売上原価および販管費の内訳変更
賀来聡介氏(以下、賀来):代表取締役社長兼Co-COOの賀来です。それでは、さっそく2025年6月期第2四半期決算説明会を始めます。
まずはじめに、「売上総利益・売上総利益率が減少していませんか?」というご質問があったため、販管費の計上について記載しています。
スライドをご覧のとおり、トップラインである売上高と営業利益はまったく変わっていません。販管費を計上する場所が変わったということで、ご安心いただければと思います。
2025年6月期 第2四半期実績
2025年6月期第2四半期の実績です。売上高は前年比13.0パーセント増の120億9,800万円となりました。
詳細は製品事業とLABOのセグメントごとにご説明しますが、特に今期は、昨年7月のスタート以来、暑い7月・8月、そして12月の繁忙期において、「キーパーLABO」および「キーパー PRO SHOP」の現場スタッフが非常にがんばった実績が反映されたのではないかと思います。
また、KeePer製品の売上については、新車マーケットの拡大に加え、車以外へのコーティングが積み重なったことが、実績につながったと考えられます。
販管費は前年比2.8パーセント増となりました。ただし、抑えられているというよりも、昨年は店舗拡大に伴い、多くの人材を採用しています。
さらに、既存店舗でも1店舗あたりの人員配置を見直しました。今までは1人の技術者につき月間売上100万円を目処に、スタッフを1人ずつ増員していました。例えば、1店舗の月間売上が1,000万円であれば技術者は10人、1,000万円を超えると11人にする、という人員体制です。
しかし、平均単価が大きく上昇しており、店舗によっては人員が過剰になりつつあると感じたため、増員基準を100万円から120万円に引き上げました。これにより、適正な人員配置が実現できたのではないかと思っています。
以上の結果、営業利益は前年比21.4パーセント増の40億3,100万円となりました。
2025年6月期 第2四半期(10-12月):営業利益の増減益分析
営業利益の増減益分析を見ると、「キーパーLABO」の来店台数が前年比プラス12.9パーセント増と、大きく伸びていることがわかります。こちらは、需要拡大に伴い新店舗が増えているということです。また、既存店における1店舗あたりの来店台数も増加しています。
さらに、予約システムを小修正しました。これにより、従来の予約システムよりも施工可能な台数が増加し、多くのお客さまが利用しやすくなりました。この修正の結果、お客さま数が増えました。
製品事業では、新車マーケットの成長が増収に貢献しました。
四半期ごとのセグメント別業績推移
セグメント別業績推移です。みなさまが一番気にされているのは、営業利益率ではないかと思います。スライド右上にある青い折れ線グラフが製品事業、赤い折れ線グラフがLABO事業です。
製品事業の営業利益率は、当第2四半期だけで46パーセントとなりました。こちらは年々上昇しており、その要因は新車マーケットにあります。当社の最大の付加価値である「EXキーパー」というコーティングが非常に受け入れられ、多くの施工台数につながっていることが最も大きなポイントです。
「どこまで伸びるのでしょうか?」というご質問もいただくことがありますが、「EXキーパー」は今後も伸びます。ただし、新車マーケットにおいては、高価格帯のコーティングだけでなく、メンテナンスや再施工など3万円から5万円のコーティングも出ていくため、伸び続けるわけではなく、いい頃合ではないかと思っています。
「キーパーLABO」の営業利益率は、数年前と比べると若干低下していますが、スライドをご覧いただくと、回復傾向であるということがよくわかるかと思います。
製品等関連事業の月次動向
それでは、セグメントごとの説明です。月次動向については、みなさまもよくご覧いただいていると思いますので、説明は控えます。
上期における製品等関連事業のサブセグメント内訳
製品事業は、4つのマーケットに分けています。事業全体の売上は前年比13.3パーセント増という実績ですが、マーケットごとに傾向が異なることがわかるのではないかと思います。
特に、ガソリンスタンドを主体とするアフターマーケットは前年比1.8パーセント増となり、少々厳しい実績です。
アフターマーケット
ガソリンスタンドのビジネスモデルは、年々燃料が減少しており、それに伴い企業側も新たな人材の採用や育成に対して少しずつ消極的になっています。
さらに、ハード面の投資でも変化が見られます。当社のコーティングにおいても、ボディーコーティングのブースの新設が、投資としては少しずつ減ってきています。スライドでも示したとおり、人員不足が顕著になり始めている印象です。
そのため、現場では需要があるお客さまが来ているにもかかわらず、お断りせざるを得なかったり、そもそもの施工台数を制限したりする状況が発生しています。
足元では、ガソリンや燃料油の価格が高騰しました。今年1月は「出たな」と感じましたが、実は、私もそのような業界出身の人間です。この動向は歴史上ずっと繰り返しており、通常は2ヶ月ほどで落ち着く傾向があります。暖かくなる3月ごろからは買い控えも収まり、通常の需要に戻るのではないかと思っています。
