ポイント①EC事業|「スーパーデリバリー」のGMVは順調な推移を継続
今野智氏:株式会社ラクーンホールディングス取締役財務担当副社長の今野です。本日は決算説明会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。本日15時半に発表した、当社2025年4月期第2四半期決算についてご説明します。よろしくお願いします。
まず、決算のポイントです。今回はポイントを5つご用意しています。
ポイントの1つ目は、中間期に関しては中間の業績予想を公表しており、売上面でも利益面でも、その計画値を超える水準で無事着地できました。
また、今期は従前よりご説明しているとおり、業績のV字回復と最高益の達成を掲げており、その通期の業績予想に対する進捗率も非常に順調な結果となりました。具体的な数字は後ほどご説明します。
ポイントの2つ目はEC事業に関してです。EC事業では「スーパーデリバリー」というサイトを運営しており、その流通額であるGMVが非常に順調な推移を継続しています。
補足でご説明します。「スーパーデリバリー」は昨年度の第2四半期から、無料会費プランの導入やプロモーションの増強など、さまざまな施策を打っています。
GMVは購入客数と客単価の掛け算で計算されますが、特に購入客数をより強く成長させるために実施しているものです。その結果、今期第2四半期に関しては、購入客数が引き続き順調に増加しており、特にリピート購入者数が非常に力強く成長しています。
一方で、客単価に関してはやや不満が残る結果となりました。新しいお客さまの増加などの理由もあり、客単価の減少や低下が続いていました。今期第2四半期は、非常に残暑が厳しかったことから、なかなか秋冬物の販売が伸びない外部環境もあり、残念ながら購入客数が第1四半期までと同様に低下しました。
3ヶ月前に「そろそろ底打ちが見えてきた」とお話ししましたが、結果としては今期第2四半期でも低下してしまいました。ただし、購入客数の増加が非常に力強かったことにより、GMVはしっかりと伸びています。
金額的には、国内では95億3,100万円、YoYで9.4パーセント、海外では37億9,300万円、YoYで15.9パーセントの成長です。全体でも130億2,500万円、YoYで11.2パーセントと2桁成長を達成することができました。
国内・海外別の状況です。国内に関してはリピート購入者の増加が非常に順調であり、YoYで22.5パーセントの成長となっています。
先ほど少し触れたとおり、昨年度の第2四半期から会費無料プランの導入やプロモーションの増強を行っており、会員の増加ペースが非常に高まってきました。その時期に対するYoYであるため、今期第2四半期からハードルが一気に上がっています。
そのような状況でも、22.5パーセントと20パーセント台の成長ができたことは、非常に大きいことだと考えています。
海外に関しても購入者数が非常に強く成長しており、これがGMVの成長を牽引しています。さらに国内と事情が異なる点が、客単価の低下が起きていないことです。若干の低下はあるものの、ほぼ横ばいの水準で推移していますので、購入客数の増加が素直にGMVの成長につながっています。
後ほど数字も示しますが、台湾、香港、アメリカ、韓国の主要4ヶ国では香港以外が非常に順調に成長しています。
ポイント②フィナンシャル事業:「Paid」、「URIHO」ともに引き続き順調な成長を継続
ポイントの3つ目は、フィナンシャル事業に関してです。この事業は基本的に非常に順調な成長を継続しています。
「Paid」に関しては中間期までの6ヶ月間の取扱高がYoYで13パーセントの成長となり、2桁成長を達成しています。「URIHO」についても保証残高がYoYで14.5パーセント成長と、こちらも2桁成長しています。
特に「Paid」に関しては加盟企業数の増加が非常に順調であり、稼働率も緩やかではありますが上昇しています。結果として今期第2四半期の取扱高は過去最高を更新し、ようやく100億円を突破しました。
一方で、フィナンシャル事業のもう1つ大事な要素としてコスト面があります。デフォルトの発生状況が非常に重要ですが、今期第2四半期に関しては想定よりもデフォルトが少なかったといえます。
売上原価率は23.6パーセント、YoYで1.8ポイントの低下、QoQで2.2ポイントの低下となります。これは、裏を返せばそれだけ売上総利益率が向上していることになりますので、短期的な利益を押し上げる結果になりました。
もう1点、フィナンシャル事業のポイントとしてはラクーンレント社の売却があります。家賃保証事業「ラクーンレント」を展開していたラクーンレント社については、従前から上場企業の株式会社イントラストへの売却を発表していました。こちらは第2四半期が終わった直後の2024年11月1日に売却手続きがすべて完了しています。
