1 2024年3月期 第1四半期 業績ハイライト

早川徹氏:SANEI株式会社2024年3月期第1四半期決算説明資料をご覧いただき、誠にありがとうございます。当社の第1四半期決算内容ならびに当社について、よりご理解を深めていただきたく書き起こしとしてまとめました。

まず、前期比較です。第1四半期は、売上・利益ともに増収・増益となりました。前期の第1四半期は、当社製品の主要材料である銅合金を中心とした原材料価格の高騰により、利益率が低下しておりました。前期の後半(第3四半期ころ)より販売価格改定の効果が出始め、収益性が改善できたため、大幅な増益となりました。

次に計画(業績予想)との比較です。第2四半期累計の業績予想(売上高136億円、営業利益5億5,000万円、当期純利益3億8,000万円)に対し、いずれも50パーセント以上の進捗となり、順調なスタートを切ることができました。

2 損益の概要

続いて、損益の概要です。売上高は販売価格改定の浸透とデザイン水栓シリーズ、ウルトラファインバブル製品や高機能シャワー製品など高付加価値製品の販売拡大により、増収となりました。

売上総利益は、売上総利益率が前期27.8パーセントから当期29.8パーセントへと約2パーセント改善されています。こちらは売上と同様、販売価格改定の浸透と高付加価値製品の販売拡大が収益性改善に貢献しました。

販売管理費は約5,000万円増加しましたが、会計方針の変更による増加が2,300万円、他に設備投資による減価償却費や物流費などの増加が主な要因となっております。

営業外収益・費用や特別利益・損失については、特筆すべき内容はございません。

以上のとおり、売上総利益率の改善と、販売管理費の増加をある程度抑制できたことにより、大幅な増益となりました。

3 四半期業績の推移

売上高の通期業績予想に対する進捗率は24.3パーセントとなりました。当社は例年後半にかけて売上がやや増加する傾向がありますので、年間進捗率としては、ほぼ計画どおりのスタートができたと認識しております。

一方、販売管理費は売上とは反対に、前半のほうがやや増加する傾向があります。また、2023年度のカタログ発刊にあたり、一部製品のメーカー希望小売価格の改定を行いました。今後、この販売価格改定の効果が出てくると想定しておりますので、営業利益の進捗率21.9パーセント、四半期純利益の進捗率22.8パーセントについても、計画に対して順調な結果になったと考えております。

4 販売ルートの概況

当社の主要な販売ルートについての概況です。当社では、①水まわり資材を取り扱う管材店や商社向けの「管工機材ルート」、②ホームセンターや大型量販店、インターネット販売業者向けの「リテールルート」、③システムキッチンやユニットバスなどの住宅設備機器メーカー向けの「メーカールート」の3つの主要な販売ルートがあります。各ルートの詳細については、補足資料の「VI 販売ルート」をご覧ください。

販売ルート別の売上構成は、前期から大きな変動はありませんでした。前年からの売上高増減は、3ルートともに5パーセント以上増加しております。販売価格改定による売上増加に加え、「管工機材ルート」では、水栓プラス洗面商材など、水まわり空間をセットにした商品が伸びています。「リテールルート」では、ウルトラファインバブル製品など高機能なシャワー商材とホームセンター向けのプライベートブランド商品が好調でした。「メーカールート」では、住宅設備機器メーカー向けの混合栓の販売が増加しました。

5 営業利益の増減要因

営業利益の前期増減要因については、「材料・仕入価格の高騰」による調達コストの上昇と、「価格改定の効果」が大きく影響しています。前期の第1四半期は、「材料・仕入価格の高騰」により大幅に調達コストが増加したのに対し、「価格改定の効果」がまだ浸透しておらず、調達コストの上昇分をカバーできなかったために営業利益が低くなりました。

一方、当期においては、「材料・仕入価格の高騰」が高止まり状態にある中で、「価格改定の効果」により調達コスト上昇分をカバーできるようになったため、営業利益が増加しました。その他、高付加価値製品の販売強化や製造コスト・営業費用の抑制などに努めた結果、営業利益は2億9,600万円(前年より1億9,800万円増)と大幅な増益となりました。

6 連結BS(資産・負債・純資産)

続いて、連結BSです。総資産は3億7,200万円増加し238億2,700万円となりました。資産では棚卸資産が4億1,400万円増加しておりますが、当社は4月から8月頃にかけて棚卸資産が増加し、3月に向かって減少していく傾向があり、例年どおりの変動となっています。また、これに連動して仕入債務も増加しております。

現預金は2億2,400万円減少しておりますが、6月に配当金と賞与の支払いがあったことが要因です。

7 株主還元(配当実績・計画)

