2025年9月期 連結業績予想(再掲)
渡辺健太郎氏:マイクロアド代表の渡辺です。本日は当社マイクロアドの決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。それでは、2025年9月期第1四半期の決算についてご説明します。
まず、2025年9月期の連結業績予想です。こちらは前回3ヶ月前に発表したものですが、2024年9月期第4四半期からUNCOVER TRUTH社ののれん償却を開始しています。
また、今後さらにM&Aやストックオプションの有効活用等の可能性があることから、2025年9月期より調整後営業利益を開示しています。これは営業利益にのれん償却費と株式報酬費用を足したものですので、純粋な事業の成長という点では、こちらの数字を利益成長の参考にしていただければと思います。今期2025年9月期の調整後営業利益は、2024年9月期とほぼ同水準の計画です。
2025年9月期 第1四半期累計 連結業績サマリ
2025年9月期第1四半期累計の連結業績サマリーです。本業の「UNIVERSE」は前年比約24パーセントの売上成長、海外事業も約15パーセントの売上成長となっており、引き続き順調に成長しています。営業外損益としては、海外取引による為替差損が発生したため、営業利益は前年同四半期比で少しマイナスになっています。
親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、MADS社の株式売却による影響で、連結では納税額が大きくなったことから純利益はマイナスとなっていますが、こちらは当初の計画どおりで、特に問題はありません。
2025年9月期 通期業績予想に対する進捗
通期の業績予想に対する進捗は、売上高が25.8パーセント、それ以降売上総利益、各段階利益ともに想定を上回っている状況です。特に営業利益以下は大きく進捗しており、順調なスタートとなっています。
足元も引き続き順調に推移していますので、現時点では上期においてはそれなりの着地になるのではないかと想定しています。
UNIVERSEの季節性による売上変化
「UNIVERSE」の季節性による売上変化です。12月、3月が広告の需要期となっているため、今期も12月は大きく伸びています。
UNIVERSEの顧客属性ごとの推移と見通し
「UNIVERSE」の顧客属性ごとの推移と見通しです。第1四半期においては、代理店経由の大手顧客が非常に好調であり、前年同四半期比では53パーセント増と大きく牽引しています。
UNIVERSE稼働アカウント数と顧客単価の推移
「UNIVERSE」の稼動アカウント数と顧客単価の推移です。稼動アカウント数は2024年9月期の人員強化と自治体などの年末需要により大きく伸び、平均顧客単価も高い水準で推移しています。
2025年9月期 第1四半期連結業績まとめ
2025年9月期第1四半期の連結業績まとめです。通期予想に関しては、売上高・各段階利益ともに想定を上回る進捗で、非常に順調な第1四半期となりました。
中でも「UNIVERSE」と海外事業は高成長であり、さらに2024年9月期に大きく投資を行い増員した人員の活動が徐々に本格化し始めていることも好調の要因になっています。
引き続きさらなる収益化と今期のテーマである生産性の向上に努めることで、さらに成長率を高めていきたいと思っています。
将来の成長イメージ
2025年9月期の1番大きなテーマである生産性の向上施策に関する進捗です。
スライド左側の図は、前回開示した将来の成長イメージを表したものです。2、3年後の営業利益15億円を目指しています。
2024年9月期には大きく人員数を拡大し、先行投資を行いました。2025年9月期以降は、そこまでの急拡大ではなく、ある程度抑制的にしっかりと計画どおり推移する予定です。
2024年9月期の投資による増員が徐々に売上に転換されていくことを見込んでおり、また今期以降は販管費の伸びがそこまで大きくはない計画を引いています。そのため、今後は販管費比率の低減が徐々に進み、結果的に営業利益率は上がっていくという足元数年の計画です。
①増員した人員の戦力化によるトップラインの拡大
施策の1つ目である人員の戦力化の状況についてご説明します。スライド左側のグラフは当社の国内営業全体の生産性の推移です。2024年5月に新卒の新人が配属され、当然ながら研修明けは全体の生産性が一時的に落ち込みましたが、徐々に上がってきており、足元では配属前の数字を超えてきています。
スライド右側が、新卒入社社員のみの推移を切り出したものです。こちらも当然ながら伸びてきています。現時点で1人当たりのアカウント総出力は全体平均水準まで上がってきています。
一方、売上生産性はまだ平均の半分程度です。今後さらに伸びていくポテンシャルがあり、順調に推移していることから、まだまだ拡大の余地があります。
②様々な生産性向上施策
施策の2つ目は、さまざまな生産性向上施策です。地道な活動ではありますが、まず売上生産性の向上に関しては、さまざまなところでAIを使うことによって業務効率化を行っています。
また、この四半期に強く進めているのは営業の効率化です。営業活動以外の時間をなるべく自動化し、営業活動により時間を使えるようにしています。現状では、営業1人当たり月4,800分の業務を削減する目標を立てています。営業日では約10日に相当するため、月の半分くらいの営業以外の業務を削減する目標です。
現状の進捗では、4,800分のうち2,900分削減できています。営業日にならすと、業務削減により月当たり6日分、営業活動に費やす時間が増えました。足元ではアカウント数の伸びにもすでに少しずつ現れており、生産性は着実に上がってきている手応えを感じています。