ちょうど今日の午前中には、石油元売り会社へ営業に行き、さまざまなお話をしてきましたが、「ガソリンの数量自体は落ちていない」と言っていました。ただし、プラスアルファの購買行動は、やはり控えられているようです。一方で「3月以降はお任せください」と非常に力強く言っていたため、春に向けて復活してくるのではないかと考えています。
とはいえ、ガソリンスタンドのマーケットが今後何十パーセント伸びるかというと、もちろんありません。これから成長するのは、新車ディーラーを主体とする新車マーケットであることは間違いないと思います。
新車マーケット
スライド左側のグラフを見ると、一番伸びているのはやはりトヨタです。このグラフからも、トヨタを軸に伸びていることが一目でわかるのではないかと思います。
ただし、当社はこのマーケットにおいてはどちらかと言うと後発組であり、すでに展開していた会社との競争が激化していることは仕方がないと思っています。
トヨタやスバルは大きく伸びていますが、それ以外は伸び切れていないと思うところも若干出てきています。ただし、これは想定どおりであり、そこまで心配していません。それよりも、3年先、5年先を見据えた際、当然ながら新車の販売台数はもう伸びないわけなのです。
では、みなさまがどうするのかというと、「保有サービスを拡大していきたい」ということです。具体的には、「現在の顧客に向けたサービスを提供していきたい」という意向を非常に力強く打ち出しています。
このような状況の中で、当社が行っているような、新車だけでなく、2回目の施工や3年後・5年後のサービスを積極的に導入したいということで、導入車数が着実に増えています。そのような意味で、今後は「ここはここで楽しみだな」と思っています。
もう1つ、当社の一番の強みは「キーパーLABO」という現場を持っていることです。現在、「キーパーLABO」と新車ディーラーが強力にタッグを組み、ビジネスの拡大を力強く推進しています。
例えば、新車ディーラーで購入した車の再コーティングを5年後に当社へご依頼いただいたり、メンテナンスを任せていただいたりします。それ以外にも、鉄粉汚れや花粉汚れなどのトラブル対応を「キーパーLABO」にお任せいただくことで、両者で力を合わせてビジネスを拡大しているモデルが全国的に広がっています。
中には、月間売上が1,000万円ほどに達している地域もあり、今後も力を合わせ拡大していきたいと考え、行動しています。
また、新車ディーラーにおいても、新車販売だけでなくメンテナンス事業も導入しようという動きが力強く出てきています。そのような意味では、当社の一番得意な分野であることから、ここで力強く行動していきたいと思っています。
海外
海外についてです。みなさまご存じのとおり、海外事業部では昨年8月に「キーパーLABO」初の直営店舗をオープンしました。
これまで月次売上は発表していませんでしたが、スライドで示したとおり、オープン月の売上は326万円、今年1月は400万円弱と、まあまあの実績かと思っています。実は、非常に手応えを感じています。もちろん、まだ黒字化には至っておらず、若干の赤字ではありますが、オープンから半年でこの水準の実績であれば、十分でしょう。
加えて、当然ながらシンガポールは日本と異なり、KeePerを知っている方はいらっしゃいません。当社はオートバックスの下に出店しているため、オートバックスを訪れたお客様に対してKeePerをご案内し、ご来店いただき、サービスを提供しています。
そのような意味で、当初は集客の導線が1本のみでしたが、とある方から非常に有力な情報をもらいました。日本と同じかもしれませんが、シンガポールはTikTokやInstagramを活用したマーケティングが非常に有効だということです。「これをうまく活用すれば、一気に拡大できる」というアドバイスを受け、2025年はSNSマーケティングに非常に注力したいと思っています。
さらに、自社だけでなく「海外事業を協力的に手伝いたい」「一緒に行いたい」という企業も出てきており、今後は大変期待できるのではないかと思います。
もちろん、来年からというわけではありませんが、3年・5年先を見た時に、KeePerが海外へ大きく広がる手応えは感じています。スライドにも記載のとおり、Googleの口コミ評価は47件で4.9点です。これは日本でもなかなか得られない評価であり、海外でもKeePerがしっかり受け入れられていることがわかります。
海外事業も着実に進めていきますので、今後を楽しみにしていただければと思います。
それでは、この後の車以外のコーティングについては、谷にバトンタッチします。よろしくお願いします。
車以外のサービス
谷好通氏(以下、谷):代表取締役会長兼CEOの谷です。私からは、車以外のサービスについてご説明します。
現在、非常に活躍している部分として、実際に売上につながっているのは「スマホキーパー」です。こちらは、KDDIから一斉に販売が開始されました。以前からドコモでも取り扱いがありましたが、間に入っていた商社の様々な事業の一部にとどまっており、全面的な取り組みには至っていませんでした。
しかし、KDDIの場合は直接の取り組みのため、ほぼ全店舗に入りました。現在は、トヨタディーラー内のauショップへの順次導入を手伝っています。「スマホキーパー」は非常に評判が良く、今後はソフトバンクや楽天などへも積極的に働きかけを行っています。
また、現在、非常に忙しいのはお風呂のコーティングです。こちらは、一斉に入っていくわけにはいかないものの、BtoBが着実に増えています。
