2025年6月期 第3四半期決算サマリー
斎藤泰志氏(以下、斎藤):株式会社unerry、2025年6月期第3四半期の決算説明会を開催します。本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。本説明会は、代表取締役社長 執行役員CEOの内山と、取締役 執行役員CFOの斎藤よりご説明します。
内山英俊氏(以下、内山):まずはサマリーをご説明します。損益について、四半期の売上高は10億円を超え、過去最高となりました。その中核を占めるのがリカーリング顧客であり、1年以上のお付き合いのお客さまの積み上げが非常に堅調でした。
以前、unerryは四半期ごとに売上にさまざまな変動があったため、今回より、過去12ヶ月売上高という新たな指標を導入しました。当第3四半期は約35億円、前年同期比プラス36パーセントと堅調に成長しています。
また、売上増に加えて粗利率の改善も図れたため、累計営業利益は2億8,000万円、前年同期比プラス63パーセントとなり、非常に良い決算となりました。
事業進捗は後ほど詳しくご説明しますが、今回は主に小売・外食業界を中心としたリテールDX事業において、新たにセールス体制を強化したことにより、新規顧客が増加しました。
リテールメディア事業においては、特に消費財メーカーがお客さまになりますが、三菱食品との共同プラットフォームの売上が資本業務提携前から3.1倍に増えており、大きく進展しています。
スマートシティ事業においては、主に不動産・自治体・官公庁がお客さまになりますが、提供地域が28都道府県まで拡大しています。また、公共交通事業者や東京メトロとの連携も新たに発表しています。
グローバル事業においては、インバウンドの支援や、日本企業の海外展開支援などの売上が増えており、第3四半期も売上が大幅に増加しています。
具体戦略として、スライドに「Data Scaling Law」「重点パートナー」「フライホイール」「人的資本」の4つを掲げています。楽天インサイト社との連携によってデータの幅が増えたほか、第2四半期決算でもご説明したとおり、DearOne社に出資をしました。その協業が進展している点が注目すべき成果です。
Beacon Bank
新たに投資いただいている方のために、unerryとはどのような会社なのかを簡単にご説明したいと思います。
unerryが提供しているサービスの名称は「Beacon Bank」です。リアルな空間をデータ化し、みなさまが使っているスマートフォンのさまざまなアプリと提携して、生活者がどのようなところを歩いているのか、どのようなお店に行っているのかなどをデータ化しています。
現在、それが4.2億ID規模になっており、そのデータに基づいた分析や広告、システムソリューションのサービスを、小売・外食・メーカー、あるいは自治体・公共交通などの業界に提供しています
デジタル‧リアルを融合させた生活者行動ビッグデータであらゆる産業のデータ支援を展開
unerryでは生活者行動ビッグデータと呼んでいますが、その中核をなしているのが人流ビッグデータです。新型コロナウイルスが蔓延していた際、「どこどこの人通りが30パーセント増えた、減った」というニュースを、毎日テレビでご覧になったかと思います。それが人流データそのものであり、unerryが管理し、蓄積しています。
屋外では衛星のGPS、店内のある特定の場所ではビーコンと呼ばれるBluetoothのセンサーにより、屋外でも屋内でもかなり網羅的に人の流れを把握することができます。
このデータの取得活用は日本中、さらには海外も含めたさまざまなモバイルアプリケーションの会社と連携し、unerryが開発したソフトウェアをアプリ会社に組み込んでいただくことで実現しています。
そのアプリをダウンロードした生活者の方がアプリの規約や「位置情報をオンにしますか?」ということに同意することで、unerryに対するデータ提供が開始され、そのID数は日本と北米を中心に、4.2億IDとなっています。
その人流ビッグデータを中心に、テレビの視聴データ、Webサイトのデータ、ソーシャルメディア、アプリ、デジタルサイネージから街中の広告など、ありとあらゆるものがunerryとの連携の対象となっています。
さらに、最近では店頭の購買データも連携可能となり、どのような情報に接触し、どの店に行き、何を買っているのかということも一元的に把握できます。このように、非常にユニークなビッグデータの基盤を持っている会社です。