スライド右側に今後のフィナンシャル事業の売上高推移について、イメージ図を示しています。今期第3四半期以降はこの家賃保証事業の売上がなくなります。したがって、フィナンシャル事業の見た目上の売上成長率は悪化し、売上高の面では第3四半期、第4四半期はおそらくマイナス成長となります。
みなさまには、そのマイナス成長それが家賃保証事業の売却によるものだとあらかじめご理解いただきたく、ここでご説明しました。当然、家賃保証事業を除く「Paid」と「URIHO」での成長率は別途計算してお示ししますので、驚かずにいただきたいと思います。
今後の売上総利益率の向上について
ポイントの4つ目は今後の売上総利益率の向上についてです。こちらは第2四半期の決算に関するものではなく、今後のお話です。
もともと非常に利益率が高いことが我々の事業の特徴ですが、今期下半期以降はEC事業、フィナンシャル事業ともに売上総利益率がさらに上昇することが想定されています。
EC事業に関しては非常にシンプルな話ですが、クレジットカードの手数料率がさまざまな交渉などの結果、引き下げられることになりました。
結果として、売上総利益率が今年11月以降は2パーセント上昇することが想定されています。直近のEC事業の売上総利益率は77.4パーセントで、ここからさらに2パーセントの上積みが見込まれています。これにより、純粋に利益が増える可能性が出てきます。
一方で、フィナンシャル事業に関しては家賃保証事業を今年11月1日で売却していますので、この部分が連結から外れます。
この家賃保証事業は「Paid」や「URIHO」に比べて相対的に売上総利益率が低い事業でした。したがって、フィナンシャル事業は結果として売上総利益率が3パーセント程度上昇することになります。
直近のフィナンシャル事業の売上総利益率は75.3パーセントで、ここから3パーセントほど引き上げられることになります。
我々はやはり利益率は非常に大事だと思っています。EC事業で2パーセント、フィナンシャル事業で3パーセント上昇していますので、今後売上が上昇した際の利益寄与はより大きくなることが期待されます。
自社株買いの実施について
ポイントの5つ目は、自社株買いの実施についてです。今年10月21日に、自社株買いの公表を行いました。
取得する株式総数は、最大上限で110万株です。これは発行済み株式の5.1パーセントに相当する規模となり、総額は最大上限で11億円です。取得期間を長く取り、2024年10月22日から2025年4月末までに最大で110万株、もしくは11億円の取得を行います。
自社株買いの目的としては、本当に当たり前のことですが、株主還元をある程度充実させていくことと、資本効率の向上です。
株主還元について補足します。本日の決算短信にも数字を出していますが、配当に関しては期初に公表したとおり上半期に10円、下半期に10円、合計20円の配当を予定しています。これは過去最高に並ぶ水準となります。
連結業績|概要
5つのポイントについてご説明しましたが、ここからはそれをもう少しブレイクダウンしたご説明となります。
まず、今期第2四半期連結業績の概要です。スライドの損益計算書には中間期の業績、中間期の業績予想に対する達成率、通年の業績予想に対する進捗率を示しています。
まず中間期の実績としては、売上高は30億5,200万円、YoYで8.3パーセントの増加です。業績予想に対する達成率は101.8パーセントと、予想値を若干超えた水準です。
営業利益は6億1,900万円、YoYで89.9パーセントの増加です。業績予想に対する達成率は106.9パーセントとなります。経常利益も同様の水準です。
当期純利益は2億8,900万円、YoYで42.7パーセントの増加です。業績予想に対する達成率は115.6パーセントとなります。比較的順調な決算だったと思います。
スライド右側の通期業績予想に対する進捗率では、売上高がちょうど50パーセントです。我々は基本的に売上高が下半期偏重となりますので、上半期で50パーセントの進捗率は比較的良い進捗だと考えています。
利益に関しては営業利益、経常利益が50パーセントをやや下回る水準です。こちらも売上高と同様に基本的には若干の下半期偏重となりますので、業績予想に沿った進捗だと思います。
一方で、当期純利益だけがやや低い進捗率となっていますが、これには理由があります。家賃保証事業を今年11月1日に売却完了しましたが、それに先立ち、今年10月に家賃保証事業が持っていた家賃保証契約の一部について、売却先の株式会社イントラストとは別の会社に地位の移転を行っています。
それに伴い、第2四半期にはワンショットのコストとして特別損失1億2,300万円が計上されています。これによって業績予想に対する進捗率としては当期純利益だけ若干低く見えています。
連結業績|概要(広告宣伝費・販促費除き)
