要約損益計算書(連結)
木谷高明氏:ブシロードの木谷です。2024年6月期第1四半期の決算説明を始めます。よろしくお願いします。
損益計算書はスライドのとおりです。第1四半期は売上高115億円、前年同期比マイナス7億5,500万円、営業利益6億2,100万円、前年同期比マイナス2億4,500万円となりました。
観客動員数の回復傾向が続き、ライブエンタメユニット・スポーツユニットが順調に推移しています。一方で、デジタルコンテンツユニットは低調で、先行する研究開発費も利益を押し下げる要因となりました。
グループ全体で売上高は前年同期比を下回るものの、各利益項目は見込みよりもやや高い水準で着地しています。なお、営業外収益には、為替相場の変動による為替差益1億円を計上しています。
ユニット別 ハイライト
第1四半期の実績と今後の展開をユニット別にまとめたハイライトです。詳細については、ユニット別のトピックスでご説明します。
四半期 連結業績推移 - 販売管理費
販管費の推移です。アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』の放送に伴う宣伝活動に、広告宣伝費と販売促進費を注力しました。
また、前四半期に引き続き、デジタルコンテンツユニットの開発案件増加により、研究開発費が前年同期比で増加しています。
さらに、ブシロードグループのIPを紹介する国際展示会「2023 BUSHIROAD EXPO ASIA」等、国内外でリアルイベントの開催および出展をしたことにより、販売促進費や業務委託費等が増加しました。
四半期 セグメント別売上高・営業利益推移
続いて、四半期のセグメント別の推移です。エンターテイメント事業では、ライブエンタメユニットが順調でした。また、TCGユニット、MDユニット、アドユニットはそれぞれ堅調に推移しました。しかし、デジタルコンテンツユニットの低調が売上・利益を引き下げる要因となり、事業全体としては前年同期比で減収減益となりました。
四半期 セグメント別売上高・営業利益推移
スポーツ事業は、フィットネスクラブ事業からの撤退により当該事業の売上が減少したものの、収益性は改善しました。また、プロレス興行の観客動員数の回復傾向が続いていることから、前年同期比で増収増益となりました。
四半期 ユニット別売上高推移
ユニット別の売上高推移はご覧のとおりです。
TCGユニット 2024年6月期 第1四半期 トピックス
ここからは、ユニット別のトピックスや今後の展開をご説明します。まず、TCGユニットは各ブランドとも堅調に推移しています。特に『ヴァイスシュヴァルツ』のブースターパック『電撃文庫』が非常に好評でした。また、『Shadowverse EVOLVE』の英語版についても販売を開始することができました。
TCGユニット 2024年6月期 第2四半期以降の展開①
今後の展開ですが、『ヴァイスシュヴァルツ』『ヴァイスシュヴァルツブラウ』『Reバース for you』といった大人気作品のカード商品を販売していきます。
TCGユニット 2024年6月期 第2四半期以降の展開②
『カードファイト!! ヴァンガード』では、2024年1月より新シリーズの放送が決定し、12月12日開催の制作発表会で詳細の発表を予定しています。また、決算発表時期の関係で資料には記載がありませんが、『月刊コロコロコミック』で、新作漫画『カードファイト!! ヴァンガード スカイライド』の連載が始まることを告知しました。こちらもぜひご期待ください。
このように、カード商品の展開だけではなく、さまざまなメディアミックスの実施によって、ファンのみなさまや新しいお客さまがIPに触れられる機会を増やすよう努めていきます。
当社のTCGブランドの中でも特に競技性が高い『Shadowverse EVOLVE』については、大会イベントなど、『Shadowverse』のブランドイメージを活かした、ロイヤリティの高いユーザー体験を継続的に提供していきます。
デジタルコンテンツユニット 2024年6月期 第1四半期 トピックス①
続いて、デジタルコンテンツユニットについてご説明します。第1四半期はコンソールゲームの発売がなく、モバイルゲームの厳しい環境が続き、低調に推移しました。
今後に向けた施策として、「東京ゲームショウ2023」では、ブシロードゲームズから今後発売予定のデジタルゲームの詳細や展望をアピールしました。
また、アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』が大きな話題となりました。この好感触が今後のライブエンタメやMDをはじめ、グループ全体に波及していくことで『バンドリ』IPが再度成長し、前へ進む一歩になると考えています。
デジタルコンテンツユニット 2024年6月期 第2四半期以降の展開②
今後の展開ですが、今年10月に、ブシロードゲームズから完全新作のコンソールゲームとなる2作品を発売しました。特に、子会社であるフロントウイングラボが開発したビジュアルノベル『GINKA』は、「Steam」のユーザーレビューにて「非常に好評」の評価をいただいています。英語と簡体字の字幕を同時実装しており、特に中国での販売が好調です。
デジタルコンテンツユニット (参考)今後の発売スケジュール