グローバルTOP10に入るビッグデータカンパニー
4.2億IDというデータ量は、非常に大きなものです。私はもともとデータとAIのエンジニアおよび研究者をしていたため、非常に重要なものとして理解していますが、この業界にはデータの幅や量が一定数を超えなければ大きな価値が出ないという法則があります。
そして幸いなことに、unerryはその一定の数を越えた非常にユニークな会社ではないかと思っています。
日本企業が国内で閉じていると、人口構造的にどうしても数千万人分しかデータが溜められません。unerryは、グローバルにビッグデータを取得・活用することで4.2億IDのデータ量を溜めている、日本初のグローバルビッグデータカンパニーではないかと自負しています。
スライド右側の表にありますが、4.2億IDという数字は、アクティブユーザーでいうとグローバルTOP10に入るほどです。非常に大きなビッグデータの企業に成長してきました。
提供サービス
データを活用して提供しているサービスは、主に3つあります。1つ目が、分析・可視化サービスであり、その中核を占めるのが「ショッパーみえーる」という名称のサービスです。
2つ目が行動変容サービスの「Beacon Bank AD」という、広告サービスです。3つ目がOne to Oneサービスの「Beacon Bank 1to1」という、システムのソリューションサービスになります。システム開発やunerryのソリューションサービスを月額でご利用いただくというものになっています。
unerryが解決する課題
なぜこのようなビジネスに着目したのかというと、消費の90パーセント以上はリアルで行われているためです。経済活動の9割がリアルで行われているにもかかわらず、unerryを創業するまでは、どのような人がどこにいて、どのような需要があるのかがわからないという状況がありました。そこで、unerryは人流データを捉え、リアルな世界をデータ化しようと創業した企業です。
unerryが実現している世界
みなさまが日常的にお使いのさまざまな場面で、実はunerry技術が使われています。例えば、お店に入ったらクーポンが届いたり、駅でニュースが受け取れたり、レストランで来店スタンプが貯まったり、今日特売の情報が届いたりします。このような裏側には、実は高い確率でunerryの技術が使われています。
unerryが実現している世界
さまざまな地図アプリなどでは、混雑情報が表示されているかと思います。また、駅の人出の増減、観光客はどこに行っているのか、自分のお店に行っている人が他にはどのようなお店に行っているのかといったデータの分析基盤の提供も、実はunerryのデータが支えています。
unerryが実現している世界
また、自宅に届くチラシが最近かなり減ってきたのではないかと思います。それは、unerryのサービスによりデジタルでも細分化されたエリアに応じた情報をお届けできるようになったからかもしれません。
さらに、食べたかった商品の情報が届いたり、家の近くにバス停ができたり、店内の人が多いとエアコンが強くなり、人がいなくなると弱くなるといったAI空調があったりと、実はさまざまな場面でunerryのAIが支えていることがあります。
unerryが実現している世界
このようなunerryの仕組みやデータ・技術は、現在は小売・外食・商業施設、広告、まちづくり、消費財メーカーにメインで使っていただいていますが、観光、モビリティ、金融、製造、ヘルスケア、不動産、物流、農業など、ありとあらゆる産業にご利用いただけるデータサービスではないかと思っています。
お客さまは、みなさましっかりと売上を上げていただいているため、これからもunerryが実現する世界をさらに広げていきたいと思っているところです。
ビジネスモデル:リカーリング顧客の顧客単価が80倍となる例も
実際にご導入いただいたお客さまの多くは分析・可視化サービスから始まり、月額15万円ほどから、まずは主に「ショッパーみえ~る」をご導入いただきます。
その後は競合店舗へ顧客が流れていることがわかり、「じゃあunerryの『Beacon Bank AD』を活用して紙のチラシを減らし、デジタルを活用してチラシを廃止にしていこうか」といったご提案をしています。
