2024年9月期第3四半期決算説明

黒田武志氏:リネットジャパングループ代表取締役社長グループCEOの黒田です。本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

今期は、業績で非常に大きな赤字が出ている状況で、株主や投資家のみなさまには、ご心配をおかけして申し訳ございません。株価も大きく下げており、マイナスになっている方も多いかと思います。

先般発表したとおり、カンボジアのマイクロファイナンス事業の事業譲渡にも道筋をつけることができました。また、今期足を引っ張っていたソーシャルケア事業も、赤字のフランチャイズ部門を今期末で切り離すことが決定しています。

赤字のバッドカンパニーを切り離して、来期は利益が出るグッドカンパニーだけを残すかたちで進めていきます。今は赤字が大きくなっていますが、来期は着実に黒字成長の路線に戻していくつもりで考えています。

株主や投資家のみなさまには申し訳ありませんが、もう1度チャンスをいただき、ご期待いただければと思っています。

経営課題に対する取組み状況

経営課題に対する取組み状況についてご説明します。来期に着実に黒字化させるため、赤字の部門に大胆にメスを入れていきたいと思っています。

1番の懸案だったマイクロファイナンス事業では、チャムロン社の事業譲渡が決まりました。こちらの結果、期末には総資産と有利子負債が約65億円と大幅に圧縮します。今回は譲渡を優先したため、特別損失が発生します。目先の赤字が出たとしても、来期以降の成長につなげていけるよう、約65億円のバランスシートの圧縮を優先しました。

カンボジアの中古車リース事業であるモビリティファイナンス社の事業譲渡も行います。マイクロ保険事業であるプレボア社の営業活動は停止していますが、ライセンスとして売却するよう、継続して交渉しているところです。

経営課題に対する取組み状況

もう1つ重荷になっていた障がい福祉のソーシャルケア事業では、まず静岡県沼津市、群馬県伊勢崎市、新潟県西区にある地方拠点を譲渡します。アニスピ社をグループ化する前に決まっていた出店エリアで、目が行き届かない地方であったため赤字となっていました。地元の優良FC加盟企業への譲渡が決まっています。

千葉県東船橋市と八千代市、大阪府大阪市などの一部不採算ユニットは統廃合していきます。人材を有効活用し、新規採用をなるべく抑制して、コストを削減していきます。このように、収益を大幅に改善する目途をつけています。

FC事業本部は、当社にグループ入りする前後までは、毎月1億円から1億2,000万円くらいの売上が上がっていました。しかし、新規の加盟店を探すフランチャイズの営業活動はボラティリティが高く、現在の売上は毎月6,000万円から7,000万円となっています。赤字となっているため、来期に向けて切り離す方針を固めています。

今後は、アニスピ社傘下の直営拠点に集中していきます。すでに黒字化していますが、ストック型収益モデルを着実に積み上げていきたいと思っています。

赤字によって傷んだ財務を改善するために、第三者割当増資5億円を発表しています。私個人の資産管理会社である合同会社TKコーポレーションが2億円、親密先、取引先が残り3億円を持つことにより、自己資本比率は6.8パーセントとなります。

自己資本比率はそこまで高い水準ではありませんが、カンボジア金融3事業を除くと、約10パーセントまで回復しています。

機動力ある資金確保として、私へストックオプションを発行します。インセンティブではなく、自己資本比率改善にもう少し資金が必要であれば、私が負担するかたちで会社に投じたいと考えています。

経営課題に対する取組み状況

以上のように、今期で赤字部門をすべて切り離します。来期には、リユース事業、リサイクル事業、ソーシャルケア事業の黒字3事業体制で、確実に利益を積み上げていきたいと思っています。

目の前には、大きなビジネスチャンスが控えています。

1つ目は、リサイクル事業です。小・中学校に導入されているGIGAスクールのパソコン900万台の入れ替えが今年末から始まるため、2025年と2026年に大きな需要が発生します。圧倒的シェアNo.1確保のため、同業他社に先駆けて、全国で営業活動を始めています。

2つ目は、障がい福祉事業です。一時的につまずきましたが、当社は、障がい度合いが中度から重度の方向けの日中支援型グループホームの運営に自信を持っています。確実に収益を積み上げられると考えているため、10年で直営200拠点を目指しています。1棟当たりの営業利益は約2,500万円となり、50億円を積み上げることができると思います。

