2023年12月期第2四半期決算説明資料

佐野健一氏:みなさま、こんにちは。株式会社ビジョンの佐野です。本日はお忙しい中、弊社の中間決算の説明会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。それでは、こちらのスライドに沿って進めさせていただきます。

連結損益計算書

連結損益計算書です。売上高は、2022年第2四半期の116億2,800万円から34.3パーセント増の156億2,000万円となりました。

営業利益は、2022年第2四半期の9億2,100万円から、163.4パーセント増と大幅に伸び、24億2,800万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益も、2022年第2四半期の5億6,600万円から、185.0パーセント増と大幅に伸び、16億1,400万円となりました。詳細は後ほどご説明します。

セグメント別売上高

セグメント別売上高です。グローバルWiFi事業の売上高は、2022年第2四半期の57億9,300万円から55.6パーセント増の90億1,200万円となりました。

情報通信サービス事業の売上高は、2022年第2四半期の56億1,900万円から9.1パーセント増の61億3,200万円となりました。グランピング・ツーリズム事業も2022年第2四半期の1億3,500万円から4億2,700万円となり、順調に伸びています。

セグメント別利益

セグメント別利益です。グローバルWiFi事業は、2022年第2四半期の9億5,200万円から174.3パーセント増の26億1,300万円となりました。

情報通信サービス事業は、2022年第2四半期の6億600万円から8.0パーセント増の6億5,500万円となりました。グランピング・ツーリズム事業は、2022年第2四半期のマイナス500万円からプラス2,100万円へと伸びています。

営業利益の増加要因

営業利益の増加要因です。グローバルWiFi事業では、旅行や出張の回復により、レンタル件数が増加しました。また、情報通信サービス事業では、OA機器や移動体通信機器などの販売が堅調に推移し、34.3パーセントの増収となりました。売上総利益は、海外通信原価等の改善により55.4パーセント増加しました。

売上総利益が大幅に増加した一方、販売管理費は33.4パーセントの増加にとどまっています。その結果、累計の営業利益率は、2022年第2四半期の7.9パーセントから、2023年第2四半期の15.5パーセントに大幅改善しました。

グローバルWiFi事業 業績推移

セグメント別の業績推移をご説明します。まずグローバルWiFi事業です。2023年1月から6月の出国日本人数は361万人でした。2019年比37.9パーセントと、回復途上にあります。一方、同期間の訪日外国人数は1,071万人と、2019年比で64.4パーセントまで回復してきています。

2019年1月から6月対比で、アウトバウンドのレンタル件数は40パーセント強、売上高は74.1パーセントまで回復しています。インバウンドは第1四半期に引き続き2019年を上回り、レンタル件数は147.1パーセント、売上高は158.4パーセントとなりました。

スライドをご覧のとおり、2023年上半期の売上高は90億1,200万円、利益は26億1,300万円となりました。渡航がまだ少ない中でしっかりとターゲティングを行い、コロナ禍においても営業活動をずっと続けていたことが、順調に売上高と利益の下支えになってきています。

情報通信サービス事業 業績推移

情報通信サービス事業です。先ほどお話ししたとおり、OA機器・移動体通信機器などの販売が引き続き堅調に推移しました。また、自社のサブスクリプションサービスを積極的に展開しています。

事実上、情報通信サービス事業の通期の利益から考えると、伸ばす余地のある水準ではありましたが、グローバルWiFi事業の回復や成長が順調に進んでいたため、情報通信サービス事業では人員増強などの投資を積極的に前倒しすることにしました。

そのため、利益は昨年より出ているものの、通期計画に対しては低い進捗となっています。しかしライフタイムバリュー自体は伸びていますので、中長期の利益寄与については大きく期待が持てるのではないかと思っています。

また、新宿営業所と関西営業所は借りてからかなり年数が経っていたため、採用強化や働きやすい環境づくりを目的に、オフィスを整備しました。本社と同じような内装に改装し、非常に良い環境で仕事ができるようになったのではないかと思っています。

2023年上半期は、売上高が61億3,200万円、利益が6億5,500万円で着地しました。

通期業績予想修正

2023年12月期の業績予想を上方修正しました。売上高は、修正前予想では265億5,300万円でしたが、修正後予想は初の300億円越えとなる300億9,500万円と、13.3パーセント伸ばしていきます。

