logmi Finance
logmi Finance
INTLOOP株式会社9556

東証グロース

サービス業

ご挨拶(ロゴマークのリニューアルについて)

林博文氏(以下、林):みなさま、こんにちは。INTLOOP株式会社代表取締役の林です。よろしくお願いします。2025年7月期通期の決算についてご説明します。

まずは、ロゴマークのリニューアルについてお話しします。9月8日にプレスリリースを行いましたが、従来の英語表記の右側にカタカナを加えた新しいロゴマークに変更しました。

当社のブランディング部門が「会社の名前がさまざまな呼ばれ方をしている」とのご指摘を受け、カタカナ表記を追加することで、今後より認識していただきやすくなると判断した結果です。

エグゼクティブサマリー①

エグゼクティブサマリーです。1つ目に、通期業績についてです。売上高は連結で335億円、営業利益は約22億円となり、過去最高を更新しました。売上高は当初掲げていた計画を2.9ポイント下回りましたが、その代わりに営業利益は計画を上回る結果となりました。

以前からお伝えしているように、高収益案件の獲得を優先した結果、売上高が若干抑えられた部分もありますが、その分営業利益に反映され、ほぼ計画どおりの結果になったと考えています。最終的な売上総利益は、前期比で2.8ポイント改善しました。

この結果は、第3四半期に実施した営業組織の変革が奏功し、主要顧客である伊藤忠商事グループや大手SIer(システムインテグレーター)別に組織を編成して注力したことで、セールスが伸びたことが要因の一つです。

連結子会社のディクスグループも、通期業績に大きく貢献しています。また、「INTLOOP “VISION2030”」については計画どおり進捗しています。後ほど詳しくご説明します。

エグゼクティブサマリー②

2つ目に、人的資本の拡充についてです。ハイレイヤー人材の確保が引き続き成功しており、INTLOOP Strategy株式会社のマネージングディレクターやディレクター職のコンサルタントも順調に採用できています。また、組織内部の営業・マーケティングやバックオフィスの幹部クラス人材についても少しずつ獲得できています。

4月に入社した新卒社員については、一部がすでに稼働しているものの、下期以降の本格的な稼働に向けて、現在もOJTを続けている段階です。

3つ目に、M&Aについてです。7月にプレスリリースで発表したとおり、ベトナムのダナンにオフショア開発拠点を持つKOZOCOM(コゾウコム)株式会社の株式を取得しました。

これは、当社がグローバルでの業務に取り組む第一歩としての位置付けであり、ベトナムを拠点にアジアを中心としたグローバル展開を進めていくことを想定しています。

エグゼクティブサマリー③

4つ目に、グループ経営・ガバナンスの強化についてです。7月にPMO事業本部を、INTLOOP Project Management株式会社(INTPM)というかたちで独立させました。

これにより、事業部の責任と権限を明確化するとともに、プロジェクトマネジメントの専門家としてのブランディングを進めるべく、新たに1つの会社としてスタートしました。

今後、INTLOOP Strategyを含めたINTLOOPグループ各社やディクスグループ、KOZOCOMでグループ経営を強化し、中期経営計画の達成に向けて事業推進を加速していきます。

その一環として、ディクスホールディングス株式会社の代表取締役社長兼CEOである戸邊氏を、10月の株主総会で当社取締役候補者として上程する予定です。

現時点でもINTLOOP本体のアプリケーション部分について戸邊氏の知見をいただいていますが、選任後も引き続き、KOZOCOMを含めたアプリケーションおよびインフラ領域の事業開発を管掌していただく予定です。

エグゼクティブサマリー④

5つ目に、資本政策についてです。9月1日付で、1株につき2株の割合で株式分割を実施しました。

このタイミングについては「突然の実施だった」といったご意見もありましたが、以前から各証券会社より「当社株式が一部、NISA(少額投資非課税制度)に組み込まれ始めている」というご意見をいただいていたこと、また、投資単位が100万円近くに達していたことを踏まえ、流動性向上と投資単位の引き下げによる投資家層の拡大を目的として、今回の分割を決定しました。

6つ目に、2026年7月期の見通しについてです。中期経営計画のとおり、売上高438億円、営業利益31億円を見込んでいます。高収益案件の獲得を優先し、売上総利益率の向上および営業利益の計画達成を目指しています。

業績ハイライト①(連結・累計)

業績ハイライトです。売上高は前期比23.9パーセント増の335億円、営業利益は21億8,000万円、当期純利益は13億6,000万円となりました。売上高はわずかに計画を下回りましたが、営業利益は計画を上回っており、概ね計画を達成したと考えています。