障がい福祉事業は国からの報酬で成り立っており、競合や景気などの市場環境はあまり関係ありません。グループホームはまだまだ足りないため、需要のあるところに着実に開設し、10年で200棟を開設したいと考えています。

株式譲渡契約に係る開示内容サマリー

すでに開示しているチャムロン社の売却事業譲渡についてです。スライドに記載のとおり、事業譲渡が決まっています。

資本対策

第三者割当による増資を行いました。株価について、1株当たり245円で決定しています。

資本対策

有償ストックオプションについては、1株当たり258円で決定しています。

2024年9月期 第3四半期 決算サマリー

2024年9月期第3四半期の決算サマリーです。売上高は89億1,800万円、経常利益はマイナス10億3,000万円と、非常に大きな赤字を出しています。要因は、カンボジアの不正被害による影響と、ソーシャルケア事業の一時的な赤字が大きく響いています。

創業から続けているリユース・リサイクル事業は、概ね堅調に推移しています。ソーシャルケア事業は、アニスピ社傘下の直営店の立て直しにより、満床率が改善し黒字化しています。このように、順調に改善策を進めています。

2024年9月期 第3四半期 決算実績

決算実績です。連結は、売上高が89億1,800万円、経常利益がマイナス10億3,000万円です。第3四半期時点のセグメントでは、リユース・リサイクル事業の経常利益は6億3,800万円、ソーシャルケア事業の経常利益はマイナス4億6,400万円となっています。その他は主に海外金融事業となっており、経常利益はマイナス5億6,700万円です。

2024年9月期 第3四半期 連結損益計算書

連結損益計算書です。親会社株主に帰属する当期純利益はマイナス17億4,700万円となっています。

2024年9月期 第3四半期 連結貸借対照表

連結貸借対照表です。総資産は約149億円、自己資本比率は2.1パーセントとなりました。増資や金融事業の切り離しを行い、自己資本比率を10パーセントまで回復する予定です。

2024年9月期 第3四半期 売上高の増減要因

売上高の増減要因です。ソーシャルケア事業において、アニスピ社買収の影響が大きく貢献しています。

2024年9月期 第3四半期 経常利益の増減要因

経常利益の増減です。ソーシャルケア事業がマイナス約4億円、金融事業がマイナス3億9,000万円と、大きく足を引っ張るかたちになっています。

リユース:売上高(2024年9月期 第3四半期)

各事業の状況についてご説明します。リユース事業は創業から24年目です。売上高は、前年同期比102.4パーセントと堅調に推移しています。

リサイクル:売上高(2024年9月期 第3四半期)

リサイクル事業の売上高は前年同期比94.3パーセントと、一時的に前年を割っています。しかし、来期以降はGIGAスクールパソコン900万台の大きな特需があるため、2倍、3倍、さらに上へ伸ばしていきたいと思っています。

ソーシャルケア :売上高(2024年9月期 第3四半期)

ソーシャルケア事業の売上高は、アニスピ社がフルに連結に入ってきたため、前年同期比246.9パーセントとなっています。

外国人材:売上高(2024年9月期 第3四半期)

外国人材事業の売上高は、前年同期比89.1パーセントとなっています。現地に駐在している幹部などが、金融事業の切り離しにかかりきりになっていたため、少し成長できていないところがあります。しかし、来期に向けて黒字になるまでの道筋が見えている状況です。

「ESモデル」としての成長

今後の成長戦略についてご説明します。当社は、ESGに資する「ESモデル」を掲げています。「E」は環境として小型家電のリサイクル事業、「S」は社会として障がい福祉のソーシャルケア事業を表しています。こちらの2つを軸に成長していきたいと考えています。

今後の戦略

1つ目は、リサイクル事業です。冒頭からお話ししているとおり、GIGAスクールパソコン900万台入れ替えで圧倒的シェアNo.1を獲得します。2019年より全国の小・中学校に1人1台端末としてパソコンが導入されましたが、約5年を経て更新期間を迎えたため、今後入れ替えが発生します。

当社は、年間約100万台という業界最大台数を回収していますが、その約10倍の規模が特需として発生する非常に大きなチャンスです。創業から24年目となりますが、創業以来最大のビジネスチャンスだと考えています。

私も営業の先頭に立ち、大きなシェアを取ることにより、業績を飛躍させたいと思っています。こちらの取り組みについてメディアなどでも取材を受けており、テレビ東京などでも近々放映されると聞いています。確定した場合には、ホームページなどでお知らせします。

