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株式会社共和電業6853

東証スタンダード

電気機器

目次

下住晃平氏(以下、下住):みなさま、本日はお忙しい中、また足元の悪い中、ご出席いただき誠にありがとうございます。共和電業代表取締役社長の下住です。

本日は、当社のご紹介、2025年12月期第2四半期決算の概況、事業の状況、今期の業績予想と取り組みについてご説明します。

会社概要

会社概要です。当社は「ひずみゲージ」をはじめとしたさまざまな計測機器の開発・製造・販売、各種計測コンサルタント業務を行っています。当社の製品やサービスは、自動車、産業機器、鉄道、ダムなど幅広い分野で活用されています。

当期は一部営業所の再編がありましたが、その他に大きな変更はありません。

業績ハイライト

2025年12月期第2四半期決算の概況についてご説明します。

当期の売上高は、測定器関連を中心とする汎用品の売上増加や、特注・システム品の大口案件などにより、前年同期比6.5パーセント増の80億6,000万円となり、3期連続の増収を記録しました。

営業利益は、売上高の増加に伴い、前年同期比6.5パーセント増の7億4,700万円となりました。中間純利益は、為替差損の計上により、前年同期比2.5パーセント減の5億5,300万円となっています。

売上高・営業利益の推移

売上高および営業利益の推移です。2022年に部品調達難の影響で売上高と営業利益が一時的に落ち込んだものの、その後は順調に持ち直し、今期も増収増益を見込んでいます。

受注高・受注残高推移

受注の状況についてです。汎用品の受注が伸び、受注高は前年同期比5.9パーセント増の79億5,400万円となりました。

受注残高は、道路関連や鉄道関連を中心に、前中間期末に比べて1億3,000万円増加しています。

収益の増減内訳

収益の増減内訳についてです。営業利益は、売上増により前年同期比で1億9,600万円の増益要因があった一方、人件費などのコスト増加による原価率の上昇や販管費の増加が影響し、差し引きで前年同期比4,500万円の増益となりました。

経常利益は、前期に為替差益があった一方で、当期は2,900万円の為替差損が発生したことにより、前年同期比で900万円の減益となりました。

中間純利益は、投資有価証券売却益として1,600万円を計上しましたが、前期には関係会社株式売却益が2,800万円あったため、前年同期比で1,400万円の減益となりました。

財政状態の概況

財務状況についてです。売上債権が前期末比で7億8,400万円減少したことなどにより、資産合計は8億400万円減少しました。負債合計は、短期借入金の返済が進んだことで前期末比5億5,600万円の減少となりました。

純資産は、利益剰余金が増加した一方で自己株式の取得が進んだため、前期末比で2億4,800万円減少しました。この結果、自己資本比率は76.9パーセントとなり、前期末比で1.6ポイント上昇しています。

キャッシュフローの概況

キャッシュ・フローの概況についてご説明します。営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の回収額が減少したことから、前年同期比で3億2,300万円減少しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の増加や固定資産の取得により、前年同期比で12億8,900万円の支出増となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式取得関連費用により、前年同期比で11億8,700万円の支出増となりました。

この結果、中間期末における現金及び現金同等物は40億6,700万円となり、前年同期比では27億8,000万円減少しました。

配当金について

配当金についてです。株主のみなさまへの安定的な還元を目指し、今期より累進配当を基本方針としています。

中間配当金は前期から2円増配し、1株あたり10円と決定しました。現時点では業績がおおむね予想どおり推移しているため、期末配当金についても1株あたり10円を予定しています。これにより、年間合計は20円となる見込みです。

セグメント別・品種別の状況

事業の状況についてご説明します。はじめに、セグメント別・品種別の売上状況です。

計測機器セグメントは、生産停滞の解消や価格改定の効果により、測定器関連を中心とする汎用品の売上が増加しました。さらに、特注品や保守・修理も堅調に推移し、前年同期比7.3パーセント増の73億3,800万円となりました。

コンサルティングセグメントは、鉄道関連の計測業務の需要が一巡したことにより、前年同期比1.4パーセント減の7億2,100万円となりました。

主要事業分野の売上構成比

主要事業分野別の売上状況です。前年同期と比較して、運輸・交通インフラ分野と環境・防災・エネルギー分野が成長した一方、前期に衝突試験関連の大口案件があった反動で自動車試験分野が減少しました。

その他分野は、防衛関連の大口案件の影響により大幅に増加しました。

主要事業分野の売上高【自動車試験分野】

主要事業分野ごとの状況についてご説明します。

自動車試験分野の売上高は、前年同期比20.9パーセント減の16億4,400万円となりました。前期に衝突試験関連の大口案件が集中した反動で、当期は特注・システム品の売上が減少しています。一方、新車開発に伴う各種試験需要の増加により、汎用品の売上は増加しました。

