テーマ銘柄|食品関連
猛暑で変わる「米」生産、原料安定化が追い風の食品関連銘柄5選
猛暑で変わる、米の生産環境
先日、高温耐性品種米の作付けが全国で広がっていることが報じられていました。農林水産省が2026年3月に公表した「令和7年地球温暖化影響調査レポート(速報)」によると、2025年産では北海道、岩手県、沖縄県を除く44都府県で作付けが行われており、主食用米に占める作付面積割合も2020年産の11.2パーセントから2025年産には18.2パーセントへ上昇しています。猛暑による米の品質・生産への影響が意識されるなか、米を取り巻く環境変化は食品関連企業にとっても見逃せないテーマになりつつあります。
食品関連企業に追い風となる可能性も
近年の猛暑は、もはや一時的な異常気象ではなく、農業生産の前提条件そのものの見直しを迫っています。特に米については、登熟期の高温が白未熟粒や胴割粒の発生につながってしまいます。消費者目線では、「米の見た目」や「味」の問題に映るかもしれませんが、産地や食品企業にとっては、調達量・品質・コストの安定性に直結する重大な話になります。もちろん短期で効果が出るわけではありませんが、高温耐性品種の生産拡大は、中長期的に外食や冷凍食品などを含めた食品系の企業に直接または間接的にポジティブな追い風として作用してくるでしょう。そこで今回は参考までに、テーマ「食品」に属する銘柄の一部を紹介します。他にも銘柄があるため、ぜひ調べてみてください。
米菓大手が掲げる「Rice Innovation Company」、海外と食品事業に注力
亀田製菓(2220)は、米菓のリーディングカンパニーで、「亀田の柿の種」「ハッピーターン」といえば知らない人の方が少ないでしょう。「中長期成長戦略2030 Update」では、「Rice Innovation Company」の実現を目指すことを掲げています。近年は海外ビジネスに非常に注力しているほか、お米由来の植物性乳酸菌など、さまざまな可能性を形にしている食品事業も面白いため、ぜひ調べてみてください。
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総菜・塩昆布・漬物まで展開、米価格の安定化が追い風に
フジッコ(2908)は、「おかず畑」シリーズをはじめとして各種総菜を展開しています。「カスピ海ヨーグルト」「リッチモ」なども知名度が高いですね。料理の時間が取れない現代人の食卓の強い味方です。塩昆布や麻婆豆腐の素、漬物なども手がけており、米の価格安定化、そしてそれに伴う食卓への安定した米の登場は同社にとっても直接または間接的にポジティブに働くでしょう。
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焼肉・鍋向け調味料で存在感、2027年3月期は減益計画
エバラ食品工業(2819)は、焼肉のたれといえば思い浮かべる方も多い会社です。鍋やうどんで人気の「プチッと調味料」シリーズも、手軽さで顧客の心をつかんでいます。余談ですが、個人的には米なし焼肉は楽しさが半減してしまう感じがします。なお、2027年3月期は製造体制再編に伴うコスト発生に加え、国際情勢などによる原材料コストやエネルギーコストの上昇を保守的に織り込んでおり、大幅な減益計画となっています。
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関東で展開するグルメ寿司チェーン、店舗ごとの個性も強みに
銚子丸(3075)は、関東に展開している寿司チェーンです。「一皿100円の回転寿司」とは異なる「グルメ寿司」というカテゴリに属します(※同社採用サイトより)。「職人が目の前で握る」のは全店共通ですが、店長の裁量でオリジナルメニューを開発・提供したり、店舗ごとに個性を打ち出したりしているのも魅力です。米は寿司に欠かせない基礎原料であり、米の品質や価格の安定性は外食企業にとっても重要なテーマといえるでしょう。
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牛丼・うどんなど米と相性の高い外食ブランドを展開
吉野家ホールディングス(9861)は、社名の通り牛丼の「吉野家」を中核に、「はなまるうどん」のほか、ラーメンやカレー、からあげなどの各種専門店ブランドも展開しています。吉野家の牛丼では、国産米を中心に外国産をブレンドした米が使用されています(※執筆時点の情報で、仕入れ状況の急激な変化などがあれば変更される可能性あり)。牛丼は米との結びつきが強い外食メニューであり、米の安定調達や品質維持は事業環境を考えるうえで見逃せない要素です。
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米は外食・冷凍食品・加工食品を支える幅広い産業の基礎原料
ただでさえ、地政学リスクやインフレ影響、資材価格や人手不足に伴う人件費の上昇などによって、農業生産コストは上がっています。そこに地球温暖化の進行による農産品の不作や品質低下が重なれば、食品関連企業にとっては原材料調達リスクが大きくのしかかってきます。今回注目した「米」は主食であるだけでなく、外食、冷凍食品、総菜、米菓、加工食品など幅広い産業の基礎原料でもあります。もちろん、品種転換だけですべての問題が解決するわけではありません。水管理、施肥、防除、栽培時期の調整など、複数の適応策を組み合わせて、栽培全体を適正化する必要があります。それでも、高温耐性品種の広がりは、気候変動に対する農業側の現実的な対応として重要で、大きな視点で食品関連企業の事業環境を考えるうえでも見逃せない話題です。
国内株式を中心とした投資関連のコンテンツ作成・情報配信、企業分析などを主な事業内容としている。日経CNBCなど各種メディアへの出演、『ダイヤモンドZAi』をはじめとしたマネー誌への寄稿も多数。
※記事内容、企業情報は2026年06月11日時点の情報です。
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