【QAあり】リケンテクノス、5期連続上期売上高・各段階利益が過去最高 株式売却益により当期純利益の通期予想を上方修正
2026年3月期第2四半期(中間期)決算・経営概況説明
常盤和明氏(以下、常盤):おはようございます。リケンテクノス株式会社、代表取締役 社長執行役員の常盤和明です。本日は大変お忙しい中、私どもの決算経営概況説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
本日の発表は、まず2026年3月期第2四半期中間期の決算概要についてご説明し、その後、本年4月よりスタートした3ヵ年中期経営計画の進捗についてご説明します。
2026年3月期上期の決算概要についてご説明します。
2026年3月期上期 連結業績サマリー

連結業績サマリーについてです。2026年3月期上期の連結売上高は655億6,700万円で、前年同期比21億7,600万円増の3.4パーセント増収となりました。営業利益は55億3,300万円で、前年同期比7億5,700万円増の15.8パーセント増益、経常利益は54億8,600万円で、前年同期比7億7,800万円増の16.5パーセント増益となっています。親会社株主に帰属する中間純利益は34億6,100万円で、前年同期比8億4,700万円増の32.4パーセント増益となりました。
連結売上高および各段階の利益は、上期として5期連続で過去最高を更新しています。ROSは8.4パーセント、EBITDAは75億2,000万円です。
ROSも上期での過去最高を更新しています。
セグメント別売上高推移

続きまして、セグメント別の売上高の推移についてご説明します。まず、自動車などのトランスポーテーションセグメントの売上高は210億円で、前年同期比9億円の増収でした。
次に、医療・生活資材・食品包材などのデイリーライフ&ヘルスケアセグメントの売上高は184億円で、前年同期比3億円の増収です。
情報通信やIT機器市場などのエレクトロニクスセグメントの売上高は128億円で、前年同期比6億円の増収となっています。
住宅建築資材や土木市場などのビルディング&コンストラクションセグメントの売上高は132億円で、前年同期比5億円の増収となっています。セグメントの詳細については後ほど詳しくご説明します。
地域別売上高推移

続きまして、地域別の売上高の推移についてです。日本は319億円で前年同期比13億円の増収、アジアは224億円で前年同期比10億円の増収となりました。一方、北米は109億円となり、為替の影響もあり前年同期比で2億円の減収となっています。
地域別の構成比は、日本が48.8パーセント、アジアが34.2パーセント、北米が16.8パーセント、その他の国が0.2パーセントです。また、海外売上比率は51.2パーセントとなり、前年同期比で0.5ポイント減少しました。
営業利益 前期比増減要因分析

続きまして、営業利益の前期比増減要因分析です。まず、前年である2025年3月期上期の営業利益は47億7,600万円でした。主な増益要因として、原料価格や副資材の価格上昇、事業コストの上昇分を製品価格に転嫁したことが挙げられます。
これに加え、価格改定の期ズレもあり、13億8,200万円の増益。一方、減益要因としては、物流コストの増加による8,600万円、積極的な投資に伴う減価償却費の増加による1億1,500万円、人件費の増加による4億2,400万円が挙げられます。これらを合計すると、7億5,700万円の増益となり、2026年3月上期の営業利益は55億3,300万円となりました。
営業利益 予想比増減要因分析

続きまして、営業利益上期の期初予想との増減要因分析についてご説明します。期初予想では47億円の営業利益を見込んでいました。増益の要因としては、販売価格の適正化および期ズレにより7億600万円、販管費の削減により1億8,500万円、さらに為替が円安に振れた影響で1億4,900万円、製造コストの削減分として1,400万円が挙げられます。
反対に減益の要因ですが、期初に予想していた販売量に3パーセント届かなかったことで、2億2,100万円の減益となりました。これらを合わせて8億3,300万円の増益となり、2026年3月期の営業利益は55億3,300万円となっています。
連結貸借対照表

続きまして、連結貸借対照表についてです。総資産は1,147億8,000万円で、前期末比16億8,900万円減少しました。負債は412億700万円で、前期末比5億1,800万円増加しています。純資産は735億7,300万円で、前期末比22億700万円減少しました。
自己資本比率は55.5パーセントです。
連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュフロー計算書についてご説明します。営業活動によるキャッシュフローは70億7,100万円となりました。投資活動によるキャッシュフローは有形固定資産の売却が18億9,400万円あり、結果として3億600万円を使用しています。財務活動によるキャッシュフローは47億4,800万円です。これらを合計すると13億8,200万円の増加となり、現金同等物の期末残高は258億2,900万円となりました。
2026年3月期 連結業績予想

続きまして、2026年3月期通期の連結業績予想についてです。売上高を1,340億円、営業利益を105億円、経常利益を103億円、当期純利益を65億円と見込みました。本年4月30日に発表した期初の予想に対して、先行き不透明な現下の経済状況を鑑み、経常利益までは据え置いています。ただし当期純利益については、政策保有株式の売却見込みがあるため、7億円増益の65億円に上方修正しています。
2026年3月期(予想)営業利益 増減要因分析

