INDEX
岡田祥吾氏:みなさま、こんにちは。プログリット代表の岡田です。2023年8月期通期決算説明を始めさせていただきます。
本日のアジェンダはスライドに記載のとおりです。当社の事業概要、2023年8月期通期の決算ハイライト、2023年8月期第4四半期の決算ハイライト、各サービスの状況、2024年8月期の通期業績予想、成長戦略の順にご説明していきます。
会社概要
当社の概要です。2016年9月に創業し、今期で7期が終わり、8期目が始まりました。2023年8月末現在の従業員数は、174名です。
MISSION
当社は「世界で自由に活躍できる人を増やす」というミッションを掲げています。世の中には、多くの可能性を秘めているにもかかわらず、それを発揮できていない方がたくさんいると思っています。
特にこの日本という国において、英語力が非常に大きな障壁となり、世界でなかなか活躍できず、自分のポテンシャルを発揮できないという方が数多くいます。当社は、あらゆるサービスを通じて、この問題を解決していきたいと考えています。
当社が挑む日本の課題
現在、我々が考えている日本の課題についてお話しします。まず、日本人は英会話スクールに年間約1,650億円という非常に多くのお金を使っています。一方、この10年で日本人の英語力は、上がっていません。それどころか、世界と相対的に見ると、むしろ下がっているのが現状です。
この結果から、日本では多くの方が英語学習を行っているにもかかわらず、なかなか結果に結びついていないことがわかります。せっかくお金をかけて英語を学ぶのであれば、しっかりと英語力が向上する世界にしていきたいと思っています。
事業コンセプト
「どのように日本人の英語力の向上を実現させるのか」をご説明します。当社の事業コンセプトは「人×テクノロジー」です。「人の力」と、今大きく発展している「テクノロジーの力」の2つを掛け合わせることにより、従来の英語学習に革新をもたらしたいと考えています。
事業とサービス概要
当社の事業ポートフォリオです。現在、2つの事業を展開しています。1つ目は祖業である英語コーチングサービスの「プログリット」で、売上全体に占める割合は69パーセントです。
2つ目がサブスクリプションサービスの「シャドテン」で、こちらはリスニング力を向上させるアプリです。こちらの売上比率が大きく向上し、現在31パーセントまで伸びています。
収益構造:英語コーチングサービス
7ページから20ページのスライドは、2つのサービスの詳細説明となっています。よろしければご参照ください。
2023年8月期 業績ハイライト
2023年8月期の通期決算ハイライトです。売上高、売上総利益、営業利益、当期純利益の結果はスライドのとおりです。すべての指標で過去最高を更新しました。
売上高は30億2,300万円で前年同期比134.2パーセント、売上総利益は21億4,000万円で前年同期比141.8パーセント、営業利益は5億円に迫る4億9,700万円で前年同期比152.5パーセントで着地しています。当期純利益は3億6,000万円で前年同期比192.9パーセントとなり、1年前の約2倍まで増加しました。
2023年8月期 業績サマリー(損益計算書)
損益計算書です。スライドの表には、英語コーチングサービスとサブスクサービスの2つに分けて売上高を記載しています。英語コーチングサービスが20億9,200万円、サブスクサービスが9億3,100万円です。特に注目すべきはサブスクサービスのところで、前年同期比で90パーセント成長しています。
さらに、前々回の決算発表で業績予想を上方修正しましたが、売上高から純利益まで、すべての指標において上方修正した業績予想を上回って着地しています。
2023年8月期 売上高の進捗率
売上高の進捗率です。29億円の売上高予想に対し、第4四半期はしっかりと進捗し、104パーセントで着地しています。
2023年8月期 営業利益の進捗率
営業利益の進捗率です。4億6,000万円の営業利益予想に対し、108パーセントで着地しています。第4四半期の進捗が悪いと思われるかもしれませんが、こちらは第3四半期の決算説明会でご説明したとおり、第4四半期はしっかりと投資をして、マーケティングおよび採用を加速しています。
さらに、従業員への還元として決算賞与を支給しています。この3つにしっかりと投資したことにより、13パーセントの進捗となっています。
2023年8月期 営業利益の増減分析
営業利益が1年で3億2,600万円から4億9,700万円へ、1億7,100万円増加したことについて、その要因を分析しています。まず大きな要因は、事業成長による6億3,000万円の粗利の増加です。
投資については、採用を積極的に行った結果、人件費や採用費が約1億9,000万円増加しています。さらに、この第4四半期は大型のマーケティングにも投資し、広告費が1億4,600万円増加しました。その他さまざまな費用の増加がありましたが、それらを差し引いた営業利益は前年度比1億7,100万円増となっています。