コンソールゲームの発売スケジュールとモバイルゲームの運用状況は、スライドのとおりです。モバイルゲームは、引き続き個別のタイトルごとに運営費の見直しを行い、収益性を注視していきます。デジタルコンテンツの今後のパイプラインについては、来年1月6日に開催する「ブシロード新春大発表会 2024」にて発表します。
ライブエンタメユニット 2024年6月期第1四半期 トピックス
ライブエンタメユニットでは、『バンドリ!』をはじめ、多数の音楽ライブを開催しました。音楽ライブの観客動員数は緩やかな回復傾向が続き、順調に推移しています。
ライブエンタメユニット 2024年6月期 第2四半期以降の展開①
第2四半期以降も引き続き音楽ライブを開催していきます。今年11月2日から5日にかけて、東京ガーデンシアターで4日連続の音楽ライブを開催しました。
1日目は「ヴァイスシュヴァルツ15周年記念ライブ」、2日目から3日間は「BanG Dream! 12th☆LIVE」を開催しました。満員のライブ会場で、Poppin'Party、MyGO!!!!!およびRAISE A SUILENが、それぞれの個性を爆発させた単独ライブを披露しました。
4日間開催され、私も全日立ち会いましたが、それぞれの個性が爆発した非常にすばらしいライブだったと思います。特にMyGO!!!!!は、今回の規模で行うことが初めてだったため、多くのお客さまに驚きと感動を与えることができたのではないかと感じています。
MDユニット 2024年6月期第1四半期 トピックス
MDユニットは、円安や輸送費・材料費の高騰による影響が継続しているものの、『バンドリ!』関連のライブグッズの販売が伸長したことや、デフォルメフィギュアの新ブランド「PalVerse」が発売した2商品の高品質なデザインが評価されたことから、堅調な結果になりました。
また、売上高の規模はそこまで大きくありませんが、ボードゲームブランド「TERIYAKI GAMES」の新商品が大きな話題となり、IPを創出できる可能性があることが確認できました。
MDユニット 2024年6月期 第2四半期以降の展開
第2四半期の商品の発売はありませんが、下期以降は「PalVerse」シリーズにおいて『進撃の巨人』や『Re:ゼロから始める異世界生活』をはじめ、国内外で大人気のIPの商品展開が、現時点で5タイトル決定しています。
アドユニット 2024年6月期第1四半期 トピックス
アドユニットは、イベント運営や制作などの代理店事業が貢献し、堅調に推移しました。代理店事業やアニメ委員会への出資などを通じて、引き続きグループ事業全体の規模拡大に貢献していきます。
スポーツユニット 2024年6月期第1四半期 トピックス
スポーツユニットは、プロレス興行の観客動員数で緩やかな回復傾向が続き、スポンサー収入も増加していることから、順調に推移しました。
健康食品事業では、『新日本プロレス』『バンドリ!』『ヴァイスシュヴァルツ』といった、ブシロードグループのIPを組み合わせて生まれた健康食品「Roseliaプロテインバー」の販売を開始しました。
また、フィットネスクラブ事業からの撤退により、収益性が改善しています。
スポーツユニット 2024年6月期 第2四半期以降の展開①
新日本プロレスでは、今年9月8日から10月9日にかけて「DESTRUCTION」シリーズの興行を全国18都市で開催しました。また、新日本プロレス創立50周年企画として、映画『アントニオ猪木をさがして』を劇場公開しました。
スポーツユニット 2024年6月期 第2四半期以降の展開②
女子プロレスの「スターダム」は、今年の秋にアジア進出を行います。ブシロードの国際展示会「2023 BUSHIROAD EXPO ASIA」のタイ会場にて試合を実施し、11月24日から26日には、シンガポール会場で試合の実施を予定しています。
「スターダム」の公式YouTubeの登録者数は100万人を突破し、ショート動画を中心に海外人気を伸ばしていく中、海外のファンのみなさまにも生の「スターダム」の魅力を伝えていきます。
一方で、「スターダム」の急速な成長に運営体制が追いついておらず、お叱りをいただく場面が増えており、誠に申し訳ございません。このような状況を踏まえ、選手のみなさまにも全力でパフォーマンスしていただけるよう、またお客さまにも安心して観戦いただけるよう、運営体制を抜本的に見直していきたいと思います。
2023年6月期 連結業績予想の進捗
連結業績予想の進捗率は、売上高が22.7パーセント、営業利益が31.0パーセント、経常利益が33.4パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益が24.3パーセントとなりました。
今後の見通しです。TCGユニットについては、第1四半期と比べて第2四半期の売上・利益が下がる見込みですが、前期と同様に下期偏重となる進捗を計画しています。
デジタルコンテンツユニットについては、良質なコンソールゲームを提供できるよう、各タイトルで必要な開発投資を続けていきます。一方で、モバイルゲームは引き続き運営費の見直しを行い、赤字タイトルの収益化を図りつつ、黒字が見込まれないタイトルは撤退も検討します。その他はスライドのとおりです。
プレスリリース
プレスリリースです。2023年9月26日に自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせを発表しました。概要はスライドのとおりです。