先日開示しましたが、エステー社のグループ会社であるエステーPRO株式会社のサービス部門が、全社を挙げて行っていくとおっしゃっていました。
「お風呂KeePer」は、非常に汚れにくくなるということで始まりました。しかし、ホテル業界では滑らないという点が注目されており、現在も順調に進みつつあるのではないかと考えています。
現在、実際の売上となっているのは「スマホキーパー」の系統とお風呂のコーティングです。一時期力を入れていた看板は伸び悩んでおり、本当にやめようかと思っています。
その理由として、当社のコーティングは汚れがつきにくくなる一方で、新しい看板を貼る際、コーティングが邪魔になり、貼ることができないのです。その結果、余分な経費がかかり、きれいだった分を帳消しにしてしまうため、プロからもブレーキがかかっている状況です。このため、伸びないだろうと思っています。
また、フジツボの付着防止などさまざまなものを展開していますが、これらはなかなかスッとは進みません。 このように、言い始めると「それはやめたほうがいいのではないか」と思うようなことも含めて、現在さまざまなことを行っています。
その中で、やはり最も可能性が大きいと考えているのは、家の中に入っていくものです。カインズが非常に熱心に取り組んでいる「お風呂KeePer」も、その一例です。カインズとKeePerのダブルブランドで展開され、店頭に並ぶ商品も増えています。
ただし、「意外とダメだった」という話ばかりしてはいけませんが、意外と商品数が出ないというのが現状です。アイテム数の関係もあるかもしれませんが、思ったようには商品数が出ないため、こちらで大きくするよりも、むしろECサイトのほうがいいのかなど、暗中模索を続けています。手応えはしっかりと感じているものの、なかなか伸びていないのが現状です。
キーパーLABOのフランチャイズ展開
現在、「キーパーLABO」は転換期を迎えています。既存店舗は、何年もキャパシティアップや店舗の強化を行いつつ、さまざまなソフト面や商品も強化し、1店舗あたりの売上はだいたい一定の水準まで達しました。
しかし、このまま直営店を年間15店舗、20店舗、30店舗と一生懸命増やしていくと、人の問題なども発生します。どんどん人が増えても、離職率が下がるわけではなく、採用する人数にも限度があります。
今年は相当な社員が入社し、今年4月1日の入社式には約300人が出席します。今回は東京・名古屋・大阪・北海道の4ヶ所に分けて行います。それほどの人材を確保しても、新たな直営店をどんどん増やすにはやはり限界があるため、約半年前より出光興産との業務提携を契機にフランチャイズ店の募集を始めました。
「受け入れを始めた」とも言えますが、業界内に案内を行ったところ、現在は「話を聞きたい」「検討したい」という声を非常に多くいただいています。
今後は、直営店は十数件から20件程度が適切な出し方だと思っています。この店舗数を維持したまま、FC店を加速させていく方針です。まずは足元を固め、ビジネスモデルをしっかり確率させ、店舗のルールやマニュアルなどを固め、百数十件が順調に伸びきったところで、FC展開に移ります。
この段階は、いずれ行わなければいけないことでした。当然ながら、直営店を増やすように売上が増えるわけではありませんが、着実に利益を伸ばすステップを踏んでいるところです。
つまり、「キーパーLABO」はさまざまな意味でフェーズが変わったということです。マーケットからの要望が非常に強く、もたもたしているとマーケットは成長しないため、ここはなんとか食いしばらなければいけない状況に至っています。
また、ガソリンスタンドがいよいよ本格的に減り始めています。 そのようなところから「この店を辞めるので、キーパーLABOをここに作ってほしい」、あるいは「この空き地に作ってほしい」という依頼がどんどん増えています。
今までは、出光興産とすでに新聞で発表もしていますが、最終的には300件はこの業態にしたいと考えています。同時にENEOS社からもお話があります。
詳細については話しすぎないようにとの指摘もあるため控えますが、世の中が変わってきていることは明らかです。これまでアフターマーケットには固執せず、新車マーケットで展開していてよかったと感じています。同時に、今後は「キーパーLABO」でもどんどんと引き受けていく方針です。
また、「キーパーLABO」はカーディーラーからも非常に必要とされており、そちらに合わせていくことで事業が加速していくのではないかと思います。積極的にFCを取り入れることで現在は人材も潤沢ですが、いずれは必ずブレーキがかかるため、対処していきたいと考えています。
私からのご説明は、以上です。
質疑応答:売上高の上期の総評と、下期の解説について
質問者:業績面について、上期は売上高は3億円下振れ、営業利益は2億円弱上振れたと思いますが、特に第2四半期は非常に良く、利益率も非常に高かったと思われます。社内ではどのような議論や評価をされていますか? 例えば、一過性のものがあったかどうかも含めて教えてください。
また、下期については、現状のままではかなり利益水準が低くなると思われます。その場合、上方修正があってもおかしくないのではないかという内容だったかと思います。下期についての解説をお願いします。
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