2026年3月期決算説明(第134回 個人投資家向けIRセミナー 第3部)
ショーエイコーポレーション、高付加価値商品の拡大とOEM/ODMの伸長で、営業促進支援は利益が約2.5倍に増加
第134回個人投資家向けIRセミナー
芝原英司氏(以下、芝原):株式会社ショーエイコーポレーション代表取締役社長の芝原英司です。
当社は、新型コロナウイルスの影響以降、株主のみなさまに対して決算報告以外でほとんどタイムリーに会社の状況をご報告できていませんでした。
その反省を踏まえ、今後は今回のような説明会を機に、できる限り会社の状況をタイムリーにご報告するとともに、株主のみなさまからご意見をいただき、評価していただきたいと考えています。
それでは、経営企画責任者の矢野より現状と今後の方向性およびビジョンについて説明し、その後みなさまからのご質問をお受けしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
矢野隼人氏(以下、矢野):経営企画部 顧問の矢野です。まずは、本日はみなさま、お忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。
本日は芝原がリモートで、私が現地でプレゼンテーションを進めます。2026年3月期の決算についてと、これからの成長戦略についてご説明します。よろしくお願いします。
本日お話しさせて頂きたいこと

矢野:本日お話ししたいこととして、4つの項目をご用意しました。
まず、当社がどのような事業を行っている会社なのかを知っていただくため、会社および事業概要をご紹介します。その上で、前期の事業がどのような状態だったのか、そして現在の状況についてお話しします。
次に、これから先、どのようなかたちで成長戦略を描いているのかを簡単にご説明した上で、最後にまとめとします。
ショーエイコーポレーション ─ 概要

矢野:では、会社概要および事業概要についてご紹介します。
当社の概要ですが、現在の売上高は190億円、営業利益は13億3,000万円、従業員数は579名です。また、2026年2月に15円増配の35円に修正しました。
事業内容については、後ほど詳しくご説明しますが、「ものを包む」事業を中核に据え、その前後に関連する工程を一気通貫で提供することを目指している企業です。
事業の全体像─2つのセグメント

矢野:当社の事業構造として、大きく2つのセグメントに分かれています。
1つ目は営業促進支援事業で、売上高101億円を誇る事業です。こちらは、いわゆる「ものを包む」分野を中核に据え、その周辺領域まで事業を展開しています。
2つ目は商品販売事業です。この事業では、量販店や100円ショップなど、みなさまが買い物の際に目にするようなさまざまな生活消費財を提供しています。
営業促進支援─「包む」を中核に、企画から配送までの一気通貫で価値を提供

矢野:事業ごとに深掘りしていきます。
まずは営業促進支援事業についてです。こちらは繰り返し申し上げているとおり、「ものを包む」事業です。スライドに記載のとおり、中央の「包む」を中核として、大きく3ステップとなっています。
1ステップ目の「企画する」では、今回お客さまが世に送り出そうとしている商品のコンセプトや、誰に届けたいのか、といった点をお客さまとディスカッションします。
当社からもこれまでの知見を活かしながら、包みかたや届ける方法といった提案をしたのちにサンプルを作成し、それを基にさらにディスカッションを重ねるプロセスを提供します。
つまり、コンサルティングのような部分からスタートし、実際に決定したものを製作し、お客さまの包みたい商品に合わせたパッケージを作成します。その後、「包む」では物を中に入れ、「届ける」までを一貫して行う事業体制となっています。
なお、スライドの「包む」に記載のあるとおり、OEM/ODMの形態では、単純に製品を作って包むだけではなく、お客さまからお預かりしたレシピや企画段階から担って提供するものもあります。
商品販売─生活を支える1,000品目を100円ショップ・量販各社へ安定供給

矢野:2つ目の商品販売事業についてです。こちらは、みなさまの生活のどこかで目にするような品目を、100円ショップや量販各社向けに提供している事業です。
スライド右側に、供給している商品の具体例としてお示ししています。ペーパータオル、鮮度保持袋、おむつ用消臭袋などがあります。
おおまかに言えば、先ほどご紹介した1つ目の営業促進支援事業では、お客さまに合わせた袋を製造する事業を展開していますが、この商品販売事業では、袋そのものを商品として販売しています。
主要なチャネルとしては、100円ショップ、ドラッグストア、ホームセンターなどです。日常生活の身近な場所に展開されています。当社の商品は、実はそうした日常生活の身近な場面でみなさまの視界に入っています。
国内11拠点(営業5・生産6)と海外2拠点で推進