こちらのスライドは広告宣伝費と販売促進費を除いた連結業績です。繰り返しになりますが、昨年度はプロモーションの増強などを行っていました。特にテレビCMや大規模なポイントキャンペーンなどを実施した結果、広告宣伝費が膨らみました。
昨年度は第2四半期時点で広告宣伝費、販売促進費として6億3,200万円計上していました。これが今期は4億8,500万円まで縮小しています。今期はテレビCMのようなマス広告をやめ、大規模なポイントキャンペーンも必要がありませんので実施していません。
一方で、リスティング広告やSNS広告などのベーシックな集客のための広告は、昨年度増強した水準と同程度で推移しています。
結果として広告宣伝費が減少したこともあり、広告宣伝費、販売促進費を除いた営業利益は昨年度中間期の9億5,900万円から今期中間期は11億500万円となり、15.2パーセントの2桁成長となっています。
連結業績|グループGMV・URIHO保証残高推移
次にグループGMVと「URIHO」の保証残高推移です。
まず、スライド左側はグループGMVの推移です。直近で172億5,300万円となっています。これは、世の中では我々の「Paid」や「スーパーデリバリー」などを使った物の流通やお金の決済などが、3ヶ月間で170億円も発生したことになります。グラフでもおわかりいただけるとおり、非常に順調に増えてきています。
一方で、スライド右側の「URIHO」の保証残高推移では、残念ながら今期第2四半期でやや伸びが鈍化しています。これについて後ほどご説明します。
こちらのスライドでは、グループGMV、「スーパーデリバリー」「Paid」は非常に順調ですが、「URIHO」では第2四半期にやや鈍化していることをご理解ください。
連結業績|売上高推移(中間期)
連結業績の売上高推移です。これまでご説明した内容に沿ったものですが、EC事業、フィナンシャル事業ともにYoYは順調に成長しています。
連結業績|売上高推移(四半期)
四半期別の売上高推移です。こちらも基本的には順調ですが、EC事業の売上高が第1四半期は8億6,500万円、第2四半期は8億5,800万円と約700万円減少しています。
我々の季節変動性としては、基本的に上半期は低く、下半期は高くなります。その中で上半期の第1四半期と第2四半期を比べると、第2四半期のほうがやや高い傾向があります。
ただし、特定の条件のもとでは第2四半期のほうが第1四半期よりも下がることがあります。その条件が残暑です。残暑が厳しい時は秋冬物の動きが悪くなり、第1四半期よりGMVが下がるため、結果として売上が減少します。
今年はまさにその条件に該当しました。過去においても、2013年4月期や2017年4月期に残暑の影響で減少しています。
ただし、これはあくまで一過性の動きであり、過去の2013年、2017年もその後は順調に成長しています。今期に関しても天候要因による一過性の弱さだと捉えて間違いないと考えています。
連結業績|売上総利益推移(四半期)
売上総利益の推移です。EC事業に関しては、売上の減少に伴い、当然売上総利益も下がっています。
一方、フィナンシャル事業は、QoQでも昨年度の5億4,600万円から今期第2四半期は5億7,100万円と力強く伸びています。
これは売上増加に加え、先ほどのポイントの項でもご説明したとおり、原価率が下がったことにより売上総利益率が上がっています。売上総利益の成長が比較的大きくなったことがスライドのグラフにも表れています。
連結業績|費用(販売費及び一般管理費)構成推移(中間期)
費用構成の推移です。広告宣伝費、販売促進費、人件費、その他経費の6ヶ月間の推移を並べています
ご覧のとおり、昨年は広告宣伝費、販売促進費が大幅に増えましたが、今期はテレビCMや大規模なポイントキャンペーンを実施しなかったために減少しています。
一方で、人件費は昨年度と同様、ベースアップなどの市場動向により増加傾向にあります。
連結業績|営業利益推移(中間期)
営業利益の推移です。スライド左側のグラフのとおり、今期はV字回復と最高益を目指しており、今のところは比較的順調です。
昨年度は会費無料プランの導入やプロモーションの増強などにより、一時的なコスト増で利益水準が低くなっていましたが、今期第2四半期では一昨年度の第2四半期をわずかに超える水準となっています。
後ほどEC事業の項でもあらためてご説明しますが、昨年度、EC事業では広告宣伝費の増加により、販管費が増加しました。今期第2四半期は、ようやくその販管費に対してブレークイーブンとなるGMVに追いついたというイメージです。結果として、営業利益が一昨年度とほぼ横並びの水準になりました。
そのような意味では、GMVがブレークイーブンを超えたと認識しており、今後GMVが増えた時には限界利益率が高くなることから、ここから利益に反映されるタイミングに差しかかってきます。
スライド右側のグラフは、広告宣伝費、販売促進費を除いた営業利益推移です。ご覧のとおり、第2四半期は過去最高益となっています。
