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銀行業

2027年3月期第1四半期決算のポイント

清水健氏(以下、清水):セブン銀行常務執行役員企画部長の清水です。お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。まずは私から、資料に沿って決算内容についてご説明します。

2027年3月期第1四半期決算のポイントです。業績概況に記載のとおり、セブン銀行単体と米国の事業が牽引し、連結・単体ともに増収増益となりました。当初計画では減益を予想していましたが、早い段階で増益に転じています。

四半期ベースでの増益は、連結・単体ともに2023年度の第1四半期以来ということで、非常にポジティブな結果であると受け止めています。

国内ATM事業、国内リテール事業、海外事業については、スライドに記載のとおりです。これから事業別に詳しくご説明します。

損益状況【連結】

まず、連結の数字です。経常収益は568億円、経常利益は108億円、四半期純利益は65億円となりました。隣に記載した前年同期実績に比べ、経常収益は約35億円、経常利益は約42億円上回っています。

また、今回は国内ATM事業においてATMの減価償却期間を見直しており、その影響は10億円程度です。経常収益は前年同期比プラス35億円、経常利益は前年同期比プラス42億円となっており、減価償却期間の見直しの影響を除いても、第1四半期は増収増益の結果となりました。

業績推移【連結】

これまでの連結業績推移です。経常収益は、第1四半期として過去最高を記録しました。経常利益は108億円となり、過去最高である2019年度第1四半期の111億円には及びませんでしたが、ほぼ同水準の経常利益を達成することができました。

損益状況【セブン銀行単体】

セブン銀行単体の業績です。経常収益は372億円、経常利益は94億円、四半期純利益は64億円となりました。経常収益は前年を約20億円、経常利益は約29億円上回っています。

この後ご説明しますが、要因の1つは件数が比較的好調であり、計画を上回っていることです。もちろん前年比でも上回っていますが、計画を上回っている点が特筆すべき事項です。

また、単価は計画に対して若干弱いものの、比較的安定した動きとなっています。さらに単体では、費用をある程度削減できている点も大きな要因です。

費用については、先ほど申し上げた減価償却期間の変更による削減が10億円程度ありました。加えて、「セブン銀行後払いサービス」の貸倒率が改善したことで引当金の繰入が減少しているほか、業務委託費や電信電話費など、細かな部分でも減少が見られます。

ただし、これらの減少が恒常的に進められるものなのか、あるいは期ズレに該当するのかについては、現時点では判断が難しい部分もあります。今後、中間期までの状況を見て、あらためて判断していきたいと考えています。

主要計数 ATM利用件数の推移

ここからは、事業別の詳細をご説明します。まずは国内ATM事業についてです。

ATMの平均利用件数は110.5件、第1四半期総利用件数は2億8,600万件となりました。総利用件数は前年から800万件増加し、平均利用件数も前年を1.2件上回っています。

スライド左下の注6に記載されていますが、第1四半期のATM受入手数料単価は106円40銭でした。

利用件数については、先ほども少し触れましたが、第1四半期に計画していた数値を上回りました。単価は計画値に対してやや弱い結果となりましたが、落ち着いた水準で推移していると認識しています。

主要計数 ATM期末台数の推移

ATMの台数についてご説明します。ATM期末台数は2万8,614台と、前年に比べて532台増加しました。この数年の傾向や計画とも合致しており、主に「セブン-イレブン」外が前年同期比348台増の5,439台、「セブン‐イレブン」内は前年同期比184台増の2万3,175台となっています。

スライドに記載はありませんが、金融機関の代替ATMは6月末時点で41社・512台となり、3月末から2社増加し、台数としても4台増えている状況です。台数全体としては今期末時点で2万9,404台を予定しており、ほぼ計画どおりに進んでいます。

国内事業(ATM)トピックス

6月1日から、「ファミリーマート」へのATM設置が始まりました。スライド左側に示されているとおり、6月末時点で21台、7月末時点で37台の設置が完了しています。

4年間で1万6,000台を設置する計画に対し、「このペースで大丈夫なのか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、我々の計画では、当初は状況を見ながら比較的少ない数で設置を進め、年が明けてから本格的に設置を進める予定です。したがって、この設置台数は計画どおりであり、遅れているわけではありません。前回の決算説明時にもお伝えしましたが、今年度は400台から500台程度の設置を目指しています。