続きまして、通期の営業利益予想と前期との増減要因分析です。2025年3月期の営業利益は104億8,800万円です。増益の要因としては、販売価格の適正化および期ズレにより、11億7,100万円の増益が見込まれています。一方、減益の要因としては、物流コストの増加が6,200万円、減価償却費等の増加が5億2,100万円、人件費の増加が5億7,600万円となっています。これらを合計すると1,200万円の増益となり、2026年3月期通期の営業利益は105億円となります。
Transportation

続きまして、セグメント別の概況についてご説明します。まず1つ目のセグメント、自動車等を含むトランスポーテーションセグメントの状況をご紹介します。トランスポーテーションセグメントの2026年3月期上期の売上高は210億8,800万円で、前年同期比9億200万円、率にして4.5パーセントの増収となりました。国内ではエラストマーコンパウンドの販売が堅調に推移し、増収となりました。
海外では塩ビコンパウンドの販売が増加し、増収となっています。セグメント利益は21億9,500万円で、前年同期比4,500万円の減益となりました。減益の理由は、販売は大幅に増加したものの、設備投資などによる減価償却費が発生し、ほぼ前年並みとなりました。
2026年3月期通期の予想についてですが、売上高は前期比で5億8,000万円増収の417億円、セグメント利益は前期比で6億1,900万円減益の42億5,000万円を見込んでいます。国内外で販売は増加するものの、減価償却費のコスト上昇に加え、製品価格の改定や期ズレが影響し、減益となる見込みです。
Transportation

続きまして、トランスポーテーションセグメントにおける重点分野の状況です。まず1つ目の重点分野である車両用電線についてご説明します。
市場の状況ですが、2026年3月期の日系ワイヤーハーネスメーカーのコンパウンド使用予測量は、自動車生産の減産に伴い、前期比で2.4パーセント減少する見込みです。
当分野における当社のコンパウンドおよびフィルムの売上高は、217億円を予想しており、前期比で10億円の増収を見込んでいます。また、自動車OEMの軽量化ニーズに応えることで市場優位性のある薄肉電線用コンパウンドを、グローバル規模で拡販していきます。
加えて、非日系顧客への拡販も進めていきます。また、高圧ケーブルなどの新規材料の獲得にも取り組んでいきます。重点分野の2つ目は、自動車用成形部材です。市場の状況については、日系自動車の世界の自動車生産台数が2026年3月期には2,329万台と予測されており、前期比で1.7パーセントの減少が見込まれています。当社の自動車成形用部材のコンパウンド売上高は140億円と、前期比で4億円の増収を見込んでいます。日本で採用された材料をグローバルに展開していきます。
ゴム代替をさらに推進し、機能部材の拡販を進めます。
Daily Life & Healthcare

2つ目のセグメントであるデイリーライフ&ヘルスケアセグメントの状況についてご説明します。同セグメントの2026年3月期上期の売上高は184億2,500万円で、前年同期比2億5,200万円、率で1.4パーセントの増収となりました。国内では生活資材向けコンパウンドの販売が堅調に推移したものの、家庭用ラップの販売が減少し、全体では減収となりました。一方、海外では医療用塩ビコンパウンドの販売が増加し、増収となっています。
セグメント利益は19億5,800万円で、前年同期比3億4,200万円の増益となりました。国内外のコンパウンド販売増加が増益に寄与しています。2026年通期の予想では、売上高を前期比8億9,100万円増収の377億円、セグメント利益を3億2,800万円増益の38億5,000万円と見込んでいます。国内外でコンパウンド販売が堅調に推移することで、増収増益を見込んでいます。
Daily Life & Healthcare

続きまして、デイリーライフ&ヘルスケアセグメントの重点分野についてです。まず1つ目は医療用材料です。当社が医療用分野で主にターゲットとしている透析回路の状況ですが、2026年3月期も順調に6.7パーセント増加すると見込んでいます。
私どもの医療用コンパウンドに関する2026年3月期の予想ですが、売上高は100億円と前期比4億円の増収を見込んでいます。国内ではエラストマーコンパウンドの販売増加を目指し、海外では日系顧客向けの血液透析用コンパウンドの供給を拡大するとともに、ASEAN地域で非日系顧客への拡販を進めていきます。
重点分野の2つ目は食品包材の小巻・業務用ラップの状況です。市場全体の状況として、日本国内の小巻・業務用ラップ市場は2026年3月期も前年に比べて若干の減少が見込まれています。当分野における私どもの小巻・業務用ラップの売上高は、122億円でほぼ前年並みとなる見通しです。
食料品価格の高騰を背景に消費マインドが低下しているものの、塩ビラップの「よく伸びてよくはりつく」という特長を武器に、小巻市場の積極的な拡販を図っていきます。加えて、アウトパック化に向けた新製品を投入し、業務用ラップ市場での拡販を進めていきます。
Electronics

