2025年度第1四半期決算 ハイライト①
山本均氏(以下、山本):代表取締役社長執行役員の山本です。本日は決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。それでは、2025年度第1四半期のハイライトについてご説明します。
収支のハイライトです。売上高はグループ会社の売上が増加したものの、会員収入の減少などにより減収となりました。経常利益については、グループ会社の売上増加や4K放送終了による費用の減少などの増益要因があったものの、会員収入の減少などをカバーできず、減益となりました。
2025年度第1四半期決算 ハイライト②
加入のハイライトです。2025年度第1四半期の新規加入件数は15万7,000件、解約件数は23万4,000件となりました。スポーツコンテンツや音楽コンテンツなどが好評を得て新規加入獲得につながったものの、前年同期は「WOWSPO」の開始や「UEFA EURO 2024 サッカー欧州選手権」の放送・配信といった好影響を与える要因もあり、新規加入件数は前年同期に比べ減少しました。
一方で、目的番組の終了などによる解約があったものの、解約件数は前年同期と比べ良化しました。結果、正味加入件数はマイナス7万7,000件、累計正味加入件数は228万3,000件となりました。
2025年度第1四半期決算 収支状況(連結)
決算の数字の詳細について、経営管理・経理統括の尾上よりご説明します。
尾上純一氏:取締役専務執行役員の尾上です。IRを担当しています。スライド13ページの配当計画まで私がご説明します。まず、連結の収支状況です。前年同期と比べ、減収減益となりました。売上高は186億9,400万円で9,600万円の減収、経常利益は14億2,200万円で2億3,100万円の減益となりました。
売上高は、グループ会社の売上が増加したものの、会員収入の減少などにより減収となりました。経常利益は、グループ会社の売上増や4K放送終了に伴う費用の減少など増益要因があったものの、会員収入の減少をカバーできず、減益となっています。
また、特別利益として投資有価証券売却益4,200万円を計上しました。これは、保有していたIMAGICA GROUPの株式のTOBに先方の要請により応募したことによるものです。
結果、四半期純利益は9億9,700万円となり、1億900万円の減益となりました。
連結経常利益 前年同期との差異要因
連結経常利益の差異要因についてです。スライドの左側が利益の増加要因、右側が減少要因を示しています。まず増加要因についてですが、グループ会社収支は、WOWOWコミュニケーションズが昨年10月に買収したCINRA社が加わったことなどにより、2億2,700万円増加しました。
番組費は1億6,300万円減少しました。詳細については、この後ご説明します。PF(プラットフォーム)月額手数料は、ケーブルテレビ局等の再送信に係る費用で、会員件数の減少などにより1億1,700万円減少しました。
技術費は4K放送の終了などにより、1億1,100万円減少しました。その他は同様に、4K放送の終了などに伴う減価償却費の減少などが要因となっています。
次に減少要因です。会員収入が7億4,100万円減少し、その他事業収支も2億8,900万円減少しました。これは前年同期に映画「ゴールデンカムイ」の売上があったことなどが影響しています。その結果、2億3,100万円の減益となりました。
セグメント別連結売上高/営業利益対比
セグメント別の状況についてご説明します。まず、メディア・コンテンツセグメントです。お客さまからいただく会員収入が売上高の多くを占めています。売上高は、WOWOW BRIDGEなどのグループ会社の売上増加に伴い、その他収入が増加したものの、会員収入の減少をカバーできず、前年同期比で4億5,300万円の減収となりました。営業利益は売上の減少に伴い、4億400万円の減益となっています。
次に、テレマーケティングセグメントについてです。こちらは、連結子会社であるWOWOWコミュニケーションズの事業となります。
売上高はCINRA社の売上が加わったことなどにより、2億9,800万円の増収となりました。営業利益は売上の増加に伴い、1億8,400万円の増益となりました。
2025年度第1四半期決算 加入状況
加入状況についてです。新規加入件数は15万7,000件で、前年同期比4万1,000件減少しました。「UEFAチャンピオンズリーグ」や「全仏オープンテニス」といったスポーツコンテンツ、「東方神起」「SUPER BEAVER」などの音楽コンテンツが好評を得たことで、新規加入獲得につながりました。