2023年8月期 貸借対照表
貸借対照表です。今回、フリーキャッシュフローの7億8,000万円と、前期の東証グロース市場上場時の増資で得た2億6,400万円等により、流動資産が10億円程度増えています。さらに、純資産も6億8,300万円増加し、この期末の自己資本比率は41.5パーセントに上昇しています。
2023年8月期 キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書です。営業活動によるキャッシュフローが着実に増えている点が特徴的で、手元流動性がさらに充実してきています。
業績サマリー(損益計算書)
ここからは、第4四半期の決算ハイライトについてご説明します。はじめに、第4四半期に着目した業績サマリーです。売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益を記載しています。
英語コーチングサービスの売上高は6億円で、前年同期比30.3パーセント、サブスクサービスは2億9,300万円で、前年同期比101.7パーセントの成長を達成しました。英語コーチングサービス、サブスクサービスともに順調に伸長したと思っています。
営業利益は5,800万円で着地しました。ただし、こちらは先ほどもお伝えしたように、第4四半期にマーケティング投資や採用の積極化、決算賞与として従業員への還元を行った結果です。
売上高の推移
売上高の推移をグラフで表したものです。先ほどご説明したとおり、英語コーチングサービス、サブスクサービスともにしっかりと成長させることができました。
売上総利益・売上総利益率の推移
売上総利益の推移です。第4四半期は前年同期比50.8パーセントで成長しており、売上総利益率も70パーセントとなりました。良い水準で着地できたのではないかと思っています。
営業利益・営業利益率の推移
営業利益は先ほどお伝えしたとおり、5,800万円で着地しています。こちらは一時的な投資であり、本質的な収益力については非常に高い水準で推移しています。
販売費及び一般管理費の推移
販売費と一般管理費の推移です。S&M、G&Aが増加していますが、こちらは第4四半期の一時的な投資によるもので、来期以降は低下する予定です。
販売費及び一般管理費の対売上高比率の推移
販売費と一般管理費の対売上高比率の推移です。こちらも、S&MとG&Aは第4四半期の投資によって一時的に上がっています。
貸借対照表
貸借対照表です。現金が2億5,500万円増加しています。
流動負債も2億7,200万円増えていますが、こちらは、当社の決算月である8月に大きなマーケティング投資を行った際の未払金と、賞与引当金の増加によるものです。
高いサービス満足度
各サービスのより詳しい状況についてです。まず、英語コーチングサービスの「プログリット」では、すべてのお客さまへアンケートを実施し、卒業生の満足度調査を行っています。その結果、前回に続き非常に高い水準を維持しています。
高いサービス満足度
通常コース卒業生の継続コース入会率の推移を示しています。こちらは、この第4四半期にさらに向上し、現在は70パーセントを超える水準になっています。ご覧のとおり、非常に高い水準を維持しながら、少しずつ右肩上がりで成長しています。
高いサービス満足度
新規契約者数に占める友人紹介の割合を示しています。どのくらいのお客さまが、友人からのご紹介で来ているのかを調査した結果、第4四半期は17パーセントという割合で、若干低下しています。
当社では新規契約者数に占める友人紹介の割合を非常に重要な数値の1つとして捉えているため、今後はこの割合をしっかりと上げていきたいと思っています。
高いサービス満足度
平均受講待機期間についてです。当社の「プログリット」サービスは、「今日申し込みを行えば、明日から受講できる」という状況ではなく、第3四半期に引き続き、現在も1ヶ月半待ちとなっています。つまり、申し込んだ後、1ヶ月半待ってから、ようやく受講できるという、行列ができている状態です。
なぜ、このような待機期間があるのかをご説明します。スライドの右側のグラフでは、コンサルタント採用の進捗を示しています。ご覧のとおり、第4四半期は4名から8名の採用を予定していましたが、採用活動が非常に順調に進捗し、10名のコンサルタントを採用することができました。
その結果、待機期間を伸ばすことなく、1ヶ月半で保つことができています。この1ヶ月半という水準に関して、当社としては適正な水準ではないかと思っています。
継続的な需要が見込める法人研修市場への参入
法人研修の市場についてです。以前から「今後、法人研修の事業をしっかりと伸ばしていきたい」とお話ししていましたが、そちらが着実に進行しています。現在では、231社のお客さまに「プログリット」および「シャドテン」を導入していただいています。
サブスクリプション型英語学習サービスの成長推移
サブスクリプション型英語学習サービスの成長推移です。有料会員数は、スライドのグラフで示しているとおり、着実に伸びています。
