2018年6月期決算説明会
清水一行氏:本日はお時間をいただき、ありがとうございます。 株式会社壽屋の代表取締役を務めております、清水一行と申します。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
今回は、上場後2度目の会社説明会となりますため、会社概要を含めてご説明させていただきます。
それでは、資料に沿ってご説明申し上げます。
目次
2ページをご覧ください。資料構成は、ご覧のとおりです。
Ⅰ.当社について - ビジネスモデル -
次に、3ページをご覧ください。
当社は、小売機能とメーカー機能を併せ持つ、製販一体型のビジネスを展開しているところが特徴です。他社IPの版権を取得する製品、自社IPによる製品の両方を取り扱っております。
当社はファブレス形態を採用しており、中国を中心とした委託先の工場にて、製造活動を行っております。当社社員を委託先工場へ派遣し、駐在させ、品質管理及び納期管理等を徹底しています。
海外市場に対しては、卸売専門で販売を行っております。
Ⅰ.当社について - 取扱製品 -
続いて、4ページをご覧ください。当社が取り扱う製品を掲載しています。カテゴリーとしては、記載のとおり、主に4パターンに分けております。
フィギュアやプラモデルといった商材だけではなく、価格帯についてもさまざまなラインナップを揃えることにより、こだわりの強いお客さまからライトなお客さままで、幅広いニーズに対応しており、特定のコンテンツの流行に左右されにくい事業基盤を構築しています。
Ⅰ.当社について - ブランド力 -
続いて、5ページに移ります。
当社は徹底的にモノづくり、クオリティの高い商品を創ることによって、業界の中でも話題となり、国内・海外を問わず版元より信頼を獲得して、次の版権取得につなげてきました。
他社にはない当社独自の製品企画・開発の一例として、日本の文化と海外の文化の融合をコンセプトとした製品が挙げられます。
『スター・ウォーズ』に登場する武器である「ライトセーバー」とお箸を融合させたり、海外キャラクターに日本独自の「美少女」といったコンセプトを持ちこむなど、今まで市場にはなかった製品を投入することにより、お客さまの支持を獲得してきております。
Ⅰ.当社について - 自社IPの成長 -
6ページに移ります。
直近では、自社IPの開発・育成に注力しております。自社IPの場合、版権使用料の支払いが発生しないことから、製品の利益率が向上します。
また、プラモデルやフィギュアといった製品以外にも、アニメ化に伴う関連グッズの売上や、他社にキャラクターの使用許諾をライセンスアウトした際のロイヤリティ収入などが得られ、収益基盤の幅が拡大してきております。
ポイント
7ページに移ります。続きまして、2018年6月期の決算概要についてご説明いたします。
当決算のポイントといたしましては、自社IP製品の伸長と、自社ECサイトの好調な推移が挙げられます。
昨年(2017年)の4月から放送を行ったアニメ『フレームアームズ・ガール』の影響により、関連製品が好調に推移し、同コンテンツの関連製品は前年同期対比で31パーセントの増加となりました。
また、新たな自社IPの『メガミデバイス』『ヘキサギア』は、ともに大きな反響をいただいており、今後期待できるタイトルとして成長しつつあります。
当社の全売上高のうち、自社IP関連製品の占める割合は、昨年の約3割から約4割に上昇しております。
また、当社ECサイトにおいては、特典付商品や限定品を販売し、通常流通品とは差別化を図ることで、自社IPの製品を中心に売上高が増加しており、前期比35.3パーセントの増加となっております。
実績
8ページをご覧ください。当期の実績について、ご説明いたします。
売上高については88億1,100万円と、前年同期比で10パーセントの増加となりました。好調の要因は、主に国内卸売の前期比7億1,400万円の増加です。
営業利益については6億800万円と、前年同期比で43.9パーセントの増加となりました。また、昨年(2017年)発生した一過性費用がなかったことから、売上増加に伴い営業利益が増加しております。
経常利益は6億1,500万円と、前年比で41.3パーセントの増加となりました。経常利益の増加理由は、売上増加に伴う営業利益増加によるものです。
四半期毎の売上高・営業利益推移
続いて、9ページに移ります。
四半期ごとの売上高・営業利益については、お手元の表のとおりとなっております。
昨年(2017年)の第4四半期が赤字となっていますが、これは貸倒引当金の発生やアニメ放送による費用等、一過性のコストが発生したことが主な要因です。
第3四半期の減益は、中国の春節に伴う中国工場の稼働率低下が原因です。
地域別売上高
10ページをご覧ください。地域別売上高について、ご説明いたします。
日本の売上高は、自社IPのプラモデル製品『フレームアームズ・ガール』『メガミデバイス』『ヘキサギア』が好調のため70億9,500万円と、前期比で17.5パーセントの増加となりました。
アジアの売上高は、日本国内同様に自社IPのプラモデル製品『フレームアームズ・ガール』『メガミデバイス』『ヘキサギア』が好調のため7億9,800万円と、前期比で21.9パーセントの増加となりました。
北米の売上高は、主に映画系コンテンツのフィギュア製品の売上が低調だったため、5億6,700万円と、前期比で32.6パーセントの減少となりました。