続きまして、3つ目のセグメントであるエレクトロニクスセグメントについてご説明します。2026年3月期上期のエレクトロニクスセグメントの売上高は128億1,200万円で、前年同期比6億400万円、率として4.9パーセントの増収となりました。
国内では電線需要が低迷しましたが、価格適正化が進み、増収となりました。海外では、タイ国市場および中国市場での塩ビコンパウンド拡販が進み、増収となっています。セグメント利益は8億800万円で、前期比3億5,800万円の増益となりました。日本国内ではコンパウンドおよびフィルムの価格適正化により、増益につながっています。2026年3月通期の予想は、売上高268億円で前期比21億1,100万円の増収を見込んでいます。
セグメント利益は13億円と、前期比で3億2,200万円の増益を見込んでいます。
Electronics

続きまして、当セグメントの重点分野についてご説明します。まず1つ目は、ASEAN地域における電力・産業用電線分野です。市場の状況についてですが、ASEAN地域の電気使用量は経済成長に伴い、今後も順調に拡大すると見込んでいます。同市場における当社のコンパウンドの売上高については、2026年3月期の予想で28億円を見込んでおり、前期比で5億円の増収を達成する計画です。
ASEAN各国での電線規格に対応し、性能と品質で差別化を図ることで、さらなる拡販を進めていきます。重点分野の2つ目は、情報通信、モビリティ、ロボット・FAケーブルです。市場の状況についてですが、情報通信市場はAIデータセンターの新設により、今後も大きく成長すると見込んでいます。
同市場における当社のコンパウンド売上高は89億円で、前期比3億円の増収を見込んでおります。国内では車載・光ケーブル市場の獲得を目指し、海外では中国市場の販売拡大を図るとともに、ASEANでの拡販を進めていきます。
Building & Construction

続きまして、4つ目のセグメントであるビルディング&コンストラクションセグメントの状況についてご説明します。ビルディング&コンストラクションセグメントの2026年3月期の売上高は132億3,200万円で、前年同期比で4億3,800万円の増収となりました。
国内では販売価格の適正化を進めたことや塩ビコンパウンドの販売増加により増収となりました。一方、海外ではタイ国での塩ビコンパウンド販売が減少し、減収となっています。セグメント利益は5億3,200万円で、前年同期比7,900万円の増益となりました。
2026年3月期通期の予想については、売上高を273億円とし、前期比18億5,000万円の増収を見込んでいます。セグメント利益は11億円で、前期比8,900万円の増益を予想しています。
国内外で拡販を進めていきます。
Building & Construction

続きまして、ビルディング&コンストラクションセグメントの重点分野の状況です。まず1つ目は、建装用フィルムの分野です。市場状況として、日本国内の非住宅および店舗の着工床面積は前期比で2.6パーセント減少する見込みです。
この市場において、当社の建装用フィルムの売上高は53億円と、ほぼ前年並みを見込んでいます。印刷特性に優れた機材フィルムを拡販することや、市場ニーズに応じた製品開発を通じて、さらなる拡販を進めていきます。
次に、重点分野の2つ目は住宅建築資材用の材料です。市場状況については、住宅省エネキャンペーンの後押しもあり、前期比で4.2パーセントの増加が見込まれています。当社の住宅建築資材分野向けコンパウンドの売上高については130億円を見込んでおり、前期比で5億円の増収となる見通しです。
国内は住宅省エネキャンペーンの効果で樹脂サッシ用材料が増加し、増収が見込まれます。海外では異形押出し製品の拡販を進めていきます。
3ヵ年中期経営計画

続きまして、3ヵ年中期経営計画の進捗状況についてご説明します。経営方針を「One Vision, New Stage 2027」とし、本年4月より現在の3ヵ年中期経営計画を開始しました。その中で、稼ぐ力の伸長とサステナビリティの2本柱に注力しています。
稼ぐ力の3つの戦略として、戦略の1つ目「Global One Company」、戦略の2つ目「顧客の期待の先を行く」、戦略の3つ目「新規事業/新製品への挑戦」を掲げています。加えて、企業を永続的に存続させるため、サステナビリティ、ガバナンス、リスクマネジメントにも取り組んでいきます。計数計画については、最終年である2028年3月期に売上高1,500億円、営業利益120億円、当期純利益65億円を目指しています。その他の計数計画はスライドをご覧ください。
3ヵ年中期経営計画「稼ぐ力」の戦略 (2026年3月期上期実績)

続きまして、中期経営計画における「稼ぐ力」の3つの戦略について、2026年上期に取り組んだ主な状況をご説明します。
まず、戦略の1つ目「Global One Company」では、グローバルで最適な生産体制を構築しています。具体的には、食品包材事業における生産設備の増強や三重工場の拡張を決定しました。また、ASEAN地域では非日系顧客の開拓に注力し、原材料調達のグローバル化をさらに強化しています。
次に、戦略の2つ目「顧客の期待の先を行く」では、ものづくり統括本部によるグローバル一体運営の深化を進めています。材料開発時から購買本部の関与を強化しました。サプライヤーや顧客との共同開発を拡充しています。
戦略の3つ目「新規事業/新製品への挑戦」では、ものづくり検討委員会を新設し、開発テーマの発掘を推進しています。また、知財部門と連携し、IPランドスケープを活用した新規用途の開拓を進めています。さらに、産学連携プロジェクトを推進しています。
財務戦略−価値創造するバランスシートへの改革−
価値創造するバランスシートへの改革についてご説明します。必要以上の株主資本を持たない効率的なバランスシートを目指し、改革を進めています。
2026年上期の実績についてご説明します。売掛金サイトや在庫水準の適正化を進めるとともに、遊休土地の売却を実施しました。また、国内工場では投資案件を進行させています。投資有価証券については、保有意義を検証した上で圧縮しました。価値創造に貢献しないアセットを削減し、必要なキャッシュを創出して、成長投資や株主還元を実施していきます。
投資/財務戦略

