2026年3月期決算説明
シーボン、当期純利益56.8%増を達成 直営店舗の新規顧客開拓やロイヤル顧客醸成施策が奏功
目次

崎山一弘氏(以下、崎山):株式会社シーボン代表取締役社長執行役員の崎山です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。
本日は2026年3月期通期決算報告を管理本部の松本より行い、私からは中期経営計画をご説明します。どうぞよろしくお願いします。
2026年3月期 連結決算のポイント

松本裕右氏:執行役員管理本部責任者の松本です。2026年3月期の決算報告を行います。まずは、連結決算のご報告です。
当期の業績は、売上高および各段階利益ともに、期初に掲げた計画値を上回る、増収増益で着地しました。
具体的な実績についてご説明します。連結売上高は前年同期比4.8パーセント増の92億6,700万円となりました。これは、主力である直営店舗における新規顧客の開拓と、ロイヤル顧客の醸成に向けた施策が功を奏し、当初の予想どおりの進捗があったためです。
さらに、2023年10月に実施した規約変更に伴うポイント換算の経過措置が終了したことを受け、最新の実態に基づいて役務算出単価を再評価し、あらためて算定した額を売上高に振り替えた結果、一過性の増額が発生しました。
利益面では、売上高の増加に伴い、各段階利益が大きく増加しました。営業利益は2億5,300万円、経常利益は2億8,100万円となっています。
当期純利益は前期比56.8パーセント増の2億1,300万円となり、当初の計画値である7,400万円を大幅に上回る結果となりました。
当期純利益増加の要因としては、自己株式の取得により住民税の負担が抑制されたこと、また、業績の回復に伴い将来の課税所得を見積もった上で繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、法人税等調整額が発生したことが挙げられます。
2026年3月期 連結PL

連結PLの内訳です。売上高は、直営店舗の売上高が牽引し、前期比4.8パーセントの増収となりました。売上原価は22億3,500万円で、前期より増加していますが、これは売上高の伸びとほぼ同水準での推移となっています。
販売費および一般管理費は67億7,700万円です。生産性向上や業務効率化、消耗品費の削減に注力した結果、販管費全体の増加は前期比3.1パーセント増にとどめ、売上高に占める割合を前期から1.3ポイント改善させることができました。
また、営業外収益は、投資有価証券の売却益などを含め、およそ3,000万円を計上しました。法人税等調整額については、将来の課税所得の見積額が増加したことで繰延税金資産の回収可能性が高まり、利益を押し上げる要因となりました。
営業利益差異分析(前期比)

営業利益における前期との差異分析です。スライドのとおり、営業利益を大きく押し上げた要因は、主に直営店舗の売上増加に伴う売上高の増加分で、プラス4億2,800万円となります。
一方、マイナス要因としては、売上高の増加に伴う売上原価の増加が1億4,000万円、また、店舗損益の改善や、売上増加に伴う賞与等の増加による人件費の増加が1億4,100万円ありました。
さらに、当期は創業60周年という節目の年にあたり、市場でのブランド認知度を拡大させるため、メディア発表会の開催や首都圏大型店舗の改装など、プロモーションへの投資を積極的に強化しました。
その結果、広告宣伝費および販促費などの一部経費が増加したものの、その他経費の削減効果により、営業利益は前期より8,200万円増加し、2億5,300万円と前期実績比48.1パーセント増で着地しました。
貸借対照表

貸借対照表です。当期末の財政状態は、売上高が順調に増加したことに伴い、現預金を含む流動資産が前期末に対して1億8,900万円増加し、48億300万円となりました。
固定資産については、店舗改装などへの投資を実施した一方、償却が進んだことから、前期末比で1億1,000万円減少し、37億9,800万円となっています。資産合計は前期末に対し7,800万円増の86億100万円となりました。
また、純資産合計については当期純利益の計上による増加があったものの、自己株式の取得を実施したことにより、前期末比1,400万円減の56億8,800万円となりました。
この結果、自己資本比率は前期末の66.9パーセントから0.8ポイント低下し、66.1パーセントとなりましたが、引き続き健全で安定した財務基盤を維持しています。
販売チャネル別売上高

販売チャネル別の売上高についてご説明します。主要チャネルである直営店舗の売上高は86億9,300万円、通信販売は2億6,500万円、国内代理店は1億5,400万円、海外代理店は2,800万円、子会社を含むその他は1億2,400万円という実績です。
主力事業である直営店舗の売上高は、先ほどご説明したとおり、主に新規顧客の増加とロイヤル顧客向け施策の強化により増収となりました。
子会社であるジャフマックでは、発酵飲料の新製品の投入や販促活動の強化により、売上高が回復基調にあります。また、昨年9月に実施したジャフマックの本社移転により、グループ内のシナジー向上が進展しています。
月次売上高の推移 - 直営店舗(役務収益を含む)