欧州の売上高も、主に映画系コンテンツのフィギュア製品の売上が低調だったため、2億9,500万円と、前期比で26.6パーセントの減少となりました。
その結果、海外売上高は17億1,600万円と、前期比で12.9パーセントの減少となりました。
販路・製品カテゴリー別売上高
11ページをご覧ください。販路・製品カテゴリー別売上高について、ご説明いたします。
国内卸売については、フィギュアが14億4,300万円、プラモデルが23億9,300万円、雑貨が3億3,800万円で、全体としては41億7,500万円と、前期比で20.6パーセントの増加となりました。
海外卸売については、フィギュアが11億7,400万円、プラモデルが5億800万円、雑貨が2,800万円で、全体としては17億1,100万円と、前期比で12.3パーセントの減少となりました。
小売販売については、27億2,600万円と、前期比で8.4パーセントの増加となりました。
その他売上には、自社IPのライセンス収入と不動産賃貸収入が含まれています。
自社IPの状況
12ページをご覧ください。自社IPの状況について、ご説明いたします。
自社IP製品が、アジア地域で伸長いたしました。アニメ『フレームアームズ・ガール』Blu‐ray第4巻が(2017年)10月30日付オリコンウィークリーランキング「Blu‐rayアニメ部門」で、第1位を獲得いたしました。
『フレームアームズ・ガール』製品の販売数増加に伴い、プラモデル生産能力を従来より20パーセント増強いたしました。
2017年11月には、シンガポールでのアニメ『フレームアームズ・ガール』イベントを開催いたしました。
また、各種ソーシャルゲームとのコラボレーションを実施し、コンテンツ育成を推進いたしました。
損益増減要因
13ページをご覧ください。次に、前年同期比における損益増減要因について、ご説明いたします。
増収要因といたしましては、自社IPの『フレームアームズ・ガール』関連製品の売上増加に加え、『メガミデバイス』『ヘキサギア』といった新規タイトルの増加により、プラモデルが好調に推移したことや、ECサイトを含む自社店舗において、『フレームアームズ・ガール』のBlu‐rayディスクの売上が増加したことが、主な要因となります。
増益要因といたしましては、売上増加に伴う利益の増加、前期発生の貸倒引当金や不動産取得税などの一過性の費用が発生しなかったことによるものが、主な要因となります。
貸借対照表
14ページをご覧ください。貸借対照表について、ご説明いたします。
流動資産は39億8,800万円で、前期比19.4パーセントの増加となりました。これは、現金及び預金の増加、売掛金の増加、在庫の増加が主な要因となります。
固定資産は37億8,400万円で、前期比7.9パーセントの減少となりました。これは、固定資産の償却が進んだことによる減少が、主な要因となります。
流動負債は16億7,900万円で、前期比15.9パーセントの減少となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金の減少が、主な要因となります。
固定負債は32億6,100万円で、前期比8.7パーセントの減少となりました。これは、長期借入金の返済による減少が、主な要因となります。
純資産は28億3,100万円と、前期比50.4パーセントの増加となりました。これは、増資と当期利益の計上による増加が、主な要因となります。
業績見通しのポイント①
15ページをご覧ください。続きまして、2019年6月期の業績予想について、ご説明いたします。
売上高は92億円と、前期比4.4パーセントの増加を見込んでおります。
営業利益は7億5,000万円と、前期比10.2パーセントの増加を見込んでおります。
経常利益は7億円と、前期比13.7パーセントの増加を見込んでおります。
当期純利益は4億5,500万円と、前期比8.4パーセントの増加を見込んでおります。
1株当たり当期純利益は、166円83銭を見込んでおります。
続きまして、地域別の売上については、日本国内は72億5,500万円と、前期比2.3パーセントの増加を見込んでおります。
海外売上は19億4,400万円と、前期比13.2パーセントの増加となり、アジア地域は前期比19.4パーセントの増加、北米地域は前期比27.2パーセントの増加を見込んでおります。
業績見通しのポイント②
16ページをご覧ください。続きまして、カテゴリー別の売上見通しについて、ご説明いたします。
国内卸売販売については、前期比16.5パーセントの増加を見込んで目指しており、カテゴリー別の内訳では、主にフィギュアで28.6パーセントの増加、プラモデルで15.5パーセントの増加を見込んでいます。
海外の卸売販売については、前期比13.6パーセントの増加を見込んでおり、カテゴリー別の内訳は、主にフィギュアで8.5パーセントの増加、プラモデルで22.7パーセントの増加を見込んでいます。その結果、卸売販売では前期比15.7パーセントの増加で、売上高は68億1,000万円を見込んでいます。
小売販売については、前期はアニメ『フレームアームズ・ガール』のBlu‐rayの特需が発生したため、前期比15.6パーセント減少の、売上高で23億100万円を見込んでいます。
