目次~Agenda~
村田実氏(以下、村田):本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。代表取締役の村田です。2025年3月期期末決算説明会を始めます。
当社サイトのIRページに決算短信および説明資料がアップされています。本日は説明用に短縮版にてご説明します。アジェンダはスライドのとおりです。
会社概要
当社について初めてお聞きする方もいると思いますので、簡単に事業/サービス概要をご説明します。
当社は2001年に設立し、カスタマーセンターやコールセンター向けのシステム開発・販売を行っています。2024年9月13日から、現経営体制にて当社の経営再建を行い、約8ヶ月経過しています。
2021年3月25日の上場以来、4期連続赤字となっており、2026年3月期以降での継続的な黒字に向けて、収益化と企業価値向上を並行して進めています。
当社の事業内容
当社は現在、ステークホルダーDXプラットフォーム事業の単一セグメントで事業を展開しています。
提供サービスとしては、直近ではステークホルダーDXプラットフォームの「Discoveriez」、生成AI活用支援プラットフォーム「Discoveriez AI」をリリースし、注力しています。
また、顧客共創型プロジェクトの「SRM Design Lab」に注力することで、クライアント課題解決のファーストコールエージェンシーを目指し、売上比率が拡大しています。以後、こちらは「SRM」と表現します。
また、昨今社会問題となっているカスタマーハラスメント等にも対応できる顧客情報与信管理サービス「Discoveriez Credit Database(仮)」にも取り組んでいます。
主たる事業テーマとしては、これまで採算が取れていなかったサービスを中心にサービス終了やプライスアップし、アップデートさせることで、クライアントの課題解決の領域を増やす取り組みを行っています。
市場環境・チャンス
市場環境についてです。カスタマーセンター市場からコンタクトセンター関連市場を中長期的なターゲットとし市場拡大し、AIや国内クラウド基盤市場に関してもアプローチを行っています。
当社の事業内容(課題解決手法のラインナップ)
課題解決の手法は、ベースとなる「Discoveriez」関連のパッケージ機能に、「SRM Design Lab」としてクライアントの課題解決に必要な機能や手法をプラグインとして取り込むような仕組みである、プラグイン型のアーキテクチャを採用しています。
あらかじめ保持しているシステムとしての機能や課題解決のナレッジを組み込むため、実装までの期間とコストを抑えてご提供することが可能です。また、トレンドなど外部的な環境変化の対応のために、システムのアップデートや機能改修も随時実行し、利便性向上に努めています。
当社の事業内容(対応領域について)
当社の事業対応領域は、システムインテグレートの概念でいうと、川上の戦略企画から川下の運用、実行、改善までとしています。
プロダクト/ サービス概要(「Discoveriez」について)
ステークホルダーDXプラットフォーム「Discoveriez」についてです。企業内のステークホルダーとの情報連携・情報一元化、検索・分析に優れたクラウドサービスで、各組織での業務効率化、情報利活用を促進します。
Discoveriezの活用効果
「Discoveriez」の活用効果に関してです。コンセプトとしては、社内外で発生する情報の分断を「つなぐ、まとめる、活用する」です。企業内外で発生する情報の一元化からステークホルダーへの情報共有・利活用を促進し、業務効率化をはじめとする顧客体験の改善、売上アップ、収益化促進を支援しています。
業界、業種ごとのDiscoveriez導入実績
導入業種は、食品や消費財メーカーを中心に、外食、小売のクライアントのDX期待の増加による導入、BPOコールセンターのクラウド移行などが直近のトピックスです。
導入実績
「Discoveriez」の導入実績です。みなさまもご存知のような、各業種・業界のリーディングカンパニーを支援しています。これまで収益化できていない案件もありましたが、クライアントへの対応方針の変更を明確化し、さらなる課題解決に向けて提案機会が増加しています。
「SRM Design Lab」のパートナー
スライドのようなパートナーと連携しながら、クライアントの課題解決を実行しています。
プレジィール様と協同で「Discoveriez」を導入
「Discoveriez」の導入事例です。プレジィールさまは「GRAMERCY NEWYORK(グラマシーニューヨーク)」「FOUNDRY(ファウンドリー)」「AUDREY(オードリー)」「Tartine(タルティン)」などを展開しているお菓子メーカーで、生成AI活用も含めて、顧客の声を経営に活かすプログラムとして支援しています。
