logmi Finance
logmi Finance
株式会社ダイレクトマーケティングミックス7354

東証プライム

サービス業

※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。

2025年12月期 第3四半期決算ハイライト

株式会社ダイレクトマーケティングミックス、代表執行役社長CEOの植原大祐でございます。11月14日に発表した2025年12月期第3四半期決算についてご説明いたします。

2025年12月期第3四半期の決算ハイライトはご覧の通りです。主力の通信インフラ領域の回復が引き続き堅調に推移し、第3四半期累計期間において前年同期比で売上収益+8.3%、営業利益+41.9%と増収増益を達成しました。

当初想定よりも業績が好調に推移したことから、通期連結業績予想を修正するとともに、期末配当の増配を決定いたしました。

経営指標としているEBITDAについては、昨年実施したコスト構造改革に伴う使用権資産の縮小等を背景に対前年では減少していますが、事業の実質的な収益性は想定通りの着地となりました。

2025年12月期 第3四半期業績サマリー

第3四半期の業績サマリーはご覧の通りです。売上収益については、主力の通信インフラ領域における受注回復が売上拡大をけん引し、通期予想に対して堅調に推移しました。

営業利益は前年同期比で大幅に改善しました。通期連結業績予想に対しても引き続き高進捗率となっています。

EBITDAにおいては、繰り返しになりますが、昨年実施したコスト構造改革に伴う使用権資産の縮小等により減価償却費が圧縮されたことを背景に対前年比で減少していますが、実質的な収益性は想定通りの着地となりました。

2025年12月期通期業績予想(上方修正、増配)

2025年12月期通期業績予想の上方修正及び増配についてです。

既存顧客や新規クライアント向け業務の受託が順調に推移していることに加え、固定費の見直しによる収益性の改善により、3Q累計期間における業績が当初計画を上回るペースで推移したため、通期連結業績予想の上方修正を実施しました。

これにより、通期営業利益は修正前と比較し、約17%の増益となる見込みです。

なお、来期のさらなる成長に向けた布石として、4QにおいてはAI関連や新規事業等の積極化のため戦略的費用投下を予定しています。

また、業績予想の修正を踏まえ、当期の期末配当金を1株あたり6.0円から7.0円へ増配いたします。

引き続き業績予想の達成に向けて鋭意取り組んでまいります。

マーケティング事業における受注トレンド

こちらのページでは、業務別の売上高推移をお示ししています。

アウトバウンド及びハイブリッドについては、通信キャリアのグループ再編等による一時的な停滞フェーズは底打ちし、足元では回復フェーズへと移行しています。

通信インフラでの増収に加え、DXフルフィルメント領域における高成長が継続しており、これらが全体の売上成長を牽引しています。

稼働人数とキャパシティコスト比率の推移

マーケティング事業における稼働人数とキャパシティコスト比率の推移をお示ししております。

当社では、事業成長にあわせて稼働人数を柔軟に調整し、最適な体制を構築しています。キャパシティコスト比率は引き続き適切にコントロールされており、効率的なオペレーションを維持しています。

株式会社サイヨウブについて - 1

次に、2025年9月19日に公表しました、株式会社サイヨウブの完全子会社化についてご説明します。

当社は、従来の営業分野におけるBPOで培ってきた豊富なノウハウを、新たな事業領域である採用代行(RPO)へ展開・拡大します。

株式会社サイヨウブは、その採用代行(RPO)の中でも、特に歯科・医療領域を中心とした専門職領域に特化し、急成長している企業です。

この買収により、安定した収益基盤と、今後の市場拡大が期待できる高い成長性を併せ持つ事業ポートフォリオをさらに強固なものにできると確信しております。

株式会社サイヨウブについて - 2

サイヨウブ社は、既存のお客様からの安定した収益を基盤としながら、新規顧客の獲得を着実に積み上げることで、高い成長率を実現してきました。

今後については、この安定基盤をてこに、特にヘルスケア周辺領域へのサービス展開を強化することで、さらなる成長を目指してまいります。

当社グループとしては、当社の豊富な経営資源、例えば営業ネットワークや財務基盤等の経営資源を投入することで、サイヨウブ社が持つ高い成長ポテンシャルを最大限に引き出す考えです。