粗利生産性の向上に関しては、今年1月から3月に中国のオフショア開発会社の清算を行う予定です。これにより開発原価が低減され、結果的に粗利率の向上に寄与する見込みです。
また、M&Aなどでグループ子会社も増えてきていることから、人員の適正化を進めていきます。グループ内でより人的リソースを有効に活用することで、外部に流出していた業務委託費や開発原価を削減し、粗利率の向上にプラスに働くと見込んでいます。
当然これ以外にもさまざまな施策を実施しており、一歩一歩着実に進んでいます。
③販売管理費のコントロール
冒頭でお伝えした販売管理費のコントロールについてです。当社の販売管理費はほぼ人員増によるもので、こちらも十分計画どおりにコントロール可能なものです。2025年9月期は、2024年9月期ほど一気に増えるようなことはしばらくないと考えています。人員強化の結果、売上が伸びてきており、投資を行った分が売上にしっかりと反映しています。
データプロダクトの売上・粗利推移
サービスごとの業績ハイライトです。
データプロダクトの売上・粗利推移では、主力事業である「UNIVERSE」の成長により、売上高が前年比11パーセント増、粗利が前年比14パーセント増となりました。
「デジタルサイネージ」が2024年11月から非連結化となったことから、2024年10月の1ヶ月のみの取り込みですが、それにもかかわらず全体でも売上・利益が拡大しています。
データプロダクト「UNIVERSE」の売上・粗利推移
「UNIVERSE」だけを切り出すと、売上・粗利ともに前年比24パーセント増と、大きく伸びています。引き続き生産性を改善し、売上・粗利の拡大を目指します。
データプロダクト「UNIVERSE」の業種特化製品
「UNIVERSE」の業種特化商品についてです。毎年年末にふるさと納税が伸びることから、第1四半期は地方自治体の部分が大きく伸びました。
UNIVERSEにおける業種毎のシェア
業種ごとのシェアです。より分散が進んできており、特定の業種に依存しない事業構造になっています。
データプロダクト「UNIVERSE」のKPI – 稼働アカウント
「UNIVERSE」のKPIである稼働アカウント数です。2024年9月期に採用した新人の活動が徐々に本格化し、前年同四半期比で10パーセント以上伸びています。
データプロダクト「デジタルサイネージ」の売上・粗利推移
「デジタルサイネージ」の売上・粗利推移です。こちらは1ヶ月のみの取り込みですので、参考的なものとなります。非連結化したため、第2四半期以降は開示を行わないこととなります。
コンサルティングの売上・粗利推移
コンサルティングの売上・粗利です。海外事業を中心に、売上・粗利ともに増収増益です。
コンサルティング – メディア向け
国内メディア向けコンサルティングは売上が前年比で5パーセント増です。粗利は15パーセント減ですが、これはサービスのミックスによって上下に変動しますので、特に大きなネガティブな要素はありません。
コンサルティング – 海外
海外コンサルティング事業は増収増益です。後ほどご説明しますが、新規事業として日本の知的財産(IP)を活用した商品の企画販売事業を開始しました。今後、海外事業の新しい成長のエンジンの1つになると考えています。
オルタナティブデータ事業の進捗
オルタナティブデータ事業です。第1四半期は年利換算が3.51パーセントでした。ある程度、明確なシグナルが出た時に大きくポジションを取っていくように、第1四半期においてはかなり保守的な運用をしました。
新規サービス「Conel for Revival」
事業のアップデートについてです。
新規サービスの「Conel for Revival」をリリースしています。これは主に、eコマースなど、ネット上での購買や申し込みの広告主向けサービスで、購入や申し込みをしようと思ったものの、最終申し込みまで至らなかったお客さまに対するフォローアップを行います。
cory社は2023年1月にM&Aした会社です。もともと我々の本業である「UNIVERSE」は、基本的には新規顧客の認知を上げて新たに送客していくものですが、このM&Aにより、当社が持っていない購買後のサービスや購買を促進するためのサービスを補完しています。
cory社やUNCOVER TRUTH社がグループに入ることによって、新規から購買支援や購買後の既顧客のフォローアップまで、トータルで支援するラインナップがそろってきています。
今後も、当社の中で所有していない重要なパーツとなるサービスを持っている会社のM&Aや資本業務提携は引き続き積極的に行い、我々のサービスを補完することによって総合力をつけていく方針です。
【参考】
・2023年1月:LINEチャットボットを活用したマーケティングサービスを提供する 株式会社coryの株式取得(子会社化)のお知らせ
・ 2024年3月:PostCookie時代に向けた事業戦略の要として、 CDP事業を展開する株式会社UNCOVER TRUTHを連結子会社化
新規事業「(株)IP mixerの設立」
新規事業として新たにIP mixer社という会社を設立しました。これには日本のアニメやVTuberの海外人気が非常に高いという背景があります。当社は10年以上、海外でローカルに根ざしたビジネス展開を行っていますので、IP mixer社では日本企業が持つすばらしいIPを海外へ持って行き、例えば物販やタイアップ企画、販売などを行います。
ここ数年でトライアルを行い、かなり手応えを感じていますので、これから本格的に展開していきます。具体的に始動する際には、告知やリリースで株主・投資家のみなさまにご案内いたします。我々としては実績もありますので、今後の成長という意味では非常に楽しみな事業です。
2025年9月期第1四半期決算説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。