2026年3月期決算説明
オーテック、売上総利益率の向上により営業利益および当期純利益が拡大 良好な市場環境を追い風に受注高も順調に増加
決算サマリー

安野進氏:株式会社オーテック取締役管理担当の安野です。本日は当社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。それでは、2026年3月期決算概要を説明します。
はじめに決算サマリーです。当期は売上総利益率の向上により、営業利益および当期純利益が順調に拡大しました。良好な市場環境によって受注高も順調に増加し、環境システム事業の受注高は233億3,700万円、売上高は337億2,200万円、営業利益は50億8,400万円、親会社株主に帰属する当期純利益は36億2,600万円となりました。
2026年3月期 連結決算概要①

続いて連結決算概要をご説明します。環境システム事業の受注高は、前期比23.5パーセント増加し、233億3,700万円となりました。売上高は前期比7.3パーセント増加の337億2,200万円、売上総利益は売上高の増加と利益率の改善により105億6,400万円、前期比15.1パーセントの増益となりました。
販売費および一般管理費は、前期比6.3パーセント増加し54億8,000万円、営業利益は前期比26.3パーセント増益の50億8,400万円となりました。
経常利益は、営業外損益2億7,300万円を計上した結果、前期比26.9パーセント増益の53億5,800万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比26.2パーセント増益の36億2,600万円、1株当たり当期純利益は234円6銭、1株当たり純資産は1,712円12銭となりました。
2026年3月期 連結決算概要②

売上高および営業利益の推移はスライドのとおりです。
営業利益の増減要因

次に、営業利益の増減要因です。売上高の増加による効果が6億7,100万円、売上総利益率の改善による効果が7億1,400万円となりました。一方、販売費および一般管理費のうち人件費の増加が2億3,300万円、その他の販管費の増加が9,200万円となり、これらを差し引いた結果、営業利益は前年同期比で10億6,000万円の増益となりました。
連結貸借対照表/連結キャッシュ・フロー

財政状態をご説明します。当期末の総資産は393億円、負債額は122億円、純資産額は270億円です。
続いてキャッシュ・フロー計算書です。営業活動によるキャッシュ・フローは46億1,700万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは12億4,600万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは13億7,100万円の支出となりました。
この結果、現金および現金同等物の期末残高は期首から19億9,900万円増加し、103億4,000万円となりました。主な内訳についてはスライド右側をご参照ください。
2026年3月期 セグメント別実績 /環境システム事業

次にセグメント概況です。環境システム事業のセグメント別実績では、好調な市況により受注が拡大したほか、受注率の改善と原価管理の徹底による収益性改善が進展し、売上高および営業利益がともに増加しました。
売上高は前期比8.6パーセント増加の217億800万円、営業利益は前期比26.8パーセント増加の60億7,500万円となり、収益性が改善しました。
環境システム事業の工種別構成

環境システム事業の工種別構成をご説明します。受注工事高は、新設工事が大きく増加した結果、合計額が前年同期比23.5パーセント増加の233億3,700万円となりました。完成工事高は、既設工事が増加した結果、合計額は前期比6.8パーセント増加の209億2,100万円となりました。
また、次年度以降の完成工事高となる繰越工事高は、合計額が前期比22.6パーセント増加の131億2,400万円となりました。
2026年3月期 セグメント別実績 /管工機材事業

管工機材事業のセグメント別実績です。大型案件の受注など設備販売が好調だったことから、売上高は前期比5.1パーセント増加しましたが、売上原価の上昇分を価格に転嫁しきれず、営業損失を計上する結果となりました。
以上で決算概要の説明を終了します。
業績予想サマリー

市原伸一氏(以下、市原):代表取締役社長の市原です。私から2027年3月期連結業績の見通しをご説明します。
はじめに業績予想のサマリーです。2027年3月期の受注高は前年並みを見込んでいます。一方で、売上総利益率の改善により、営業利益は拡大する見通しです。足元では工場関係の設備投資やオフィス需要が活況を呈しており、中長期的にも増加基調を維持すると見込んでいます。
その結果、環境システム事業の受注高は230億円、売上高は345億円、営業利益は54億円、親会社株主に帰属する当期純利益は38億円をそれぞれ見込んでいます。
2027年3月期 連結業績予想