インフォメーション
海外展開として、引き続き国際展示会「2023 BUSHIROAD EXPO ASIA」を開催しています。これまで香港・台北・クアラルンプール・バンコクの4都市にて開催し、現地のお客さまやお取引先さまに参加していただきました。年内にシンガポールと韓国のイルサンでの開催を予定しています。
インフォメーション
年末年始にかけて各コンテンツの発表会を多数開催します。2023年12月12日開催の「カードファイト!! ヴァンガード Divinez 制作発表会」、2023年12月13日開催の「ブシロードTCG戦略発表会」では、各TCGブランドの最新情報を発表します。
また、2024年1月6日開催の「ブシロード新春大発表会 2024」では、ブシロードコンテンツ全体の今後の展開について幅広くご紹介します。さらに、2024年に発売を予定している新規TCGの詳細発表も行います。既存TCGブランドとは異なるジャンルでのチャレンジとなりますので、ぜひご注目ください。
インフォメーション
このたび、一般のお客さまや投資家さま、お取引先さまに、ブシロードグループの商品やビジネスをよりわかりやすくご理解いただけるよう、ブシロードグループの会社案内を刷新しました。
ブシロードグループのさらなる海外展開を見据え、日本語と英語の2言語で併記しており、国内外の展示会やイベントにて配布しています。企業サイトから電子版もご覧いただけますので、ぜひご一読ください。
インフォメーション
『バンドリ!』プロジェクトの新バンド「夢限大みゅーたいぷ」の始動を発表しました。従来のバンドとは異なり、一般公募のオーディションから選ばれたメンバーが、YouTubeでの配信を中心に活動するバーチャル系の新バンドです。2023年11月18日と19日に、スライドに記載のスケジュールで各メンバーによるデビュー配信を予定していますので、チャンネル登録や公式Xのフォローをよろしくお願いします。
木谷氏からのご挨拶
ビジネスによって凸凹がありますが、特にデジタルコンテンツ事業の収益性改善に向かって、将来の布石を打ちながら進めていきたいと考えています。
また、メインビジネスと位置づけているトレーディングカードゲーム事業においては、新規TCGのリリースもあわせて、日本のみならず世界中の方に楽しんでいただけるよう、より広めていきたいと考えています。
引き続き応援のほど、よろしくお願いします。ご視聴ありがとうございました。
質疑応答(要旨)①
Q:第1四半期の各ユニットの実績は見込み通りの進捗でしょうか?
A:デジタルコンテンツユニットは見込みよりもやや低くなりましたが、それ以外のユニットはライブエンタメユニットやスポーツユニットを中心に見込みよりも少しずつ高い水準となりました。その結果、利益項目は見込みよりもやや上振れての着地となりました。
質疑応答(要旨)②
Q: 研究開発費は今後も継続して発生していくのでしょうか?
A:はい。コンソールゲームの開発に伴い継続的に発生いたします。ゲームの発売よりも先に研究開発費が発生するため、現在は先行して費用が発生している状況となっております。
質疑応答(要旨)③
Q:モバイルゲームの収益性はどのような状況でしょうか? 今後、運用タイトル数を調整することは検討しているのでしょうか?
A:お客さまがIPに継続的に触れていただける場としてデジタルコンテンツは大きな役割があると考えており、特に自社IPについてはプロジェクト全体での収益性を重視しております。しかしながら、モバイルゲームは赤字となっておりますので、引き続き運営費の見直しを行い、運用の継続についてはタイトルごとに検討してまいります。
質疑応答(要旨)④
Q:TCG市場の今後の動向についてどのように考えていますか?
A:弊社が想定しておりました動向と同じく、日本国内についてはここ数年に見られた投機的な要素を含んだ急激な市場拡大は落ち着いてきていると考えております。弊社のTCGは実際にお客さまに遊んでいただく実需を重視しており、国内市場・海外市場ともにより多くのお客さまに継続的に遊んでいただけるよう取り組んでおります。
質疑応答(要旨)⑤
Q:TCGユニットの売上が、第2四半期は第1四半期比で減少する見込みということですが、第2四半期の売上が伸びない要因は何でしょうか?
A:ユニット全体として大型商品の発売数や出荷規模がやや小さくなる想定であることに加え、「カードファイト!! ヴァンガード」が新シリーズを前にした準備期間にあたることなどから、減少すると見込んでおります。
なお、TCGユニットは下期偏重となる進捗を計画しており、2024年1月6日開催の「ブシロード新春大発表会 2024」にて詳細を発表する新規TCGにつきましては、第4四半期から業績に寄与する予定です。
質疑応答(要旨)⑥
Q:バンドリ!の『MyGO!!!!!』が人気とのことですが、今後の各ユニットへの影響はどのようになるでしょうか?
A:『MyGO!!!!!』はアニメやライブを中心に人気が出てきており、音楽ソフト等の売上も伸長しておりますので、まずライブエンタメユニットから始まり、その後ライブグッズやキャラクターグッズを扱うMDユニットなどに広げることができると考えております。
※質疑応答部分は、企業提供の要旨になります。