業務ハイライト(2019年度中間期)
能勢修氏:SOMPOホールディングスの能勢でございます。2019年度中間期決算および2019年度通期業績予想に関して、数値面を中心に説明させていただきます。
なお、現中期経営計画後半の経営戦略につきましては、来週開催予定のアナリストのみなさま向け説明会において、CEOをはじめとする経営陣よりお話しします。
2ページには、今回のポイントをお示ししました。2019年度中間決算は、前年度の国内自然災害影響が剥落したことを主因に、連結経常利益は359億円増益の637億円、連結純利益は217億円増益の439億円となりました。
今期の通期業績予想は、10月に発生した国内自然災害などの状況を反映した数値を、改めてお示ししました。通期業績予想は、連結経常利益1,850億円、連結純利益1,180億円です。後ほどご説明しますが、国内自然災害の発生に関わる各種影響や、大口事故の見通しを調整したことなどが主因です。それらの影響を除いたベースの収益性は、引き続き堅調です。
なお、今期業績に対する株主還元につきましては、今後大きな利益変動がないことを前提に、最低でも前期の総還元額を上回る方針であることをお伝えいたします。
2019年度中間期決算概況(連結)
4ページをご覧ください。中間決算の数値一覧です。要因詳細につきましては、次ページ以降で説明させていただきます。
決算のポイント① 保険引受利益(損保ジャパン日本興亜)
5ページをご覧ください。損保ジャパン日本興亜の保険引受利益です。良好な損害率を背景とした異常危険準備金の取り崩し額が減少した一方で、前年度の台風21号を中心とした国内自然災害影響の剥落を主因に、前年同期比373億円の増益となりました。
国内自然災害影響を除いたベースでは、消費増税影響に加えて、大口事故が前年同期比で68億円増加しました。これらを除いたベースとなりますアーンド・インカード損害率は前年同期比0.4ポイント改善しており、底堅いと認識しています。なお、今後、支払いの進捗を見込んでいますので、通期では異常危険準備金の取り崩し益がプラスに効いてくることになります。
決算のポイント② 資産運用粗利益(損保ジャパン日本興亜)
6ページをご覧ください。資産運用粗利益です。円高によるマイナス影響を受けましたが、政策株式削減の進展や、金利の変動局面を適切に捉えたポートフォリオの入れ替えが奏功し、資産運用粗利益は621億円となりました。
決算のポイント③ 連結経常利益
7ページをご覧ください。連結経常利益です。これまでご説明した保険引受利益および資産運用粗利益のほか、SIのオーガニック成長や介護事業が順調に増益したことなどから、連結経常利益は前年同期比で359億円増益の637億円となりました。なお、海外グループ会社は、SIの現地会計において資産の含み益変動が利益計上されるなど、ノイズが発生していますことを付け加えます。
決算のポイント④ 連結純利益
連結純利益は8ページにお示ししましたので、ご確認ください。
2019年度通期業績予想(連結)
9ページをご覧ください。通期業績予想の数値一覧です。冒頭で申し上げましたとおり、期初予想から修正を行いました。ポイントは、次のページでご説明します。
通期業績予想修正のポイント
10ページをご覧ください。連結純利益を、期初予想から500億円減額いたしました。主要な修正要因として、3つご説明します。
1つ目は、台風19号などの国内自然災害に係る影響です。発生損害額の見込み、再保険の復元保険料、異常危険準備金の取り崩し、責任準備金の一時的積み増しなどを考慮し、期初予想からマイナス350億円程度の見込みとなりました。なお、責任準備金の一時的積み増しは、修正利益から控除いたします。
2つ目は、大口事故要因です。10月に認識済みの国内大口事故の発生状況なども踏まえ、損保ジャパン日本興亜における大口事故通期見込みも、190億円から260億円程度に修正いたしました。
最後に、SOMPOインターナショナルの業績修正です。トップラインはおおむね期初予想どおりの拡大を見込みますが、足元の大口事故などの影響で110億円強、ボトムラインを修正しました。
2019年度中間期決算概況(損保ジャパン日本興亜)
連結業績は以上で、次に国内損保事業に移ります。15ページをご覧ください。ここから、損保ジャパン日本興亜の決算概要をご確認いただきます。それぞれの項目について、次のページ以降でご説明します。
正味収入保険料
16ページをご覧ください。正味収入保険料は、2019年1月の商品改定を背景とした好調な自動車保険、補償の拡大による単価アップや長期契約を中心とした新規契約の増加が顕著な火災保険など、リテール分野の増収に加え、新種保険を中心に種目共通で料率適正化が進展している企業物件の増収など、ほぼ全種目にて増収しました。
