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荒浪昌彦氏:みなさま、こんにちは。株式会社ドラフト代表取締役の荒浪です。ご視聴いただき、ありがとうございます。本日は私から、先日発表した2024年12月期通期決算および中期経営計画の進捗状況についてご説明します。
今回は、スライドに記載している4つの項目に分けてご説明します。前段は会社概要ですが、今回の説明会が初めての方もいらっしゃる想定でご説明しますので、よろしくお願いします。
COMPANY PROFILE
会社概要です。当社の経営理念は「ALL HAPPY BY DESIGN」です。デザインの力で世界にHAPPYの循環を作り出し社会に貢献することを目指しています。
COMPANY PROFILE
当社グループは、デザイン事業を100パーセントとした単一セグメントです。
主な事業領域はスライドに記載のとおり、ワークプレイスやオフィスのデザイン、リテール、商業施設のデザイン、建築デザインなど、空間デザインをメイン領域として多岐にわたるデザインを手がけています。
太陽インキ製造 InnoValley
2024年12月期に我々が手がけた、いくつかのプロジェクトをご紹介します。本資料の別ページにはさらに多くの事例を掲載していますが、ここではビジュアルを中心にご説明します。
こちらのスライドは、我々がデザインした嵐山にある太陽インキ製造さまの研究開発棟です。
太陽インキ製造 InnoValley
我々は、もともとオフィスデザインからスタートしています。スタート当初は小さなオフィスが中心でしたが、直近では太陽インキ製造さまのような大きな会社のデザインも手がけるようになりました。
私にとっても非常に思い入れのあるデザイン案件で、太陽インキ製造さまのようなメーカーも、従業員のために空間をデザインする時代が来たのだと感じています。
ouno御堂筋
こちらのスライドは、シェアオフィスです。ダイビルさまが大阪にお持ちのビルのデザインを手掛けました。
ouno御堂筋
このようなシェアオフィスやコワーキングスペースも、当社の重要なデザインのターゲットとなっています。
Salone del Mobile.Milano 2024 “Pointillisme”
こちらは、当社が自社で取り組んでいるオリジナルのライフスタイルデザインブランド「DAFT about DRAFT」です。
当ブランドでは、主に家具を取り扱っています。スライドの写真は、2024年4月にイタリアで開催された「ミラノサローネ」という世界的なインテリアデザインの展示会に出展した当社のブースです。
Salone del Mobile.Milano 2024 “Pointillisme”
「DAFT about DRAFT」を始めた理由として、もともとは当社のデザインに合う家具がなかなかなく、「それならば自分たちで作ろう」と考えたことからスタートしています。
そのため、我々がデザインした家具や海外から取り寄せた家具を自社プロジェクトで使うこともあるほか、一般のお客さまにそれらを販売することもあります。
「DAFT about DRAFT」というブランドとして展開しているのは、BtoC領域にも進出し、当社の知名度アップにつなげる目的もあります。
No.15
スライドの写真のような椅子などをデザインし、リリースしています。
WonW Chair
時には他の家具メーカーとコラボレーションして、スライドのような家具を作って発表することもあります。
WonW Chair
スライドの写真は、当社のデザイナーであり創業者、そして代表取締役でもある山下が、スペイン大使館で新作のチェアに関するセミナーを開いた際の様子です。
日比谷セントラルビル
こちらは、虎ノ門駅と霞ケ関駅の間にある日比谷セントラルビルです。非常に良いロケーションにある、築年数が経過した歴史あるビルです。
このような古いビルの付加価値を高めるためのデザインも、当社の重要なビジネス領域になっています。
日比谷セントラルビル
当社は、日比谷セントラルビルの入口、1階ロビー、共用施設のデザインを手掛けました。
2024年12月期 業績ハイライト 前年同期比
ここからは2024年12月期の業績についてご説明します。
