2025年9月期 第2四半期累計 連結業績サマリ
渡辺健太郎氏:マイクロアド代表取締役 社長執行役員の渡辺です。本日は当社の決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。私から、2025年9月期第2四半期の決算についてご説明します。
まずは、第2四半期の連結業績のサマリーです。「UNIVERSE」は粗利が前年同半期比14パーセント増、コンサルティングも粗利が前年同半期比11パーセント増と、非常に好調な推移になっています。連結売上高も、前年同四半期比15.5パーセント増となっています。
今期は生産性向上の年と位置づけ、その一環として中国の開発子会社の清算に伴う費用の約4,400万円を特別損失に計上しています。さらに、業績が好調なこともあり、ログリー社の投資有価証券の減損約1億4,900万円も、特別損失に計上しています。
2025年9月期 通期業績予想に対する進捗
通期の業績予想に対する進捗です。トップラインの伸び、および生産性向上による粗利率の向上により、売上・各段階利益すべてで想定を上回る進捗です。
通期予想進捗率は、売上高54.6パーセント、売上総利益57.1パーセント、調整後営業利益139.6パーセント、経常利益191.4パーセントと、段階利益においてすでに期初の予想を達成したところが出ています。
2025年9月期 通期業績予想の修正
各段階利益が従来予想を上回ることに伴い、通期業績予想を上方修正します。売上高に関しては、過去の実績を踏まえて保守的に据え置いています。
当期純利益に関しては、未来のリスクを考慮し減損したため、こちらも据え置いています。中間期となる今期も着実に生産性向上に取り組み、収益性が高い体質を作ることについては、良いかたちで進捗しています。
UNIVERSEの季節性による売上変化
「UNIVERSE」の季節性による売上変化です。基本的に12月と3月が広告の需要期となっています。ただし、上半期の売上高は前年比15パーセント増と拡大しており、確実にベースアップしていることになります。
UNIVERSEの顧客属性ごとの推移と見通し
顧客属性ごとの推移と見通しです。昨年は、人員や地方拠点を増やすことにしっかりと投資して、中小顧客を最も重視し、フォーカスしています。
中小顧客のセグメントにおいては、前年同四半期比21パーセント増、第1四半期比でも13パーセント増と順調に伸びています。
UNIVERSE稼働アカウント数と顧客単価の推移
「UNIVERSE」の稼動アカウント数と顧客単価の推移です。稼働アカウント数は、人員強化と新卒を中心とした戦力化が進んだため、大きく拡大しています。
顧客単価は下がっていますが、こちらはアカウント数の急増に伴って初取引のお客さまが多くなったためであり、特に問題はありません。
2025年9月期 第2四半期連結業績まとめ
第2四半期の連結業績のまとめです。通期予想に対しては、売上高・各段階利益ともに想定を上回って進捗しています。その中身については、この後ブレイクダウンしてお話ししますが、「UNIVERSE」と海外事業が引き続き成長率高く伸びています。
また、進捗は好調ですが、今期は高収益体制を作る位置づけの年であるため、通期業績予想は保守的に上方修正を行っています。
下半期は、引き続き生産性の向上をさらに進めながら新規事業の仕込みにも注力し、来期以降の拡大に向けた準備にしっかりと取り組んでいきます。
将来の成長イメージ
生産性の向上施策についてご説明します。2年から3年後の営業利益15億円を目指し、増員した人員の戦力化と生産性向上を実施していきます。
① 増員した人員の戦力化によるトップラインの拡大
1つ目に、増員した人員の戦力化についてです。スライド左側のグラフは、営業全体の生産性推移を示しています。1人当たり平均売上を表す青い棒グラフが、しっかりと右肩上がりで伸びています。
折れ線グラフは、1人当たりの平均アカウント数です。どのくらいの案件を担当できるかというキャパシティを指しており、新人の戦力化と業務効率化によって新人配属前を超える水準に向上しています。
スライド右側のグラフは、新卒入社社員のみの推移です。こちらも、同じように伸びてきています。最需要期にあたる3月に大きく伸び、全体の伸びに貢献しています。昨年採用した社員の戦力化が、順調に進んでいるところです。
② 様々な生産性向上施策
2つ目に、生産性向上施策についてです。「売上生産性」の向上では、まずはさまざまな生成AIを活用し、業務を効率化しています。
加えて、定量的な目標として、業務削減による営業効率化ということで、例えば顧客への提出レポートの作成や広告配信の管理業務など、営業以外の業務をAIによって自動化しています。
こちらは、営業1人当たり月4,800分、営業日数にすると月に10日分の非営業活動時間を削減するという目標を掲げています。現時点の進捗は、8営業日分の業務削減ができています。つまり、月間の営業活動時間を4割増やすことに成功したところです。
スライド右側のグラフで示したように、営業1人当たりの提案数の推移は、業務効率化を進める前の前期の数字と比較すると、顧客への提案件数、営業活動自体が1.5倍まで伸びています。