例えば、数店舗で月額15万円から始められたお客さまが、次に20店舗掛ける5万円の月額100万円で広告施策と来店計測を実施したところ、非常に効果が高かったとなれば、「では100店舗、250店舗に対象を拡大しよう。そこまでやるのであればLINEやアプリもunerryで取り組んでいこう」と展開していきます。すると、月額15万円から始まったお客さまがその80倍、さらにはもっと伸びるケースもあります。
このように、少ない店舗数から始めて、アップセルやクロスセルを通じて大幅に顧客単価が向上し、1社のお客さまから非常に高い単価をいただける構造も、unerryのビジネスモデルの特徴です。
リカーリング顧客の経年売上は年々積み上がる構造
「リカーリング顧客」とは、厳密には1年以上または3ヶ月連続のお客さまを指します。継続顧客については、主に前年の新規顧客が今年のリカーリング顧客となり、今年の新規顧客が来年のリカーリング顧客になるというメカニズムになっています。
特徴的なのは、スライド右側の図に示しているとおり、各年で獲得したお客さまの売上が、経年で着実に伸びていく構造です。導入当初は単価が低いところから始まるケースが多いものの、アップセル・クロスセルが進み、売上規模が大きく成長する構造になっています。
電気‧ガス‧水道のように使われるグローバルインフラへ
unerryのデータ・仕組み・サービスがあらゆる場面で当たり前のように使われる社会的なインフラを目指し、「電気・ガス・水道・unerry」ということを打ち出しています。
グローバルなプラットフォーマーは、自社のお客さまに対してアプリを提供し、データを蓄積し、自社サービス内で完結するモデルが一般的です。一方、unerryはどのようなプラットフォーマーや企業にもご利用いただけるサービスになっています。
したがって、多くの事業者から当たり前のように使っていただけるグローバルインフラとなることを志向しています。
業績ハイライト
斎藤:第3四半期の業績について、まずはハイライトをご説明します。冒頭のサマリーでもお伝えしましたが、四半期の売上高として、初めて10億円の大台を超えました。四半期として過去最高額を更新しました。
後ほど詳細をご説明しますが、成長度合いをより的確に確認いただけるよう、新たに12ヶ月売上高という指標を使っています。こちらは34億円9,400万円、前年同期比プラス36パーセントとなりました。
営業利益は成長を上回る前年同期比63パーセントの増加と、非常に力強い決算結果となりました。
売上高:サービス別
詳細をご説明します。まずは、サービス別の売上高です。分析・可視化サービスについては、リテールDXおよびスマートシティ事業における新規顧客獲得、既存顧客の単価アップにより、前年同期比17パーセントの増加となりました。
One to Oneサービスについては、利益率の高い案件に集中したことで、前年同期比では減収となった一方、粗利率は過去最高となりました。
行動変容サービスについては、リテールDXおよびリテールメディア事業における新規顧客獲得、既存顧客の単価アップによって、前年同期比33パーセントの増加と大きく伸ばすことができました。
しかしながら、前四半期に比べると、一部決算期を迎える小売のお客さまにおいて、利益確保を目的とした一時的なコスト抑制があったため、減収となっています。
売上高:12ヶ月売上高
新しい指標である12ヶ月売上高です。12ヶ月売上高とは、各四半期において過去12ヶ月間の売上合計額であり、四半期ごとの変動要素が除外されるため、成長をより的確に見ていただける指標になっています。
全体は前年同期比プラス36パーセントと堅調な成長を確認いただけます。この成長を支えているのが、前年同期比プラス42パーセントの分析・可視化サービス、そしてプラス66パーセントの行動変容サービスであり、これら2つが大きく成長を続けています。
売上高:リカーリング顧客指標
成長を支えているリカーリング顧客について、顧客数は今期でプラス25社、前年比プラス30社となる134社と、順調に増え続けています。
既存のリカーリング顧客の売上の増加率を表すNRRも118パーセントと高い水準を維持しています。また、年間顧客単価は年換算で2,400万円と、こちらも引き続き高い水準を維持しています。
売上原価
売上原価です。直接原価率、間接原価率ともに改善しています。直接原価については後ほど詳細をご説明しますが、内訳としては行動変容サービスの媒体費、One to Oneサービスの外注費が多くを占めています。
間接原価の内訳は、インフラ費用と人件費や地代家賃等の配賦費用がほとんどを占めています。こちらは固定費的な要素が強く、データ量が増えてくるとインフラ費用も増えてくるのですが、こちらは適切なコントロールで抑えることができており、年々改善しています。