Discoveriez AI活用付加価値事例
「Discoveriez AI」は、メーカー等でも業務効率化の利活用が進んでいますが、小売業のクライアントを中心に「Discoveriez」内のデータを生成AIを活用し、カスタマーサクセスだけでなく、経営やセールス&マーケティングへの活用を促進中です。
業務効率化に加え、クライアント収益に貢献する支援を強化しています。
セールス向けLINE WORKSアプリとDiscoveriezのデータ連携の実現事例
コールセンター内の支援にとどまらず、営業やラウンダーのような外勤の方が活用しているアプリなどと連携し、煩わしいやり取りをそれぞれの利用者が違和感なく使えるように、マーケットがますます拡大しています。
株式会社ワールド様 「お客様の声を中心とした事業活動支援のシステム構築」をご提供
ワールドさまでは、上流から運用支援までをトータルで、エグゼキューションからサポートまで支援しています。店舗やEC等でバラバラに管理されていたステークホルダーの声の入口やツールを統合し、「Discoveriez」へ集約しています。
販売チャネルに関係なくステークホルダーの声を、ダッシュボードへ反映しています。リアルタイムかつ最適な粒度での情報が、経営の中核となるデータとして活用いただいている事例です。
ビジネスモデル(Discoveriez)~競合環境~
「Discoveriez」における競合環境としては、前述のとおり、プラグイン型のアーキテクチャを採用しており、ユニークな存在であると自負しています。
外資系のプラットフォーマーと比べ認知度がまだ低い状態ですが、業界のリーディングカンパニーの事例をもとに、「Discoveriez」を導入いただく企業はまだ増やせると思います。AI利活用も含めて、より大きなマーケットチャンスがあると考えています。
2025年3月期 通期 エグゼクティブサマリー
2025年3月期の通期業績ハイライトを中心とした、エグゼクティブサマリーです。2025年通期業績は、売上高が前年比13.2パーセント増の6億9,160万円、四半期比3.1パーセント増の2億2,180万円と、前年、四半期ともに増収しました。
売上総利益は、前年比1.4パーセント増の285万円の改善と、増益にて着地しています。
四半期比の営業利益は、約1,600万円の株主優待関連費用を除くと29.4パーセント、約1,010万円の改善にて着地しており、継続的な黒字化に向けた改革が実現されてきていると感じています。
クラウド月次累計売上成長率は12.6パーセントと引き続き成長し、クラウド売上比率は63.6パーセントと、ストック型への重点移行が継続して進んでいます。
成長事業として位置づけている「SRM」案件は、前年比28.6パーセント増の成長率となっており、「Discoveriez」以外の収益柱として売上高を牽引し、成果として出てきています。進行期である2026年3月期も継続していく予定です。
解約率は0.36パーセントにて通期着地し、引き続き「Discoveriez」事業における高い顧客満足度を実現しています。
その他のトピックスです。創業者による一連の騒動に起因し、継続企業の前提に関する注記、いわゆるGC注記が付された影響で、受注支援していた「Discoveriez」案件が、三菱食品さま、石井食品さまの2案件にて新規納品が第4四半期にて完了しました。新規移行案件を2件受注しており、進行期以降の受注納品案件についても好調に推移する予定です。こちらは後ほどご説明します。
また、3月28日に2026年3月期以降の中期経営計画を開示し、継続的な黒字化を実現し、GC注記早期解消に向けた計画を発表しました。今後は、中期経営計画にのっとり事業を進め、早期の収益化と高い成長を実現していきます。
株主還元施策に関しては、株主優待制度を導入し、導入目的である株主数の増加が達成できました。2026年3月期以降の株主優待の内容や拡充方針については、当社の企業価値、利益水準等を総合的に勘案しながら原則、継続的な株主還元を適切に行う予定です。
2025年3月期 Q4業績サマリー(前年比)
通期業績サマリーについてです。こちらでは前年比での各段階利益をご説明します。全体的な売上高は、ストック売上および「SRM」案件の貢献により、前年比プラス13.2パーセントの進捗にて、予想対比上方修正で着地しました。これは2四半期連続の前年超えの達成となります。
クライアントの課題解決プログラム「SRM Design Lab」が売上高を牽引し、成長ドライバーとなっています。進行期の受注についても続々と決定・拡大中です。第2四半期までの一連の騒動等の影響による「Discoveriez」案件の受注不振の影響を補うため、「SRM」案件の積極的な獲得により売上原価がプラスになっていますが、「Discoveriez」の品質改善等によりコスト削減は継続進行中です。