続きまして、投資/財務戦略についてご説明します。現中期経営計画の3年間で稼ぎ出す営業キャッシュ・フローに加え、バランスシート改革によって創出した資金を基盤投資、成長投資、研究開発投資、戦略投資、株主還元に活用していきます。成長投資として、埼玉・三重包装用ラップの増設設備に約40億円、三重工場の工場拡張計画に約90億円を、今後投資実行していきます。
株主還元として、自社株買いおよび配当増配を実施していきます。また、稼ぐ力の向上や重点分野の拡大を支える各種投資を引き続き積極的に進めていきます。
研究開発投資

続きまして、研究開発投資についてご説明します。新製品の開発と研究の取り組みとして、まずコンパウンド分野では、低比重・高難燃コンパウンドの開発を進めています。エラストマーの特徴を活かした新規用途の開拓に注力し、ゴムからエラストマーへの素材転換を進めています。フィルム分野では、鮮度保持フィルム「フレッシュバランス」を発表しました。また、バイオマス加飾フィルムの開発も進展しています。
オープンイノベーションへの取り組みについて、新規事業創造部の主導のもと、外部機関との共同研究を進めています。具体的には、事業化検討テーマの選定に取り組んでいます。これらの取り組みを着実に実行することで、新規製品の売上高比率を高めていきます。
人的資本投資

続きまして、人的資本投資についてご説明します。中期経営計画の戦略を確実に実行するため、人材の確保や育成に向けた取り組みを進め、積極的に投資を行っていきます。まず、人材の確保では、全社を挙げた全社員参加型の採用活動に取り組んでいます。
今後は、海外志向型人材の採用を強化し、各種制度の見直しを進めていきます。人材育成においては、新人社員向けの現場研修制度を見直し、実行・導入しました。また、海外拠点のナショナルスタッフを経営人材として育成するための施策を進めていきます。
さらに、これらを支えるエンゲージメント向上策として、従業員の株式給付制度を導入し、持ち株会の奨励金の引き上げを実施しました。今後は、管理職の処遇制度の見直しや、自律的なキャリア形成を促す制度の導入を進めていきます。
サステナビリティへの取り組み

続きまして、サステナビリティへの取り組みについてご説明します。気候変動への対応として、2030年度にCO2排出量を46.2パーセント削減すること、そして2050年度にグループ全体でカーボンニュートラルを実現することを目標に掲げ、さまざまな施策を検討し実行しています。今年は、タイ国およびベトナム国にある製造子会社で太陽光発電の導入を進めています。今後も引き続き、CO2排出量削減に取り組んでいきます。
加えて、市場が求める環境対応型製品の開発や情報開示の拡充を進めること、さらに従業員のサステナビリティ意識を高める取り組みを進めていきます。
サステナビリティへの取り組み/ステークホルダーコミュニケーション

続きまして、ガバナンスについてです。女性取締役を増員し、役員報酬制度に中長期業績連動報酬を導入しました。また、連結子会社との連携強化策を実施しています。今後もグループ経営管理の実効性を高める施策を進めていきます。さらに、グループ経営を担う人材層の育成にも注力します。リスクマネジメントでは、BCPや人権デューディリジェンスの強化を進めました。
今後は、仕入先さまとのパートナーシップ強化に取り組んでいきます。ステークホルダーとのコミュニケーションでは、IRおよびSRの面談を拡充しました。また、有価証券報告書の総会前開示も実施しています。
持続的成長と企業価値向上

以上の戦略を確実に実行することで、現在の3カ年中期経営計画においてもROEを10パーセント以上に維持します。PBRについては、本年9月末時点で1.0倍以上を達成しています。
今後も維持・向上を目指していきます。全社のROICの推移や、当社が認識しているWACCの水準については、こちらのとおりです。
資本政策/株主還元

最後に資本政策および株主還元についてご説明します。当社の配当方針として、連結配当性向35パーセント程度を一つの目途とし、今後の事業投資や自己資本の充実等を考慮しながら、安定的な配当を行うことを基本方針としています。2026年3月期も引き続き増配を予定しており、前期比6円増の1株あたり47円を予定しています。
加えまして、本年7月および10月に、合計300万株の自己株式取得を決議しています。取得した株式は全株消却する予定です。自己株式取得を含めた本年の総還元性向は105.7パーセントを予想しています。説明は以上です。最後までお聴きいただき、誠にありがとうございました。
中期経営計画の経営方針「One Vision, New Stage 2027」のもと、リケンテクノスグループはこれからも、すべての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指して邁進していきます。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:価格改定の現状と今後の原材料価格転嫁について