サービス別粗利率(売上 ‒ 直接原価)
サービス別の粗利率を見ると、分析・可視化サービスは非常に高い水準で維持しています。One to Oneサービスは粗利率の高い自社サービスを中心に積み上げた結果、2Qから大きく改善しています。現在の粗利率は54パーセントで、前年同期比プラス9ポイントと大きく改善しています。
行動変容サービスは概ね同水準で推移しており、27パーセントとなっています。全体平均では分析・可視化サービスの売上拡大、One to Oneサービスの粗利率改善によって、前年同期比プラス1ポイントで、過去最高の粗利率という結果になっています。
サービス別粗利(売上 ‒ 直接原価)
サービス別の粗利額についても、分析・可視化サービス、行動変容サービスが伸び、貢献しています。
販売費及び一般管理費
販管費についてです。unerryの販管費は、人件費と採用費が半数以上を占めています。良い人材が採れないと採用に苦慮されている企業が多いと思いますが、おかげさまでunerryは非常に優秀な方々からたくさんの応募をいただいています。
優秀な人材であるがゆえに、unerryも今後の成長のために積極的に採用しており、すでに第3四半期時点で通期計画を上回る従業員数となりました。
採用費が一時的に膨らんでいることもあって販管費が増加しており、販管費率もプラス7ポイントという結果になっています。
営業利益
その影響もあって、営業利益自体は前期比から減少していますが、2024年6月期第2四半期以降は引き続き、黒字が定着した状態が続いています。
累計損益
累計損益です。売上高、利益ともに非常に大きく成長しています。売上高は前年同期比プラス32パーセント、売上総利益はプラス40パーセント、営業利益はプラス63パーセント、当期純利益はプラス59パーセントです。ROEも14パーセントと、前年同期比3ポイント改善しています。
すでに第3四半期時点で通期の利益予想を達成していますが、人材の採用を積極的に進めている影響等もあるため、現時点では業績予想の修正は行っていません。修正が必要と判断した場合は、その段階で開示したいと思っています。決算に関する説明は以上です。
展開する4事業
内山:事業の進捗について、私からご説明します。繰り返しとなりますが、弊社が展開している事業は4つあります。
1つ目が主に小売・外食業界に提供するリテールDX事業、2つ目が消費財メーカーに提供するリテールメディア事業、3つ目が不動産・自治体・官公庁に提供するスマートシティ事業です。これら3事業が有機的に連携していますが、その成功モデルをグローバルに展開し、小売・外食・スポーツに提供しているのが、4つ目のグローバル事業です。
事業別の中期成⻑戦略
4つの事業を有機的に組み合わせることによって、2028年6月期に売上高100億円を目指しています。
中⻑期的な利益構造
新しい情報として、弊社の利益構造が今後どのように推移していくのかという内容を開示しています。直接原価率については、まずは若干改善するものの、大きくは変わらず横ばいが続くだろうと見込んでいます。
利益率の改善のポイントは大きく2つあります。1つ目は間接原価率です。間接原価率は、主に原価計上される人件費およびインフラ費の一部になりますが、これらは固定的な費用が多くなるため、売上成長とともに間接原価率は相対的に減っていくことが1つのモデルになります。
2つ目は、販管費率です。主にこの内訳は人件費・採用費で、増加傾向にはありますが、それ以上に売上が伸びるという構造になります。四半期ごとに入り繰りはあるものの、中長期的には売上成長が販管費の伸びを上回り、販管費率は下がっていく見込みです。
結果として、unerryは2028年6月期に営業利益率15パーセントから25パーセント程度達成を目指すことを、今回新たに目標としてお出ししています。中期財務モデルにおいて、15パーセントから25パーセントと示していましたが、今回、「2028年6月期」を1つのターゲットの年度と位置付けた点が大きな進展となります。
キャッシュアロケーション
キャッシュアロケーションについてです。スライド上部が資金の流入要素(資金原資)、下部が活用方法(キャッシュアロケーション)を示しています。
資金原資としては、2025年3月末時点で約16億円の手元預金を保有しており、そのうち12億円を短期運用中です。加えて、現在は営業キャッシュフローが黒字になっているという点も重要な資金の流入要素となっています。