業績ハイライト②(連結・累計)

営業利益は、当初の計画を上回る結果となっています。主な要因として挙げられるのは売上総利益の拡大です。

売上総利益率は、前期比で2.8ポイント上昇しました。その結果、営業利益の一部が採用などで使用された部分もありますが、それを含めても営業利益率は0.9ポイント改善しています。

中期経営計画では、将来的に営業利益を引き上げる計画となっていますが、現在のところ予定どおりに中期経営計画の達成に向けて進んでいると考えています。

業績ハイライト③(連結・Q4)

このスライドは、連結の第4四半期に焦点を当てたものです。売上総利益率は第3四半期に比べて0.8ポイント改善しています。四半期ベースで見ても、一定の改善が見られるのではないかと考えます。

営業利益率に関しては、第3四半期と比べて2.6ポイント上昇しています。営業利益率は四半期ごとの比較では多少のぶれがあるため、「2.6ポイント上昇した」と胸を張って言える数字ではないものの、7パーセント程度の営業利益率を達成できる体質に変わりつつあると考えています。

業績ハイライト④(単体・Q4)

単体のハイライトについてです。こちらも流れとしては同様で、前四半期や前年同期と比較して、いずれも営業利益を伸ばしています。

INTLOOP “VISION2030”の進捗①

中期経営計画の進捗状況についてお話しします。スライドは、中期経営計画における目標値を示しています。

2030年度に向けて、売上高1,000億円、営業利益150億円を目標としています。現在、売上高は目標の3分の1を超えていますが、営業利益はまだ目標の約7分の1と遠い状況です。

スライド左側に記載のとおり、2025年度の売上高は10億円ほど目標に届いていなかったものの、営業利益は絶対額としてもプラスで推移しています。また、営業利益率についても6.5パーセントと、かなり上昇している状況です。

今期の売上高10億円の不足分を取り戻し、中期経営計画における2026年度の売上高の目標の438億円を死守していきたいと考えています。

INTLOOP “VISION2030”の進捗②

中期経営計画の進捗状況です。大きく5つのカテゴリーに分けられます。

1つ目は、フリーランス事業の強化およびコンサル領域拡充です。これはほぼ売上に直結する施策であり、売上高や利益を見ればわかるとおり、中計目標に対する進捗率は25パーセントと、計画どおり推移しています。

2つ目は、ソリューションポートフォリオ拡充です。これは、当社がコンサルティングだけで提供しているビジネスに、AIを含めたソリューションを組み合わせたかたちでコンサルティングビジネスを展開するという施策です。

現在、進めてはいるものの、収益化があまり進んでいない状況もあり、進捗率は20パーセントとしています。

3つ目は、オープンイノベーションによる新事業創出です。アクセラレータープログラム「INTLOOP Ventures Accelerator」や「INTLOOP Ventures Innovation Community」の活動を継続的に実施しており、かなりのネットワーク体制が構築できてきたという実感を持っています。

今後は10月頃に「INTLOOP Ventures Accelerator」を通じて協業する会社を最終選定する予定です。本格的に2つ目のソリューションポートフォリオ拡充にも貢献し、2つ目の施策も加速していくことを想定しています。

4つ目は、JV共創およびファンド投資事業強化です。旭食品株式会社と共同で設立した、食共創パートナーズ株式会社というバイアウト・ベンチャーファンドについては、進捗がやや遅れている状況です。

ただし、今期中には1社から2社を買収できる体制が整いつつあります。そのため、第2四半期頃には、どの会社を買収したかご報告できると考えています。

5つ目は、筋肉質なグループ経営基盤構築についてです。当社では、これまで1人のハイレイヤー人材が中心となって取り組んできましたが、その下に人材を配置することが進みつつあります。

これにより、来期や再来期の営業利益の向上を目指し、会社全体の体制を効率化する取り組みを進めています。さらに、自社でのAIの活用も含め、経営基盤の整備を進めている最中です。

INTLOOP “VISION2030”の進捗③(直近5年間の売上高・営業利益及び株価推移)

スライドは、当社が上場してからの売上高と営業利益の推移を示しています。上場後3期目の決算が今回終了しましたが、この期間で売上高は年平均36.8パーセント、営業利益は年平均40.2パーセントの成長を遂げています。

しかしながら、株価は、PERベースで20倍から30倍程度となっており、これまでの当社の実力を十分にご評価いただけていないのではないかと私自身は感じています。このため、あらためてこれらのデータを掲載しました。