質問者:価格の適正化が増益に貢献しているという内容だったと思いますが、この価格改定はすでに終えたという認識でよいのでしょうか? また、追加で価格転嫁が必要な原材料における足元の需給バランスの変化などがあれば、ご説明をお願いします。
梶山学之氏(以下、梶山):取締役 専務執行役員 営業本部長の梶山です。価格転嫁は上期でほぼ終わりました。ただ、足元ではさまざまなことが起きています。日々とは言いませんが、現状の価格改定や市場がタイトになったことなどにより価格が上昇しており、それらは都度反映していきます。今後下期についても将来はわかりませんが、必要があれば適切に価格改定を行う考えです。
常盤:私から補足します。ほとんど終わっているのは事実です。ただし、特別な材料であるアンチモンオキサイドのようなものが急激に価格上昇した場合は、その部分を今後価格に転嫁させていただくことになると思います。
また、トランスポーテーションセグメントについては、自動車用になりますが、ナフサの価格変動を使用しています。そのため、価格が上昇した場合には、後追いで価格が上昇していく仕組みとなっています。
現在、原料価格のピークが下がってきています。そのため、減益になる理由としては、これまで上昇していた原料価格分を確保できたものの、今度は販売価格が下がっていくことが挙げられます。
今後もこのような事態が発生することが考えられます。ただし、基本的には当社の方針として、原料価格が上昇した場合には、お客さまに丁寧にご説明し、その分を転嫁させていただくことを基本方針としています。
質疑応答:米国市場の減収要因と今後の展望について

質問者:地域別で米国市場が減収になっていたと思います。今後の展望や、テコ入れが必要な施策がある状況なのか、ご説明をお願いします。
常盤:まず、先ほどご説明したように昨年上期対比では円高になっており、為替の影響も含めて減収となっています。
販売数量についてはほぼ変化がありません。ただし、販売数量が変わらないという点は課題であると考えています。当社の塩ビコンパウンドのアメリカ市場におけるマーケットシェアは、わずか3パーセントから4パーセントにとどまっています。
そのため、まだ多くの取り組みが必要であり、現在、アメリカを拠点に販売力の強化に向けてさまざまな施策を行っている状況です。
梶山:アメリカでは先ほどもお話ししましたが、ラインを増設してキャパシティを拡大しています。営業活動としては、4つの分野やセグメントがあります。その中でもビルディング&コンストラクションセグメントはアメリカが強い部分であり、ここも強化していく考えです。これらをグローバルに進めています。
常盤:今日の日経新聞にもありましたように、アメリカの車の販売状況はそれほど悪くなく今後も悲観的な状況ではないようですので、そのあたりを活用して確実に取っていくということです。
入江淳二氏(以下、入江):代表取締役 副社長執行役員 管理本部長の入江です。参考に、為替について触れます。2025年3月期の上期では、USドルは152.33円でした。一方、今期の上期は149円と円高になっています。
ただし、グローバルで見ると、タイバーツは逆に円安方向に動いています。アメリカだけを見ると、円高の影響で売上・利益に目減りが生じるかたちとなりました。
なお、今期の業績予想等については、為替レートを149円として計算しています。ただし、直近では153円から155円といった円安の動きが見られるため、為替の影響で期末に向けて見直しや修正が出てくる可能性があります。
質疑応答:埼玉工場のボイラー燃料転換計画とGHG削減について

質問者:スライドに「ボイラーのエネルギー転換の計画具体化」という記載がありますが、具体的にどこで何から何に変わり、どれくらいGHGが減るのかについて、ご説明いただける範囲でお願いします。
小川智三氏(以下、小川):常務執行役員 ものづくり統括本部長 兼 購買本部長の小川です。まだ計画段階ではありますが、現在考えているのは、埼玉工場でボイラーの燃料転換を進めるということです。具体的には、重油から天然ガスへの転換を計画しています。
投資規模については、だいたい5億円から6億円程度を想定していますが、まだ精査が必要な部分も残っています。この計画により、年間1,200トンから1,300トン程度のCO2削減が可能ではないかと考えています。ただし、現在はまだ計画を精査している段階です。
質問者:中期経営計画期間中に終了するという認識でよいのでしょうか?
小川:この中期経営計画期間中に実施していきたいと考えています。
常盤:導入の判断は今期中に行いますが、工事を含めてすべて終了するにはあと2年ほどかかり、ギリギリかと考えています。判断は近々行いますが、1年後くらいから工事に入るイメージと考えています。
質疑応答:食品包装用ラップ生産設備の増設計画について