一方、前年同期には4月より「WOWSPO」が開始されたことや「UEFA EURO 2024 サッカー欧州選手権」の放送・配信などの増加要因があったことで、新規加入件数は減少しました。解約件数は23万4,000件で、前年同期に比べ4,000件減少しました。
サッカーコンテンツなど目的番組の終了による解約があったものの、前年同期と比較して解約数は良化しました。その結果、正味加入件数は前年同期に比べ3万7,000件減少し、マイナス7万7,000件となりました。累計正味加入件数は14万5,000件減少し、228万3,000件となりました。
番組費の推移
番組費の推移についてです。当第1四半期は音楽コンテンツの放送・配信を強化しましたが、前年同期に「TOKYO VICE Season2」など大型コンテンツの放送・配信があった影響で、番組費は1億6,300万円の減少となっています。
2025年度 収支計画(連結)
2025年度の収支計画です。5月の公表値から変更はありません。売上高は、昨年10月に買収したCINRA社が通期で寄与することや、グループ外売上の増加によりテレマーケティングセグメントが増収すること、事業の多層化による売上の増加があるものの、会員収入が減少することにより、前期と比べ減収となる見込みです。
経常利益については、マーケティングコストの効率的運用による費用の減少や4K放送に関連する費用の減少があるものの、売上の減少により前期と比べて減益となる見込みです。当期純利益については、前年度に発生した減損損失などの特別損失がないことから、増益となる見込みです。
2025年度 加入計画
2025年度加入計画についてです。こちらも5月に公表した数値から変更はありません。正味加入件数はマイナス10万件、累計正味加入件数は226万件となります。
第1四半期の時点で正味加入件数がマイナス7万7,000件となっていますが、スポーツコンテンツのシーズン終了による解約はある程度想定しており、その後、新シーズンの開幕により解約されたお客さまが徐々に戻ってくると見込んでいます。
また、第2四半期以降にコンテンツを投入し、加入獲得を目指していきます。さらに、中期経営計画で掲げているコンテンツと連動した事業の多層化による成長を加速させ、加入の増減による影響を受けにくい収支構造への転換を引き続き目指していきます。
2025年度 配当計画
2025年度配当計画についてです。変更はなく、1株当たり30円の配当を計画しています。株主還元の重要性を認識しており、今後も安定的な配当を継続して行う方針です。私からのご説明は以上です。
オリジナルドラマや音楽ライブが充実
井原多美氏:みなさま、こんにちは。会員事業戦略を統括している取締役専務執行役員の井原です。よろしくお願いします。
先ほどのVTRでご覧いただいたとおり、8月から10月はオリジナルドラマや音楽ライブが充実しています。オリジナルドラマでは、日本推理作家協会賞を受賞した芦沢央原作、吉岡秀隆主演の社会派ミステリー連続ドラマW 「夜の道標-ある容疑者を巡る記録-」や連続ドラマWで初主演を飾る高橋一生を迎えた連続ドラマW 「1972 渚の螢火」を放送・配信します。
本作は、1972年の本土復帰直前の沖縄を舞台に繰り広げられるクライムサスペンスです。同じく沖縄を舞台とし、第61回ギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞した連続ドラマW 「フェンス」を製作したWOWOWならではのオリジナルドラマとなっています。
音楽コンテンツでは、昨年に続き、WOWOWがSUMMER SONIC 2025のオフィシャルTVとして独占ライブ配信を行います。洋楽、Jポップ、Kポップなど、ジャンルにとらわれないトップアーティストが勢ぞろいする、日本を代表する都市型フェスをぜひお楽しみください。
また、アジア、アメリカに続き、2025年6月にヨーロッパ進出を果たしたYOASOBIが、イギリスのOVO Arena Wembleyで行った初のヨーロッパワンマン公演を放送・配信します。
多層サービスの推進
5月に公表した中期経営計画の重点戦略の1つである「多層サービスの推進」についてご説明します。
まず、日本公演での単独公演の放送・配信権に加え、興行や物販にも取り組んでいるATEEZについてです。9月からATEEZによる史上最大規模となる日本国内アリーナツアー「ATEEZ 2025 WORLD TOUR [IN YOUR FANTASY]IN JAPAN」を開催します。