引き続き、衝突試験に加えて強度試験や操縦安定性試験などの幅広い試験用途への対応を強化し、業績の確保に努めていきます。

主要事業分野の売上高【工業計測分野】

工業計測分野の売上高は、前年同期比3.1パーセント減の16億6,400万円となりました。前期にシステム品の大口案件があった影響で、特注・システム品の売上が減少しました。一方、海外における空調関連や半導体関連の好調な需要により、汎用品は堅調に推移しました。

今後は、国内外の市場情報収集を強化し顧客ニーズに応じた提案を推進することで、販売力を高めていきます。

主要事業分野の売上高【環境・防災・エネルギー分野】

環境・防災・エネルギー分野の売上高は、前年同期比22.9パーセント増の15億2,700万円となりました。特注・システム品では、堤体観測装置の更新需要を中心にダム関連が大きく伸びました。汎用品では、原子力などのエネルギー関連が堅調に推移しました。

引き続き魅力的なフィールドエンジニアリングを提供するため、当社グループ全体で連携し、計測サービスの技術力や対応力の向上に取り組んでいきます。

主要事業分野の売上高【運輸・交通インフラ分野】

運輸・交通インフラ分野の売上高は、前年同期比12.6パーセント増の10億7,600万円となりました。鉄道関連は減少したものの、航空宇宙関連は計測需要の増加に伴って汎用品と特注・システム品がともに伸び、当分野の増収を牽引しました。

今後は受注残物件への確実な対応を図るとともに、計測機器とコンサルティングを組み合わせた総合的なサービス提供を推進します。

主要な海外地域別の売上高

海外の地域別売上状況をご説明します。海外売上高は、前年同期比4.3パーセント増の10億8,000万円となりました。

アメリカは通商政策の影響で企業活動が一時的に停滞し、微減となりました。一方で、中国は空調関連を中心とする工業計測分野の需要が増加し、前期に続いて堅調に推移しました。

特に伸長したのはインドとタイです。インドでは日系自動車メーカーを中心に売上が増加し、前年同期比3,100万円の増収となりました。タイでは空調関連の旺盛な需要が寄与し、前年同期比2,600万円の増収となりました。

2025年の業績予想

2025年12月期の業績見通しについてご説明します。現時点における2025年12月期の連結業績予想は当初計画から変更なく、売上高158億円、営業利益14億円、経常利益14億5,000万円、当期純利益11億円と、3期連続の増収増益を見込んでいます。

営業利益率は8.9パーセント、ROEは6.1パーセントを見込み、配当は年間合計で20円を予定しています。

通期業績予想への進捗状況

通期業績予想に対する中間期の進捗状況として、売上高と利益はおおむね計画どおりに推移しています。

受注残物件の確実な生産を図りつつ、お客さまの課題解決にフォーカスした提案営業を通じてさらなる受注確保に努め、計画の達成を目指していきます。

「資本コストや株価を意識した経営」の実現 成長に向けた投資

今期よりスタートした中期経営計画「KYOWA Vision 2027」と一体で進めている、「資本コストや株価を意識した経営」の実現に向けた取り組みについてご説明します。当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、「成長に向けた投資」と「株主還元の充実」を推進しています。

はじめに、成長に向けた投資についてです。中期経営計画では、重点事業や経営基盤の強化を目的として、2025年から2027年にかけて約35億円規模の投資を計画しています。

今期は山形工場の生産強化に向けた設備投資をはじめ、基幹システムの再構築、校正設備の増強、研究開発投資、人材育成の強化など、さまざまな投資を進めています。これらの投資を通じて、中長期的な事業基盤の強化と持続的な成長の実現を目指していきます。

「資本コストや株価を意識した経営」の実現 自己株式の取得

次に、株主還元の充実に向けた取り組みとして、自己株式の取得についてご説明します。2025年3月に開示したとおり、当社は中長期的な企業価値の向上と株主還元の充実を目的に、自己株式の取得を進めています。

取得上限は250万株で、自己株式を除く発行済株式総数の9.2パーセントに相当します。2025年8月末現在の取得状況はスライドに記載のとおりで、進捗率は取得価額ベースで88パーセントとなっています。

「資本コストや株価を意識した経営」の実現 株主優待制度の導入

株主還元の充実に向けたもう1つの取り組みとして、8月4日に発表した株主優待制度の導入についてご説明します。

株主のみなさまの日頃からのご支援に感謝するとともに、当社株式の投資魅力を高め、より多くの株主のみなさまに、より長く当社株式を保有していただけるよう、株主優待制度を新たに導入します。