質問者:設備投資の計画についてお聞きしたいのですが、食品包装用ラップの生産設備増設が埼玉工場と三重工場となっていますが、これは両方でラップ自体の製膜ラインを増やすという認識でよろしいでしょうか?
常盤:そのとおりです。現在実施していることになりますが、12月頃にエラストマーが導入され、その後、ラップについては埼玉工場と三重工場に製膜ラインと、その後のリワインディング、いわゆる巻き直しの設備を導入している状況です。
質問者:それぞれ1ラインずつ増やすようなイメージでしょうか?
常盤:私どもは生産ラインの数について具体的な数字をお答えしていません。ただし、製膜ラインや小巻ラインについては、1ラインという少ない規模ではなく、相当量の増強を予定しています。設備を確実に強化する計画です。
入江:単純に増設を行うだけでなく、各工場の生産設備が稼働から50年ほど経過しており、オーバーホールに多大なコストがかかっていることも課題です。そのため、生産効率の向上、省力化、省人化を実現するための最新設備を導入しています。
この設備導入により、オーバーホール費用を削減しつつ、減価償却費が定率法で増加しますが、減価償却期間が8年で終了する当社の設備では、終了後に収益がプラスに転じることが見込まれます。これにより増産効果、省力化、省人化効果に加え、エネルギー効率の向上やCO2削減にもつながるという両面の効果を狙っています。
埼玉工場では、女性社員を技能職として生産現場に採用する取り組みを進めています。従来、製造現場は男性の職場というイメージがあり、ロッカー室やお風呂などの設備が1つしかない状態でしたが、これらの設備に対しても新たに手当てをし、女性社員が働きやすい環境を整えています。
また、ラップの太巻き(20キログラム)を機械にセットする際、女性の力では難しい場合もありますが、現在の設備では補助器具を使用することで、力がなくても対応できるようになっています。
埼玉工場にはすでに1台導入しているものもありますが、こうした設備を取り入れ、女性がより働きやすくなるような環境整備を進めています。また、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の思想も取り入れながら進めています。
質問者:そうすると、単純な増設だけでなく、置き換えも含むということですね。わかりました。ありがとうございます。
質疑応答:データセンター向け製品の競争環境と優位性について

質問者:データセンター向けについてですが、放熱などの特性から、中国のローカル企業が簡単に真似できないものでしょうか? それとも、競争相手がいらっしゃる場合、どなたが競争相手となっているのか教えてください。
梶山:データセンター向けでは、いろいろな線種が使用されています。特に光関連や耐熱・耐圧といった、非常に高い信頼性が求められる分野です。ここは日本のものづくりが得意とする領域であり、ケーブルに限らず優れています。
そのため、海外勢、特に中国とは申しませんが、海外企業に対して競争力があると考えています。また、当社のコンパウンドもメイドインジャパンであり、その点で優位性があると見ています。
ただし、ライバルは国内にも存在します。当社は、もともと塩ビコンパウンドを扱うメーカーとして始まりましたが、現在は塩ビからエラストマーまでさまざまな素材を扱うメーカーとなっています。一方で、ライバルメーカーは塩ビではなく、オレフィン系のコンパウンドを手掛けています。
そのため、オレフィン系コンパウンドを扱うメーカーとの競争、つまり、コンパウンドの成形性や性能を競い合うかたちで当社の事業を進めています。
質問者:対オレフィンでは、アドバンテージやディスアドバンテージはどのような点にありますか?
梶山:難燃性です。オレフィンのネガティブな点は難燃性がないことで、塩ビは難燃性を有しています。この課題に対応するために、難燃材を活用することになります。アンチモンは優れた難燃材の1つですが、現在は価格が非常に高騰している状況です。
具体的な技術の詳細はお話しできませんが、当社では難燃技術を強化して差別化を図り、この分野で競争優位性を確立する戦略を進めています。
質問者:難燃性に特徴があるため、価格転嫁が可能であるという理解でよろしいでしょうか?
梶山:そのとおりです。当社はコンパウンド専業に特化して取り組んでいますので、難燃性に限らず、さまざまな機能を製品に付加しています。
質問者:その「さまざまな機能」という部分について、具体的に教えていただけますか?
梶山:例えば、耐電圧機能などです。
電圧に対する性能は優れています。基本的に室内用途が中心ですが、データセンター内部だけでなく、屋外ケーブルが配置されるケースもあるため、耐候性が求められることもあります。また、他社は主に大規模なプラントで生産されるオレフィンを扱っていますが、当社はコンパウンド専業でカスタム対応が可能です。
この差異が当社にとってアドバンテージとなる場合もあれば、ディスアドバンテージとなる場合もありますが、それらを精査しながら開発を進めています。
質疑応答:三重工場における樹脂コンパウンド能力増強と将来計画について

