logmi Finance
logmi Finance
木村工機株式会社6231

東証スタンダード

機械

会社概要

木村晃氏:木村工機代表取締役社長の木村です。平素より、当社の事業活動にご理解ご協力を賜り誠にありがとうございます。当社の概要及び2026年3月期第2四半期(中間期)の決算についてご説明します。

それでは、執行役員経営企画本部長の西島よりご説明します。

西島務氏:まず、会社概要についてご説明します。

本社は大阪市にあり、大阪城の近くに位置しています。8つの営業拠点と3つの製造拠点で日本全国をカバーしています。なお、現在大阪と三重の2ヶ所に技術研究センターを建設中です。

会社概要(沿革)

当社は1947年に伸銅品の卸売業として設立し、1953年に空調機器の製造販売業を開始してからは業務用空調を中心に事業を展開してきました。

当社の歴史は、熱交換器開発の歴史でもあります。

楕円管コイル、溝付き楕円管コイル、2ウェイ、3ウェイコイルと開発を重ね、近年では斜平形楕円管コイルを組み込んだ製品をリリースしています。

事業領域

当社の事業は業務用空調機器の開発・製造・販売を主としており、その領域は産業・商業・保健の各分野にまたがります。

産業空調分野の領域は、大規模工場・食品工場・精密機器工場・データセンターなど、商業空調分野の領域は大型店舗・商業施設・オフィスビルなど、保健空調分野の領域は、医療、福祉施設・学校・図書館・ホテルなどで、これらの領域でそれぞれの特性にあった製品を提供しています。

また、売上の比率は円グラフのとおりで、約6割が産業空調分野です。

主な製品 「冷温水式AHU」「冷温水式FCU」

当社の主な製品についてご説明します。当社では、冷温水式AHU(エアハンドリングユニット)、冷温水式FCU(ファンコイルユニット)、空冷HP(ヒートポンプ)式空調機&外調機、冷温水式&空冷HP式工場用ゾーン空調機、その他の5つに分けて管理しています。

まずは、「冷温水式AHU」「冷温水式FCU」についてご説明します。冷温水式またはセントラル空調方式とも呼ばれるこの方式は、中央に熱源装置をまとめて設置し、これによって生成された冷温水を建物内で循環させて空調します。

自然界に存在する水を使用するため環境にやさしく、大規模な建物ではエネルギー効率が良いといわれます。一方で、これらの設備の設計や工事には、専門的な技術が必要となります。

主な製品 「空冷HP式 空調機&外調機」

次に、「空冷HP式空調機&外調機」についてご説明します。空冷HP式は、個別分散空調方式ともいわれます。

エリアごとに分散設置し、室内機と室外機の間を冷媒ガス(フロンガス)を循環させて空調する方式です。

空気から熱エネルギーを取り出す省エネ性の高い技術です。管理や施工もセントラル空調と比べて容易で、中小型の建物に適しています。

HP製品には、室内機と室外機を分けて設置する「直膨式」と、室内機と室外機を一体化した「HP式一体形」があります。

立形ルーフトップ外調機をはじめとする「HP式一体形」シリーズは、当社の主力製品で、室内機と室外機を一体にした構造は、冷媒ガスの使用量や漏えいリスクの低減につながります。

主な製品 「工場用ゾーン空調機」

「工場用ゾーン空調機」も、当社の主力製品の1つです。近年の温暖化の影響による気温上昇で、職場環境の改善、従業員の健康・パフォーマンス向上を目的として、工場に本格的な空調を導入するケースが増えています。

当社の空調機は、工場や体育館など、大空間の暑熱対策に導入されています。20メートル先まで気流が十分に届くため、広い工場内でも快適な環境を提供でき、高い除湿能力で、湿度が問題となる環境でも快適さを維持できます。

また、当社独自開発の吹き出し口で結露を防ぎます。さらに、オールフレッシュ外調機と組み合わせて室内を陽圧化する「陽圧換気空調システム」では、より良い室内環境を保つことが可能となります。

Topics:「サステナビリティレポート2025」をリリース

トピックスを4つ紹介します。1つ目は、サステナビリティの取り組みです。

昨年に引き続き、木村工機のサステナビリティに関する取り組みを「サステナビリティレポート2025」にまとめ、発行しました。

2024年度に取り組んだ「環境への貢献度をさらに高めた新製品開発」「地域社会とのエンゲージメント」「DX戦略」などのトピックスを追加し、アップデートしました。引き続き幅広いステークホルダーのみなさまにご報告し、コミュニケーションの促進を図っていきます。