現在の設置店舗については、スライド左側に代表的な店舗を記載しています。ぜひ実際にご覧いただき、ご利用いただければと思います。

主要計数 口座数と預金残高の推移(個人)

国内リテール事業についてです。口座数は350万2,000口座と、前年に比べて6万5,000口座増加しました。預金残高は6,429億円と、前年に比べて317億円増加しています。

スライドに記載されているのは個人預金の残高ですが、法人預金を合わせた場合、第1四半期の預金残高は約9,150億円となります。

口座数については、年間目標として未利用口座の整理を着実に進めることで、ほぼ横ばいの350万口座を計画しています。現時点では計画どおりに推移しており、口座数・預金残高ともに順調に推移しています。

主要計数 個人向けローンサービス

個人向けローンサービスについてです。6月末の残高は831億円と、前年に比べて171億円増加しました。今年度末には900億円を目指しており、計画どおり進んでいる状況です。

ローン残高のある口座は、先ほど述べた350万口座のうち約26万口座です。831億円を26万口座で割ると、1口座あたり約32万円となります。これまでと同様、1口座あたり約30万円の残高で気軽にご利用いただけるローンとして、みなさまに広くご利用いただいている状況に変わりはありません。

主要計数 セブン銀行後払いサービス

「セブン銀行後払いサービス」についてです。取扱件数は約161万件、取扱高は276億円となり、スライド右側のグラフをご覧いただくとおわかりのとおり、順調に伸びている状況です。

取扱件数は若干計画を下回っていますが、取扱高は計画を上回っています。取扱件数も、当初計画が非常に意欲的なものであったために下回っているとはいえ、高いレベルで推移しています。このサービスはここ数年の傾向と同様に、今後も伸びが期待できると考えています。

セブン・カードサービス KPI

「セブン・カードサービス」のKPIについてご説明します。クレジットカード会員数は305万人で、昨年度の第1四半期と比べて7万人ほど減少しました。

ショッピング取扱高および金融商品残高もマイナスとなっていますが、8月末に新しいクレジットカードを発行する予定です。なお、第1四半期は新規の申込数および発行数について抑えた計画としていたため、この数字はほぼ計画どおりとなっています。

年度末に向けて、クレジットカードの有効会員数については若干の純増を計画しています。第1四半期は減少していますが、計画どおりに推移しています。

電子マネー会員数については、スライドに記載されている会員数がカードの発行枚数であり、こちらは増加傾向にあります。一方で稼働会員数については、新しい決済手段の影響を受けて減少している状況です。

第1四半期の電子マネー取扱高は3,432億円となり、前年同期比で400億円ほど減少しています。こちらは引き続き、弱いトレンドが続いています。

国内事業(リテール)トピックス

国内リテール事業のトピックスです。まず、「ATM時間外手数料無料キャンペーン」を6月から実施しています。

この施策では、新規口座を開設していただいたお客さまを対象に、10万円を入金し月末までキープすることを一定の条件として、手数料無料となるキャンペーンを行っています。

具体的な実数のご説明は控えますが、このキャンペーンにより、新規口座の開設が予定どおり、ある程度促進できているのではないかと考えています。

スライド中央に記載している「夏の定期預金キャンペーン」については、定期預金1年ものを新規にご預入れいただいた方を対象に、年1.2パーセントの特別金利を適用するキャンペーンを開始しています。キャンペーン期間は6月下旬からです。

預金の獲得競争が厳しさを増す中、安定したかたちで定期預金を集めたいという意図で実施しており、現在のところは計画どおりに預金が集まっています。

また、右側には先ほどご説明した「nanacoクレジットカード」について記載しています。「nanacoクレジットカード」は8月下旬に発行する予定ですが、開始日が正式に決まり次第、あらためてリリースを行う予定です。おそらく、計画どおり8月下旬には発行可能だと思われます。

詳細なご説明は省略しますが、スライドに記載されている「nanacoリワードプログラム」については、新たな特典を付与することで、新しいカードの普及を一気に進めていきたいと考えています。