矢野:2つの事業をどのような拠点で展開しているのかについてご説明します。国内には11の拠点があり、そのうち5つが営業拠点、6つが生産拠点となっています。
商品販売事業では、主にタイと上海に生産拠点を構えています。特に上海拠点では生産だけでなく、中国に集まる多様な世界中の情報を活用し、次にどのようなものが流行しそうかといった情報を収集するための前線基地としての役割も果たしています。
当社はこのような体制で取り組んでいます。さらに詳細な情報については当社ホームページにも掲載しています。ぜひご覧ください。
次に、これまでの事業の状況についてご説明をしたいと思います。
2026年3月期の売上は横ばい、利益は拡大

矢野:ここからは事業状況についてご報告します。
2026年3月期の売上高は横ばいでありながら、利益が拡大している点が特徴的と言えます。ここではスライドにお示しした代表的な数字についてご紹介します。その他の数字については別途資料をご参照ください。
まず、売上高は前期および当期で190億円超えとなり、小数点以下の差分のみが発生しています。営業利益は、前年同期比78.1パーセント成長の13億3,100万円となっています。経常利益も12億9,900万円と大きく成長しています。
最終的な利益となる親会社株主に帰属する当期純利益は、当期で8億5,400万円、前年同期比82パーセント増と大幅な成長を遂げています。
また、スライド一番下に記載の営業利益率は3.9パーセントから7.0パーセントまで伸長し、ROEも11.6パーセントから18.1パーセントへ成長しています。
営業促進は売上・利益の両立、商品販売は利益改善。一方でトップラインは途上

矢野:セグメントごとに、どのような分解ができるのかについてお話ししたいと思います。
高付加価値商品の拡大とOEM/ODMの伸長で、利益が約2.5倍に

矢野:まず営業促進支援事業です。こちらはOEM/ODMをはじめとする、「包む」以外のビジネスが伸長し、利益に大きく貢献したと考えています。その理由は3つあります。
1つは、高付加価値商品です。従来のように同じものを作って包み届けるだけでなく、例えば季節商材や販促キャンペーンといった一過性の販売において、小ロットでありながらも高付加価値商品がリピートにつながっており、これが1つの大きな要因だと捉えています。
また、OEM/ODMの伸長については、先ほどの説明と重複するため詳細は割愛しますが、既存の事業に加えてOEM/ODMに着手し始めたことが業績拡大に大きく寄与したと考えています。
さらに、仕入・調達面では、これまでの事業の進め方を見直すタイミングと捉え、サプライヤーの多角化を継続的に行った結果、原価の低減を達成しました。
これらが相互に作用したことで、現在の収益構造が改善し、利益につながったとみています。
結果として、営業促進支援事業の利益は3億5,000万円から8億7,000万円へと大幅に増加しました。これは非常に大きな成果であり、今後にも手応えを感じています。
足元の事業見直しで利益は前年比+16%、トップラインは途上

矢野:もう1つの大きな柱である商品販売事業についてです。スライド上部に記載のとおり、足元の事業見直しにより利益が増加しました。
具体的な施策としては、利益率の低い事業について選択と集中を行い、しっかりと利益を確保できる事業体へと転換を図りました。
一方、トップライン(売上高)はまだ途上にあります。本来であればトップラインも両立して伸ばしたかったのですが、昨年の結果としては利益の改善のみとなっています。
今後の施策として重要なのは、「数」だけでなく「打率」も上げて、トップラインを伸ばしていくことであり、商品販売事業の課題だと考えています。
中東情勢・為替変動下においても、平時からの備えで安定供給を継続

矢野:昨今の中東情勢などにより、みなさまにはご心配をおかけしているかと思います。この件については、多くのお客さまや投資家のみなさまからもお問い合わせをいただいており、ナフサ由来の製品などを取り扱う企業に対する関心が高まっていると感じています。
この件に関しては、4月末にプレスリリースを出しましたが、本日はこれについて少し触れさせていただければと思います。
スライド左側に記載の影響については、みなさまもすでにご承知かと思いますので詳しくは申し上げませんが、不確実性の中で価格の変動や、原材料の入手可能性に懸念が生じることがあります。
また、これまでも「当社のビジネスモデルでは、原油だけでなく為替の影響も大きいのではないか?」というご意見をいただいてきました。これは今に始まった話ではなく、10年、20年前から継続して認識している経営課題です。
そのために当社が平時からさまざまな対策を進めています。スライド中央にはその主な取り組みをお示ししています。
まず1つ目は、原材料調達の複線化です。1つの調達先に依存するのではなく、複数のサプライヤーを確保することで、万が一の事態にも代替調達が取れるような対策を進めています。
2つ目は適正水準の在庫管理です。在庫を持つことは企業にとって良い面も悪い面もありますが、抱え込み過ぎてしまうと残ってしまったときの問題が生じる可能性があります。特にこうした状況下では、いかに早く適正水準の在庫を自社内で調整するかが重要であるため、平時から常に在庫管理を行うようにしています。
3つ目は海外生産拠点の使い分けです。国内に依存しすぎると、日本に何かが入ってこない状況になった場合に苦境を招く可能性があります。そのリスクをタイの工場で吸収したり、中国周辺の独自ネットワークを活用することで、リスクに対処するための複線化に努めています。
4つ目は為替対応です。予算への織り込みに加え、為替が変動する最中での先買いなども行い、足元の為替水準だけでは対応が難しい状況にも備えられるように、平時から取り組みを進めています。
このようなことから、現時点では業績への直接的な影響はない旨を2026年4月30日付のプレスリリースで公表しています。
しかし、今後100パーセント安心かというと、そのようなわけではありません。また、冒頭で芝原からもお話ししたように、これまでもみなさまに十分なご説明ができていなかったことから、皆さまが「どうなっているのか?」と不安に思われる場面もありました。
そこで、スライド右側に記載のとおり、今後はこのような場やプレスリリースを通じて、適宜・適切な情報開示に努めます。
受託加工で磨いた強みを土台に、自ら企画し、自ら商品を生み出す会社へ

