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株式会社オーバル7727

東証スタンダード

精密機器

※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。

目次

みなさま、こんにちは。お忙しい中、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。株式会社オーバル代表取締役社長の谷本淳です。

本日は、当社の会社および事業紹介の後、2026年3月期第2四半期の決算概要およびトピックスについてご説明します。

会社概要

はじめに、当社についてご説明します。当社は1949年に創業開始し、今年創立76周年を迎えました。本社は東京都新宿区にあり、生産拠点は、神奈川県横浜市、山梨県甲府市、宮崎県都城市と中国安徽省合肥市などにあります。

事業については、当社は経営理念の「確かな計測技術で、新たな価値を創造し、豊かな社会の実現に貢献します」、中長期経営ビジョンの「アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニーへ」のもと、「流量計」、および「流量計測に関連するシステムソリューション」、また「メンテナンスサービス」を提供しています。

産業のマザーツールとも言われている流量計および、そのソリューションの提供を通じて、お客さまの課題解決とともに社会貢献を目指しており、持続可能な未来作りへの寄与に取り組んでいます。

オーバルとは何の会社?

次に、当社の主力製品の流量計についてご説明します。流量計は文字のとおり「流れる」ものを「はかる」計測機器です。

当社が提供している流量計は、工場やプラントの生産ラインの配管に取り付けて、配管の中を流れる流体の量の計測や、石油・ガソリン、水素などのエネルギーや燃料を売買、出荷をする際に、その売買量や出荷量の計測に使われています。当社の流量計は、液体だけではなく、ガスや蒸気も、その流れる量をはかることができます。

ご覧のとおり、流量計は、私たちの日常生活に欠かせない食品や飲料をはじめ、プラスチック等の工業製品などの生産プロセスにおいて使われています。

各原材料の量を正確にはかり、決められた分量を正しく混ぜ合わせることで、同じ品質の製品が作り続けられています。例えば、焼肉のたれは、原料の醤油、みりん、酒などを調合する際に、流量計が使われていますし、お菓子は原料のシロップをスプレー状に噴霧する際に流量計が使われています。

その他、我々の身近のあらゆるものは、流量計を使って作られており、それゆえに流量計は産業を支えるマザーツールとも言われています。

オーバルの強み

先ほどのご説明のとおり、いろいろな分野で使われる流量計ですが、さまざまな種類のものがあります。

お客さまの工場やプラントでどのような流体、「例えば、水なのか、ガスなど危険な流体なのか、粘度が高くて流れにくい流体なのか」を、どのように計測したいか、「例えば、配管の中を大量に流れるのか、配管の中の圧力はどの程度か、高い精度で緻密な計測をしたいのか」などのニーズに合わせて、それにマッチした種類の流量計をご提案する必要があります。

オーバルは流量計の百貨店とも言うべく、ご覧のとおり、多彩なラインアップを誇っており、お客さまのあらゆるニーズにお応えできることを強みとしています。

これらの製品はセンサ事業に分類しており、創業当初より石油・化学産業向けを中心に売上を伸ばし、成長してきました。現在は石油・化学だけでなく、食品・飲料、電力・ガス、半導体、医薬品、化粧品、自動車等、あらゆる産業でご使用いただいています。

オーバルの3つの事業

続いて、当社の3つの事業についてご説明します。

流量計の製造販売をセンサ事業としています。センサ事業は、全売上の約7割を占める主力事業となります。

システム事業は流体計測制御に関するシステムソリューションの提供を事業としており、設計・施工を含め一括対応できることを強みとしています。

最後にサービス事業は、流量計のメンテナンスサービスと校正事業で構成されています。

校正事業に関しては、当社は、JCSS(計量法校正事業者登録制度)の登録事業者のうち、「石油(灯油・ガソリン・重油)」「水」「気体」3種類の流量で登録している唯一の事業者です。石油の校正可能流量は国内最大であることも強みとしており、流量に品質という付加価値をつける校正事業に力を入れています。