ATM総利用件数の推移

海外事業についてです。海外4か国のATM総利用件数は全体で1億3,290万件と、前年に比べて140万件の減少となりました。

スライド右側のグラフをご覧いただくと、濃い緑がフィリピンを示しており、5,800万件から5,700万件へとわずかに減少しています。

また、薄い緑はインドネシアを示しており、3,980万件から3,210万件へと700万件強の減少となっています。一方、灰色は米国を示しており、3,590万件から4,160万件へと600万件弱の増加を記録しています。

全体としては、140万件の減少です。海外事業においては、低調な地域と比較的順調に進んでいる地域との間で、かなりの差が生じていると実感しています。

海外事業 米国

米国市場は良い方向に進んでいます。1月から3月までの第1四半期において、平均利用件数は46.1件、ATM台数は1万845台でした。その後台数は増加し、6月末には1万1,651台となりました。

「Speedway」と「Stripes」も順調に設置が進み、3月末時点では両者を合わせて約2,500台の設置となっていましたが、6月末には約3,400台弱まで増加しました。

経常収益および経常利益は、スライドに記載のとおりです。順調に業績を拡大し、増収増益となっています。

平均利用件数は若干減少しているように見えますが、これは「Speedway」や「Stripes」のATMが「セブン-イレブン」のATMに比べて平均利用件数が少ない傾向にあるためです。これらの設置が進むことで平均利用件数が多少下がっていますが、全体の業績は好調です。

海外事業 インドネシア

インドネシアについてです。平均利用件数は39.9件、ATM台数は3月末時点で9,100台、6月末も台数は変わらず9,100台となっています。現在、経常収益は16億6,000万円、経常利益は3,000万円と、平均利用件数は減少していますが、黒字を確保している状況です。

インドネシア最大の民間銀行であるBank Central Asia(BCA)との直接接続や、国営ネットワークを運営するPT Jalin Pembayaran Nusantaraからの運営受託スキームなど、新しい試みを模索しているところです。

これらがうまく立ち上がれば、改善のきっかけをつかめると考えていますが、新しい取り組みのスタートには時間がかかっている状況です。そのため、現在のような数字となっています。

なお、新しい取り組みの準備はすでに完了しており、これがどのタイミングで開始されるかが課題です。それによって、改善の波に乗れるかどうかが決まると考えています。

海外事業 フィリピン

フィリピンにおける状況についてです。平均利用件数は164.2件、ATM台数は3月末時点で4,104台、6月末時点で4,186台です。

平均利用件数については、これまでに何度か「継続的に下がってきています」とお話ししてきましたが、スライドの折れ線グラフをご覧いただいてもわかるように、平均利用件数はほぼ下げ止まったと認識しています。

第3四半期および第4四半期には新しい取り組みがいくつか始まる予定であり、平均利用件数をはじめとするフィリピンの数値はここを底にして、回復が進むと考えています。

海外事業 マレーシア

最後に、マレーシアについてです。平均利用件数は212.3件、ATM台数は126台です。今期は400台を追加設置する予定で、期末には500台まで増やす計画です。

平均利用件数が224.7件から212.3件と減少している点について、「大丈夫ですか?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、今期は400台の設置を計画しており、スライドのとおり6月末時点で163台と、大幅に新規設置を増やしています。

新規設置されたATMは、認知が広まるまでの間は平均利用件数が低い傾向にあります。そのため、全体の平均がやや減少していますが、引き続き200件台は維持しています。

また、当社ではきちんと採算性を確認しながら台数を増やしているため、業績への懸念はありません。

2027年3月期 業績予想修正

業績予想の修正についてです。当初の予想では、連結経常収益が2,355億円、連結経常利益が295億円、当期純利益が170億円と発表していました。

今回の修正では、連結経常収益は変更せず、連結経常費用・連結経常利益・当期純利益を見直します。具体的には、連結経常費用を40億円減額し、それによって連結経常利益が40億円増加し、当期純利益は30億円増加する見込みです。

また、スライドの下部にも記載のとおり、ATMの耐用年数を5年から7年に変更したことにより、第1四半期に約10億7,000万円のプラス効果が反映されています。年間では約40億円のプラス効果となり、こちらを織り込んだ業績修正を行いました。

先ほどは「件数が計画を上回っています」「費用がコントロールできています」とお話ししましたが、これが第1四半期だけでなく、第2四半期まで含めてどの程度恒常的に数字として反映されるのか、あらためて見極めたいと考えています。