黒字化に向けて、堅調に売上原価等も推移する予定です。販管費も前年比で見ると増加していますが、主な要因としては、一部特別損失に含まれない臨時株主総会関連の費用や、新経営陣として早急に再建するための外部人材の登用などによる外注費増、株主優待関連費用です。
また、第2四半期で発生している増資に伴う株式交付費、新株予約権発行費を営業外費用として計上しており、臨時株主総会関連損失を特別損失として計上しています。赤字幅拡大のように見えていますが今期特有の現象であり、今後継続する予定はありません。
2025年3月期 Q4業績サマリー(四半期比)
四半期比での各段階利益の項目についてです。全体的に売上高は「Discoveriez」新規案件の納品が再開され、「SRM」案件の貢献により、四半期比で3.1パーセント伸長して着地しています。
売上総利益は、「SRM」案件の仕入原価増が影響し、四半期比でマイナス0.6パーセントと、第3四半期とほぼ同様の数値で着地しています。
営業利益に関しては、株主優待関連費用を除くと29.4パーセント、1,010万円の改善にて大幅に改善しています。
「Discoveriez AI」や新規事業への投資と並行しながら、定常的な販管費の効率化を来期以降の黒字化に向けた兆しが見え始めている状態です。
その他としては、先ほど株主還元施策をご説明しましたが、対象単元株主が約3倍増加するなど、多くの株主さまに当社の株式を保有いただく機会と導入目的が実現できました。今後も原則、継続予定です。
2025年3月期 通期 営業利益の変動要因(当初業績予想からみた)
当初の業績予想から見た、営業利益の変動要因についてご説明します。2025年3月期の営業利益の予想として、マイナス1億円から1,000万円にて予想していましたが、当社創業者による一連の騒動による混乱を起因としてGC注記が付され、体制不安、与信リスク低下等の影響が起こり、「Discoveriez」案件の受注遅延等が発生しました。
12月頃からは解消されてきましたが、いまだなお、与信不安に関してはさまざまなかたちで当社に届いており、一刻も早い負の遺産を解消し収益化が急務です。
その間も「Discoveriez」事業は固定費がかかっていますが、固定費を「Discoveriez」単体で補うことができなかったため「SRM」案件として対応すべく、売上高を上げていく過程での、仕入原価の増加が、業績予想に対して大きくマイナスに進んだことの要因です。
その他の支払報酬や業務委託費、株主優待関連費用は、当初の予想よりも膨れたことは事実ですが、結果として必要な費用であったと考えています。
2026年3月期進行期については、その時々で不必要な経費はとことん削る、全員が稼げる人材に体制変換していく、不採算案件を引き続き解消していく、特に重度の高い不採算案件は、3月で解消が完了しているものもあり、進行期から良い影響が出る予定です。「Discoveriez」案件の受注回復、収益化の実現により、削減固定費と合わせて営業利益が黒字転換する見通しです。
2025年3月期 通期業績(数字指標ハイライト)
2025年3月期の通期業績詳細です。売上高等の数値のご説明は、前述のとおりです。ストック売上比率76.2パーセント、ストック売上4億800万円と、収益安定化に向けて継続成長しています。
クラウド累計MRRは、前年比プラス12.6パーセントと継続して成長し、新規獲得済案件により、月次ライセンスが来期以降も計画どおり積み上がる予定です。フロー型からストック型への移行は、当社の状況を踏まえても順調に継続して移行しています。過去12ヶ月平均の月次解約率は0.36パーセントと、KPI比でも低水準を維持しています。
値上げやクラウド移行に伴い、一定の解約が発生することは織り込み済みです。新経営体制に移行し、プロダクト品質をより安定化、改善活動を実施し生成AI活用、提供を含め、収益拡大および高い顧客満足度の維持、継続を実行しています。
2025年3月期Q4 黒字化に向けたマーケット開拓・コストマネジメント(事業効率化/改善)進捗サマリー
黒字化に向けたマーケット開拓・コストマネジメント施策の進捗についてです。マーケット開拓としては、「Discoveriez」「Discoveriez AI」「SRM」ともに、黒字化につながるマーケット開拓を実行しています。
「Discoveriez」は、収益化に向けた取り組みの加速を本格化および受注回帰してきており、得意な製造業、卸業、小売業におけるエンタープライズ企業の新規案件が2件あります。
「Discoveriez」へのリプレイス案件を1件受注しました。今後も経営としてさまざまな懸念を払拭し、提案機会と受注案件を増やす予定です。
