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伊藤文隆氏(以下、伊藤):みなさま、本日はご多用のところご視聴いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長COOの伊藤です。これより、2025年6月期通期決算と今後の成長戦略を説明します。あらためて当社のビジネスについてお伝えし、当社の目指す姿をみなさまにご理解いただければと思います。
本日は3段階構成で進めます。まず私から、エグゼクティブサマリーとミッションやビジネスモデルを含むコーポレートハイライトを説明します。次に、執行役員コーポレート本部長の笹井より、2025年6月期通期業績ならびに2026年6月期通期業績予想を説明し、最後に私から中期経営計画について補足します。
25/6期 決算ハイライト
はじめに2025年6月期決算ハイライトです。当期の売上高は、好調なスキルシェアが牽引し、計画を達成しました。一方で、高収益であるコンサルファーム向け人材紹介の紹介数が減少した影響で、営業利益は減益となりました。
ただし、大手コンサルファームの需要が調整局面にある中でも、シェアは継続的に拡大しており、大手コンサルファームとのリレーションは強化されていると認識しています。
また、中期経営計画の達成に向けて、広告宣伝やDX/IT、人材などへの構造改革として30億円の戦略投資を実施することを公表しました。2026年6月期から2028年6月期を構造改革期と位置づけ、事業拡大に向けた戦略投資を先行させていきます。
株主還元については、DOE5パーセントを下限とする初配を予定しており、1株あたり35円を計画しています。
社会的背景|人的資本経営の実現に求められる仕組みとは
ここからは、当社ビジネスに関わる社会的背景やミッション、成長戦略について説明します。現在、少子化や労働人口減少を背景に、人材の価値を最大化し、企業成長の源泉とする人的資本経営の考えが浸透しつつあります。
その中で、複雑化する経営課題を解決可能な戦略実現人材が質・量ともに不足しており、人的資本経営の考えに基づいた、経営課題ごとに人材を最適配置・活用する仕組みが求められています。
課題解決と価値創造のパートナー
ここでお伝えした「戦略実現人材」とは、戦略の構想だけでなく、現場を動かし成果に導く力を持つプロフェッショナル人材を意味します。
企業が直面する、複雑かつ高度化する経営アジェンダ
近年は経営アジェンダが複数領域にまたがり、より高度かつ複雑化しています。組織横断的なアプローチが不可欠であり、それに伴って人的資本経営の重要性が一層高まっています。
AXISのビジネスモデル |戦略実現人材のデータベースを活用し経営アジェンダを解決
その複雑化する経営アジェンダに対し、当社は戦略実現人材を最適配置するための手段として、人材紹介とスキルシェアを展開しています。
業界トップクラスの約10万人に及ぶハイエンド人材のスキルデータベースを活用し、複雑化する経営アジェンダの解決を通じて企業の成長を後押ししていきます。多くの企業の持続的な成長を支援することこそが、当社の価値創造そのものです。
AXISの競争優位性
その中で当社の競争優位性は、業界トップクラスの「スキルデータベース」、経営アジェンダに応じた柔軟な人材配置、戦略実現人材との中長期的な連携の3点です。それぞれについて説明します。
競争優位性|❶業界トップクラスの「スキルデータベース」
まず、当社はハイエンド人材の登録者数が10万人にも上る業界トップクラスのデータベースを保有しています。トレンドに対応したスキルを持つ方が多く登録している属性や、コンサルティング市場を上回る登録者数の成長率、さらにBIG4のコンサルタントのうち4人に1人が利用しているという質の高さが、当社データベースの中長期的な競争優位性を担保します。
競争優位性|❷経営アジェンダに応じた柔軟な人材配置
次に、戦略実現人材を最適に配置するため、当社は複数のサービスを用意しています。人材紹介やフリーランス活用、スポットでのコンサル活用などを組み合わせた提案・支援が可能です。
競争優位性|❸戦略実現人材との中長期的な連携
最後は、戦略実現人材との中長期的な関係です。スライドの図は、戦略実現人材がキャリアを積み重ねるプロセスを表したものです。
初めは転職支援や副業支援などキャリアパートナーとしての関わりからスタートしますが、やがて管理職や経営層へと昇進することで、今度は発注者として当社に人材紹介やスキルシェアを依頼してくださるビジネスパートナーへと発展します。
このように、単発の人材紹介にとどまらず、戦略実現人材との中長期的な関係を軸にビジネスを展開できる点が、当社の大きな競争優位性の1つです。
財務ハイライト
こちらのスライドは、以上の競争優位性を踏まえた今後の成長イメージです。中期経営計画の期間は、2031年6月期に向けてスキルシェアと事業会社向け人材紹介の売上高を大きく伸ばし、飛躍するための構造改革期にあたります。
構造改革期(26/6期~28/6期)における投資計画
この構造改革期においては、3年間で合計30億円の追加投資を計画しています。内訳はスライドのとおりです。
特に広告宣伝費については、事業会社が競合他社に負けないために必要な認知度を獲得するべく積極的な投資を計画しており、有名タレントを起用したテレビCMの放映などを7月に開始しました。
ここからは、執行役員コーポレート本部長の笹井より、2025年6月期通期業績と2026年6月期通期業績予想について説明します。
全体|通期業績サマリー