Summary

それではここからは、2026年3月期第2四半期の決算概要をご説明します。

受注高については、システム部門において前年度に複数の大口案件が集中した反動で、前年同期に対して減少しました。

一方で、売上高と営業利益については、センサ部門およびサービス部門が堅調に推移したことに加え、Anton Paar GmbHとのライセンス契約に伴う一時金の収入の計上、さらに、一部製品の値上げにより、売上高は前年同期に比べ3.4パーセント増加、営業利益については33.3パーセント増加と、前年同期を大きく上回り過去最高水準となりました。

下半期に向けては、売上、利益ともに上半期に引き続き堅調に推移する見込みです。年間配当については、中間10円、期末10円の合計20円を予定しています。

業績ハイライト

第2四半期の業績ハイライトをご説明します。

売上高は好調なセンサ部門およびサービス部門が堅調に推移し、前年同期より3.4パーセント増となりました。

さらに、利益面では、先ほどもご説明したとおり、センサ部門およびサービス部門が堅調に推移したことに加え、Anton Paar GmbHとのライセンス契約に伴う一時金の収入の計上、および一部製品の値上げにより、営業利益は約9億円と過去最高水準となりました。

事業部門別受注高・受注残高

次に事業部門別の各種業績についてご説明します。

受注高については、センサ部門は、国内は主要顧客である化学関連業界向け、石油関連業界向けが好調に推移し、海外は電気自動車用の電池関連業界向けにおいて、韓国では低迷しているものの、中国では回復基調となった結果、前年同期比+7.3%となりました。

システム部門は、国内で前年度に大口案件が集中した反動で、前年同期を大きく下回りました。

サービス部門については、保全サポートサービスおよび他社製品校正業務受託などの強化により、順調に進捗しています。

受注残高については、センサ部門とシステム部門は前年同期を下回りましたが、サービス部門は+67.0%と前年同期を大きく上回りました。

事業部門別売上高(センサ部門)

ここからは、各事業部門別の売上高についてご説明します。センサ部門の売上高については、国内は、主要顧客である化学関連業界向けが堅調に推移しています。

海外については、中国において電気自動車用などの電池関連業界向けが回復基調で、また船舶関連業界向けも好調に推移しました。また、オーストリアのAnton Paar GmbHとのライセンス契約に伴う契約一時金の収受を計上したことにより、前年同期を上回りました。

事業部門別売上高(システム部門)

次にシステム部門の売上高については、海外は東南アジア地域では回復基調にあり、当期は大口案件の工事進行基準に応じた売上を計上しました。

一方で、国内は、前年度に受注した大口案件の工事の進捗により一定の売上高の計上はあったものの、直近の受注高減少が影響し、全体では、前年同期より減少しました。

事業部門別売上高(サービス部門)

最後にサービス部門の売上高についてはメンテナンスという事業の内容により、景気の動向などの影響を受けにくい堅実な側面もあり、保全サポートサービスや他社製品のメンテナンス事業、校正事業を強化した結果、前年同期比+6.6%の結果となりました。

出荷元の国別売上高

出荷元の国別の売上高については、国内は8.8パーセント前年同期より増加しましたが、海外はマイナス15.2パーセントと大きく前年同期を下回りました。

海外の売上高の減少については、韓国において電池関連業界向けが低迷していることが大きく影響していますが、全体としては+3.4%と前年同期を上回りました。

連結貸借対照表

財政状況については、純資産が自己株式の増加の4億5千2百万円などにより、前期末比2億400万円の減少となりました。その他は、ご覧のスライドのとおりです。

2026年3月期 通期連結業績予想

次に、当期の連結業績予想についてご説明します。

売上高については、国内では石油、化学関連業界向けが引き続き堅調に推移し、中国では船舶関連業界向けが好調に推移することを見込んでおります。

利益については、第2四半期時点で、通期の利益に対して6割の進捗率となっていますが、現時点では通期の業績予想を据え置いております。これは、原材料価格の変動など不確定要素が残っていること、また税負担増を見込んで、保守的な前提に基づき厳しめに見積もっていることによります。引き続き、業績の動向を注視し、必要に応じて速やかに開示いたします。

株主還元

続いて、株主還元についてご説明します。

当社は、中期経営計画のROE7%必達に向けた取り組みとして、2025年8月8日に、資本効率の向上と株主還元強化を目的とした自己株式取得を実施することを決定しました。