現状は負債がないこと、そして大規模なエクイティ調達も行っていないため、資金原資の中でもスライドで緑色で囲んでいる手許現預金と営業キャッシュフローの部分が主な資金原資になります。それをどのように使っていくかが、スライド下のキャッシュアロケーションになります。
左下の運転資金は当然ですが、事業投資においてはプロダクトやサービスの開発、そしてそれに必要な人件費にしっかりと投資を行っていくことは、今後も変わらない予定です。
戦略投資については、M&Aまたは資本出資などを一定の財務規律の中で行うことによって、非連続な成長をしっかりと目指していかなければならないと考えているため、今後の重要な成長戦略の⼀つに位置付けています。
株主還元については、成長投資を優先しつつではありますが、資本コストを意識しながら今後も柔軟に検討を重ねていきたいと考えています。
各事業の進捗
各事業の進捗状況です。スライドに4つ記載していますが、今回はすべての事業において好調な進捗が見られ、非常に良かったと思っています。
1つ目のリテールDX事業については、今回セールス体制を拡大し、展示会経由の新規顧客が大きく増えました。
さらに、プレスリリースでの開示も行いましたが、楽天インサイト社との連携もしております。位置情報をもとに、楽天インサイトの生活意識調査やアンケートを組み合わせた分析も開始しました。今後は獲得した新規に対し、リカーリング顧客化を目指していくことに取り組んでいきます。
2つ目のリテールメディア事業については、三菱食品との資本業務提携前からこれまでで、売上は3.1倍に増加しています。この共同プラットフォームの開発をさらに進め、品質から効率等を改善することによって、さらなる売上向上を目指していくことを狙っています。
3つ目のスマートシティ事業については、サービス提供地域が増えました。例えば東京都の観光DXにも採用されたほか、東京メトロ社とメトロアドエージェンシー社との業務提携により、公共交通事業者との連携が深まっているところです。来期(顧客にとっては今期)のアクションとしては、自治体や公共交通事業者との予算の確保をしたいと思っています。
そして4つ目のグローバル事業では、現在、国内外の企業に向けたインバウンドの支援や海外展開支援がかなり案件として進んでおり、第3四半期には売上が大きく伸びたことがグッドニュースです。
今後もインバウンドと海外展開支援のセールス活動量を増やすことによって、成長軌道に乗せていきたいと考えています。
楽天インサイトとの連携
楽天インサイトにおいては、位置情報をもとに、楽天インサイトの生活意識調査やアンケートを組み合わせた分析ができるようになった点が大きなポイントです。
三菱食品との協業推進状況
三菱食品との協業について、三菱食品の中期経営計画の中でも「DDマーケティング」という言葉で発表されているかと思いますが、unerryとの共同プラットフォームを一緒に作っています。
消費財メーカーになりますが、事業規模の推移として、資本業務提携を行う前後で過去12ヶ月の売上合計が3.1倍という、非常に大きな成長を見せています。
サービス提供地域が28都道府県に拡大
スマートシティ事業では、サービスの提供地域が拡大しており、21都道府県から28都道府県に増えました。スライドには、この差分となる7県をピックアップして記載しています。
観光、交通の最適化、脱炭素、オーバーツーリズムなど、街ごとにある課題の解決のために、unerryのデータを分析したり、情報を発信したり、アプリやデータベースの開発を支援したりということに取り組んでいます。
東京都の観光DX採択
unerryは、令和7年度のDXによる観光データ活用等支援事業に採択されました。今後2年間にわたり、unerryの事業が東京都の観光課題解決に向けて、さまざまなかたちで使われていくことになります。
公共交通事業者との業務提携
東京メトロおよび株式会社メトロアドエージェンシーと業務提携を発表しました。地下鉄は、1日に652万人もの人が利用しているとされています。その方々のデータをしっかりと取得・連携し、マーケティングプラットフォームに活用しながら、今後はお客さまの開拓を一緒に行っていく予定です。
クロスボーダーサービスの拡大
第2四半期の発表の際、グローバル事業は4つあるとお伝えしました。1つ目の事業は日本企業に対する越境データ活用、つまりインバウンドサービスです。