笹井亮兵氏:執行役員コーポレート本部長の笹井です。2025年6月期通期業績について説明します。売上高は前期比13パーセント増の52億7,100万円、営業利益は前期比74.7パーセント減の2億1,000万円、当期純利益は前期比36.1パーセント減の3億2,100万円で着地しています。
全体|売上高・営業利益の四半期推移
減益要因となっていた大手コンサルファームによる若手中途採用の抑制は一巡し、業績は回復基調にあります。
全体|主要KPIの整理
当社の業績への理解をより深めるため、人材紹介とスキルシェアの売上高をそれぞれ分解し、単価と人数をKPIとして示しています。当社の成長を評価いただく際の参考情報として、投資判断の一助となれば幸いです。本日は時間の都合上、詳細なKPIについては説明を割愛します。
全体|販売費及び一般管理費四半期推移
販売費及び一般管理費の四半期推移です。中期経営計画の達成に向けて中途採用を強化したため、金額ベースでは増加していますが、販管費率はコントロールできています。
全体|従業員数四半期推移
従業員数の推移です。先ほどと同様に、中期経営計画達成に向けた成長を目的とした採用強化により、順調に増加しています。
全体|貸借対照表・キャッシュフロー計算書
貸借対照表・キャッシュフロー計算書です。当期から配当を開始しました。強固な財務基盤を保持し、積極的な投資との両立が可能となっています。
直近のトピックス
最近のトピックを紹介します。7月31日に公表したとおり、直近の取り組みとしてStartPass社への出資を行いました。お時間がある際にプレスリリースをご覧ください。
26/6期 通期計画
2026年6月期通期業績予想です。2026年6月期の売上高は、前期比31パーセント増の69億2,000万円と大幅な増収を見込んでいます。広告宣伝投資により営業増益幅は限られるものの、中期計画目標の達成に向けて確実な第一歩を踏み出していきます。
四半期業績の変動可能性に関する補足説明
四半期営業利益の推移です。当期は、広告宣伝費として追加投資予算5億円の大半を第1四半期に消化する計画です。このため、第1四半期の利益水準は低くなる可能性が高くなりますが、足元の業績回復基調とあわせて第2四半期以降は復調する見通しです。
株主還元方針
通期配当予想です。2025年6月期より配当を開始しました。DOE5パーセントを下限とする安定的かつ継続的な配当を目指しており、当期も35円の配当を計画しています。
最後に、IR活動についてもこれから積極的に取り組んでいきます。個人投資家の方々と直接対話する機会を増やすため、個人投資家向けセミナーへの登壇を予定しています。
機関投資家との1on1ミーティングはすでに実施していますが、引き続き伊藤と私を中心とする役員陣が直接経営方針を丁寧に説明し、投資家のみなさまとともに企業価値の拡大を目指したいと考えています。
中長期的価値向上に向けた事業構造の進化
伊藤:ここからは、5月14日に公表した次期3ヶ年数値目標の修正に関して補足説明します。事業会社向け人材紹介とスキルシェアを成長ドライバーとして大きく伸ばす中で、この2領域における売上高合算の構成比は、2025年6月期の60パーセントから2028年6月期に65パーセント、2031年6月には75パーセント以上まで拡大していきます。
また、中期的な収益性の大幅な向上を実現する過程において、投資家のみなさまからの信頼を着実に積み重ねながら、2028年6月期までに時価総額100億円の達成を必達目標として掲げています。
事業会社領域の拡充とコンサル市場での基盤強化
市場環境についてです。成長ドライバーとして拡大を図る事業会社の市場は、年収1,000万円以上の給与所得者で区切っても推計334万人おり、既存のコンサルファーム市場と比較して大きなポテンシャルがあります。
コンサルファーム向け市場も依然として年率10パーセントの成長が見込まれており、市場の成長と当社のシェア拡大によって持続的な事業規模の拡大を目指しています。
長期的な成長イメージ
最終的には、M&AやAI、リスキリング支援など新たな機能を取り入れ、人的資本をつなぐプラットフォームへの進化を目指します。2031年6月期の目標である売上高200億円は通過点に過ぎず、その先に待つさらなる挑戦への土台を構築していきます。
ここまで説明したとおり、当社は単なる人材紹介にとどまらず、企業の変革と実行に本質的に貢献するパートナーとして、戦略実現人材の最適配置という独自のポジションを確立してきました。
直近では、スキルシェアという新たな成長の柱が力強く伸長し、事業会社向けの市場開拓に向けた広告や人材投資も着実に成果を見せ始めています。営業利益の一時的な減少は将来の持続的成長への先行投資であり、むしろ企業としての成熟と変革を示す証だと私たちは確信しています。
中長期的には、売上高と時価総額をともに100億円とし、さらに2031年6月期には売上高200億円という明確なマイルストーンを掲げており、その実現に向けた具体的な戦略とリソース配分は、すでに走り始めています。
その先の未来として、M&AやDX領域への展開、人的資本のさらなる高度活用を通じた多角的価値提供の可能性も視野に入れています。私たちの使命は、人材を通じて企業の課題解決に貢献することにとどまらず、社会全体の構造変革に寄与することへ広がりを見せています。
この激動の時代において、人材市場と経営課題の間に存在するギャップを誰よりも深く理解し、誰よりも早く正確に価値のある一手を届けられる存在であるために、当社は今後も学び、変わり、挑戦し続けていきます。
今後ともぜひ当社の取り組みにご期待いただき、変わらぬご支援をよろしくお願いします。本日はありがとうございました。