さらに注目すべき点は、月間売上高が1億円を突破したということです。2023年8月の月間売上高がサブスクリプション型英語学習サービスのみで、1億円を超えました。非常に大きなインパクトのあるサービスに育ってきているといえます。
サービスアップデート
アプリの開発も一層進めており、お客さまがより学習を継続しやすいかたちに、日々進化させています。
2024年8月期業績予想
2024年8月期の通期業績予想についてご説明します。スライドの損益計算書に記載のとおり、今期も非常に力強く成長する見込みです。売上高は38億円で、2023年8月期比25.7パーセントの成長を見込んでいます。
売上総利益は26億6,000万円、営業利益は6億1,000万円、経常利益も6億1,000万円、当期純利益は4億4,000万円を見込んでいます。したがって、売上高を含む、すべての利益指標に関して20パーセント以上の成長を十分に示すことができると思っています。
なお、営業利益率は16.1パーセントを予想しており、前期より0.3ポイント下がっています。こちらについては、新規サービスの開発にしっかりと投資するため、このような計画になっています。逆に言えば、投資しても16.1パーセントの営業利益率を担保できるため、本質的な利益率は今期もさらに改善できると考えています。
当期純利益も、今期は3億6,000万円を達成し、前年同期の約2倍近い成長を1年で示すことができました。来期に関しても、21.9パーセントの増収を予想しており、力強く成長できるのではないかと考えています。
業績推移
2024年8月期の通期業績予想についてです。スライドのグラフで示しているとおり、売上高は前年同期比プラス25.7パーセント、営業利益はプラス22.7パーセントで、しっかりと成長していきたいと考えています。
2024年8月期業績予想の前提
業績予想の前提についてご説明します。既存サービスは2つあり、1つ目の「プログリット」では、今期末までにコンサルタントの数を13名から18名純増するという前提条件があります。
さらに、継続コースへの入会率に関して、現在まで60パーセント以上を維持してきましたが、これをしっかりとキープし続けること、また、新型コロナウイルスのような感染症の拡大など、不測の事態が起こらないことも前提としています。
2つ目の「シャドテン」では、開発を着実に加速させていくという目的で、プロダクト開発チームに10名程度の採用を見込んでいます。それにより、プロダクトがより良くなり、解約率の低下につながっていくことも、業績予想の前提としています。
次に、新規サービスについてご説明します。「スピフル」「プログリットAI英会話(仮称)」という2つのサービスを、今期中にローンチします。その開発および運用の費用として、約9,000万円を想定し、コストとして計上しています。一方、こちらの売上高に関しては、計画には織り込んでいません。新規サービスの売上はアップサイドになるため、保守的な売上高の予想となっています。
その他として、当社が導入している信託型ストックオプションがありますが、これによる特別損失等の計上はありません。
従業員数の推移
スライドのグラフでは、3年間の従業員数の推移を示しています。1番右の棒グラフが今期の予想ですが、今期末には200名を超える従業員数になると考えています。
信託型ストックオプション(以下、信託SO)について
信託型ストックオプションに関しては、先ほどお伝えしたように業績への影響はないと考えています。
今後の成長戦略
当社の成長戦略は大きく分けて4つあります。スライドの左側に記載のオーガニック成長と、右側のインオーガニック成長(M&A)です。それぞれの戦略をご説明していきます。
① 英語コーチングサービスの供給力の増強
オーガニック成長の戦略からご説明します。1つ目は、英語コーチングサービスの供給力の増強です。当社のコーチングサービスである「プログリット」は、テクノロジーの力をふんだんに使っていますが、売上高を考えると、コンサルタントの人数を増やすことが非常に重要となってきます。
創業以来、当社は人的資本経営を取り入れており、いかにこの組織作りに力を入れるかということを考え、事業を行ってきました。それに加えて、英語コンサルタントの待遇改善を行うため、この9月1日から給与を一律で年間50万円引き上げています。その結果、初年度の年収が450万円に上がり、同業界の年収水準と比較すると圧倒的に高い水準となりました。
当社の大きな強みとして「採用力」がありますが、待遇が大幅に改善されたことにより、いわば「鬼に金棒」といえる状態になってきたのではないかと思います。
② 法人向けビジネスの強化
2つ目は、法人向けのビジネスを強化していくことです。こちらも当社の非常に大きな戦略の1つです。取引先企業数を当社と同業界の会社で比較したところ、端的に言えば、まだ攻めきれている状況ではありません。そのため、非常に大きな成長余地があると考えています。