2024年12月期の業績を、スライド中央の網掛けの部分に示しています。売上高は122億7,600万円、前年同期比14.7パーセント増となりました。営業利益および経常利益は10億円を超え、当期純利益は6億4,600万円を計上しています。
売上高および各段階利益は、いずれも過去最高の売上利益となりました。
業績ハイライト 規模別売上高と平均売上高
売上高について、もう少し詳しくご説明します。スライド左側にある棒グラフが、規模別売上高推移です。当社は売上高1億円以上のプロジェクトを大型案件と定義しており、それ以外に5,000万円から1億円の案件、5,000万円未満の案件と区分して表にしています。
スライドに記載のとおり、2023年から2024年にかけて、1億円以上の大型案件は63億3,000万円から94億9,300万円へと、大幅に増加しました。プロジェクト1件あたりの規模が大きくなっていることが、直近の当社の傾向です。
案件規模が大きくなると、外注費や材料費の費率は小型案件とそれほど変わらないものの、労務費にかなり差が出てきます。そのため、なるべく大型案件を取り込み、利益率の高い仕事にしたいと考えています。
スライド右側は、上位30件のプロジェクト平均売上高です。こちらも大型化が進んでおり、2023年12月期の2億4,400万円から2024年12月期は3億5,200万円まで大きくなりました。大型化している一例として、こちらも記載しています。
業績ハイライト 直接利益率の推移
利益についてです。スライドには「直接利益率の推移」と記載していますが、直接利益とは外注費、材料費等を除いた、当社の管理会計上の利益を指します。
スライド右側の折れ線グラフのとおり、直接利益率は過去から上昇を続けてきて、2024年12月期は38.1パーセントとなりました。それ以前と比べるとやや落ちてはいますが、この水準が適切だろうと考えており、利益は着実に獲得できています。
業績ハイライト 領域別売上高の前期比
領域別売上高です。まず、領域を大きく2つに区分しています。1つは「ディスプレイデザイン・建築デザイン・その他」で、もう1つは「オフィスデザイン・プロジェクトマネジメント・その他」です。
オフィスデザインは、読んで字のごとく一般企業のオフィス案件を指しています。ディスプレイデザインはビル1棟やコワーキングスペースなど、オフィス以外のデザインを指しています。
もともとは、スライド左側の「ディスプレイデザイン・建築デザイン・その他」を伸ばしていきたいと思っていました。
しかしながら、2024年12月期は「ディスプレイデザイン・建築デザイン・その他」が前期比8.9パーセントの伸びに対し、「オフィスデザイン・プロジェクトマネジメント・その他」は前期比20.7パーセント増と、後者のほうが大きく伸びる結果となりました。
要因の1つとして、上場企業を中心に人的資本に対する取り組みが本格化してきています。太陽インキ製造さまの事例のように、従業員のために働く環境を整え、デザインするという大きな流れが生まれていると感じています。
2025年12月期 業績見通し
2025年12月期の業績見通しです。2025年12月期の売上高は133億円を計画しています。
スライドのグラフは、創業以来の売上高推移です。2020年12月期の変則決算期を除いて右肩上がりで成長を続けており、今年も来年もこの成長を継続していきたいと思っています。
2025年12月期 業績見通し –PROJECT STOCK–
133億円という売上高の見通しは、期首時点でのプロジェクトストック、いわゆる受注残高に近いものの状況と、期中に獲得できる見込みのプロジェクトの数字を総合的に勘案し、決定しています。
特に、当期はお仕事を待つのではなく、我々が自ら仕掛けていく「プロポーザルプロジェクト」を本格的にスタートする予定です。これらの売上も加味し、計画を立てています。
「プロポーザルプロジェクト」でどのようなことをするかについては、後ほどご説明します。
2025年12月期 業績見通し
売上高を含む損益の業績見通しは、スライド中央の網掛け部分に記載したとおりです。売上高は133億円、営業利益・経常利益はそれぞれ11億円強、当期純利益は6億7,000万円を見込んでいます。
増収増益の計画ですが、今回の決算発表および業績見通しの発表後、残念ながら株価はかなり下落してしまいました。その要因として、業績予想の内容がみなさまに引っかかってしまったのではないかと考えています。