直営店舗の月別売上高推移です。今期累計の売上高は前期比4.7パーセント増となりました。キャンペーンや新製品の影響による月ずれはあるものの、おおむね各月で前年を超える実績を達成しています。
新規顧客の状況-直営店舗

直営店舗における新規顧客の接点拡大に関する状況です。60周年を契機にイベントブースのデザインを刷新し、ターゲットを絞った効率的な出店プランが奏功した結果、新規の来店者数は前年比109.4パーセント、実数で3万1,400人と堅調に推移しました。
また、店舗スタッフへの教育研修を強化し、接客の質を向上させたことにより、新規顧客の購入単価が4パーセント増加しました。その結果、新規売上高は前年比119.6パーセントの7億6,800万円と、大きく成長することができました。
既存顧客の状況-直営店舗

既存顧客の状況です。月に1回以上ご来店いただいた延べ人数である継続数は、店舗スタッフの採用難などの影響を一部受け、前年比100.5パーセントの29万8,977人と、ほぼ横ばいで推移しました。
しかし、ロイヤルカスタマー専用デスクの活用や、サロンでのロイヤルデーの開催など、お客さまに寄り添ったロイヤル顧客の醸成施策が功を奏し、購入単価が大きく向上しました。その結果、継続売上高は前年比103.4パーセントの79億2,500万円と、底堅く成長を続けています。
以上が私からの決算説明です。続いて、2027年3月期から2029年3月期までの中期経営計画について、崎山よりご説明します。
前中期経営計画の振り返り 連結業績の推移

崎山:中期経営計画についてご報告します。まずは、前中期経営計画の振り返りです。前中期経営計画では、「サロン価値向上」「製品価値向上」「新しい価値の創造」という3つの柱を軸に活動してきました。
その結果、売上高は、先ほど松本よりご説明があったように、新規集客の強化により新規売上が大幅に伸び、全体の売上が回復傾向にあります。
売上原価・原価率は、物価高騰による原材料費の上昇が見られます。現在、内製化の努力によってなんとか抑えていますが、依然として上昇傾向にあります。
営業利益・営業利益率は、人件費への投資や60周年の販促費などにより経費は増加しましたが、売上の増加に伴い利益率も上昇傾向で推移しています。
ROEについても、売上増加や販管費の効率化により利益を創出しています。今後も販売につながる投資を実行していきます。
中期経営計画(2027.3期~2029.3期)

中期経営計画についてご説明します。まず、今回の中期経営計画にあたり、当社の企業理念である「美を創造し、演出する。」というコーポレートフィロソフィーに加え、新たなメッセージとして「美しさを共に奏でる」を掲げました。
60周年を迎え、これまでの歴史に感謝するとともに、お客さまと未来へ向けてともに歩んでいくという約束を表しています。
60周年という節目を機に、これからもより多くのお客さまと強い絆でつながりを持ち、当社の強みを最大限に発揮できるよう、このメッセージを全社員で実践していきたいと考えています。
中期経営計画(2027.3期~2029.3期)

中期経営計画の取り組みについてです。「既存ビジネスの深化・深耕」「新たな価値の創造」を掲げています。
既存ビジネス、当社でいうサロン事業にさらに磨きをかけていきます。また、「新たな価値の創造」ではお客さまにこれまでにない価値をお届けすることを目指しています。
お客さまの心に響くものは何かを、ロジックやサイエンスに基づいて十分に検討し、しっかりとストーリーを作り上げていきたいと考えています。
そのために、5つの項目に分けて計画に取り組んでいきます。そこから新たなビジネス領域に挑戦していきたいと考えています。
①主体性あふれる組織づくり

まず、「主体性あふれる組織づくり」です。自ら考え出す主体性のある組織づくりを目指します。
現場社員、当社でいうサロンのフェイシャリストが専門性を最大限に発揮し、より一層接客に専念できる環境を整えていく方針です。
それと同時に、現場発のイノベーションを促進するために、いくつかの施策を立案しました。スライドの右側に記載しています。これらを現場全体で盛り上げながら推進していきます。
フェイシャリストが主体性を持って専門性を高めることで、サロンと本社の連携をさらに強化し、現場の知見を経営に反映させる仕組みを構築していきたいと考えています。
①主体性あふれる組織づくり