当期の配当は中間配当49円、期末配当49円の年間98円を予定しています。前期より2円増配となり、8年連続の増配となります。当社では、将来にわたり安定的な配当を実施することを基本方針とし、今後も長期、継続的な増配を目指してまいります。

8 企業価値向上への取り組み

最後に、当社の今後の企業価値向上への取り組みと当期の業績予想、コンセプトについて説明します。企業価値向上については「売上高・収益性の向上(事業領域の拡大)」と「継続的な株主価値の向上」を2本の柱にしています。「継続的な株主価値の向上」については、前ページの「7 株主還元(配当実績・計画)」にて説明しましたので、ここでは、「売上高・収益性の向上(事業領域の拡大)」を中心に説明します。

事業領域の拡大では主に3つの方針があります。1つ目は「『上質をデザインする』SANEIブランドの更なる向上」です。水の音、流れる姿、手に伝わる感覚に至るまで、どこまでも美しい体験を追い求め、意匠、仕上げ精度、使用感、すべてにおいて最上級に相応しいものづくりへの挑戦を続けています。

2つ目は「水まわりにおける住空間全体をトータルに提案できる事業展開」です。当社は2018年に株式会社三栄水栓製作所から現在のSANEI株式会社へと社名変更を行いました。これは、生活空間における水栓という「点」から、水の通り道すべての「線」、そして水まわり空間全体の「面」への事業展開の広がりを意味しています。キッチン、バス、洗面と定型化されている従来の住まいに、新たなカルチャーを持ち込む試みでもあります。このような取り組みの一環として、ショールーム&ショップ「WAILEA」を東京の表参道と大阪の御堂筋に展開しております。

3つ目は「宿泊施設・飲食店・介護医療・公共施設など非住宅市場におけるシェア拡大」です。当社はこれまで住宅市場を中心に事業を拡大してまいりました。今後、国内人口の減少に伴い、住宅着工戸数も減少することが予測されています。非住宅市場向けの商材を拡充することにより、事業領域の拡大を進めてまいります。

9 2024年3月期 連結業績予想

2024年3月期第2四半期累計と通期の業績予想です。前ページで説明しました事業領域拡大と収益性の向上の取り組みを行ってまいります。なお、当第1四半期決算の時点では、連結業績予想の修正はございません。

10 SANEI 2023 CONCEPT ~VERSE~

最後に、当期2023年度のコンセプト「VERSE(ヴァース)」について説明します。「VERSE」とは、「韻文、詩歌」を原義とする音楽用語で、主題(サビ)に至るまでの導入部分を指します。当社は2024年に創業70周年を迎えます。これまで培ってきたブランドの理念はそのままに、私たちSANEIはさまざまな新しいテーマを内包しながら未来に向かって創造を続けてまいります。この「VERSE」のコンセプトをもとに、人と水との出会いがもっと心地よい素敵なものであるように、次のステージへと進んでまいります。

I 企業情報

ここからは、当社の企業情報などの補足資料です。

当社の企業概要です。1954年に創業し、来年2024年に創業70周年を迎えます。またグループ会社として、水道設備工事・メンテナンス業務を行う「株式会社アクアエンジニアリング」、中国にて水栓部品製造を行う「大連三栄水栓有限公司」、岐阜県にて水栓部品製造販売を行う「株式会社水生活製作所」、水栓部品鋳造を行う「美山鋳造株式会社」があります。

II 企業理念

当社は1954年の創業以来「人類ある限り水は必要である」を理念とし、地球に生きる一員としての自覚を持ち、企業活動に取り組んできました。独自の技術と柔軟な感性で、数々の画期的な商品を提供することはもちろん、水まわりから快適な暮らしを追求し、空間全体をコーディネートするなど、自然環境やニーズの変化を見つめながら、今なお進化を続けています。

「水とともに生きる時間が、いつも“歓び”で溢れるように…。」これからも、人々にとっての心地よさを常に考えながら、SANEI視点で水と暮らしの理想の姿をご提案していきます。

III 当社のあゆみ

1954年の創業から現在までの当社のあゆみです。

IV 取扱製品

当社の主な取り扱い製品の一覧です。

V SANEI DESIGN COLLECTION

デザイナー達とのコラボレーションから生まれた製品のご紹介です。

VI 販売ルート

国内の主要3ルートと海外ルートのご紹介です。

VII 営業拠点

当社の2023年6月時点の営業拠点一覧です。

VIII Think Life. Make Act. 行動しよう。未来のために

当社のサステナビリティへの取り組みです。