営業利益は、修正前予想の30億円から40億1,900万円と、34パーセント上方修正しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、修正前予想の19億9,000万円から34.3パーセント増の26億7,300万円としました。

こちらは開示基準に該当する範囲での開示となります。通期業績予想修正の前提については、後ほどご説明します。

セグメント別通期業績予想修正【売上高】

セグメント別通期業績予想修正の売上高についてです。グローバルWiFi事業は、修正前予想の137億4,100万円から37億6,700万円増の、175億900万円へと修正しました。

情報通信サービス事業は、修正前予想の116億2,300万円から116億4,400万円とほぼ横ばいになっています。先ほどお話ししたように、グローバルWiFi事業が好調のため、情報通信サービス事業は先行投資を進め、ポートフォリオのバランスとして、中長期的な戦略にシフトしているとご認識いただければと思います。

また、グランピング・ツーリズム事業ですが、8億8,500万円を8億6,000万円と若干の投資を含めて下方修正しました。

全体的に非常に好調な部分が多いため、さらに差別化できるような投資を積極的に行っていきます。

セグメント別通期業績予想修正【利益】

セグメント別の通期業績予想修正の利益についてです。グローバルWiFi事業は、修正前予想の25億200万円から83.5パーセント増の45億9,200万円としました。

情報通信サービス事業は、修正前予想の17億800万円から5億8,500万円減の11億2,300万円です。こちらは、先ほどからお伝えしているとおり、攻めの姿勢は変えずに中長期のストックの利益を増やしていくという戦略です。

グランピング・ツーリズム事業に関しては、修正前予想4,500万円を上方修正し、5,900万円の着地を目指しています。

通期業績推移(四半期別推移)

通期業績の四半期別の推移です。字が小さく見えづらいかと思いますが、今回の資料には2019年の数値も記載しています。

2019年は売上高273億1,800万円、営業利益33億2,500万円という結果でしたが、先ほどの上方修正を見ていただければわかるとおり、売上高、営業利益ともに2019年を上回る数字を目指そうという内容を開示しています。

四半期別でいいますと、第2四半期はどちらかというと閑散期です。ゴールデンウィークは繁忙期に見えると思いますが、法人では3月末くらいから異動や新年度が始まり、出張が大幅に減る時期です。個人の方々では、ゴールデンウィーク前に渡航を控えるという方が多く、閑散期となります。

それにもかかわらず、2022年12月期の第2四半期が営業利益5億1,700万円だったのに対し、今期は同期比10億4,500万円となり、2019年と比較しても約30パーセント程度伸びているという状況です。

通期業績予想修正の前提

通期業績予想の修正の前提条件です。グローバルWiFi事業ですが、アウトバウンドとインバウンドについて、7月から12月の平均は、2019年比で次のとおり想定しています。

アウトバウンドは、レンタル件数が50パーセント、売上高が85パーセントまで回復することを見込んでいます。また、インバウンドはレンタル件数が150パーセント、売上高が160パーセント増加することを想定しています。

一方で、8月9日に報道されたばかりですが、中国から日本への団体旅行が解禁され、中国からの渡航が一気に増えた場合、インバウンドのパーセンテージがかなり増えるかもしれません。ただし、収益には大きく影響することではないとご認識いただければと思っています。

情報通信サービス事業ですが、先ほどからお伝えしているとおり、より自社製品や自社サービスに重点を置き、積極的な投資を実施します。

これまでは代理店ビジネスが主でしたが、外部の影響を受けにくい自社のサービスを増やしていくことにより、差別化の意思決定などを機動的にできるようになる上、弊社でプライシングもできるようになります。

お客さまに自社製品を長くご利用いただくことで、中長期的に上積みされていくかたちにするために、当初の計画からいったん下方修正したとご理解いただければと思います。

成長・企業価値向上に向けて

ストックオプションについてです。弊社は中期経営計画を出していないため、1つの目線として、2023年12月期から2025年12月期の間に営業利益40億円、2027年12月期までに営業利益50億円をしっかり狙おうと、役員を含めた社員にストックオプションを7,200個配布しています。

今回は、上方修正し「営業利益が40億円を超過した場合」という行使条件に該当しますが、行使する時に会社が支払う費用があるため、その半分を上期の費用としてすでに織り込んでいます。

進捗によって達成度合いが高い場合は、この費用が今後も同じように含まれてくる可能性があるということだけご認識いただきたいと思います。大きな金額ではありませんが、そのような費用もあるということです。