主体性あふれる組織づくりの「社員満足度の向上による人員増・離職率減」の施策です。
現在、スタッフの人員不足が当社の大きな課題となっているため、美容社員の人数については、2026年3月期の574人を、2029年3月期には610人まで増やす計画です。
それにあたり、スライドに記載のとおり、「働きがいの促進」をテーマに、それぞれの評価スキームの再定義などを進めています。また、「BEAUTY AWARD」は、お客さまと当社のフェイシャリストが二人三脚で歩みを重ねてきた成果を発表する場となっています。
前期から女性美容雑誌大手2社とコラボレーションし、雑誌への掲載を行いました。企画をさらに盛り上げるとともに、社員が仕事に自信を持てるような場を、今後も内容をブラッシュアップして提供していきたいと考えています。
また、優秀フェイシャリストの表彰は2025年で28回目を迎えました。今回新たに「表彰・インセンティブ制度」を設けています。この制度を追加することで、今回の中期経営計画に全社員が向かっていけるような表彰パーティにしていきたいと思います。
また、「シーボンファミリー・デー」についてですが、当社は女性スタッフが9割を占めているため、結婚や出産などで一時的に休職や時短勤務となるスタッフもいます。そのような中で、スタッフ同士が互いを理解し合い、尊重し合える場として、今後も積極的に開催していきたいと考えています。
②顧客体験価値の深化

顧客体験価値の深化に関する「ウェルネスへの歩み」です。現在、当社が提供するフェイシャルケアの価値を言語化することで研究をさらに進めていきたいと考えています。
フェイシャルケアが心身に与えるポジティブな効果について、現在も客観的な検証を進めていますが、今後さらに科学的な根拠を強化していきたいと考えています。
そのため、スライドにあるように、生理的リラックスや身体への波及効果、心理的な影響などをエビデンスに基づく「価値提供」として、しっかりと言語化できるように取り組んでいきます。
今後も、皮膚機能と心理的満足の両面に働きかける新たなスキンケアアプローチの可能性を市場に示していきたいと考えています。
②顧客体験価値の深化

顧客体験価値の深化に関連する「お客さまの肌データをもとにした製品開発」です。当社には、蓄積された客観的な肌データや顧客アンケートから寄せられた声があります。具体的には、客観的な肌データが延べ189万件以上、顧客アンケートの声が年間18万件にのぼります。
現在もこれらのデータを製品開発に活用していますが、今後はスライドに記載のように、ファンミーティングの開催など新たな取り組みを設け、さらに新しい製品開発のサイクルを回していきたいと考えています。
どれだけ顧客に寄り添えるかを軸にして、カスタマー・インティマシーを高めていきます。 その結果、よりパーソナライズされた製品を開発していきたいと考えています。
②顧客体験価値の深化

当社は、サロンとECサイトとのシームレスな購買体験の強化に取り組んでいます。現在、新規顧客を集客する手段として、イベントや企業セミナーでの集客、広告やアフィリエイトサイトなどのデジタル集客を活用しています。
そして、そこからサロンへの集客と通販・ECサイトへの集客に分かれるかたちとなっています。
それぞれスライドに記載されているアクションを行っていますが、サロンでは休眠顧客へのアクションをさらに強化していきます。
また、ECサイトに関しては、これまで以上に全体的な施策を強化します。特にCRMの充実を通じて、顧客との関係性を深化させていきたいと考えています。
EC売上比率は年々向上しており、これをさらに高めることで、LTVの最大化を目指していきます。
③生産体制と品質管理体制の向上

生産・物流DXにより「魅せる工場」へ進化させて、新たな付加価値の創造を目指していきたいと考えています。
データに基づいた運営、品質向上と効率化、顧客とのつながり(エンゲージメント)を通じて、生産・物流DXを推進し、生産の自動化・合理化を進めていきます。また、物流体制も強化していきます。
当社のもの作りを体現し価値を発信する、「魅せる生産現場」へと進化させていきたいと考えています。
④店舗オペレーションの効率化・接客効率の改善

