに変換できる点が高く評価されています。
このような観点から、さまざまなご相談をいただいている状況です。
ミソラコネクトに対するHSS(加入者管理データベース)の提供についてお話ししましたが、当社は加入者管理データベース部分だけでなく、パケットゲートウェイや、BSS・OSSと呼ばれる課金系システムなどの部品も、内製したソフトウェアコンポーネントやクラウドコンポーネントとしてすでに保有しています。
これらを組み合わせることで、通信事業者のニーズに応えられると考えており、この領域だけでも非常に大きな市場を持つ分野だと捉えています。
当社が立ち上がった当初は、クラウド上でソフトウェアを開発する少し変わったプレイヤーのように見られていたかと思います。
しかし、10年以上の実績を積み上げ、グローバルで1,000万回線を超える規模にまで成長したことで、十分な実績を持つプラットフォームとして認識していただけるようになりました。その結果、このようなお声がけをいただく機会が増えていると感じています。
質疑応答:コネクテッドカー領域におけるKDDI社との棲み分けについて

質問:コネクテッドカーについての質問です。いつも出る質問かと思いますが、KDDI社が提供するサービスとどのように棲み分けをしていくのでしょうか?
玉川:コネクテッドカーの領域では、KDDI社と一緒に取り組んでいるプロジェクトが非常に多くあります。棲み分けについては、特に国内の自動車会社においては、KDDI社がフロントに立つほうが、当社も活動しやすいと考えています。お客さまサポートや24時間365日のセンター業務などはKDDI社に担っていただいています。
一方で、アジアエリアや欧州領域では複数のキャリア、いわゆるマルチキャリアでクラウドにつなぐといった領域は、当社の得意分野です。そのため、両社の強みを活かし、組み合わせてお客さまに提供していくことが重要と考えています。このように協業を進めています。
質疑応答:AIネイティブカメラ「ソラカメPro」の特長について

質問:AIネイティブカメラについてですが、「ソラカメPro」は従来のものと何が異なるのでしょうか?
玉川:もともとソラコムが提供してきた「ソラカメ」というシンプルなカメラは、Wi-Fiで接続するカメラでした。
屋内にWi-Fiがある環境であれば、電源を接続するだけで利用可能で、クラウド上に24時間から1週間分、1ヶ月分などの映像を保存するサービスを提供していました。また、このサービスではAIを活用して映像を自動解析する機能も追加し、付加価値の高いサービスを展開してきました。
一方で、Wi-Fiがないケース、特に屋外の建設現場やインフラの監視でカメラを使いたい場合には、セルラー通信が必要です。そのため、過去には「ソラカメ」というWi-Fiカメラにセルラーパックを付けるかたちで、別売りのルーターを提供していました。
しかし、お客さまから、特に建設現場から、セルラー通信を内蔵し、小型で、電源を入れるだけですぐに使えるカメラが欲しいという要望が多く寄せられました。そこで、「ソラカメPro」を新たに開発しました。このカメラはセルラー通信を内蔵しており、電源を接続するだけで、ゼロセットアップで使えるのが特長です。
また、従来の「ソラカメ」の特徴であったクラウドへの常時録画やAIとの連携機能も引き続き「SORACOM」のプラットフォームとして提供しており、これが「ソラカメPro」の大きな特長となっています。
質疑応答:第1四半期の原価率が高い理由について

質問:原価率に関して、前年比(YoY)ではミソラコネクトの影響ということがわかるのですが、四半期ベースで見ていくと、この前の第4四半期はインクリメンタルが多いため参考にならないかもしれませんが、今回の第1四半期の原価率が高くなっているように感じます。もし私の勘違いでなければ、そちらの理由を教えていただけますか?
玉川:ミソラコネクトの粗利率は20パーセント台と、原価率が高いため全体的には押し下げ要因となっています。「ミソラコネクトを除いた場合でも原価率が下がっているか」というご質問だと思いますが、少なくとも当社のオーガニックなリカーリング収益における粗利率は同程度を維持していると認識しています。
一方で、この第1四半期に大型デバイスの販売があったため、通常はデバイスの販売では粗利率が20パーセントから30パーセント程度になることもあり、その影響で少し粗利率が下がった部分もあると思います。
質問:わかりました。インクリメンタルの部分で、少し影響があったということでしょうか?
玉川:そうですね。インクリメンタルには主にデバイスの部分とKDDI社とのシナジーによるソフトウェア販売の部分があります。通常、デバイスの粗利率は20パーセントから30パーセントと低めですが、ソフトウェア販売の場合は粗利率が高いという特徴があります。
ただ、大型デバイス販売がネガティブな要素かというと、そうではありません。その期には一時的に粗利率が下がる影響がありますが、このデバイス販売はその後のリカーリング収益を生み出す重要な要素でもあります。
具体的には、リカーリング収益を生むデバイスはお客さまにとってもタイム・トゥ・マーケットが早まり、市場への投入時期を迅速化する効果があります。また、ハードウェア導入により継続的なリカーリング収益の基盤が構築され、解約率の低い収益が持続します。
このため、一時的な影響で粗利率が低くなることがあっても、当社としてはリカーリング収益を生み出す源泉としてのハードウェア販売の位置付けを非常に重要視しています。
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