正味損害率(アーンド・インカード)
17ページをご覧ください。アーンド・インカードベースの損害率です。昨年度の国内自然災害影響の剥落を主因に、中間期は前年比10.4ポイント改善の63パーセント。通期予想では、下期の国内自然災害影響と大口事故を織り込む一方で、前年比2.4ポイント改善の64.8パーセントを見込みます。
正味事業費率
19ページをご覧ください。事業費率です。中間期は、前年同期比で0.4ポイント改善の33.1パーセントとなりました。人件費および物件費ともに、引き続ききちんとコントロールしていきます。
コンバインド・レシオ
20ページに、損害率および事業費率を足したコンバインド・レシオをお示ししましたので、ご確認いただければと思います。
資産運用損益
21ページは資産運用損益です。中間期については、冒頭でご説明したとおりです。政策株式の削減について補足しますと、中間期時点で現物株の売却は355億円となっていますが、売却額の年度計画値1,000億円前後の達成は、まったく問題ありません。
通期予想については、市場環境を適切に捉えたポートフォリオの入れ替えなどを見込み、有価証券売却損益を上方修正しています。これらを中心に、資産運用粗利益は期初予想から68億円上方修正の1,500億円を見込みます。
(参考)国内自然災害
26ページをご覧ください。国内自然災害の状況を補足します。中間期の元受発生保険金は1,445億円、正味発生保険金は431億円です。通期予想では、10月に発生した台風19号の発生保険金や冬の雪害のほか、一定のバッファーを織り込みつつ、国内自然災害の正味発生保険金を960億円で見込みました。したがって、期初予想の530億円から、430億円ほど国内自然災害予算を増額したことになります。
業績概況(海外保険事業)
国内損保事業は以上で、次に海外保険事業に移ります。29ページをご覧ください。海外保険事業です。中間期の修正利益は、SIを中心としたオーガニック成長により、前年同期比5億円増益の277億円となりました。一方、通期予想は、期初の590億円から470億円に下方修正いたしました。主に大口事故に起因したSIの業績見通し、マイナス113億円を織り込みました。
(参考)SI業績概況①
32ページをご覧ください。SIの業績に関して補足いたします。なお、このページにおきましては、数値は米ドルベースでお示ししています。
中間期は、過年度自然災害に関する備金積み増し影響を、マーケットを回るトップライン成長および事業費改善でオフセットし、前年同期比で増益しました。一方で、通期予想は、中間期に織り込み済みの過年度自然災害に関する備金積み増し影響に加え、複数の大口事故の発生等を織り込み、ボトムラインを調整したものです。
業績概況(ひまわり生命)
海外保険事業は以上で、次に国内生保事業に移ります。35ページをご覧ください。ひまわり生命の決算概況です。順調に保有契約が拡大するとともに、事業費も着実に削減するなど、計画どおり進捗しています。通期の見通しは、期初より大きな修正はございません。
業績概況(介護・ヘルスケア事業等)
国内生保事業は以上で、次に介護・ヘルスケア事業に移ります。39ページをご覧ください。介護・ヘルスケア事業です。介護事業の主要指標である入居率は引き続き改善しており、中間期の純利益は3億円増益の25億円となりました。通期の見通しは、期初より大きな修正はございません。
SOMPOケアの主要指標
入居率などのトレンドは、40ページに参考掲載しています。
財務健全性:ESR(99.5%VaR)
介護・ヘルスケア事業は以上で、最後にERM・資産運用に移ります。42ページをご覧ください。まずはESRの状況です。金利低下の影響を受けたものの、政策株式の削減などもあり、ESRは2018年度末とおおむね同水準です。引き続き、健全性に問題はありません。
(参考)実質自己資本・リスク量のブレークダウン
43ページに実質自己資本比率とリスク量のブレークダウンを掲載していますので、後ほどご確認ください。
資産ポートフォリオ(グループベース)
最後に、グループベースの資産運用ポートフォリオになります。また次のページ以降に損保ジャパン日本興亜、SIおよびひまわり生命のポートフォリオを掲載しました。後ほどご確認いただければと思いますが、特別な動きはありません。
以上で、説明を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。