こちらのスライドにも記載のとおり、通期業績予想は増収増益を見込んでいます。ただし、上半期と下半期に分けると、上半期は売上高46億円、営業利益マイナス2億6,000万円の計画となっています。
この背景には、当社の営業上の課題として、季節変動が非常に大きいことが挙げられます。特に、プロジェクトが上半期よりも下半期に集中してしまう傾向が長く続いており、2024年12月期はいったん解消していました。
しかし、2025年12月期は期首時点でプロジェクトストックの積み上がりがすでに下半期に集中してしまっており、残念ながら上半期は営業損失を計画しています。
とはいえ、2022年12月期および2023年12月期も、実は同様の傾向がありました。上半期は赤字だったものの、通期では最終的に数字を作ることができており、今回も同様のかたちになるかと思っています。
横浜ティンバーワーフ
こちらは、今まで「臨港パーク」としてご説明していた「プロポーザルプロジェクト」の事例の1つです。横浜市の臨港パークにおいて、当社が手がけている建物が4月に竣工し、秋頃から営業を開始します。
そもそも何をしているかというと、当社が自らのリスクで建物を建て、そこを中心にエリアを活性化していく事業を、1つのデザインサービスとして展開しようとしています。
横浜ティンバーワーフ
「横浜ティンバーワーフ」ではテナントを誘致し、すでにすべてのテナントが決定しています。賃料収入を得るだけでなく、この建物周辺で開催するイベントでさらなる収益を得ていく事業モデルです。
ただし、この事業は数字に大きく貢献するものではなく、このような象徴的なものを手がけることで、当社の知名度を上げることを第一に考えていきたいと思っています。
UMITO 奄美大島 白浦
「プロポーザルプロジェクト」からは外れますが、インバウンドの事例としてご紹介したいと思います。
スライドの写真は「UMITO」という、現在、当社がデザインしている奄美大島のホテルです。
UMITO 奄美大島 神の子
やはりインバウンドが非常に盛り上がっており、当社でもホテルのデザインが非常に増えてきています。このような流れも着実に取り込み、売上を拡大していきたいと思っています。
株主還元策
株主還元策についてご説明します。決算発表と同時に、増配についても開示しました。
スライド上段に記載のとおり、2024年12月期の配当は1株当たり12円を予定しています。前期の1株当たり6円から倍増となり、さらに2025年12月期は前期比プラス2円となる14円の配当を予想しています。
2024年12月期の配当を1株当たり12円まで増加した背景として、昨年来、投資家のみなさまとさまざまな場面でディスカッションしました。
「当社のPERや時価総額を上げるためには、どのようなことが必要か?」について議論を行う中、やはり当社の配当水準が通常の企業平均と比べてかなり低い水準にあることから、まずはDOE3パーセントとなる水準まで配当を引き上げました。
当社はもともと累進配当という配当方針を持っており、この数値をベースに、累進配当を行っていきたいと考えています。もちろん、可能な限り毎期の増配を目指していきます。
株主還元策
株主還元策として、株主優待でQUOカードを配っています。
個人投資家の方々はこのQUOカードを非常に注目していると、ディスカッションの中で教えていただき、非常にうれしく思いました。今期も継続していきたいと思っています。
2024年12月期通期の主な案件
補足資料として、スライドには2024年12月期通期の主な案件を掲載しています。残念ながらクライアントの名前を出せないものもありますが、どのような仕事をしたかをご覧いただけるかと思います。
この中には、先ほど画像を見ていただいた案件も含まれますが、そうでないものもいくつかありますのでご参照ください。
実績事例
ここからは、中期経営計画の進捗について簡単にご説明します。
スライド40ページから42ページの会社概要、経営理念、ビジネスモデルなどは、先ほどご説明しましたので割愛します。43ページから47ページは、事業領域と事業内容の事例を掲載していますのでご参照ください。
こちらのスライドも、当社が手がけたプロジェクトをコンパクトにまとめたものとなっています。
事業系統図/受注タイプ
当社の事業の特徴を1つご説明します。スライド右側の円グラフは、当社の売上高に結びつく案件がどのようなかたちで入ってきたかという、受注タイプを示しています。