また、スライドの右側に記載のとおり、法人向けの営業活動にしっかりと取り組むことで、着々とシェアの拡大を進めていくことも、1つの大きな戦略です。
③ 開発力を活かしたサブスクサービスの拡充
3つ目は、当社の開発力についてです。当社の大きな強みは、お客さまに大いに受け入れられる英語学習のサブスクサービスを、次から次へ開発できるところにあると思っています。
このサービス開発には大きく分けて、3つの強みがあります。1つ目は、膨大なお客さまの学習データです。当社は、英語コーチングサービス「プログリット」を運営していることによって、お客さまがいつ、どのような学習をどの程度実施したかという、大量のデータを蓄積しています。
これを使うことで、どのような学習を行えば、お客さまの英語力が伸びるのかを、社内で科学することができます。
2つ目に、この「プログリット」というサービスは、お客さまとコンサルタントの間に深い信頼関係があります。したがって、英語学習に取り組んでいる方々がどのようなことに悩んでいるのか、お客さまにどのようなニーズがあるのかといった、深い定性情報を常に得ることができます。これも「プログリット」を運営している大きな強みであると思っています。
3つ目は、アンバサダー制度についてです。現在「プログリット」には500名を超えるアンバサダーの方がいます。彼らからの非常に濃いフィードバックも、開発における強みになっています。後ほどご説明しますが、「スピフル」という新しいサービスは、30名のアンバサダーのみなさまと協力し、開発しました。
このように、膨大なお客さまの学習データと非常に濃い定性情報、アンバサダーの存在、そして当社のサービス開発チーム、以上の4つがしっかりと密に結びつくことによって、他社ではなかなか実現できない、お客さまのニーズに合ったサブスクサービスを次から次へと開発することが可能となっています。
③ AIを活用した2つの新規サービスを2024年8月期ローンチ
そのような当社の強みを活かし、今期、ローンチするサービスが2つあります。
1つ目は「スピフル」というサービスで、こちらはスピーキング力を上げることに特化したサービスです。従来は世の中に、スピーキング力を上げるための英語学習サービスがそれほどありませんでした。この「スピフル」では、ビジネスパーソンがスピーキング力を上げたいと思った時に「これを使えば問題ない」というサービスが提供できると思っています。
2つ目は「プログリットAI英会話(仮称)」です。こちらは仮の名前ですが、AIを活用した英会話サービスをローンチします。従来から英会話スクールやオンライン英会話などのサービスはありましたが、それらと比較すると、圧倒的に高品質なサービスをAIによって提供できると考えています。
③ スピーキング特化型サービス「スピフル」の特徴
「スピフル」はスピーキング力を向上するアプリで、大きく分けて2つのトレーニングをアプリ上で実施することができます。その1つが「口頭英作文」というトレーニングです。こちらは、日本語を即座に英語に訳すという通訳のようなトレーニングになります。もう1つは「1分間スピーチ」で、英語の1分間スピーチをトレーニングできます。
これら2つのトレーニングは、我々が「プログリット」を運営していく中で、スピーキング力を上げるために非常に効果的だとわかりました。ですので、それらを1つのサービスにまとめてローンチします。
このサービスは、非常にシンプルで使いやすいUI/UXのアプリで提供したいと考えています。また、このアプリに関しては、単に「口頭英作文」と「1分間スピーチ」をトレーニングできるだけではなく、ご自身のスピーチを録音すると、生成AIの活用によって瞬時に添削することができます。これにより、お客さまはより洗練されたスピーキングができるようになります。
③ AI英会話サービス「プログリットAI英会話(仮称)」の特徴
2つ目の「プログリットAI英会話(仮称)」についてです。こちらは、AIを相手に英会話ができるアプリをローンチします。
特徴は2つで、1つはネイティブスピーカーといつでも会話が行えるということです。従来のオンライン英会話や英会話スクールでは、ネイティブスピーカーとの英会話を実現するために、ある程度の費用がかかります。つまり、比較的高いお金を支払わなければ、英会話ができませんでした。しかし、このアプリはすべてAIが返答するため、非常に安価で、ネイティブスピーカーとの英会話が実現できます。
もう1つは、従来のオンライン英会話等が抱えてきた、英会話講師の知識が会話の限界になってしまうという課題を解決するということです。当然、英会話の講師はすべてのことを知っているわけではありません。ですので、専門的な会話や仕事の話をするのはなかなか難しいことでした。つまり、当たり障りのない一般的な会話しかできなかったことになると思います。
一方、当社のアプリでは、英会話の相手をAIが務め、裏側に無限ともいえるデータベースを抱えています。そのため、どれだけ専門的な内容であっても、英会話を実現できます。例えば、ビジネスのミーティングを想定した英会話が可能です。また、私は阪神タイガースのファンなのですが、その阪神タイガースについてAIと英語で会話することもできます。