優待品は「QUOカード」で、毎年12月31日を基準日として、200株以上600株未満を保有する株主さまには2,000円分、600株以上を保有する株主さまには5,000円分を贈呈します。優待の適用条件などの詳細は、当社ホームページに掲載しています。

新サービスの提供開始

当期の取り組みとして、新サービスのリリースについてご紹介します。中期経営計画における重点施策の1つである「クラウドサービスの事業化」に向けた取り組みとして、新サービス「KYOWA CLOUD」を2025年4月から提供開始しました。

「KYOWA CLOUD」は、計測データの収集・監視を通じて、業務の効率化および生産性向上に貢献するクラウドサービスです。本サービスでは、使用用途に応じて使い分けられる2種類のサービスを展開しています。

「KYOWA CLOUD STREAM」は、高速な事象をリアルタイムでWebモニタリングできるサービスです。自動車試験分野などにおける試験準備からデータ収集までのプロセス効率化を支援します。

「KYOWA CLOUD FIELD」は、インフラ構造物の状態監視など長期的なモニタリングに適したサービスです。各種計測機器の計測データをクラウドで管理することで、インフラ分野の監視業務の効率化を支援します。

製品の詳細は「KYOWA CLOUD」のプロモーションサイトに掲載しています。

当社は、センサや測定器からクラウドまでを一貫して提供することで、お客さまの多様な計測ニーズに応じた最適なソリューションの提供を目指しています。今後は事業化に向けて、組織や人員体制の段階的な整備、クラウド対応製品の拡充を進めるとともに、長期的にはAI分析などプラットフォーム機能の充実を見据えた取り組みも推進していきます。

これらの取り組みによって、クラウドを活用した新たな計測手法の提案が可能となり、関連製品の売上増加につながるものと見込んでいます。引き続き、活用事例の共有や客先でのデモなどを通じて販売促進活動を積極的に展開し、さらなる受注拡大を図っていきます。

トピックス①ハマウィングでのKYOWA CLOUDによる遠隔計測を実施

トピックスをご紹介します。1つ目は、昨年より協賛している横浜市の風力発電所「ハマウィング」についてです。当社は協賛を通じて、同施設を自社の研究や実証の場として活用し、風力発電分野における計測ニーズの探求を進めています。

今期は、新製品「KYOWA CLOUD FIELD」による遠隔計測を開始しました。風力発電市場は成長が見込まれ、実証実験や安全監視のニーズも年々高まっています。引き続き「ハマウィング」を活用して計測ニーズの探求を進め、今後の技術開発および事業展開に役立てていきます。

トピックス②次世代人材の育成支援

トピックスの2つ目は、次世代人材の育成支援に関する活動です。当社は、将来を担う人材の育成を支援する社会貢献活動の一環として、各種イベントへの協賛にも取り組んでいます。本日は「学生フォーミュラ日本大会」と「能代宇宙イベント」への協賛についてご紹介します。

まずは、当社が継続的に支援している「学生フォーミュラ日本大会」についてです。これは自動車技術会が主催する競技会で、学生が自ら構想・設計・製作した車両でものづくりの総合力を競い合うものです。

当社は、参加チームへ計測機器の貸し出しや計測作業を支援することで、車両開発をサポートしています。次世代の自動車産業を担う人材育成に貢献していくことは、当グループの経営ビジョンとも一致する取り組みだと考えています。

次は、「能代宇宙イベント」についてです。これは学生が自ら設計・製作したハイブリッドロケットやモデルロケットの打ち上げ実験を行う、日本最大規模の学生ロケット大会です。当社は今回、初めて協賛を行いました。

このイベントでは、モデルロケット教室などの宇宙教育の普及を目的としたプログラムも多数実施されており、宇宙開発を支える人材の育成を目的としたイベントとなっています。

当社においても、近年は航空宇宙分野の業績が順調に伸びており、さらなる成長が期待される分野の1つとして注力しています。こうした取り組みを通じて、次世代の人材育成を支援するとともに、航空宇宙分野における計測需要のさらなる拡大につなげていきます。

以上で、私からのご説明を終わります。今後も企業価値向上に向けて各施策を確実に実行していきますので、引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は、ご清聴いただきありがとうございました。

質疑応答:中期経営計画におけるROE目標の達成施策について

質問者:中期経営計画において、2027年12月期までのROE目標を8パーセントと掲げていると認識しています。今期の計画ではROEを6.1パーセントと見込まれており、今後2年間で2パーセント引き上げる必要があるかと思います。

配当性向が約50パーセントという状況を考慮すると、今後も自己資本は増加してい

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