グローバルWiFi 事業レンタル件数推移

今後の成長戦略として、グローバルWiFi事業をこれからも積極的に伸ばしていきたいと思っています。この3年間はなかなか海外に行く方、来られる方がいなかった状況の中で、「グローバルWiFi for Biz」などさまざまなサービスにおいて、取れていなかったところを開拓するなど、粛々と準備してきました。

第1四半期に関してはPCR検査など検疫の業務委託があり、過去にも「それを除くと業績はどうなるのでしょうか?」というご質問をいただいていましたが、「その業務がなくなったほうが弊社の収益は伸びていきます」と、その都度お伝えしてきました。

第2四半期は閑散期でしたので、第1四半期の利益を超えるということにはなっていません。毎年、第1四半期が繁忙期、第2四半期は閑散期、第3四半期が「超繁忙期」、第4四半期は閑散期とまではいかないものの、かなり渡航は少ないというシーズナリティになっています。

今後も法人の需要を獲得していく中で平準化しながら、各四半期ごとにしっかりと収益を上げていけるよう、そしてシェア率をきちんと上げていけるように取り組んでいきたいと考えています。

スライド上部のグラフをご覧ください。赤い線で示したインバウンドのシェア率は、2019年の3.1パーセントから3.5パーセントに増加していますが、現在のアウトバウンドに比べてインバウンドはかなり分母が大きいため、獲得数はこの程度にとどまっています。

その上部、黒色で示した日本市場内シェアは、6.6パーセントとなっています。これはインバウンド・アウトバウンド合計で弊社が取っている件数です。取れていないお客さまのほうが大半であり、使っていただけていないというのが真実です。そのあたりをいかにターゲティングしてお客さまを増やしていくのかが、これからの課題として残っています。

これからも気を引き締めて、レンタル件数やシェア率を意識しながら伸ばしていきたいと思っています。

グローバルWiFi 事業海外渡航者数推移

スライドは海外渡航者数推移のグラフで、ご参考までの数字です。インバウンドの回復は著しく、今度は中国の団体旅行が緩和されてくると、かなりの数になるのではないかと思います。

渡航者数は飛行機の便の回復が連動してきます。現在、便の数は60パーセントくらいまで回復していますが、インバウンドの方々が使っている割合が非常に高く、アウトバウンドはまだ40パーセントに届いていない状況です。

現在は便が集中していることにより、海外に行く費用そのものが高止まりしている状況です。今後、需要と供給に応じて現在動いている便におけるインバウンドとアウトバウンドの割合が変化するか、もしくは残り40パーセントの便が回復することで、かつての料金に戻るかどうかは別にしても、今よりはお得に海外に行ける時が来るであろうと考えています。

グローバルWiFi事業

「グローバルWiFi for Biz」についてご説明します。コロナ禍は非常に苦しい状況でしたが、国内の利用もしくは海外に長期渡航されているビジネスユーザーさまに支えられて現在があると思っています。まだまだ法人を獲得しきれてはいない状況のため、こちらも積極的に伸ばしていきます。

また、1人で旅行する方々のSIMを購入する手間の部分は、eSIMで新しい領域でのお客さまの取り込みを積極的に行っていきます。

さらに、超高速通信5Gプランは、今はビジネスユーザーの利用がかなり多いですが、提供エリアに中国や香港を新しく追加したことにより、中国で「グローバルWiFi for Biz」を使っているお客さまが、「LINE」や「Facebook」「Gmail」などを中国でもアクティブに使うことができる利点があります。出張する方々がハイスペックなものを選ばれるところで、優位性があると思っています。

グローバルWiFi事業

この3年間は「グローバルWiFi」という言葉をあまり聞かなかったと思います。そこで、みなさまにもう1度思い出していただこうと、ANAとJALの機内において映画前にCMを放映しています。その時にグローバルWiFiをお持ちの方は「持っているよ」と思っていただけると思いますし、お持ちでない方には「忘れてしまったから次は借りよう」と想起させるような新しいCMになっています。

CMには女性陣にも男性陣にも非常に人気の高い菅生新樹さんと桜田ひよりさんを起用しました。弊社のオフィスの中で撮影しましたが、よい効果を発揮してくれると期待しています。