続いて、2027年3月期業績予想の内訳です。売上高は、環境システム事業が前期比1.3パーセント増の220億円、管工機材事業が前期比3.9パーセント増の125億円を見込んでいます。
営業利益は、環境システム事業が前期比2パーセント増の62億円、管工機材事業が1億円の見込みです。調整額の9億円は、セグメントに配分されない本社の一般管理費などです。
経常利益は57億円、親会社株主に帰属する当期純利益は38億円、1株当たり当期純利益は245円25銭を見込んでいます。
環境システム事業の工種別構成の予想

環境システム事業の工種別構成の見通しです。受注工事高は、前期233億3,700万円に対し、当期は230億円を見込んでいます。完成工事高は、前期209億2,100万円に対し、当期は213億円を見込んでいます。この結果、2027年3月末の繰越工事高は148億2,400万円となる見通しです。
用途別受注工事高

用途別受注工事高についてです。当期の受注工事高は前期比23.5パーセント増となりました。首都圏を中心とした都市再開発プロジェクトが好調で、全体の受注増加に寄与しました。工場施設は、前年に大型案件を複数受注した反動で前年割れとなりましたが、引き合いは引き続き旺盛です。
経営数値目標の進捗

中長期の経営ビジョンをご説明します。経営数値目標の進捗状況です。国内の設備投資は堅調に推移し、売上高は右肩上がりで推移しています。営業利益は、原価管理の徹底により、2025年11月10日に修正した経営数値目標を上回り、来期は54億円を見込んでいます。
これを踏まえ、2028年3月期の経営数値目標は社内で見直しを進めており、今期中に残り1年を含めた第5次中期経営計画として取りまとめ、公表する予定です。今後も経営基盤をさらに強化し、事業成長に向けた取り組みを推進していきます。
中期経営計画の進捗① グループシナジーの拡大

中長期経営計画の進捗についてご説明します。
グループシナジーの拡大についてです。当社は、2034年の創業100周年に向けた長期ビジョン「V100」のもと、快適な建物環境の創出を通じてサステナブルな社会への貢献を目指しています。その実現に向け、優秀な人材の確保に加え、グループ間シナジーの拡大を重視しています。
2026年7月には、本社オフィスと子会社インターセントラルを同一フロアに移転し、交流やコミュニケーションを促進することで、両社のシナジーを一層強化します。これにより、インターセントラルの競争力および提供価値を高め、販売網の拡大につなげていきます。
また、2026年4月には有限会社ケー・ティー・エスを子会社化し、首都圏エリアにおける試運転調整やメンテナンス体制の強化を図ります。
中期経営計画の進捗② 東関東支店新社屋の『ZEB認証』取得

東関東支店新社屋の「ZEB認証」取得についてです。当社は2025年12月、環境配慮型グリーンビルディングとして東関東支店を移転・新築し、一次エネルギー消費量を実質100パーセント削減する水準の「ZEB認証」を取得しました。
新社屋では、省エネと創エネの両面で取り組みを進めています。インターセントラルの放射空調システムおよび最新のエネルギー管理システムを活用し、一次エネルギー使用量を102パーセント削減しました。また、首都圏エリアにおける放射空調システムのショールーム機能も兼ね備え、今後もインターセントラルとの相乗効果を追求していきます。
中期経営計画の進捗③ サステナビリティに関する取り組み

サステナビリティに関する取り組みです。当社はサステナビリティ経営を推進しており、2025年度のCDP質問における気候変動分野で、昨年度からスコアが2段階向上し、上位3番目の「B」スコアの認定を受けました。TCFD提言に沿った情報開示、GHG排出量の算定、管理体制およびガバナンス体制の強化など、継続的な取り組みが評価されたものと認識しています。
来年度に向けては、より信頼性の高い情報開示とCDPスコアのさらなる向上を目指し、第三者保証の導入を進めています。当社は今後も持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。
中期経営計画の進捗④ DXおよびAI活用に関する取り組み

DXおよびAI活用に関する取り組みです。当社は、自社独自の情報資産を活用したAIの開発を外部に委託し、自社専用の環境下で運用しています。このAIでは、技術者が施工開始前に顧客へ提出する施工要領の検索から提出準備までを案件ごとにデータベースから抽出し、効率と品質を向上させています。
今後は、施工中の図面から変更された機器部品の自動集計、リスト化、原価計算、検収まで、技術者を補助する仕組みの構築に取り組みます。引き続きDXおよびAIの活用を推進し、生産性向上に努めます。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組み

資本コストや株価を意識した経営の取り組みです。当社はROE10パーセント以上を目指す経営を継続し、2026年3月期も10パーセント以上を維持して14.8パーセントを達成しました。今後も資本コストとマーケット評価を意識した経営を推進していきます。
配当・株式の状況