上限金額は8億円、上限の株数は、自己株式を除いた発行済株式総数に対して9.8%の220万株であり、9月30日時点では、733,400株、金額にして4億4千2百万円を取得し、11月18日時点では、累計の取得株式数は1,296,800株、累計の取得価額総額は799,951,300円となり、上限金額に達したため、終了いたしました。

さらに、資本効率の一層の改善、および1株当たりの株式価値の向上を目的として、改めて自己株式の取得を実施することを11月27日に決定いたしました。

決定の内容につきましては、上限金額は5億円、上限の株数は自己株式を除いた発行済株式総数に対して4.7%の100万株で、取得期間は2025年11月28日より2026年5月27日までであります。

次に、配当につきましては、当社は配当を最も重視すべき株主のみなさまへの利益還元であると認識し、会社の経営基盤の確保と将来の事業展開に備えた財務体質の充実を総合的に勘案し決定することを配当の基本方針としています。

ご覧のとおり、2021年3月期は400パーセントを超える配当性向など、業績にかかわらず一定の配当を株主に還元してまいりました。当期においては、中間10円、期末10円の合計20円、配当性向は48.7%を予定しています。

トピックス① 容積流量計 自動温度補正とHART通信機能追加

ここからは、2026年3月期第2四半期のトピックスを3つご紹介します。

1つ目は、自動温度補正とHART通信の機能を搭載した容積流量計ウルトラ計数部TypeCの販売開始についてです。今回、容積流量計に「自動温度補正」と「HART通信」という新機能を追加しました。

まず、自動温度補正についてです。これは、温度変化による測定誤差を自動で補正する機能で、石油など温度管理が重要な用途に対応できます。次に、HART通信です。これは、遠隔で監視や設定が可能になる通信方式で、自己診断情報の送信により異常の兆候を早期に把握できます。

この2つの機能追加によって、より正確な流量計測が可能になり、品質向上につながります。また、遠隔監視によって保守コストを削減し、トラブルを未然に防ぐことで安定稼働を確保できます。当社は、今後もこうした改良を積み重ね、お客様の課題解決に少しでも貢献できるよう努めてまいります。

トピックス② 製品情報アクセスの利便性向上(QRコード活用)

2つ目は、製品情報アクセスの利便性向上に向けた施策についてご紹介します。当社では、出荷製品にQRコードを貼り付け、スマートフォンから製品情報や取扱説明書を簡単に確認できる仕組みを導入しました。

これにより、お客様は現場で必要な情報をすぐに入手でき、問い合わせ対応の時間を大幅に短縮できます。DX推進の一環として、保守や更新提案の効率化にもつながります。

こうした取り組みによって、顧客満足度の向上、リピート販売の促進、そしてアフターサービスの効率化を目指しています。今後も、現場での使いやすさを高める工夫を重ねてまいります。

トピックス③ 水素実ガス校正設備

最後に、水素実ガス校正設備「OVAL H2 Lab」についてご紹介します。当社では、脱炭素・カーボンニュートラルの実現に向け、水素利用流量計の精度を高めるための専用設備「OVAL H2 Lab」を開設し、2026年2月に開所を予定しています。

この設備では、水素ガスを実際に流して、流量計が正しく測定できているかを検証・調整します。これにより、水素計測の信頼性を確保し、将来的な水素社会のニーズに対応できる体制を整えます。稼働後は、自社製品の校正だけでなく、他社製品の校正にも対応する予定です。

こうした取り組みを通じて、水素計測用流量計校正事業の立ち上げを進め、2027年3月期以降の業績への寄与、さらには、脱炭素社会への貢献を目指します。今後も、環境対応と新規事業の両立に向けて、着実に準備を進めてまいります。

以上、株式会社オーバルの2026年3月期第2四半期の決算についてご説明いたしました。今後も、アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニーを目指し、これまで培ってきた技術と経験により、お客さまに最適な商品やソリューションを提供し、事業を通して社会貢献に取り組んでいきます。ご清聴ありがとうございました。

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