既存クライアントの深耕は、既存クライアントを中心とした値上げ策による収益改善が進行中です。進行期の収益インパクトとしても、創出される予定です。パートナーとの連携においても経営体制も確定後、案件相談、引き合いが増加しており、パートナーとの連携も力を入れ直しています。「Discoveriez AI」は、「Discoveriez」のオプションとして正式ローンチし、納品が進んでいます。新規提案においても、AIに関してはマストの提案事項となっており、引き続き注力領域とです。
また、当社で従前より提供していた音声認識ツール「BizVoice」は、2025年1月より「Discoveriez AI」へバージョンアップの位置づけとなっており、移行提案も加速しています。従前からご利用いただいていたクライアントにも今まで以上の付加価値提供を行い、顧客満足度の向上だけでなく、新たなマーケット開拓も進めています。
「SRM」に関しては、「Discoveriez」だけでは解決できないクライアント課題にアプローチすることで、よりクライアントへの付加価値提供を目指しており、2023年4月より始まったプログラムです。
当社の領域に密接する顧客接点チャンネル、カスタマーセンターのあるべき姿の模索、システム化前の業務フロー整理やベンダー選定代行依頼などに加え、ハードウェア事業の引き合いも増加しており、新たな収益源として引き続き順調に成長しています。
コストマネジメント施策は、結果として販管費は前年より増加していますが、固定費の重点項目は、削減効果が継続しています。
人件費について、2026年3月期以降の収益化に向けた組織変更、配置転換を目下行っており、無駄なく行動に移せる組織への移行を進めています。
業務委託費、外注費、通信費は、業務委託費の精査は進んでいるものの、売上貢献と投資とのリソース配分について第4四半期も投資を優先しています。サーバーコスト増加に伴う改善施策により、第4四半期は月平均60万円から70万円ほど減少し、大きく改善しています。
その他に関しては、収益化のための値上げ施策を継続しており、2025年4月から改善が進んでいます。これは進行期にヒットするような活動です。
また、「Discoveriez」へのクラウド移行が加速され受注スピードがアップしており、進行期以降にかけて1億円以上の収益増を見込む予定です。
2025年3月期Q4 受注/導入案件サマリー
第4四半期での受注導入案件は、スライドのとおりです。石井食品さま、三菱食品さま、DMMさまをはじめ、新たにご利用いただいています。また、ロイヤルカスタマーからの利用範囲拡大やライセンス拡大、その後のカスタマーサクセスも含めて多くの支援をさせていただきました。
受注や導入においてこのような多くの支援の実績を積み上げることや、各案件の原価管理を徹底していくことで、「Discoveriez」事業の収益化を早期に実現します。「SRM」に関しても支援の範囲が拡大してきており、ハードウェア事業関連のご依頼も含めて売上高を牽引しています。
4Qトピックス(適示開示/PR情報)
前述のプレジィールさまの導入のほか、「マーケティング・テクノロジーフェア」への登壇など、広報活動の引き合いも増えてきています。
4Qトピックス(適示開示/PR情報)
「SRM」におけるパートナー連携については、メッセージプラットフォーム「Synergy!」を展開されるシナジーマーケティングさま、AIボイスボット「commubo」を展開されるソフトフロントジャパンさまなどとの連携が進んでいます。
4Qトピックス(適示開示/PR情報)
シンガポールのフィンテックの第一人者と呼ばれているChia Hock Lai氏率いるONFETさまや、シンガポールの上場企業であるOIOさまと、ブロックチェーンを活用した顧客情報与信管理サービス「Discoveriez Credit Database(仮)」のリリースに向けて、業務提携に関する基本合意を締結しました。
冒頭にご説明しましたが、カスタマーハラスメント等の社会課題の解決に加え、今後予想される与信スコアリング社会に備えるべく、ブロックチェーンとデータベースを接続し、セキュアな情報管理プラットフォームの提供を予定しています。
また、当社内での生成AI活用促進も含めてAIカンパニーになるべく、生成AI活用普及協会に加入しています。
新中期経営計画 (FY2026~FY2028) 基本方針
中期経営方針についてご説明します。3月28日付で、2026年3月期から2028年3月期までの3ヵ年の中期経営計画を発表しました。上場維持基準の引き上げや市場区分変更等についても迅速に対応できるよう、方針を策定しました。
経営基本方針は、「ステークホルダーから信頼される、『新生・ジーネクスト』へ」です。
上期に発生した当社創業者による一連の騒動で、ステークホルダーのみなさまへ多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことに対して、経営を再建し企業価値の向上に努めることでの信頼回復が第一優先と考えています。