矢野:ここからは、当社の成長戦略や展望についてお話しします。
まず1つ目はスローガンのようなものですが、当社が特に大事にしているのが「街工場から、メーカーへ」という意識です。
最初のスライドにもありましたが、「メーカーになるとは何ぞや」という点も含め、これまでの受託加工をしてきた強みを土台に、自ら発信していける企画提案型のビジネスにどんどん変えていこうと考えています。
これを一部の人だけでなく、会社全体の仕組みとして進めていこうという目標を掲げ、これからの成長戦略につなげています。
具体的な内容については、この後ご説明します。
人・設備・対応力の3つを並行で鍛える

矢野:こちらのスライドには、進化・変化をさせるために会社に必要な根幹の要素を3つ記載しています。
最も重要なのは人的資本です。どれだけ優れた技術や道具を用意しても、人がそれを活用できなければ意味がありません。社内の専門人材や人的資本をしっかりと強化していくことを一番大きな目標として掲げています。
具体的には、従来、営業担当者が自身の力で顧客を回り、ビジネスを取ってくる方法が一般的でした。しかし、現在では他社の営業担当者もさまざまな技術要素やデータを活用し、戦略的にビジネスを展開している時代です。
そのような状況において、当社がまだ行き届いていない部分が多くあります。スライドに記載はありませんが、人的資本としてデジタルやデータを活用し、現代社会で戦っていける人材の育成が必須であると考えています。
2つ目の設備投資については、これまで当社ではあまり触れなかった研究開発費にもしっかり投資していく方針です。実はこれまでも投資は行っていましたが、具体的に開示していなかったため、どの領域に投資をしているのか、また、その背景についても明確に打ち出していく必要があると考えています。
また、新しい技術やさまざまな要素が登場してきた際には、3つ目として対応力を総合的に高めることを目指しています。
これまで各営業担当者が持っていた商材に限定されることなく、チームとして横のつながりを強化したり、他業界の動向を取り入れたりしながら、自らが何をできるかを考え提案できる姿勢をもってこそ、メーカーと名乗れるのではないかと考えています。
成長戦略の全体像

矢野:成長戦略の全体像を、大きく3つに分けてご説明したいと思います。
1つ目は営業促進支援事業の高収益化です。昨年実施した施策が比較的成功した部分もありますので、効果が出た領域に対してしっかりと後ろ盾を固め、骨組みを強化していきます。これにより、既存事業を筋肉質化できるよう、今年も同様の状態を作り出していくということです。
昨年の良かった点であるOEMやODMのさらなる進化に加え、製造だけでなく商品の届け先まで一貫した対応によるトップラインと利益の向上といった点を継続することにより、成長戦略を支える1つ目の柱としていきます。
2つ目の柱は、商品販売事業です。利益だけでなく売上との両立を目指します。これまでヒットした商品の成功要因や販売構造を分析し、再現性を高めるための取り組みを進めていきます。単に試行錯誤を繰り返すのではなく、データに基づき高確率で成果を上げられるモデルの確立を目指します。
そのためには、上海拠点の役割が重要です。上海拠点のアンテナ機能をさらに強化することで、商品販売における競争力を高めたいと考えています。
さらに、商品の企画から開発、マーケット戦略、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)、マーケティングなど、これまで注力してこなかった領域にもしっかり取り組む方針です。
また、2つの柱のAccelerator(加速)として、また成長を実現するための下支えの要素として、M&Aや業務提携も推進しています。このM&Aや業務提携については直接的な事業体ではありませんが、2つの柱に対して寄与する部分として、現在活動を進めているところです。
この後は、2つの柱とAcceleratorについて、もう少し詳しくお話ししたいと思います。
「包む」を中核に、上流(企画)と下流(配送)までをより積極的に推進