そのように、今まで普通の英会話の講師には実現できなかった、どのようなトピックでも会話できるというところは、非常に大きな特徴ではないかと思っています。
なお、ローンチ時には非常にシンプルなUI/UXで、極めて英会話を行いやすいアプリにしたいと思っています。しかし、ローンチ後には、着実にアップデートを重ねながら、非常に大きな発展性を持つアプリとして伸ばしていきます。ですので、従来のオンライン英会話サービスの業界が一変するような能力や可能性を秘めたサービスになるのではないかと思っています。
③ リアルタイムコミュニケーションにフォーカス
このスライドでは、どのようなポートフォリオを当社が組み、サービスを提供しているのかを表しています。
従来から提供している「シャドテン」は、リスニング力を鍛えるサービスで、今回新しくローンチする「スピフル」はスピーキング力を鍛えるサービスになります。そして、「プログリットAI英会話(仮称)」はアウトプット、すなわち英会話が可能なサービスになっています。
他には、リーディング、ライティングという能力も英語力に入りますが、AI翻訳等の発展によって、これらリーディングやライティングの重要性は相対的に低下すると考えています。したがって、現段階においては、今後ますます重要になってくる、リアルタイムコミュニケーションを鍛えることにフォーカスし、ローンチしていくという考えでサービスを作っています。
③ サブスクサービスによるポートフォリオ戦略
英語業界の市場を表した図です。上に行けば行くほど高単価な英語学習サービスで、下に行けば行くほど安価な英語学習サービスとなっています。1番下は無料のアプリと記載していますが、当社はもともと、1番上に記載している高単価なサービスの「プログリット」で勝負してきました。
それに加え、「シャドテン」をローンチし、こちらが着実に成長してきました。そして今年は「スピフル」、さらには「プログリットAI英会話(仮称)」をローンチする予定です。
「シャドテン」は約2万円のため、そこからさらに価格を下げ、数千円程度のサービスとしてローンチしていきたいと思っています。したがって、今までは当社のターゲットに入っていなかった、オンライン英会話を利用しているみなさまに、サービスを拡張していきます。
③ サブスクサービスによるポートフォリオ戦略
いろいろな価格帯のサービスがあることによって、サービス間でのお客さまの回遊も当然見込めます。ですので、会社全体としてはLTVが着実に高くなっていく構造となっています。
③ 人×テクノロジーによる成長戦略
当社のコンセプトである「人×テクノロジー」は、「プログリット」というサービスに関しては、テクノロジーをふんだんに使いつつ、人も深くお客さまに入り込み、サービスを提供してきました。したがって、この「プログリット」によって、非常に強いブランド力を構築してきたといえます。
さらに、今後はより成長していくために、「スピフル」や「プログリットAI英会話(仮称)」をテクノロジーに特化して開発していきます。これによって、価格をより安価にし、より幅広い層のお客さまをターゲットに捉え、成長を加速させていく予定です。
このように、人を中心としたサービスと、テクノロジーを中心としたサービスの2つをしっかりと持っていることが、今後さらに当社の本質的な強みになってくると考えています。
④ インオーガニック成長(M&A)
4つ目はインオーガニック、つまりM&Aによる成長です。当社では、あらゆる領域のM&Aを実行していきたいと考えています。英語学習サービスは現在、大人向けのサービスがほとんどですが、今後は子供向けのサービスにも進出したいと思っています。また、英語だけではなく、より幅広く、グローバル人材を育成するようなサービスへの拡大も推進していきます。さらに、留学関連のサービスにも進出していきたいと考えています。
また、スライドの右側には当社のBSの状況を示しています。ご覧のとおり、現預金を約20億円保有しており、融資枠もあるため、十分に勝負を仕掛けられるタイミングになってきたといえます。
今後の展開と市場規模
今後の展開についてです。現在は約1,700億円の大人向けの語学スクール市場で戦っています。今後は、より広い英語学習領域へ展開していくことで5,100億円の市場へ進出し、さらには英語の枠を飛び出し、あらゆる研修サービスを展開していくことによって、1.2兆円という非常に大きい市場を狙って、成長していきたいと考えています。
当社は、何度もお伝えしているとおり、人の力とテクノロジーの力の2つを掛け合わせることによって、他社では実現できない英語学習サービス、さらには英語の枠を飛び越えたサービスを展開しています。そのような取り組みを継続することによって、この大きな市場で着実に成長していきたいと考えています。
以上で私からの説明を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。