質問者:スライド29ページについて補足としていくつかお尋ねします。1つ目は三重での樹脂コンパウンドの能力増強についてです。今回の投資では新たに土地を取得するという話でしたが、2029年完成予定後にもさらに拡充する計画やどのような青写真があるのか、ご説明ください。
常盤:今年、三重工場にTPEのコンパウンド製造ラインをスクラップ・アンド・ビルドで1ライン導入し、12月から稼働を開始します。ただ、三重工場に今回の投資を行うことで、かなりスペースが不足している状況です。
さらに増設を検討する場合、ゴム製品からエラストマーに移行したり、さまざまな素材を私どもが取り扱えるようになることを想定していますが、生産設備をこれ以上増設することは難しいと考えています。
そのため、三重工場内の配置も検討しましたが、隣接する土地を取得して工場を拡張し、新たに建屋を建設してそこにラインを導入していく計画です。このプロジェクトは2029年に土地の造成と建屋の建設から着手する予定で、若干時間はかかりますが、どのようなラインを導入するかについては今後決定していきます。
加えて、先ほど副社長の入江が説明しましたとおり、すべてにおいて効率化を追求するため、十分な人員を確保することが難しい状況です。そのため、省力化や各種装置の導入を進めるとともに、可能であれば倉庫もこの場所に集約させていきたいと考えています。
ただし、ある程度の計画はあるものの、具体的には今後1年から2年をかけて、この土地をどのように活用していくか検討していく予定です。
質問者:面積が3万平米ですが、これは最初からすべて埋まらないということでよろしいですか?
入江:3万平米というのは、法律上の規制が一部ありまして、現行の三重工場を拡張する場合、その敷地面積の0.5倍までという上限が課されています。現在の三重工場の敷地面積は約6万2,000平米ですので、それに0.5を掛けると3万平米ほどになります。このため、行政当局と約2年前から相談を重ね、今回3万平米が確保できる最大の面積として決定されました。
常盤:ただいまご質問がありました「初めからすべて埋まるのか」という点についてですが、それはありません。建屋を建設し、その中に数ライン入るスペースを確保しながら、順次新しいラインを導入していくという状況を想定しています。
質問者:ちなみにこの樹脂コンパウンドの増設についてですが、具体的にはエラストマーコンパウンドという理解でよろしいでしょうか?
常盤:さまざまな要素がありますが、現時点では増設という考え方においてそれで間違いありません。ただし、先ほどご説明したように、人材が潤沢に採用できない中で、どのような生産体制を取るのが最適かという議論も必要だと考えています。
そのため、他の素材も含めた対応を考えていますが、現時点での増設はTPE、すなわち熱可塑性エラストマーコンパウンドで間違いありません。
質疑応答:食品包装用ラップの投資計画と生産能力について
質問者:食品包装用ラップの投資についておうかがいします。2026年度より順次稼働予定とのことですが、この増設設備は2026年度中にすべて稼働するという理解でよろしいでしょうか?
小川:2026年度から、埼玉工場と三重工場それぞれに、いくつかの設備を順次投入する予定です。2026年から2027年にかけて設備を導入しながら、順次稼働させていく予定となっています。
質問者:最終的には2027年度で、この投資が完了するということでよろしいでしょうか?
小川:そうですね。2026年から3ヵ年で稼働させる計画です。
質問者:中国や名古屋にも工場がありますが、それらについては現在動きはないという理解でよろしいでしょうか?
常盤:現時点では計画がありませんが、中国については相当量を日本に販売しています。そのため、現在は中国の原材料が安いこともあり、運送費を加味しても生産を中国で行うことで採算が取れています。ただし、増設後の最適な体制については検討課題としています。
質問者:今回の投資によって生産能力がどれくらい向上するのか、具体的に教えていただけますか?
常盤:申し訳ありませんが、生産ライン数や生産数量については社外の公表を控えていますので、ご了承ください。
質疑応答:東京都のオープンイノベーション促進事業と研究開発体制の再編について

質問者:東京都のオープンイノベーション促進事業に採択されたことに関連してですが、以前に説明会の中で、研究開発体制の再編などを検討されたと記憶しています。その検討の進捗状況はいかがでしょうか?
小川:東京都のオープンイノベーション促進事業について、新製品をどんどん生み出すためには産産連携や産学連携を強化していく必要があると考え、この事業に応募しました。
この3ヵ年で新規製品比率を上げるために、さまざまな活動を通じて新製品を生み出す体制を構築していこうと考えています。特に1年目においては、基盤を作るための種を蒔くという取り組みを行いたいと考えています。
常盤:「稼ぐ力」の戦略に関するスライドをご参照ください。ご質問にありました研究体制についてですが、今年の4月から大きく変えています。今年の3月までは、研究開発本部、製造本部、品質保証本部、購買本部という縦割りの体制で、研究開発本部の中にコンパウンド、フィルム、食品包材が含まれていました。
今年は最上位にものづくり統括本部を設置し、その下にコンパウンド本部を配置しました。この中に研究開発、製造、品質保証の部門を置き、さらにフィルム本部を設け、その中にも研究開発、製造、品質保証を配置しました。
また、ものづくり本部の横には購買本部を設置し、全体として一体感を持たせる組織構造としています。要するに、研究開発単体というよりも、一体感を出すことを重視し、素材ごとにこうした組織編成を行っています。
この一体感を重視した運営を進化させるべく、過去6ヶ月間、さまざまな取り組みを行ってきました。過去の体制には良かった点もありますが、現在の組織では、ものづくりの力、つまり製品の開発や製造、品質管理、さらには購買までを含めた一体感が出ていると感じています。
この一体感による効果が現れながら、より進んだ開発が進められると考えています。以上、ご回答しましたが、いかがでしょうか。
質疑応答:大田区研究センターの施設拡充計画について
質問者:大田区の研究センターが、後で設備投資や施設の拡充を検討しているようですが、その点については引き続き対応されるのでしょうか?
常盤:当社の売上数量が増え、海外事業の開発も相当に増加しています。それに伴い、東京大田区蒲田にある研究所をかなり活用している状況です。
したがって、今後3ヵ年の間に議論を重ねる必要がありますが、個人的な考えとして、現在の研究センターは4年から5年前にスペースを1.5倍に拡張したものの、それでも十分とは言えない状況です。
そのため、現在その場所には東京の物流倉庫としての施設もありますが、その倉庫を現状のまま維持するべきか、もしくは研究開発のスペースをさらに拡張し、倍増させるといった選択肢を検討していく必要があります。
これも現在検討しています。ただ、具体的にみなさまにお話しできる数字にはなっていませんが、私どもが100期になった際には、そのあたりにも取り組んでいきたいと考えており、社内でも意見を発信している段階です。
質疑応答:キャピタルアロケーションと中期計画の進捗・対応について