矢野:まずは1つ目の柱である営業促進支援事業です。特に力を入れたいのはスライドに記載した1番と2番です。
特に、複合販売において、単にお客さまから求められたものをそのまま提供するのではなく、お客さまの背景を営業担当者一人ひとりが考え、営業担当者からお客さまに対して提案を行ったり、企画を手伝ったりするなど、2にも3にも成長させるような取り組みが必要です。
それは当社の売上を伸ばすことだけが目的ではなく、お客さまの価値を最大限に高めることに寄与する設計を行うことだと考えています。このような取り組みに力を入れたいのが1つ目のポイントです。
2番目と3番目については、今までの話と重複していますが、OEMおよびODMのさらなる強化や、ラストワンマイルの提供の拡大を掲げています。
また、一番下段に記載しているように、営業担当者や前線で活躍する方々に気を配るだけでなく、国内の生産力強化を位置づけ、その上で前線で活躍する方々には1、2、3の要素を実施していくことを中核に据えています。
打席に立つ数だけでなく、商品企画・開発・マーケで「打率」を上げる

矢野:2つ目の柱である商品販売事業については、打席に立つ数だけでなく、商品企画・開発・マーケティングといった打率を上げる施策をいくつか実施していきたいと考えています。
スライドに記載した1、2、3の内容については、先ほど申し上げた内容と同じです。今回は一番下段に記載した、前期に伸びた商材例をご紹介します。
流行に乗った事例として、シールバインダーがあります。これは小さな子どもたちの間で非常に流行しているもので、当社からも提供し非常に大きな成果を上げることができました。
次に何が流行するのか、また、流行しているものがどこから来ているのかなどの市場トレンドを把握することは非常に重要です。日本で初めて流行したものというよりも、韓国やアメリカといった周辺国で流行したものが、SNSや人気インフルエンサーを通じて日本に波及し、日本国内で流行として定着する構図が多く見られるように思います。
こうした仮説を基に取り組んだ結果として、シールバインダーは非常に好調だったと言えます。
その他、サステナブル素材を活かした環境配慮型の製品が少しずつ成長しており、石油由来のテーマに関連する課題に対応するための可能性が見えてきています。
そのため、単に「去年は良かった」で終わらせるのではなく、何が成果につながったのかを分析し、その学びを今年の施策へつなげていくことが重要だと考えています。 そして、それを継続的に実行できる組織づくりを進めていきます。
2本柱を、横(領域拡張)にも縦(高度化)にも加速する起爆剤として推進

矢野:最後にAcceleratorについてです。成果や今後への提案を分析する際に、それらに迅速に対応できる準備が当社に整っているかという課題があります。
そのため、こうした課題への必要な機能やノウハウを持つ企業や、「一緒にやりたい」と言っていただけるような会社を見つけ、当社と協業いただける企業との連携を進め、自社単独では対応が難しかった領域にも事業を拡大していく方針です。
これにより、お互いにWin-Winとなるような仕組みを構築しながら、事業領域を横にも縦にも拡大していきたいと考えています。
1つの実例として、2022年に買収したファインケメティックス社をご紹介します。同社は子会社として運営していましたが、2026年4月に合併し、化粧品のOEM分野への横展開をしました。これにより事業範囲の拡大に寄与することとなりました。
買収後、定着するまでには時間がかかりますが、ゼロからすべてを立ち上げる方が非常に多くの時間が必要になります。そのため、すでに力を持つ企業とタッグを組むことで、より一層の成長が可能になると考えています。
株主還元─業績連動型で配当金の見直しを実施

矢野:最後に、株主のみなさまへお伝えしたいことをいくつかお話ししたいと思います。
まず年間配当についてです。35円の配当についてはプレスリリースでもお知らせしましたが、今後については、安定的・継続的な還元を方針としつつ、業績に応じて還元できる部分を適切にお返ししていく考えです。
売上203億円・営業利益14.4億円─増収増益を計画

矢野:続いて2027年3月期の業績予想です。現在の見立てでは、売上高203億円、営業利益14億4,000万円、経常利益は13億8,000万円、最終利益である親会社株主に帰属する当期純利益は9億7,000万円を計画しています。
この予想を支える3つの前提として、前段でご説明した施策を実行し、着実に利益を確保しながら売上を伸ばすことを実現していきたいと考えています。
本日のまとめ

矢野:本日は、スライドに記載のとおり4章立てでお話ししました。少々長いお時間をいただきましたが、私からのプレゼンテーションは一度ここで区切りとします。この後は、みなさまからのご質問などにお答えしたいと思います。
質疑応答:パッケージ企画や製造における競合につい
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