配当計画につきましては、当社は安定した配当を継続実施していくことを基本方針としており、2019年6月期については、年間配当金30円・配当性向18パーセントを見込んでいます。
当社の強み
17ページをご覧ください。続きまして、今後の取り組み・成長戦略について、ご説明いたします。
当社は、自社の強みを「業界における信頼とブランド力」「製販一体による事業運営」「自社IPの成長」の3点と考えております。
①業界における信頼とブランド力
18ページをご覧ください。まずは、「業界における信頼とブランド力」につきまして、ご説明いたします。
当社は徹底的にモノづくりにこだわって、お客さまの満足いく製品、またはお客さまの期待を、よい意味で裏切る製品を創り続けてきました。クオリティの高い製品を創ることによって、業界の中でも話題となり、国内・海外を問わず版元より信頼を獲得して、次の版権取得につなげてきました。
当社は、顧客満足度の高い製品を創りあげるために必要な原型師やイラストレーターを、自社内に抱えており、クオリティの高い独自の製品展開を迅速に行うとともに、独自性の高い企画力・デザイン力により、ブランド力の向上及び他社との差別化において、圧倒的なアドバンテージを得ることが可能な体制を構築しています。
②製販一体による事業運営
19ページをご覧ください。続きまして、「製販一体による事業運営」について、ご説明いたします。
当社は、サブカルチャーの聖地である秋葉原に直営店を展開しており、多くの来店者でにぎわっています。完成品を直接見て購入を決めるお客さまも多いため、ショールームとしての機能も大きくなっています。
また、小売店舗は、リアルマーケティングとしての重要な機能も持ちます。卸業者を通した販売ルートでは、出荷数や上がってくる販売点数のデータしかわかりませんが、小売店舗では、お客さまが来店し、現物の商品を見た際の評価がわかります。自社製品を直接売ることで、お客さまの声を拾えるのも強みです。
目の肥えたお客さまの期待に応え続けるために、店舗でお客さまと接し、生の声を聞いて製品開発や販売戦略に役立てています。
③自社IPの成長
20ページをご覧ください。続きまして、「自社IPの成長」について、ご説明いたします。
直近では、自社IPの開発に注力しています。自社IPの場合、版権使用料の支払いが発生しないことから、製品の利益率が向上します。また、プラモデルやフィギュアといった製品以外にも、アニメ化に伴う関連グッズの売上や、他社にキャラクターの使用許諾をライセンスアウトした際のロイヤリティ収入などが得られ、収益基盤の幅が拡大してきています。
さらに、企画から販売までのすべてにおいて、主導権を握ることができるため、戦略的自由度の幅が拡大・向上いたします。
その他、他社とのコラボレーションやイベント等を積極的に行うことで、コンテンツの認知度向上・育成を推進し、製品の販売及び促進を行っています。
Ⅳ.強みを活かした今後の成長戦略
21ページをご覧ください。以上の3つの強みを活かし、当社は今後の成長戦略として、海外展開の加速と、さらなる自社IPの展開に注力してまいります。
海外展開の加速
22ページをご覧ください。海外展開の加速につきましては、海外市場は今後も安定して、高成長が続く見通しです。
当社は、今後も海外イベントの出展を積極的に行い、ディストリビューターとの取引を増加させ、販路の拡大を図っていく方針です。日本のアニメキャラクターは、アジア圏ではとくに人気があり、フィギュア・プラモデルの売上が見込めます。
また、映画キャラクターのフィギュアの精巧な造りは、国内外で多くのファンを抱え、熱狂的なマニアに支持されています。とくに、米国映画に出てくるキャラクターについては、欧米において非常に多くの潜在需要が見込まれます。今後も、海外キャラクターの商品化に意欲的に挑戦し、海外需要により応えていけるよう、戦略を見直していく方針です。
直近では、北米及び中国市場への戦略強化を行ってまいります。まず、当社北米営業所を拠点に、版権取得から製品開発まで、北米市場に合わせたローカライズの強化を行うとともに、現在休眠中である中国上海の子会社を利用し、現在成長している中国市場向けにローカライズした製品開発を積極的に実施できるよう、海外ECも含め、今期中に整備を進める方針です。
自社IPへの注力
続いて、23ページをご覧ください。自社IPへの注力につきましては、他社IPの取得による製品の企画・製造・販売を基盤事業としつつ、今後においては成長分野として、自社IP関連事業を中心とし、自らが版元となって、ロイヤリティ収入や関連製品の水平展開を図っていく方針です。
また、特定のコンテンツのみに大きく依存しないためにも、新たなコンテンツづくりにも投資を継続していく方針です。
デジタル技術を活用した事業領域の拡大
24ページをご覧ください。最後に、デジタルデータを活用した、新たなビジネスモデルを創出いたします。
現在、当社ではフィギュアやプラモデルなどの立体物の製品を販売していますが、その元となる3Dデジタルデータなどをフルに活用し、事業領域をさらに広げてまいります。
また、デジタルデータそのものを活用することで、販売チャネルの拡大を目指すとともに、他社とのアライアンス強化や、M&A実行による加速化を図ります。
ご説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。ご質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。