ここが伸びていくと、将来は売上に転換されるため、中間としては非常に良いかたちで進捗しています。将来の売上増加の布石という意味では、順調に手を打てていると考えてます。
② 様々な生産性向上施策
粗利の生産性向上についてです。冒頭にご説明したとおり、中国の開発子会社を清算したことで開発の原価が削減され、粗利が向上する見込みです。
また、M&Aによってグループ会社が増えてきたため、グループ内で適材適所に配置することができるようになってきました。最適な場所に最適な人を配置することで外部に流出していたコストの削減が可能となり、粗利率も上がってきています。
これら以外も含め、下期も引き続き粗利向上、原価・コスト低減を進めていきます。今期は、通期換算で1億円の原価低減の見込みが立っています。来期以降は年間フルで寄与してくるとして、将来の利益の向上に向けてしっかりと進んでいます。
③ 販売管理費のコントロール
販管費のコントロールについてです。当社の販管費は、どのくらい人員を増やすかが約9割です。昨年は人員を大きく増やし、十分な補充ができました。今後の人員増は、ある程度抑制的に行うため、急にコストが上がることはないと思います。
また、生産性の向上を進めており、1人当たりの売上・利益は上がっていくため、そこまで大きく人員を増やさなくても、生産性の拡大とともに、トップラインおよび利益が徐々に拡大していく構造に変革しています。
データプロダクトの売上・粗利推移
サービスごとの業績ハイライトです。データプロダクトについて、売上高は前年同期比6.0パーセント増加、粗利は15.5パーセント増加しました。
ただし、MADS社の「デジタルサイネージ」は第1四半期の2024年11月から非連結化しているため、昨対比較では少し小さく見えています。次のスライドの「UNIVERSE」をご参考いただければと思います。
データプロダクト「UNIVERSE」の売上・粗利推移
主軸となる「UNIVERSE」の売上・粗利の推移は、売上は前年同期比23.8パーセント増加、粗利は26.7パーセント増加し、非常に大きく成長しています。今後もさらに生産性が改善するとして、引き続き伸ばしていきます。
データプロダクト「UNIVERSE」の業種特化製品
我々は業種特化していますが、今四半期はBtoBや人材領域などが好調でした。
UNIVERSEにおける業種毎のシェア
業種ごとのシェアに関しては、分散が効いています。
データプロダクト「UNIVERSE」のKPI – 稼働アカウント
稼働アカウント数についてです。KPIが非常に大きく伸び、前年同期比29.5パーセント増加しています。先ほどご説明したとおり、新卒社員の戦力化が十分できているため、大幅に伸びています。
コンサルティングの売上・粗利推移
コンサルティングに関しては、国内メディア向け事業、海外事業ともに好調に推移し、前年同期比で増収・増益となっています。
コンサルティング-メディア向け
国内メディア向けコンサルティングについてです。売上高は前年同期比19.9パーセント増加、粗利は4.7パーセント増加しました。粗利は商品ミックスによって上下しますが、トップラインがしっかり伸びています。
コンサルティング-海外
海外コンサルティングです。先日、日本のIPを海外に持っていき、物販などを通じて販売する事業を行う株式会社IP mixerを設立しました。この事業によるVTuberとのコラボレーション商品の販売は非常に好調で、売上は前年同期比46.4パーセント増加、粗利は35.1パーセント増加し、非常に大きく拡大しています。
今までは海外のデジタルマーケティングが主軸でしたが、今後の事業の軸はこのようなIP事業が増えていくと考えています。今後はインバウンドおよびIPの海外販売が大きな成長ドライバーになると考え、強化していきます。
オルタナティブデータ事業の進捗
オルタナティブデータ事業についてです。新たなモデルをいろいろと試していますが、一進一退です。うまくいっているものとそうでないものがあり、引き続き、最適化ならびに新しいモデルのテストを進めていきます。
事業アップデート
事業アップデートに関しては、複数の新規事業を立ち上げています。
先ほどご説明したIP mixer社は、3月にANYCOLOR株式会社所属のVTuberとのコラボレーション香水を販売し、非常に好調です。VTuberはもちろん、それ以外の商品も準備し、下半期も引き続き、このような試みがいくつか行われる予定です。
(事例)プレスリリース
スライド中央の「URMS」についてです。eコマースのサイトのメディア化です。オイシックス・ラ・大地社を皮切りに、現在10社ほどのEC事業者に対してメディアのマネタイズ支援を開始しています。こちらは積み上げ的に徐々に伸びていくビジネスモデルであり、支援する会社が順調に増えています。
(事例)プレスリリース
詳細は決まり次第お伝えしますが、さらなる新規事業の開始についても大型の事業提携を準備しており、下半期にリリース予定です。こちらは、私自身も非常に期待している事業です。リリースできる段階になり次第、下半期のどこかで開示したいと思っています。
このような新しい部分が来期以降の成長をさらに加速させると考え、しっかりと準備を行っています。
2025年9月期第2四半期決算説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。