配当・株式の状況です。当社は2026年5月14日公表の「配当方針の変更に関するお知らせ」のとおり、連結配当性向40パーセント以上またはDOE4.8パーセント以上のいずれか高いほうに基づき、配当を実施する方針です。2027年3月期の配当は、中間配当49円、期末配当49円を予定しています。今後も株主のみなさまへの利益還元に努めていきます。
以上で、私からの説明を終了します。ありがとうございました。
質疑応答:イランとアメリカの紛争が建築現場に与える影響について
質問者:イランとアメリカの紛争が続いていますが、資材の調達で入手困難なものや遅延が発生しているという話を耳にしました。建築現場の混乱や工事の遅れという話も聞きますが、現状はどのような影響が出ているのでしょうか?
市原:現在、管工機材事業においては、原油製品の入手が徐々に困難になっており、値段の高騰も起きています。
また、自動制御盤の塗装については、メーカーによっては基準色のみの対応となり、特別色の提供がなく、一定の色に限定される状況が発生しています。
現状では受注中の物件で工期の遅れは発生していません。ただし、今後の状況は不透明であり、引き続き慎重に注視する必要があります。影響の程度については測れない状況ですので、今年度の業績予想においてはその点を織り込まずに発表しています。
昨日メーカーの総会があり、状況を確認しました。その結果、入手しにくくはなっていますが、まだそれほど大きな影響は出ていないと聞いています。値段の高騰はあるものの、なんとか入手できている状況とのことです。
質問者:それでは、工事自体はあまり遅れが出ていないということですか?
市原:現状では遅れは起きていません。今後資材の高騰が続くと、発注物件の遅延や計画の見直しが発生する可能性はありますが、現時点で大きな問題があるとは聞いていません。
質疑応答:管工機材事業継続の意義について
質問者:管工機材事業は毎年厳しい利益率が続いていますが、この事業を続けることにより、環境システム事業の受注促進や受注維持につながっていると理解しています。あらためて、管工機材事業の利益率が厳しい中での事業継続の意義について教えてください。
市原:数年前は収支がだいたいプラスマイナスゼロの状態でした。しかし、そのような中で原材料の高騰があり、価格を値上げしたものの、価格転嫁には一定のタイムラグが生じ、結果として先行して吸収すべき値上げ分を吸収できない状況に陥りました。今回も依然として価格転嫁が十分に進んでおらず、厳しい状況が続いています。
一方で、人手不足の影響もあり、値下げ要求は見られません。しかしながら、材料費の影響を受けた物件では依然として価格競争が激しく、その状況が収まる気配はありません。一定の水準を維持した上での受注が続いており、原材料の高騰によるメーカーの値上げといった問題が落ち着かない限り、この循環から脱することは難しいとの認識です。
このように価格高騰や値上げの影響が続く中で、徐々にではありますが、お客さまやゼネコンに対する価格転嫁のお願いが進みつつあります。落ち着くまでもう少し時間が必要かもしれませんが、昨年は受注が増え、現場としての物件も確保できています。今後は原価管理をしっかりと行い、価格転嫁を適切に進め、お客さまにその妥当性を認めていただく努力が求められると考えています。
質問者:事業の縮小や停止はせずに、やはり価格転嫁を継続する方向性ということでしょうか?
市原:一定の損益分岐点を超える受注量や物量を確保する必要があると考えています。そのため、現在は引き続き売上高の確保に注力しています。
質疑応答:2028年3月期の営業利益目標と上振れの要因について

質問者:中期経営計画における2028年3月期の営業利益目標について、2027年3月期の54億円を上回る水準で考えているのでしょうか?
また、もともと43億円としていたところが、50億円、54億円に上がっていることについては、外部環境による制約を考慮されていたのか、あるいは何らかの投資使用する予定であったのでしょうか? あるいは、直近ないし来期において外部環境がなんらかのかたちで変化し、このように大幅に上振れする要因になったのでしょうか?
市原:3ヶ年計画を立てたのが約3年前ですが、その進捗の中で、第3次中期経営計画の最終年度である3年目頃から、特に工事業における価格転嫁が大きく進むようになりました。
以前は、値上げしたものに関して追加工事や追加費用の見積もりを出しても、エンドユーザーさまも含め、なかなか価格転嫁ができない状況でした。
しかし、国土交通省からの指導通達により、価格転嫁が適切に認められるようになりました。これが一番大きな要因です。受注率や契約率も向上しており、工事の途中での追加変更の見積もりが認められる割合も増加しました。
それに伴い、見積もりに対する契約率も高まり、価格転嫁が認められるようになりましたが、全体的な売上原価管理の徹底については契約率が良くなっても緩めることなく対応しています。
また、追加工事は数パーセントを見込むことが多いのですが、現場が大型化しているため追加工事の金額も大きくなることで、相乗効果としてこのような状況に寄与しています。これがこの2年から3年で起きていることです。
ホルムズ海峡の状況が今後どうなるかは不透明ですが、2029年から2030年にかけて一定のボリュームが見込まれています。そのため、この状況がその頃までは継続される見通しを持っています。
質疑応答:環境システム事業の予想と資本効率向上への取り組みについて