連結業績|営業利益推移(四半期)
営業利益推移を四半期で比較しても、先ほどのグラフと同様に昨年度はかなりコストをかけたことがおわかりいただけると思います。
ようやく営業利益が一昨年度の水準に戻ってきましたので、ここからさらに増益幅を伸ばしていきたい考えです。
EC事業|FY2025/4 Q2まとめ
ここからはセグメント別にご説明します。
冒頭でお伝えしたとおり、EC事業に関しては国内・海外ともに購入客数の増加がGMVの成長を牽引しました。
こちらのページではポイントを絞ってご説明します。今後の取り組みとして1点だけ目新しいものがあります。スライドの国内施策の2つ目に記載している、「Paid」利用の支払い期限を60日から90日へ延長する施策です。
我々の顧客の小売店には、有料プラン会員と無料プラン会員がいます。有料プラン会員かつ希望する小売店には、「Paid」決済の支払い期限を従来の最長60日から90日に延長する仕組みを導入しました。これは、会員のキャッシュフロー改善に寄与することで、客単価を向上させることが目的です。
我々は、直近ではどちらかというと客単価よりも購入客数に狙いを定めていますが、客単価をまったくないがしろにしているわけではなく、できることは実行しています。支払い期限の延長はその一環です。
導入にあたっては当然ながら、利用期限の延長によってお客さまの購入行動がどのように動くか、事前にテストを行っており、そこでも非常にうまくいっている施策です。会員のキャッシュフロー改善により、客単価が向上するようなゾーンの方に提供していくことで、今後結果が出てくることを期待しています。
EC事業|国内EC
国内ECの詳細データです。こちらも先ほどご説明したとおり、小売店・小売店以外ともに購入客数が順調に伸び、YoYで17パーセントから18パーセントの成長率となっています。
一方で、客単価に関しては、残念ながら新規顧客の増加や顧客ミックスの変化、残暑の影響などにより、平均単価としてはYoYで8.7パーセント低下しています。
したがって、購入客数の増加は非常に力強いわけですが、この一部が客単価の低下でオフセットされた結果が今回の国内GMVの成長率となります。
客単価の低下が一段落するとGMVの成長率は大幅に引き上げられると見込んでおり、客単価をある程度注視しながら、客数増加を図っている状況です。
EC事業|海外EC
海外に関しては主要4ヶ国を掲載しています。
まず、台湾では今期第1四半期からようやくマイナス成長が止まり、プラス成長に回帰しました。台湾は構成率が高い分期待しているとお話ししていましたが、第2四半期もプラス成長を維持しています。
香港は想定していたとおり、マイナス成長が続いています。アメリカはYoYで13.7パーセント、韓国はYoYで48.7パーセントの成長と比較的高成長が続いています。
ただし、アメリカに関しては第1四半期までの成長率よりはやや低下しています。円高による為替影響はあまり関係ないと考えていたのですが、さまざまな分析を行ったところ、やはり円高の影響を多少受けていることが要因の1つです。
また、期中にハンドリングフィーといわれるお客さまの購入時にかかるコストや送料に関して、試験的に値上げや値下げを実施したところ、値上げ時にGMVの成長が極端に低下しました。第2四半期はその低下したタイミングが含まれてしまったことも影響しています。
ただし、アメリカはマーケットが非常に大きいため、おそらくこの水準が定着してしまうことはなく、もう少し戻ってくるのではないかと期待しています。
スライドの補足となりますが、アメリカや韓国で実施したYouTuberとのタイアップ企画が功を奏していることから、イギリスなどの英語圏でも動画配信も開始し、それなりの結果が得られています。
また、主要4ヶ国以外の状況としては、オーストラリア、タイが順調に推移しています。いずれ上位に上がってくることを期待しています。
EC事業|スーパーデリバリー流通額(GMV)推移(四半期)
「スーパーデリバリー」の流通額推移についてはスライドのとおりです。先ほどご説明したとおり、第2四半期は第1四半期より減少しています。
EC事業|購入客数と客単価(四半期)
購入客数と客単価についても、ご説明したとおり購入客数は増えていますが、客単価が下がっています。
EC事業|購入客数推移(リピート購入客/初回購入客別)(四半期)
購入客数の推移では、リピート購入者数が順調に積み上がってきており、我々としても期待できる部分だと考えています。
EC事業|購入客単価推移(四半期)
客単価に関しても海外がQoQではわずかに下がっているものの、ほぼ横ばいが続いており、2、3年前との比較ではむしろ上がってきています。
一方で、国内はいまだ厳しい状況が続いており、特に第2四半期は残暑の影響もあったことから低下傾向が否定できません。
EC事業|売上高推移(四半期)