そのため、このタイミングでは減価償却の期間を変更したことのみを織り込んだ修正となっています。

2027年3月期 業績予想修正

セブン銀行単体も同様です。経常収益は変えずに経常費用を40億円削減し、経常利益を40億円増加させました。純利益も30億円増加させ、新たな予想は経常収益が1,490億円、経常利益が290億円、純利益が200億円となっています。私からのご説明は、以上です。

質疑応答:ATM受入手数料単価引き上げについて

質問者:来年度以降に想定されている、ATM受入手数料単価の引き上げについて質問です。現状、どの程度の値上げが可能なのか、また、直近までの値上げ交渉の感触について、可能であれば教えてください。

清水:まず、ATM受入手数料単価の引き上げに関する交渉状況については、現在も交渉中です。

当社としては、世の中の物価上昇分などを織り込むかたちで、もちろん自助努力としてコスト削減も行いながら、各提携先に提案しています。

そのため、ATM受入手数料単価の引き上げ幅としては、数パーセントの引き上げをお願いしている状況です。交渉中とはいえ、背景には物価上昇分などが反映されており、結果的にはご理解いただけると考えています。いずれにしても、効果が出るのは来年度からになる見込みです。

質疑応答:今後のカード戦略について

質問者:今後のカード戦略について質問です。セブン&アイ・ホールディングスにソフトバンク、PayPay、三井住友カードなどが出資することになりました。これを受けて、「セブンカード」や今後のカード戦略にどのような影響が現状考えられるか、お聞かせください。

清水:まず、クレジットカードについて、今年度は8月末に新たに発行する新規の「nanacoクレジットカード」を広めていくことに注力する方針です。

また、ソフトバンクなどがセブン&アイ・ホールディングスに出資したことや、「セブン-イレブン」とこれから提携を進める点については、現時点ではまだ影響を見極めにくい状況です。そのため、これをもって当社のクレジットカード戦略を大きく変更する予定はありません。

まずは新しいクレジットカードに注力し、これを広めていくことに専念する考えです。

質疑応答:第1四半期の経費抑制基調による影響について

質問者:第1四半期の経費抑制基調について質問です。確認したところ、減価償却期間の変更による影響が10億円程度あったとしても、それ以外で自分の予想と比べて15億円以上下振れているように感じます。

この経費の下振れは、通期計画がそもそもバッファをもって保守的に設定されていたのでしょうか? あるいは、御社が第1四半期に非常に努力された結果としての下振れなのかにより、今後の見通しが変わってくると思います。

実態としては、通期計画が保守的だったのか、それとも多くの取り組みを行った結果として下振れたのか、あるいは期ズレなどが影響したのか、補足情報があれば教えてください。

清水:まず、経費について回答します。通期計画には、世の中の物価上昇などを織り込んで見積もっていた項目がいくつかあり、それが第1四半期には反映されていない科目がいくつかあります。

また、先ほどの説明でも申し上げましたが、後払いの貸倒率が改善したことにより、引当金の繰入が減少したという要因もありました。

さらに、人件費および投資については、ここ数年抑制的に取り組んできたこともあり、その効果が出ている部分もあります。

ただし、そのウェイトについては具体的にご説明するのが難しい点があります。第1四半期では減価償却分のみを織り込んでいますが、年間を通じて、ある程度抑制可能な項目があると考えています。

そのため、第2四半期までお待ちいただき、中間決算の際にはもう少し明確にご説明できればと思っています。全体的に見て、コストを抑えた運用ができる可能性があると考えています。

質疑応答:PayPayからセブン&アイへの出資による影響について

質問者:PayPayがセブン&アイ・ホールディングスに出資したことによる、御社への影響について質問です。どのようなプラス・マイナスを考えたらよいのか、ご教示ください。

例えば「PayPayに対する単価の引き上げの交渉が難しくなりそうだ」「『PayPay』の利用が増え、ミックスが変わってきそうだ」「それがどのような影響を及ぼすのか?」といった可能性を考えてみたのですが、いまひとつ理解が及びません。特にプラスの面について、どのような効果があるのかをお聞きしたいです。

清水:ソフトバンクやPayPayがセブン&アイ・ホールディングスに出資したことは、あまり明確な回答はできませんが、セブン&アイ・ホールディングスおよびセブン‐イレブン・ジャパンが、集客力を向上させることを目的としていると認識しています。

