用語解説
ブックビルディング方式とは、一般的に「需要積み上げ方式」とも呼ばれ、新規公開(IPO)や既公開銘柄の公募増資・売出し時における株式の発行価格・売出価格を決定するための方式です。
この方式では、引受証券会社(幹事証券会社)が以下のプロセスに基づいて価格を決定します:
- まず発行会社と引受証券会社が協議し、機関投資家等の意見を参考にして「仮条件」(価格の範囲)を決定します。
- その仮条件を投資家(主に機関投資家、一部の場合は一般投資家)に提示し、購入希望者から希望株数および価格を募ります(需要申告)。
- 投資家の需要状況を把握することによって、マーケット動向に即した最終的な公開価格を決定します。
1997年8月までは新規公開時には入札方式しか認められていませんでした。しかし、入札方式では公開価格が高く設定されることや、一部の大口投資家に価格決定権が集中することなどの問題点が指摘されていました。同年9月以降、新規上場申請会社はブックビルディング方式か入札方式のいずれかを選択できるようになりました。
なお、ブックビルディングへの参加(需要申告)は設定された期間内に行う必要があります。 ただし、ブックビルディング方式には、公募価格が適正価格より低くなる傾向があるため、発行会社にとって調達額が減少する可能性があります。また、公募価格で購入した株式でも上場後に初値が公募価格を下回るリスクも存在します。