売上高推移についても、今までご説明した内容がグラフに表れています。1つだけ補足すると、テイクレートが直近11.18パーセントと緩やかな上昇を継続しています。前期比でプラス0.11ポイント、前々期比でプラス0.45ポイントと非常に緩やかながら上昇しています。
EC事業|セグメント利益推移(四半期)
EC事業のセグメント利益は、ご覧のとおりようやく一昨年の水準に戻ってきました。一昨年比でブレークイーブンに差し掛かったことがグラフから見てとれると思います。
フィナンシャル事業|FY2025/4 Q2まとめ
フィナンシャル事業についてご説明します。「Paid」はYoY13パーセントの成長となり、ようやく四半期で100億円、中間期で200億円を超えました。
成長率については、通期目標のYoY14.3パーセントに対して13パーセントとわずかに下回っていますが、十分取り返せる範囲だと考えており、「Paid」には非常に期待しています。
一方で「URIHO」に関しては、途中でお伝えしたとおり順風満帆の状況ではありません。通期で保証残高の成長率はYoY24.7パーセントを目標としていますが、中間期の結果としてはYoY14.5パーセントとビハインドの状況です。
この理由の1つとして、フィナンシャル事業のプロモーションコストを昨年度より引き下げた影響があります。プロモーションコストを増やすことである程度は回復すると思うのですが、我々としては現状でそのつもりはありません。
過大なプロモーションコストをかけずに、稼働率向上のための施策や退会率のさらなる抑制に取り組むことを考えており、すでにさまざまな施策も実施しています。しかし、その結果がまだ表れてきていません。
そのため、残念ながら今期に関しては「UERIHO」の急激な回復に大きな期待はできませんが、今期下半期は来期に向けてさまざまな施策を練っていきたいと考えています。
フィナンシャル事業|Paid取扱高推移(四半期)
「Paid」の取扱高推移です。昨年度の第4四半期あたりから、特に外部取扱高の成長カーブが非常に大きくなってきており、非常に期待しています。
フィナンシャル事業|URIHO保証残高推移(四半期)
「URIHO」の保証残高推移です。特にサブスク型の成長率の低下が懸念されますが、稼働率の向上や退会率の抑制に全社一丸となって取り組んでいますので、しばらく猶予をいただきたいと思います。
フィナンシャル事業|四半期売上高推移(四半期)
四半期売上高推移です。「URIHO」「Paid」、家賃保証事業の合計は着実に伸びています。
ただし、先ほどご説明したとおり第3四半期以降は家賃保証事業の分が売上から除かれるため、見た目上はしばらくマイナス成長に入ります。しかし、「URIHO」「Paid」の売上成長は継続していきます。
フィナンシャル事業|売上原価率推移(四半期)
売上原価率の推移です。これは非常に大事な指標で、我々が理想的だと考えている売上原価率の水準は25パーセントから35パーセントです。第2四半期は売上原価率がやや下回った状況にあり、短期的には利益を押し上げています。
これは我々の与信審査が非常にうまくいっていることも理由の1つです。今、世の中では倒産件数が非常に増えているといわれています。その中で低い売上原価率、すなわち低いデフォルト率を達成できていることは、我々にとっても自信につながります。
さらに会計的な理由もあり、デフォルト率が比較的低い状況が続いていますので、第2四半期には監査法人との取り決めの中で引当率の見直しを行っています。これも売上原価率の低下に多少効いています。
ただし、今後も23パーセント台の売上原価率が続いていくかといえば、そこには若干誤解がありますので、お気をつけください。
フィナンシャル事業|セグメント利益推移(四半期)
フィナンシャル事業のセグメント利益の推移です。今期第2四半期のセグメント利益は1億9,200万円、YoYで53.1パーセントの成長、QoQで5パーセントの成長と非常に順調です。
特にフィナンシャル事業に関しては、昨年度第2四半期のプロモーションを増やしていない、平時と比較したYoY53パーセント成長です。すなわちその分利益が増えたことになりますので、非常に良い状況だと思っています。
EC事業ではようやくブレイクイーブンに差し掛かったとご説明しましたが、フィナンシャル事業では、売上が伸びた分がそのまま利益成長につながる局面に差し掛かっています。売上総利益率が70パーセント以上ありますので、その部分が利益に反映されてきました。また、昨年第2四半期に比べて広告宣伝費が減っていることも利益増の理由の1つです。
私からのご説明は以上です。
質疑応答:クレジットカード手数料率について
「クレジットカード手数料率について教えてください」というご質問です。
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