アジアのほか、アメリカやヨーロッパでもライブツアーを開催するなど、グローバルアーティストとして活躍する彼らが、日本全国3都市7公演を巡り、延べ7万5,000人を動員する予定です。また、ペンライトや会場限定のキーホルダーなどのグッズ販売も実施します。
続いて、当社主催のイベント「JAZZ NOT ONLY JAZZ」です。昨年6月に開催した第1弾は、初開催にしてチケットがソールドアウトとなり、大変話題となりました。WOWOWにて放送・配信されたほか、今年9月19日から劇場版の公開が決定するなど、さまざまな多層サービスを展開しています。
第2弾となる本イベントは、グラミー賞受賞アーティストのロバート・グラスパーや椎名林檎など、前回に引き続き豪華キャストが集結するライブ企画となっており、チケットはすでに完売するなど大変好評をいただいています。
なお、当日の模様はStreaming+など配信チケットでも販売し、第1弾に続き、イベント開催だけにとどまらない多層展開を進めていきます。
ECサービスの推進
新しいECサービスについてです。中期経営計画の重点戦略の1つであるECサービスは、今秋の立ち上げに向けて着々と準備を進めています。現在展開中の「wowshop」から新しい事業として将来発展させるべく、名称を「WOWOW百貨店」とし、ストアコンセプトを「感性に従い、人生を楽しむ大人のための百貨店」としました。
「WOWOW百貨店」のロゴは、クリエイターの三重野龍さんに依頼しています。三重野さんは、文字を軸としたグラフィック制作を得意としており、これまで東京オリンピックや大阪万博などにも関わってきた方です。今回の「WOWOW百貨店」のロゴについては、「上品さやキリッとした力強さに少しだけユーモアを匂わせ、遊び心と大人の落ち着きを両立させるようなイメージで作りました」とコメントをいただいています。
この「WOWOW百貨店」では、コンテンツ連動商品はもちろん、シーズンに合わせた期間限定商品やライフスタイル商品をご用意し、お客さまをお出迎えしたいと思います。今秋のオープンに向け、ぜひご期待ください。
「WOWOW 夢中のトビラボ」における取り組み
「WOWOW 夢中のトビラボ」についての取り組みです。パーパスである「人生をWOWで満たし、夢中で生きる大人を増やす」の実現に向け、「WOWOW 夢中のトビラボ」ではエンターテインメント領域にとどまらず、広く多角的に生活者を理解することで重要なインサイトを得ることを目的に、「大人の夢中」の研究を進めていきます。
5月には博報堂と共同で第1弾となるレポート「夢中の力調査」を発表し、6月にはウェビナーを開催しました。約230名の方にご参加いただき、その高い関心に手応えを感じました。
この調査では、20代から70代の51.2パーセントが夢中になれる物事を持っており、他人の評価に左右されない自分軸の夢中を持つ人は、夢中な物事を持たない人と比べ人生の満足度が約2倍も高いという結果が得られました。これにより、夢中が人生のクオリティ・オブ・ライフを高め、ウェルビーイングにつながっていることが分かりました。
WOWOWでは、この研究所をきっかけに、生活者のウェルビーイングにつながる活動を共に進めるパートナーを募集し、新たな事業機会の創出にも期待しています。今年の秋には、第2弾レポートおよびウェビナーを開催予定で、自分軸の夢中を持つ比率が高かった50代以上をさらに深く掘り下げた内容をお届けする予定です。詳細が決まり次第、ホームページなどでご案内します。
以上、ご説明したオリジナルコンテンツや話題作のラインナップ、多層サービス、ECをはじめ、多様な取り組みを通じて、会員の日常に夢中を提供する企業への進化を目指していきます。どうぞご期待ください。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:縦型ショートドラマ事業の展開・収益化の見通しについて
質問者:7月18日のリリースに関しておうかがいします。リリースでは、縦型のショートドラマ領域で事業検証を目的とした共同プロジェクトを開始するとありました。現在、各放送局でも縦型のショートドラマを制作・配信し、事業として多くのチャレンジを行っている状況です。
御社においては、リリース内容によれば、当面は「YouTube」や「TikTok」で無料配信を行うということでしたが、課金を予定しているともうかがっています。そこで、ビジネスとしての収益や今後の展開について、お話しいただける範囲でお聞かせいただけますでしょうか?
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