目指すべき姿としては、目標数値の達成、既存事業の再建により経営再建を実行すること、事業ポートフォリオの多角化を推進、安定的かつ変動性の少ない収益基盤の構築としており、早期に黒字転換します。
「累積赤字が十数億超あり、3年後の中期経営計画の営利も1億円に満ちません。現状の売上の3倍以上になったとしても、営利1億円に届かないため収益性が低すぎます」のような熱いコメントもいただいており、経営陣として真摯に受け止めています。
着実な経営再建の実現が信頼回復への第一歩と考えており、みなさまの期待を上回る成長を常に意識しながら実行していきます。事業ポートフォリオの多角化推進に関しては、5月13日付にて株式会社モデルケースからの事業譲受を開示しています。
株主還元方針は、経営の安定化により「株主優待の開始・継続」「配当方針の設定」を早期に実現することを方針としています。
新中期経営計画 (FY2026~FY2028) 事業方針について
事業方針としては、主に「Discoveriez」関連のソフトウェア事業、「SRM」を中心としたソリューション事業、ハードウェアの調達やAIデータセンターの導入支援を行うハードウェア事業の3軸で、事業を展開していきます。
当社の事業内容(今後の拡張方針について)
当社事業の今後の拡張方針についてです。注力領域および強化領域を定めた上で、既存事業の「Discoveriez」、成長事業の「SRM」、新規事業の事業開発M&Aの各事業間での連携を重視し、当社の優良クライアント基盤を活かしたマーケットインでの課題解決集団となることで、収益力の強化を考えています。
新中期経営計画 (FY26~FY28) 業績目標
業績目標としては、進行期である2026年3月期の黒字化を皮切りに、2028年3月期には売上高25億円、営業利益9,000万円の達成を目指しています。収益性に関して低いとご指摘いただいていますが、あくまで最低限の数字だと捉えており、ご期待を上回る業績を出せるような事業運営をしていきます。
新中期経営計画 (FY2026~FY2028) サマリー
2030年以降、時価総額100億円以上継続する企業成長を目指し、中期経営計画を策定しています。基本方針・戦略を売上高、営業利益の目標実現に向け、現在赤字要因である「Discoveriez」事業を再建し黒字化します。
またAI・生成AIの全社徹底活用による売上拡大や売総率アップ、人的作業削減や固定費圧縮による収益化の貢献を行い、与信リスク・GC注記記載の解消、事業別の原価管理の徹底、営業利益の創出といった財務基盤の建て直しをしていきます。
さらに、新規事業投資による新収益拡大や、営業とエンジニアを中心とした採用、業務提携強化を行います。
既存事業は収益安定化に貢献する事業として位置づけ、成長事業は売上トップラインに貢献する事業として新たに位置づけます。そして、新規事業は非連続な成長に挑戦・投資する事業として位置づけており、各事業運営を行い業績目標の早期達成を目指します。
新中期経営計画 (FY2026~FY2028) 進行状況(新規事業/M&Aについて)
新規事業に対する中期経営計画の進行状況として、国内外の外国人モニター活用サービス「Japan Spark」を運営する、株式会社モデルケースとの事業譲渡契約を2025年5月13日に締結しました。両者のサービス連携による、顧客企業へのさらなる付加価値提案や新規クライアント獲得を目指します。
スライドに記載のとおり、インバウンドVoCソリューションをはじめとしたメニュー化を行い、6月1日の譲渡後に本格的に稼働し、継続的な黒字化に貢献しうる成長ドライバーとして、事業展開を行っていきます。
新中期経営計画 (FY26~FY28) 各事業の目標数値および施策について
新中期経営計画達成のための各期の事業別収益目標、および施策はスライドのとおりです。短期、中長期、事業投資、M&Aのようなかたちで色分けをしており、これに沿って事業運営を行っていく予定です。
新中期経営計画 (FY2026~FY2028 3カ年計画) 目標数値サマリー(重要な経営指標)
KPIとしては、これまでの開示に加え、月額顧客平均単価を追加しています。売上高成長率はプラス40パーセントから50パーセントへ、解約率は1パーセントから0.8パーセントへ変更しています。
ストック売上比率に関しては、売上高の急速な拡大と事業ポートフォリオの多角化推進により、数値を40パーセント以上としています。引き続き、ストック売上の積み重ねによるボラティリティの低い経営を目指します。
新中期経営計画売上高拡大イメージ
売上高の拡大イメージとしては、前中期経営VISIONを大幅かつ大胆に見直し、着実な収益化とポートフォリオ拡大による企業成長・価値向上を目指すよう変更しました。