これにより非連続的な成長を実現し、早期にグループ全体の収益に貢献していくものと考えています。

2025年12月期 第3四半期 B/S及びC/F

こちらでは、第3四半期のバランスシートとキャッシュフローをお示ししています。 負債の部において、長期借入金の一部が返済期限1年以内となったため、会計上の分類が非流動負債から流動負債へ振り替わっています。

セグメント別の業績動向と戦略

こちらのページでは、ドメイン別の業績見通し及び事業戦略について記載しております。

マーケティング事業については、祖業であるアウトバウンドに加えて、クライアントニーズの多様化を背景に、2020年以降はハイブリッドおよびDXフルフィルメントといった新たなドメインで業容を急速に拡大してまいりました。

特にハイブリッドおよびDXフルフィルメント領域は、高付加価値のアウトバウンド領域も含めた、より広範な顧客課題に対応できる領域であり、付加価値を維持しながら事業規模を拡大できる、将来性の高い分野と捉えています。

ドメイン別に詳しくお話しいたします。

まずアウトバウンドについてです。通信及びインフラセクターにおいては、既存案件の拡張による成長をベースシナリオとしております。アップサイドとしては、通信キャリアにおける金融セクターとの連携の動きや、電力、ガスなど、非通信領域の戦略商材が具体化した際は高成長が期待されます。

次にハイブリッドです。従来の対面チャネルにおけるオンライン化の進展や、従来コストセンターとされてきたインバウンドコールセンターのプロフィット化が進む中、当社として最も成長を期待しているドメインです。

特にオンライン接客分野においては今後の商材拡大・チャネル拡張を見据え、ソリューションラインナップをさらに拡充し、収益拡大に向けて成長を加速させてまいります。

続いて、DXフルフィルメントについてです。金融決済や本人確認、モビリティといった既存DXサービスの継続的な拡張を背景に、引き続き高い売上成長を見込んでいます。

将来性のある新規DXサービスにおいても、サービス拡大期の需要を一手に担うべく、企画段階から関与するための情報収集や、ネットワーク構築を進めてまいります。

一方、公共セクターを中心とするインバウンドについては、中期的には慎重な見通しを維持しています。引き続き採算性の高い案件や、当社の運用ノウハウが活きる領域に的を絞って事業展開を継続してまいります。

新規領域であるRPO(採用代行)においては、広告・営業強化によりデンタル領域の採用代行の成長を加速しつつ、他領域の強化などにより更なる成長を目指します。

リサーチ・その他、及びオンサイトについては横ばいの推移を想定しています。

投資計画及び進捗

こちらのページでは設備投資の計画とその進捗状況をお示ししております。

設備投資について、工具器具備品等の費用が大きい主な要因は、Windows10サポート終了に伴うPCの入れ替えによるものです。

また、2024年12月期に一部の採算性の低い拠点の撤退を決定したことに伴う使用権資産の縮小を背景に、減価償却費及び償却費は前期比で減少する見通しです。

資本政策について

2025年12月期の期末配当については、業績予想の修正を踏まえ、期初予想より1.0円の増配となる1株あたり7.0円に修正しました。

今後の資本政策の方針としては、ROE10%以上の早期達成、中長期的な投資回収フェーズにおいては15~20%台の実現を目指します。また、自己株式取得を含めた総還元性向40%の実現を目指します。

DmMiX Vision 500

当社では、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向け、2025年3月31日に中長期経営ビジョン「DmMiX Vision 500」を策定しました。

DmMiX Vision 500では、上場10年目の節目となる2030年12月期に売上収益500億円、営業利益50億円の達成を目標とします。これは進行期である2025年12月期の業績予想と比して、売上収益において2.3倍、営業利益において2.8倍の水準となります。

また、株主還元につきましては、これまで慎重なスタンスをとってまいりましたが、足元では事業基盤の回復が見られ、今後もこの傾向が続くようであれば、配当性向40%超の早期実現も視野に入れて資本政策の検討を進めてまいります。

2025年12月期の売上・利益目標については達成を見込んでいます。 これに伴い、配当性向の向上やROEの上昇など、株主還元と資本効率も改善していく見込みです。

今後も、株主の皆さまへの利益還元と、持続的な企業価値向上の両立を図っていく方針です。

質疑応答1

Q:第3四半期までの好調な進捗を踏まえると、上方修正の判断が遅かったのではないでしょうか。また、今回の修正の最大の要因はどこにあると認識されていますか。(参照:p.5)