また、先ほどお伝えしたとおり、現在スタッフ不足という課題がある中で、店舗オペレーションの改善を進め、接客効率を向上させたいと考えています。
現在、接客効率は前期末で58パーセントとなっていますが、2029年3月期にはこれを65パーセントまで引き上げる計画です。
これに関しては、店舗内業務の一部をアウトソーシングするほか、店舗オペレーションのDX化、特に忙しい首都圏におけるリソースの適正配置を、本社主導で着実に進めていきたいと考えています。
スライド下の「フェイシャリストのスキルアップ」についてですが、特に成績が優れたフェイシャリストの思考プロセスを可視化していきたいと考えています。
トップフェイシャリストがどのような考えのもとで、どのような接客を行っているのか、そのプロセスを徹底的に解明し、それを教育に取り入れていきます。
さらに、スキルアップについては、私たちが扱う製品やお手入れに対する売上につながるエビデンスを、教育の中でしっかりと理解し浸透させていきたいと考えています。
サロンでのアフターサービスを、よりパーソナライズされた美容体験へと進化させていきたいと思っています。
⑤シナジー効果による新たな価値創造

次に、各事業間でシームレスな相互送客を行うことで、顧客単価とLTVの向上を目指していきます。
当社は「フェイシャリストサロン」「ヘアサロン」、新事業の「イマトリ」「コンセプトショップ」という4つの店舗形態を展開しています。これらの事業をより活性化すると同時に、顧客間の連携を密にし、美のトータルサポートを行うことで、新たな店舗形態の出店につなげたいと考えています。
そして、その際は現場からのアイデアを取り入れ、現場が主体となって出店を進めるかたちを目指します。
また、スライドの左下には小さく店舗のイメージ写真が掲載されていますが、現在の店舗とは異なり、路面店の裏通りへの出店といった、新たな集客手段を取り入れていきたいと考えています。
現在、集客については、お客さまがお客さまを誘う、いわばお客さまが主体となるような展開を進めていく予定です。
このような取り組みを進める中で、2029年3月期には店舗数を105店舗にまで拡大することを目指しています。
中期経営計画(2027.3期~2029.3期)主要定量目標

経営指標の目標です。売上高は2029年3月期に100億円、営業利益は6億5,000万円、ROEは7.3パーセント、DOEは2.8パーセントを目標としています。
また、2026年から2029年3月期に向け、売上高の年平均成長率7.8パーセントを目指していきたいと考えています。
売上高100億円達成に向けて

主要KPIです。まず、美容社員の人数、接客効率、会員数という指標を設定しました。稼働人数の確保については、スタッフの採用強化を進めるのはもちろん、先ほどお話しした定着率向上のため、スタッフのエンゲージメントを高める施策をしっかりと強化していきます。
また、接客数の増加については、美容スタッフの人数を増やし、効率を向上させていきます。
そのような取り組みを含めて、店舗オペレーションの効率化や人材の適正配置を本社主導で徹底して進めていきたいと考えています。
また、会員数の増加に関しては、2029年3月期にロイヤルカスタマーを1万4,000人にすることを目標に掲げています。この目標達成に向け、顧客にどれだけ寄り添うことができるかを軸に、各KPIをより細分化して設定しています。
例えば、新規契約率やプライマリー継続率です。これらの、新規会員となったお客さまの半年間の動向や、3ヶ月間のアクティブ会員の継続率の推移を現場内で綿密に把握することで、確実に会員数の増加を図りたいと考えています。
ROE目標

ROE目標です。まずは利益体質の強化、資産効率の改善、本業の稼ぐ力によってROEを向上させていきます。
利益体質の強化については、利幅の大きい製品や利益の多く出る都内中心部の店舗において、利幅のさらなる拡大を図ります。
これらの店舗については、本社主導で差別化した販促活動を集中して行いたいと考えています。
新領域への挑戦

最後に、新領域への挑戦についてです。OEM・ODMをはじめ、アライアンスを含むパートナーシップの拡大を進めます。
また、ヘアサロン「neaf」が現在順調に推移していることから、店舗展開を含めた「美のトータルサポート」の実現を目指します。
さらに、地域に根ざした店舗展開の推進にも取り組みます。現在、100店舗すべてが同じ形態での運営ですが、地域ごとに密着した店舗形態やオペレーション形態を実現することで、各地域のニーズに応じたサロン運営を展開していきたいと考えています。
また、ウェルネス領域への挑戦です。当社の子会社には現在、健康食品を扱う企業があります。そのような点も踏まえ、これまで培ってきたお手入れの技術や、そこから得られる価値をさらに高め、市場に発信していく考えです。
このような取り組みを繰り返しながら、新たな挑戦への歩みを進めていきたいと考えています。
以上、駆け足での説明となりましたが、私からの中期経営計画についてのご説明を終了します。ありがとうございます。
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