質問者:キャピタルアロケーションに関する部分についての質問です。中期経営計画が半年間進む中で、御社としてなにかずれが生じている点について意識されていることはありますか? 例えば、利益が堅調であるため上振れしている可能性や、バランスシート改革に関して株価が好調なので資産売却をより進めるべきかどうか、あるいは設備投資においてインフレの影響でより費用がかさんでしまうことなどが考えられます。
御社として、そのようなずれをどのように認識しているのか、あるいはずれを感じた場合、全体としてどのようにマネジメントしていくのでしょうか。この点に関するお考えを教えていただければと思います。
野一色道雄氏:上席執行役員 経営企画本部長の野一色です。キャッシュアロケーションについては、基盤投資、成長投資、戦略投資等、現時点では順調に推移していると考えています。
M&Aに関しては出会いによる要素もあるため、現時点で具体的には申し上げられませんが、その他の成長投資や基盤投資については、当初予定していた計画をそのまま進めており、適切な時期に順次開示を行っています。特に遅延は生じていないと考えています。
バランスシート改革については、28ページに記載されていますが、さまざまな施策を進めているものの、まだ半年の経過段階であるため、効果としてはそれほど顕著に現れていない状況です。ただし、施策は着実に実行されており、中期経営計画で示したバランスシートのイメージに向けて確実に進んでいると考えています。
この点については、現時点で特に懸念すべき状況ではなく、引き続き中期経営計画で掲げたイメージに沿って進捗しているところです。
入江:補足すると、投資家のみなさまからは、IRやSR活動を通じてさまざまなご意見をいただいています。その中で、キャッシュを積極的に創出し、それを成長投資に向けることができるのであれば成長投資へ、そうでなければ株主還元を手厚くするというご意向があるとうかがっています。このような背景から、当社は政策保有株式の売却をここ数年継続して進めています。
株価の上昇に伴い簿価は下がり、時価は上がっているため、9月末時点で上昇しているように見えますが、これで終了ではなく、今期も継続して取り組んでいく方針です。
また、群馬工場の未利用の土地については、キャッシュを生まない現状や今後投資する予定がないことを踏まえ、現金化したうえで、食品包材への投資や三重工場拡張のための固定資産取得などといった成長投資に振り向ける計画です。
当社が成長できる分野には、国内外を問わずまだまだ投資の余地があるという点で、積極的に取り組んでいきたいと考えています。野一色も申し上げたように、9月末時点の6ヶ月間でバランスシートがどう変化したのかというと、在庫が少し減少した一方で、増加した項目もあります。ただし大きな流れとしては、不要不急の資産を売却してキャッシュ化し、さらに売掛金の回収サイトを短縮してキャッシュを創出し、それを成長投資に充てていく方針です。
当初発表した中期計画の内容とまったく齟齬がなく、成長していると考えています。以上です。
常盤:私からも1点補足します。現在進行中の事項についても遅れなく順調に進んでいると考えています。
新製品の売上比率についてですが、これは、過去3年間にR&Dが開発した製品の売上が総売上に占める割合を示す数字を指します。現3カ年中期経営計画 では、これを23パーセントと設定し、今回の中期目標としています。
2025年9月までの上期の段階で、新規製品の売上高比率は13パーセントです。あまり外に出していないのですが、2025年3月末時点では10パーセントでした。3パーセント上がっています。ですので、6パーセント上げて「3×6=18」で進めていく予定ですが、この部分をどうやって上げていくかが、メーカーである私どもの最大のポイントだと思います。
研究開発への投資についてですが、現在はまだ具体的な数字には反映されていません。しかし、次の中期経営計画やその先の計画の数字を引き上げるためには、今後積極的に取り組む必要があると考えています。この点については、さらに検討を進めていきます。
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