A:第2四半期決算説明会でご説明した通り、通信キャリアの戦略や予算投下のタイミングは引き続き不透明な状況が継続していると認識しております。そのため2Q時点では下期の業績を保守的に見ていましたが、3Q時点で期初予想を上回るペースで進捗したためこのタイミングでの通期業績予想上方修正となりました。

今回の修正の最大の要因としては、主力の通信インフラ領域における回復の兆しが見え、それが収益に直結したためです。また、これと並行して、高採算案件の比率向上など、全社的な収益構造の改善も加速しました。

外部環境の不確実性が残る中でも、主力領域の回復と構造的な収益改善により、期初予想を上回る水準に達する見込みとなったため、上方修正を行いました。

質疑応答2

Q:「4QでAI関連や新規事業等の積極化のため戦略的な費用投下を実施する予定」とあるが具体的には?

A:第4四半期に予定している戦略的な費用投下は、今期の利益を将来の成長に繋げ、来期以降の非連続な成長を実現するための戦略的な先行投資です。

主に2つの領域に大別され、1つはサイヨウブやマネーペディアなど今期買収した企業とのPMI加速とシナジー発現に向けたものです。PMIを通じた事業基盤強化やデジタル領域でのプロモーション強化など、対象会社の企業価値向上に向けた積極的な取り組みを実施していくものです。

2つ目は、新たに当社で取り組む新規事業領域における費用投下です。これまで我々は営業を主体としたアウトバウンド領域において高い競争力を有して事業展開をしてまいりましたが、昨今ではインバウンド領域でもプロフィットセンター化が話題となっています。プロフィットセンター化において最大のポイントがAI化による高度化、効率化、つまりAIプロセスと人的プロセスの高度な機能分担と考えているため、当社でインバウンド領域におけるAI化の取り組み強化を図っています。

サービス詳細やクライアント企業等についてこのタイミングでは具体的な言及を避けますが、国内でも屈指のレベルのAIを活用したAIコールセンターサービスの確立に向け複数のプロジェクトにおいてPoCを実施しています。PoCフェーズでは費用投下が先行するため、当該プロジェクトに対する費用投下を念頭に置いています。

質疑応答3

Q:サイヨウブ社買収の目的と、貴社の既存事業との具体的なシナジーについて、最も期待している点を教えてください。(参照:p.8、9)

A:当社がサイヨウブ社を完全子会社化した目的は、事業ポートフォリオの強化及び安定性と成長性の両立です。

これまで営業BPOを中核に据えて培った「獲得」領域に、RPOという「採用・人材確保」領域を加えることで、事業ポートフォリオの拡充を図るとともに、ストック性の高い収益特性を持つRPO領域への進出により、当社のプロジェクト型収益を補完するものと考えています。

さらにサイヨウブ社はRPO領域の中でも高い成長率である歯科、医療分野などに特化した専門職採用に強みがあり、安定性と、成長性を併せ持つ同社は当社グループの収益基盤の強化に大いに資すると考えています。

シナジーについて、まずは同社のもつ潜在的な成長可能性を実現するために経営資源の投下を行っていくことで、現状の歯科・医療分野を中心とした成長を加速させていくことを主として考えています。また中期的には専門職RPOの幅を拡大し、当社グループの事業基盤を活用し、他業種への展開も本格化していく考えです。

長期的には採用からバックオフィスBPOなどのオペレーションまで、クライアント企業の成長課題を一貫して支援できる体制を構築していければと考えています。

質疑応答4

Q:買収金額と、のれん代が貴社の財務に与える影響はどれくらいと想定されていますか。また、収益貢献はいつ頃から見込めますか。

A:買収金額は先日のリリースで開示したとおりです。取得原価配分に関する個別勘定科目の具体的金額は、確定次第、開示方針の範囲で開示いたしますが、のれん代の影響については当社財務に与える影響は軽微と認識しています。

また、資金調達は手元流動性および既存与信枠の範囲で実行しており、本買収による資本政策に変更はありません。

連結への取り込みは、今期は第4四半期からの部分寄与、来期にはフルイヤーで収益貢献する予定です。

facebookxhatenaBookmark