質問者:今期の予想について、このように受注も好調で、繰越工事高も20パーセントを超える中で環境システム事業が推移していることを踏まえると、今期の予想がだいぶ保守的に見えるように思います。先ほどおっしゃった工期の遅れの要因も考えましたが、そこまで見込んでいないようにも感じました。この見通しの背景について詳細を教えてください。
市原:売上については、繰越工事が昨年に比べて増えている状況です。ただし、工事業は担当者が処理できる件数に限りがあり、すべてを処理するのは困難です。
物を売るだけであれば、右から左に流すようなかたちで対応可能ですが、工事の場合はどうしても現場の担当者が工期中はずっと拘束された状態になります。そのため、担当者の人数の範囲内でしか処理できないという状況です。
毎年、新入社員が20数名入社しており、ここ数年は離職率も改善していますが、案件を任せるまでには3年から5年ほどかかるため、数字だけを追いかけて安易に受注を増やすわけにもいかないという現状があります。現在は社員の技術力アップと育成を進めています。
質疑応答:政策保有株の縮減について
質問者:資本効率の面で、御社は政策保有株を多く保有しています。ROEは業界の中でも高水準である14パーセント超を維持しており、これは非常に評価されるべき点だと考えています。しかし、さらに高い数値を目指すのであれば、資本の圧縮という方策も視野に入るのではないかと感じています。
特に、政策保有株は純資産比率において相当なパーセンテージを占めているように思いますが、この点について踏み込んだ検討を行い、ROEや資本効率の向上を目指しているのか、また、社内でどのような議論がなされているのかお聞かせください。
市原:政策保有株に関しては、一定の基準を設けて毎年取締役会で検討しています。その中で、持ち合い株式についても少しずつ減らしていく方向で、現在社内で検討を進めている段階です。今年度から徐々に取り組んでいければと考えています。
質疑応答:東関東新社屋と本社新設の意図について
質問者:東関東の新社屋と今年7月の本社移転について、採用活動に関連しているのかという印象を受けました。当然カーボンニュートラルの建物を展示公開し、お客さまに見ていただく効果もあると思いますが、立て続けに2つ行う意図は何でしょうか?
市原:今回は北海道と東関東の新社屋をご紹介しましたが、実際には5、6年前から全部の支店を移転するか、新築することを検討していました。
全部の支店や営業所の働く環境を良くするという取り組みは、第2次計画の後半から開始しました。この建設業界で働く中で、離職率をどのように減らしていくかを検討した際に、昭和から続く古い職場環境や事務所環境では、新しい人材が入社した際に明るくポジティブなイメージを持ってもらいにくいという課題が浮き彫りになりました。
そのため、オフィス環境を刷新するという方針を掲げ、7ヶ所あるシステム事業部の支店を順次改善してきましたが、今回の東関東支店をもって、営業所も含め、すべての拠点で環境整備が完了しました。
社員からは「事務所が明るくなって、今時のオフィスでやる気が出ました」「またがんばります」など前向きな意見や感想が寄せられています。これらの取り組みによって離職率が減少し、エンゲージメントの向上にも効果が現れているのではないかと思います。
なお、本社については最後に行うことを決めており、今年の7月に移転を予定しています。リクルート活動の観点からも、見学にお越しいただいた際、支店も本社もこのような環境であることが価値を発揮し、会社の評価につながると考えています。
また、会社としては、自動制御装置という最先端の技術を活用したますます求められる事業として、その強みを発信していかなければならないと考えています。そのためには、環境を整え、「見える化」「見せる化」を推進する必要があると認識しています。
せっかく環境整備に取り組むのであれば、インターセントラルの放射冷暖房システムも導入し、実際に使用している現場での働き方をサブコンや設計事務所に見ていただくことが効果的であると考えています。
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