2024年2月から密着取材が入っているため、番組を観ていただくと、私自身も営業しているリサイクルの現場などの状況などもご理解いただけると思います。

2つ目は、ソーシャルケア事業です。着実にストック型収益を積み上げており、今後10年で直営200拠点体制を目指します。

【リサイクル事業】ギガスクールパソコンの入替商戦について

各戦略についてご説明します。GIGAスクールです。スライドのグラフは、パソコン入れ替え市場の出荷台数予測です。前哨戦として、2025年の3月までの2024年度で130万台が全国で入れ替わります。これを経て、2025年度は474万台、2026年度は455万台の本格的な入れ替えが計画されています。こちらで、大きなシェアを取れるようにがんばっていきたいと思っています。

当社は、自治体との協定においてもネットワークを広げてきましたが、現在は704自治体、人口でいうと8,800万人のエリアまで協定を締結しています。このようなネットワークなども活用しながら、シェアをしっかりと取っていきたいと思っています。

【リサイクル事業】ギガスクールパソコンの入替商戦について

環境省は、当社が許認可を取得している小型家電リサイクル法を推進する方針を打ち出しています。スライドの資料は、環境省のパンフレットです。GIGAスクール端末処分は、小型家電リサイクル制度を活用するように各教育委員会に通達が出ています。通達だけでなく、全国で説明会が順次行われると聞いています。

小型家電リサイクル法の認定事業者は約50社あり、当社も認定されています。その中で、パソコンのリサイクルに限ると、当社は約9割以上のシェアを持っている状況です。GIGAスクールパソコンの入れ替えについては、少なくとも5割のシェア獲得に向け取り組んでいます。

【リサイクル事業】ギガスクールパソコンの入替商戦について

GIGAスクールパソコン900万台のうち、2019年に導入された端末シェアについては、Apple、Windows、Google Chromeの各OSが約3分の1ずつという現状です。しかし、今回の更新にあたっては、価格優位性などによりGoogle Chromeが大きくシェアを伸ばすという予測があります。

そのため、GIGAスクールのリサイクルにおいて、Googleの公式サービスとして提携しました。スライドの資料は、Googleのパンフレットです。Google Chromeの「Google for Education」というパッケージの中に、リサイクルサポートとしてリネットジャパンを紹介いただいています。

環境省や文科省からも小型家電リサイクル法という方針が出ているため、これに準じたリサイクルサービスとして、Google Chromeにおいて当社が1社認定をいただいている状況です。

今後、Google Chromeの営業部隊と一緒に営業活動を行うことを考えているため、Google Chromeがシェアを大きく取っていけば、当社もそれに比例してシェアを大きく伸ばしていけると思っています。そのため、Googleとしっかりタッグを組み、当社も営業を含めたサポートを行っていきたいと考えています。

【ソーシャルケア事業】中~重度者向け直営グループホームの展開

ソーシャルケア事業において中度から重度障がい者向けグループホームを「BEE-HACK(ビーハック)」という屋号で展開しています。スライドに写真を掲載しています。新築2階建てで、1階に10室、2階に10室の合計20室です。

最近の介護事業などはもっと大きな施設となっていますが、障がい福祉施設は、入居者の方にアットホームなかたちで寄り添っていくという国の制度方針のもと、最大20室と決められています。そのため、このようなかたちの20室の新築物件を展開していく予定です。

【ソーシャルケア事業】中~重度者向け直営グループホームの展開

6月に「ビーハック大泉」、「スマイルあっとほーむ名古屋」、7月に「ビーハックさいたま三室」、「リビットホーム新潟中央A」と展開しています。今後は、首都圏、当社が得意とする中部エリア、近畿にも出店していきたいと思っています。

三大都市圏に集中させるドミナント戦略として、着実にしっかりとしたオペレーションで積み上げていきます。20室満床時には1棟年間2,500万円ぐらいの営業利益が見込めるため、10年で200拠点を積み上げれば、営業利益が50億円レベルになると考えています。

いろいろとご心配をおかけしているうえ、株価もマイナスとなっており、大変申し訳ございません。もうワンチャンスをいただき、来期にはしっかりと赤字を止め、黒字の道筋をしっかりつけていきたいと思っています。引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

質疑応答:アニスピ社の「わおん」について

「フランチャイズ大手というイメージを持っていましたが、アニスピ社の『わおん』は直営を増やしていくのですか?」というご質問です。

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