2つ目は、日本企業が海外に出ていく時の支援サービスです。3つ目は海外企業が日本に来る時の支援サービス、4つ目は海外企業が海外に出ていく時の支援サービスです。
今回非常に伸びているのは、1つ目のインバウンドサービスと2つ目の海外進出支援サービスです。四半期単体の売上が、前年度第4四半期に比べて8.5倍と大きく伸びています。
IR関連の取り組みのご紹介
IR関連の取り組みとしては、2025年4月よりnoteが提供している「IR note マガジン」に参画しました。これにより、今後はunerryのIR情報をどんどん発信していきたいと思っています。また、海外からもunerryの株式にご注目いただくため、決算短信の日英同時開示も開始しました。
成⻑に向けた4つの具体戦略
2028年6月期に売上高100億円を達成するためには、競争優位性をもって潜在成長率を引き上げるとともに、新規に顧客を獲得してリカーリング顧客にしていき、かつそれを支える組織を急成長させなければいけません。この4つが求められる経営目標であると思っています。
具体戦略の推進状況
スライドには、4つそれぞれの具体的な戦略を記載しています。Data Scaling Law戦略については楽天インサイト社との連携でデータの幅が拡大しました。重点パートナー戦略については、DearOne社や楽天インサイト社との連携で顧客企業への提案力が向上しました。
フライホイールプロダクト戦略については大きな進展はありませんが、第2四半期に出資したDearOne社の提供サービスがラインナップに追加されました。
人的資本戦略については、人材を積極的に採用したために1人あたりの生産性は一時的に減っているものの、今後も中長期的には1人あたりの生産性が増えていくかたちになります。
1. Data Scaling Law戦略
一番重要なところは、Data Scaling Law戦略です。冒頭でお伝えしたとおり、一定以上になるためにはデータの量と幅を増やさなければなりません。これが、競争優位の源泉になります。
したがって、unerryは今後もあらゆるデータを保有する企業との連携を目指します。あわせて、現在保有している4億2,000万IDをさらに増やしていく取り組みも行っていきます。
1. Data Scaling Law戦略:楽天インサイトとの連携でデータの幅が拡大
その取り組みの1つが、楽天インサイト社との連携です。データの幅を増やすため、位置情報に基づくアンケートが新たな仕組みとしてできることになります。
2. 重点パートナー戦略
楽天インサイト社とDearOne社とは、一緒にお客さまを開拓するという関係性も構築しています。
3. フライホイールプロダクト戦略
フライホイールプロダクト戦略とは、分析・可視化、行動変容、One to Oneの3つをぐるぐると回すことによって、お客さまおよびunerryの売上を上げていくことを目指すものです。これがwin-winの関係を作る、非常に重要なプロダクトの戦略になります。
3. フライホイールプロダクト戦略:DearOne提供サービスの営業活動を開始
フライホイールプロダクト戦略の中には、DearOne社のサービス「ARUTANA」と「ModuleApps 2.0」があります。これら2つをunerryのサービスとしても入れ込み、販売を加速していきます。
4. 人的資本戦略
人的資本戦略については、売上が上がり、かつ人材採用は売上成長ほど行わないことで、その差分がどんどん利益になっていきます。
4. 人的資本戦略:1人あたりの生産性の継続的向上
売上と人員数の増加における差分は、1人あたりの生産性向上で埋めていきます。今回は積極的な人材採用によって1人あたりの生産性が一時的に低下しましたが、中長期的に見れば生産性は増えていく見込みです。
分析基盤を作ったり、生成AIによる自動分析ツールなどを利用したりすることで、広告や分析に携わる人の工数は、現在かなり減少しつつあります。
さらに「ショッパーみえーる」と広告の連動を増やしたり、年間契約の推進によって予算規模を上げていったりする取り組みを行うことで、生産性の継続的な向上に努めています。
質疑応答:今期の足元の業績状況と来期に向けた見通しについて
斎藤:「今期の足元の業績状況および来期に向けた見通しについて、可能な範囲で教えてください」というご質問です。
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