仮に、これによって実際に集客力が向上し、来店客が増加すれば、「PayPay」だけでなくATMの利用件数にもポジティブな影響があるかもしれません。

こちらのマイナス影響については予測が難しい点がありますが、お客さまが店舗での決済においてどの手段を選択するのか、「PayPayポイント」を集めるのがよいのか、「nanacoポイント」を集めるのがよいのかといった選択があります。

その中で、クレジットカードや電子マネーの「nanaco」がこれまで以上にネガティブな影響を受ける可能性があるという点が、あえて言えばマイナスの部分だと思います。

そのような状況の中、私たちとしては新しい「nanacoクレジットカード」を提供し、クレジットカードについては新規のお客さまに向けたインセンティブを展開することで、先ほど述べたようなマイナスの影響があったとしても、新しいクレジットカードを通じてそれを挽回していきたいと考えています。

質問者:PayPayに対する単価の引き上げ交渉については、従量課金のようなものもあり、件数が増えた場合にはそれに応じた柔軟なプライシングを御社は設定されると考えています。その点については、そこまで気にしなくてもよいのでしょうか? 

清水:まず、PayPayとの単価交渉については、この話とは当社も切り離して考えています。おそらくPayPay側も同様に切り離して考えているため、交渉自体がこれによる影響を受けることはないと考えています。

また、単価の体系について、詳しくはお話しできませんが、ボリュームディスカウント的な考え方は当然含まれています。ただ、現時点でもある程度のボリュームがあるため、これ以上増えたとしても単価が大きく下がるような影響はないと見ています。

質疑応答:減価償却の見直しが2028年度利益目標に与える影響について

質問者:今回の減価償却期間の見直しにより、2028年度の中期経営計画の利益目標に何か影響があるのかについて質問です。現状、3か年見通しへの影響についてどのように整理されているのか教えてください。

清水:2028年度の見通しについては、2026年度の年度当初のATMの簿価を前提とすると、減価償却期間の見直しに伴い、少なくとも数億円のポジティブな効果が見込まれます。つまり、費用が削減されるということです。

一方で、現在「ファミリーマート」において、4年間で1万6,000台のATM設置を進める計画があり、可能であればこの計画を前倒ししたいと考えています。

1万6,000台はかなり多い数です。仮に前倒しができた場合、こちらは5年ではなく7年の償却となりますが、まとまった減価償却費が計上される可能性もあります。

先ほどお伝えした減価償却期間の見直しによる数億円のポジティブな影響と、「ファミリーマート」で今後設置を進めるATMにかかる減価償却費の影響を比較する部分もあります。

そのため、減価償却期間の見直しだけをもって、現時点では2028年度の計画を変更する予定はありません。また、数字的にもそれにより大きく2028年度の計画を押し上げることは難しいと考えています。

質疑応答:ATM事業における戦略的連携について

質問者:セブン&アイ・ホールディングスへのPayPay等の出資について、PayPayや三井住友カード社など、さまざまなプレイヤーが関与するフレームワークになるのではないかと考えています。

「nanacoクレジットカード」に関する影響については先ほどお話しいただきましたが、良い面として、大きな決済会社であるPayPayや三井住友カード社と、国内ATM事業においてなにか連携の可能性はないのでしょうか?

また、そこに関する御社での議論の進捗状況についてもお聞かせいただきたいです。まだ議論が始まっていない段階なのか、それとも、すでにどのような提案を行うか検討が進んでいる段階なのか、現時点での状況を教えてください。

外部から見ると、セブン銀行がなんらかのかたちで関与してくるのではないかという期待もありますが、御社内部における位置づけや、「国内ATM事業で何かできないか?」という議論が行われているかどうかについても、お聞かせいただければと思います。

清水:セブン&アイ・ホールディングスがさまざまなところと組んだことによる当社の戦略については、先ほど申し上げた内容と重複しますが、それによって集客力が増加すれば、ATMの利用件数も増えると想定しています。

また、戦略的に当社から働きかけてなにかポジティブな結果を生み出せないかという点については、さまざまな機会を検討したいと考えています。

ただし、具体的にどのような提案を行うのか、いつから協議を開始するのかについては、現時点では未定です。当社としては、このような機会を通じてなにか取り組むべきことが見つかれば、積極的に進めたいと考えています。