右半分の濃い青の部分は、リピートのお客さまです。薄い青の部分が紹介のお客さまで、34.0パーセントを占めています。円グラフのとおり、リピートや紹介の案件のお客さまが全体の85パーセントを占めています。
当社は今まで、営業部隊が直接企業に売り込みに行ったり、電話営業やダイレクトメールなどを送ったりするアプローチは行っていません。このようなかたちで、質の高いクライアントと直接コンタクトしていく活動をしています。
損益構造/損益実績
こちらのスライドも、先ほどご説明した利益率の推移ですので割愛します。
ビジネス環境(市場・競合)
ビジネス環境についてです。市場についても一応記載はしていますが、当社の事業はなかなかユニークであり、特定の市場は存在しないと思っています。
デザイン関連市場/ディスプレイ業界市場
オフィスのデザインの市場だけでも客観的な数字は出ていませんが、一番近いのはディスプレイ業界の市場規模だろうと思っています。
とにかくいろいろな領域でデザインの業務を行っており、これからも需要はまだまだ高く、どんどん伸ばしていけると思っています。
競争優位性
競争優位性については、前回の中期経営計画から特に認識は変わっていませんので、ご説明を割愛します。
成長戦略と課題認識
ここからは現中期経営計画の進捗についてご説明します。
当社の成長戦略は変わっていません。スライドに記載のとおり、「レギュラープロジェクト」、自分たちが仕掛けていくプロジェクトである「プロポーザルプロジェクト」、世の中にエッジの効いたデザインを作っていく取り組みである「リーディングプロジェクト」の、3つのプロジェクトを相互連関させていく方針に変わりはありません。
ただし、実際に収益貢献していく「プロポーザルプロジェクト」の内容としては、先ほど「横浜ティンバーワーフ」についてお話ししましたが、古いオフィスビルのリデザイン事業を本格的に取り組んでいきたいと思っています。
実際に、特に東京地区などは築30年から40年のビルがかなり多い状況にあります。そのようなビルに付加価値を付け直す部分で、デザインの力を使えるのではないかと思っています。
実際に大手不動産会社と同様の事業には取り組んでいますが、こちらは自社のリスクで取り組む案件になります。特に付加価値の高いデザインを用いて、ビルの価値を高めていくことにチャレンジしたいと思っています。
成長戦略と課題認識
スライドに記載した施策については、今年も継続して取り組んでいきます。
目標とする経営指標
目標とする経営指標についてご説明します。もともとの中期経営計画で2026年12月期の売上高目標を145億円、営業利益率の目標を9パーセントとしていましたが、この数字について変更はありません。
スライド下のグラフに記載のとおり、当初の計画では2024年12月期で売上高120億円、2026年12月期で145億円というかたちにしていました。
2025年12月期にはもともと数字は入れていませんでしたが、売上高133億円を達成し、中期経営計画最終年度の145億円につなげていきたいと思っています。
営業利益率についても、2024年12月期の8パーセントから、2025年12月期には8.6パーセント、2026年12月期には9パーセントと、順調に伸ばしていけるのではないかと思っています。
目標とする経営指標
2026年12月末の時価総額目標150億円も変更はありません。みなさまご存じのように、時価総額は、純利益にPERを掛け合わせたものです。このうち純利益は順調に伸ばしていけるのではないかと思っています。
PERについては、今回は残念ながら株価が下がって、PERは再び下がってしまう結果となっています。やはり継続的な成長、そして利益を拡大していくこと、同時に当社のブランド価値を高めていくことをセットで、地道に取り組んでいくことが大事だと思っています。
私からのご説明は以上となります。当期も社員一丸となってがんばっていきますので、よろしくお願いします。
質疑応答:人材採用の状況について
「人員について、業容の特殊性から他の業種・上場企業と様相が異なり、買い手市場で多数の候補者から選択している状況と理解しています。人手不足と言われる現在も、この点に変わりはないでしょうか?」というご質問です。
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