新中期経営計画達成に向けた施策についてご説明します。ストック売上に関しては、既存事業を中心としたプロダクトレベニューの獲得、成長事業でのサービスレベニューの獲得を目指します。
フロー売上に関しては、成長事業におけるソリューション、ハードウェア領域でのトップラインの獲得を目指します。
収益創出・改善のテーマとしては、既存事業の収益化、新規事業による収益貢献、コスト改善、財務基盤の立て直しを予定しています。
全体としては、経営再建による黒字化を優先しつつ、新収益の柱を期間内にて実現します。
中期経営方針策定におけるマーケットポジション想定
今後のマーケットポジションの想定としては、CRMシステム会社から実業も組み合わせた「課題解決集団」へと変貌を遂げ、領域とともに事業を拡張していくことで、事業収益化を経営の中心とした多角的な事業ポートフォリオとビジネスを形成し、企業価値向上などを図ります。
今後の事業展開構想について
今後の事業展開についてです。「Discoveriez AI」だけではなく、AIデータセンターやソリューションをはじめとする関連サービスを準備中です。ソフトウェア、ソリューション、ハードウェアの3軸を中心に展開していきます。
今後の事業展開構想について
中でも、「SRM Design Lab」での課題解決手段を拡張していきます。データ、テクノロジー、実業でのアプローチで社会課題の解決に貢献し、ステークホルダーDXを実践する課題解決集団となることを目指します。
中長期での成長方針~「ステークホルダーDXプラットフォーム/マーケットプレイス」構想~
「Discoveriez」事業の収益化を基礎に、クライアントの課題解決プログラムやデータ利活用を促進する「SRM Design Lab 1.0」、Edge computing・IoTから派生した生成AI、BI、統計学を用いたデータ解析・分析を提供してクライアントの事業に貢献する「SRM Design Lab 2.0」、AIやブロックチェーンをはじめとする先端テクノロジーの活用により、社会課題の解決に貢献する「SRM Design Lab 3.0」等へ進化させていきます。
また、AIデータセンター事業の早期開始による当社内でのデータ管理、利活用ができることでの掛け算により、テクノロジーと実業を組み合わせた課題解決集団として、国内外をターゲットとし、非連続な成長を図ります。
2026年3月期 事業方針 経営再建に向けた直近の活動サマリ
2026年3月期の事業方針と業績見通しです。経営再建に向けた直近の活動のサマリーとしては、ソフトウェア事業に関しては現状、赤字の要因となっている祖業「Discoveriez」事業の収益化と、「Discoveriez AI」のマーケット開拓を中心に行っています。
ソリューション事業に関しては、「SRM Design Lab」による既存顧客基盤からの周辺領域予算の獲得や、新規クライアント基盤開拓を実行しています。ハードウェア・ソリューションに関しては、既存事業との事業親和性、収益力の高い新規事業領域への参入を検討しています。
人材に関しては、プロパーエンジニア獲得による内製強化のためのM&Aおよびアクハイアーを検討しており、「稼げる」開発体制へ変貌を遂げることを目的としています。この中では、「Discoveriez」事業の収益化が、進行期において最も大事な活動となります。
2026年3月期 業績見通し
中期経営方針に基づき、業績見通しを策定しています。売上高は約50パーセント成長し、進行期にて黒字化を実現し、企業価値向上を目指します。
財務指標KPI(重要な経営指標の裏付け)
財務指標KPIとしては、2025年3月期は目標を達成しました。2026年3月期に関しては、売上高成長率をKPIとして追加しています。
新中期成長計画 (2026/3期(FY2026)~2028/3期(FY2028) ~投資方針~
投資方針としては、成長投資、財務健全性、株主還元の3つの視点から適切なキャピタル・アロケーションを定め、中期経営計画を実現していきます。
株式会社舞花との資本提携後の投資実行方針および連携について(進捗状況更新)
株式会社舞香との資本提携後の投資実行方針および連携についてです。現状は資本だけではなく、業務提携も加速しています。日本の社会課題解決に向けた新規事業の創出などを含めて、現在双方にて検討中です。「Discoveriez」のノウハウを活かせる親和性のある事業を検討しています。
以上でご説明を終了します。次回は6月末までに事業計画および成長可能性資料のアップデートの開示を予定しています。
質疑応答:株式会社モデルケースの事業譲受の詳細について
司会者:「株式会社モデルケースの事業譲受の詳細について、もう少し詳しく教えてください」というご質問です。
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