この点に関しては、前回もお伝えしたとおり、今までの実績を基にご評価いただけるとありがたいと思っています。

1 ハイレイヤー人材の採用進捗

事業の進捗についてです。ハイレイヤー人材の採用も順調に進んでいます。

INTLOOP本体では、第4四半期に3名を採用し、INTLOOP Strategyでも3名を採用しました。今期に入ってからは第1四半期、第2四半期でかなりの人数が決まっており、おおむね順調に進んでいます。

2 TOPICS①-1 KOZOCOMの株式取得

KOZOCOMについてです。ベトナムのダナンに拠点を置く企業で、7月に株式の100パーセントを取得しました。

KOZOCOM単体でも、すべてのエンジニアがすでに顧客向けにサービスを提供しており、利益率は10パーセントを超える非常に優秀な会社です。しかしながら、単にオフショアで顧客向けにサービスを提供するだけではなく、当社やディクス社内のシステムも一部KOZOCOMにオフショアすることで、当社の利益率にも貢献してもらう方針です。

また、KOZOCOMの平松社長が「月に約10名の人材を採用できる」と述べており、人材採用も順調です。そのため、我々の外向けの仕事や社内向けの仕事のどちらにも対応できますので、今後さらにKOZOCOMを有効活用していく方針です。

2 TOPICS①-2 KOZOCOMの株式取得

平松社長には今後、今回の参画をきっかけに、KOZOCOM以外の海外展開についてもご協力いただきたいと考えています。

また、海外経験も豊富な方ですので、その経験を当社の中に取り入れ、共にグローバル展開を進めていきたいと思っています。

3 M&A/事業投資の方針

今後のM&A方針についてです。当社は、2030年度に売上高1,000億円を達成する方針を掲げており、その早期実現に向けて顧客基盤の拡大を図る考えです。

M&Aの目的は、スライドに記載のとおり、顧客数の拡大、エンジニアの増員、オペレーションの効率化、先端テクノロジーの活用、グローバル市場の拡大です。売上や利益を確実に生み出す領域にフォーカスして、今後もM&Aを進めていくつもりです。

また、M&Aチームについては、これまで十分な体制を構築できていませんでしたが、徐々に基盤が強化されてきています。今後はそのチームを基盤に、M&Aの件数を増やしていくことを想定しています。

4 TOPICS② INTLOOP Project Management株式会社の設立

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の会社を設立した経緯についてお話しします。当社の田口がPMO専業会社に在籍していた経験もあり、もともと将来的にこの分野を切り出すことを考えていました。さらに、当社で最もニーズが高い領域がプロジェクトマネジメントであり、人材採用においてもこの子会社化は非常にプラスになるというのが、採用部門の見解でした。

これらを踏まえ、PMOの会社だけで200名を超える人数がいることもあり、意思決定の迅速化を図るために、経営経験もある田口を社長に任命しました。

2026年7月期 通期業績予想

通期の業績予想についてです。当社は、中期経営計画を変更せず、売上高438億円、売上総利益117億円、営業利益31億円を予想しています。

売上高に関しては、パイが大きくなっていることもあり、30パーセント基調に戻すことが、現時点で当社として無理をせず会社を成長させるギリギリのラインだと考えています。そのため、売上高を維持しつつ、営業利益を伸ばしていく方針です。

この取り組みには、投資と売上の拡大を図る際に、ブレーキとアクセルをうまく組み合わせる必要があります。また、営業利益率を確保するため、投資の使いどころと抑制する部分をうまくコントロールしながら、この目標金額の達成を目指していきます。

INTLOOP “VISION2030”の進捗①(再掲)

また、先ほどのM&Aの話に戻りますが、当社は2030年に向けて、スライドに記載の計画を達成することを目指しています。ただし、2030年を待たずにいかに売上高と営業利益を達成するかについても、かなり検討を重ねているところです。

ただし、単体であまり成長を急ぎすぎると、歪みが生じる可能性があります。そのため、現時点でかなりの件数のM&A候補を絞り込み、これらのM&Aを組み合わせながら、1年でも2年でも早く売上高や営業利益だけでも達成する可能性を視野に入れています。早期にこの数字を達成することを目指し、当社の各チームが現在活動しています。

私からのご説明は以上となります。ありがとうございました。

質疑応答:売上総利益率が改善した背景について

司会者:「売上総利益率が改善している背景をもう少し具体的に教えてください。また、営業利益率で会社計画を下回った背景についても、具体的に教えてください」というご質問です。

ここから先は会員登録(無料)
お読みいただけます

本サービスにおける利用規約プライバシーポリシーに同意します

会員登録がお済みの方はログインしてください

facebookxhatenaBookmark