グローバルWiFi事業

「NINJA WiFi」など国内のWi-Fiも地道に伸ばしてきていますが、先ほどのシェア率から考えるとまだ伸ばせる余力があります。マスマーケティングではなくターゲティングを十分に行いながら、より多くのお客さまに使ってもらえるようにしていきたいと考えています。

情報通信サービス事業 売上総利益構成

情報通信サービス事業は、OA機器やモバイルが好調のため、ポートフォリオにおいて機器販売比率が高まっています。一方で、株式会社あどばるが提供しているスペースマネジメントに関しても徐々にマーケットが回復してきており、2022年12月期第2四半期には1パーセントでしたが、4.7パーセントまで増えてきています。

自社サービス(月額制) ~顧客・時代のニーズにあった商材・サービス提供~

「DX認定事業者」として認定していただいたため、より一層スタートアップのお客さまを中心に、企業のデジタル化のお手伝いに引き続き力を入れていきたいと考えています。

自社サービス(月額制) ~顧客・時代のニーズにあった商材・サービス提供~

自社サービスについてです。スライド右側はネットワークカメラについて記載していますが、こちらはかなり売れており、弊社のお客さまにクロスセルで多く提供しています。クラウドのサービスに物理的なモノが付いており、1台入れていただくと追加で何台も入ってくる状況です。

スライドの左下に記載している自社のクラウドサービスは、まだまだ伸びしろがあるため、積極的に先行投資をしながら伸ばしていきたいと考えています。

ストック収益及び自社サービス 売上総利益推移 情報通信サービス事業

ストックの推移についてご説明します。スライドのグラフの青い部分が代理店事業、赤い部分が自社サービスのストックです。2020年に代理店事業と自社サービスが逆転し、そこから自社サービスの比率がどんどん高まってきています。

自社サービスが伸びているということは、少なくともお客さまにずっと使い続けていただいているということです。このようなお客さまをより多く増やしていくことで、将来の商品やサービスのクロスセルチャンスを圧倒的に増やしていきたいと考えています。

情報通信サービス事業 スタートアップ支援

スタートアップ支援について、取引社数は約10社に1社と以前より若干下がっています。ただし、より成長性が高い法人と取引をしたり、もしくはエリアを絞り込んで非効率にならないようにしたりするなど、現場もさまざまに努力しており、ライフタイムバリュー自体はどんどん伸びています。

弊社は経済産業省が進める「J-Startup」の認定企業になりましたが、これからの日本の未来を考えると、スタートアップを応援していくのは非常に重要なポジショニングであることを認識しつつ、より多くのお客さまに弊社のサービスを提供していけるように努めていきながら、スタートアップの方々を十分に応援していきたいと思っています。

情報通信サービス事業 ストック型ビジネスモデル

ここからは以前よりご説明しているところですので、割愛させていただきます。

ZORSE株式会社子会社化 ~顧客・時代のニーズにあった商材・サービス提供~

2023年6月1日に株式譲渡を受け、ZORSE株式会社がビジョングループに仲間入りしました。

これまではお客さまにおけるコスト削減などのウェイトがかなり大きかったのですが、お客さまから「さらに売上を上げていきたい」「効率的に進めたい」といったご意見もいただいていました。

弊社も本来、その軸は徹底的に行っていきたいところでしたが、やはりゼロからイチを作っていく難しさがあります。先んじてお客さまとサービスを十分に作り上げていたZORSEを仲間に入れることにより、弊社は1つの新しい成長のベクトルを手に入れることができ、双方を伸ばしていこうという意思が合致したため、新たに仲間になっていただき、お客さまの売上支援を行っていきます。

また、売上だけではなく、お客さまのお客さまとつながっていくことにより、CRM(顧客関係管理)ができるようになり、お客さま自体の価値となり、それが結果的に収益につながっていく流れになるよう、このような新しいサービスを追加していきたいと考えています。

マテリアリティ(重要課題)

サステナビリティについては、前回発表したとおりです。マテリアリティを設定しており、ESGにも積極的に取り組んでいきます。

ESG+SDGs

先日、「子ども世界平和サミット」に参加してきました。上場企業として、得た収益をジャパンハートやビジョンキッズ保育園など、きちんと世の中がよくなっていくことに投資します。

弊社の存在価値をより多くの方々に知ってもらい、純粋なボランティアというよりは企業ブランドの向上につながっていく動きを今後も積極的に行っていきたいと考えています。