質疑応答:BaaS事業の構想と収益性について

質問者:統合報告書のトップメッセージに記載のある、BaaS事業参入について質問です。こちらの構想として、どのような点を考えられているのでしょうか? 預金獲得や収益性などで期待できる点があれば、可能な範囲で教えていただきたいです。

清水:まず、BaaS事業については、『日本経済新聞』の報道にもありましたように、当社としては小売業者向けにBaaSを展開したいと考えています。

具体的には、セブン&アイ・ホールディングスの関連会社にあたるセブン‐イレブン・ジャパンや、ヨーク・ホールディングスの「イトーヨーカドー」などが対象です。これらの企業の名前で、銀行口座をお客さまに提供できるようなサービスを構想しています。

もちろん、伊藤忠商事さまとの提携もあるため、株式会社ファミリーマートに対してもBaaSを展開していきたいと考えています。

また、狙いについては、先ほどのご質問にもありましたが、そのような小売業者の方々のお力をお借りし、そこにいらっしゃるお客さまに向けて発信していくことで、口座数および預金残高を増やすことを目指しています。

収益性に関しては、そのようなお客さまを対象に、個人向けローンなども提供していく予定であり、それらによる収益が見込まれます。

一方、BaaS事業ではご協力いただいた小売業者さまにも、収益や利益を一定の割合でシェアする必要があると考えています。そのような中で、私たちは口座数、預金残高、そして収益・利益を確実に獲得していくことを狙っています。

現時点では具体的な数字のご説明には至っておらず、定性的な話になりますが、狙いはそのようなところにあります。

質疑応答:収益影響とクレジットカード事業の減損について

質問者:収益影響について、2点おうかがいします。まず、日本銀行の利上げによる影響についてです。今年度の計画の織り込みとして収益や費用にどのような影響があるのでしょうか?

また、仮に今後9月または10月のどちらかに利上げがあった場合、中間期での修正を考えられるのであれば、その影響についても可能な範囲で教えていただきたく思います。併せて、クレジットカード事業の減損についても簡単にアップデートをお願いします。

清水:まず、1つ目の日本銀行の利上げによる影響について、当期の計画には2回の利上げを織り込んでいます。

1回目は、計画どおりのタイミングで実施されています。2回目は、9月または10月に実施されるとした場合、計画よりも若干早いタイミングかもしれませんが、大きな影響はおそらくないと考えています。

一方で、機内現金の圧縮が順調に進んでおり、日本銀行預け金の残高もかなりあるため、利息収入もそれなりに増えている状況です。資金調達費用は増加している一方で、利上げに伴って資金運用収入も増加しているのが実態です。

また、クレジットカード事業の減損については、この第1四半期では約9億円強の減損を計上しました。

前回もご説明したとおり、新しいクレジットカード事業が始まるまで、テスト実施中、あるいは検収が完了していないものがあるため、第2四半期にも追加的な減損が発生する予定です。

昨年、「2026年度のクレジットカード絡みの減損は35億円から40億円」といった見通しについてご説明したかと思いますが、現時点では、今年度の減損は第1四半期の9億円強を含めて30億円程度と見ています。

それ以降については、クレジットカード事業の減損はほぼ終了した状況になるため、来年度以降、同じようなペースで減損が発生することはないと考えています。

清水氏からのご挨拶

清水:本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございました。先ほどの質問でもお答えしましたが、みなさまが「セブン&アイ・ホールディングスに対するソフトバンクやPayPay等の出資に関して、セブン銀行にどのような影響があるのか?」ということに非常に関心をお持ちであることを理解しました。

現時点では「我々にこのような影響があり、数字的にはこうです」と明確にご説明することが難しい状況です。我々としても、今後さまざまな検討を進めていく中で、関係各所からの情報などを踏まえ、状況がもう少し明確になれば、できるだけ速やかにお話ししたいと考えています。

なお、第1四半期の決算については増収増益となり、ポジティブな内容にまとめることができました。この基調を今後も維持し、第2四半期の決算発表時には、さらにポジティブな結果を含めたご報告を目指し、ポジティブな見直しも行えるよう努めていきます。

引き続き、みなさまのご支援をお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。

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