Topics:展示会に出展

2つ目は、展示会出展の紹介です。

2025年10月15日から17日にマリンメッセ福岡で開催されました「モノづくりフェア2025」に出展しました。

この展示会は、DX、脱炭素化、持続可能な社会への転換といった次世代モノづくりに関わる優れた製品や技術、サービスが展示された九州最大級の産業総合展です。

当社は、「暑熱対策×陽圧換気による工場の品質・環境管理」「外調機による除湿・防カビ対策」「排熱回収による省エネ運転と快適性向上」をテーマに各種製品や技術の紹介をしました。

また、11月6日から7日には、アクセスサッポロで開催された北海道最大のビジネスイベント、ビジネスEXPO「第39回北海道 技術・ビジネス交流会」に出展しました。

当社は、「暑熱対策」「環境にやさしいビル空調」などをテーマに空調提案を行いました。

いずれも工場の暑熱対策に関心をお持ちの方が多く見受けられました。

なお、来年1月には、国内唯一の冷凍・空調・暖房機器産業の展示会「HVAC &R JAPAN」に出展を予定しています。

Topics:メールマガジンの展開

3つ目は、メールマガジンについてです。

先程ご紹介した展示会などに来られたお客さまやWebにて問い合わせされたお客さまを中心に、月1回、メールマガジンの配信を行っています。

空調の基本的な事項や当社独自の技術などを写真、イラストなどを交えてわかりやすく紹介しています。

配信先は順調に増え、閲覧数は増加傾向にあります。ショールームや展示会への誘導リンクが上位に入り、実際の見学・来場への関心が高いことがうかがえます。

なお、当社Webサイトにアーカイブを掲載していますので、ぜひご参照ください。

Topics:導入事例

4つ目は当社製品の導入事例です。今回は、2つの事例を紹介します。

1つ目は、ZEB化を目指した建物に地中熱を利用する「水冷HP式」の空調機&外調機を導入した事例です。

この地域の特性である豊富な地下水を活かすため2本の井戸を掘削し、そこからの熱を利用した空調システムを構築しました。

加えて、放射により室内へ熱を伝達する「誘引エアビーム」で、風を感じない空調を実現しました。

2つ目は、繊細な製品の品質維持のため、陽圧換気と潜顕分離の空調システムで空気質の改善を行った事例です。

主に湿度管理が徹底されたことで、サビの発生が見られなかったとのコメントもいただいています。

2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算概要

それでは、2026年3月期第2四半期(中間期)の概要についてご説明します。

当期は、受注・売上とも順調に推移し、売上高は、前年同期比14.2パーセント増の80億1,991万円、売上総利益は、前年同期比26.0パーセント増の39億6,363万円となりました。

その他、当期のハイライトについては、スライドに記載のとおりです。

財務状況 損益計算書

売上高及び各段階利益についてはスライドに記載のとおりです。

堅調な国内設備投資需要を当社独自製品で取り込めたことにより、売上高は好調に推移しました。

利益面では、当期純利益において、八尾製作所旧厚生棟解体等による特別損失6,548万円を吸収し、売上および全ての利益項目において過去最高を更新することができました。

財務状況 営業利益

営業利益の詳細についてご説明します。

売上総利益は、労務費の増加はあったものの、当社独自製品を中心とした販売により引き続き高収益率を確保することができました。

販管費は、人員増加および賃上げに伴う人件費の増加、売上増加に伴う荷造運賃の増加により微増となりました。

財務状況 貸借対照表

当第2四半期末(中間期末)における貸借対照表はこちらのとおりです。

資産合計は、建設仮勘定の増加、現金及び預金の増加、棚卸資産の増加、売上債権の減少等により、前事業年度末比10億7,094万円増加の232億6,050万円となりました。

負債合計は、借入金の増加、仕入債務の増加、未払法人税等の減少、未払消費税等の減少等により、前事業年度末比7,930万円増加の105億496万円となりました。

純資産合計は、中間純利益の計上による増加、剰余金の配当による減少等により、前事業年度末比9億9,163万円増加の127億5,554万円となりました。

財務状況 キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フローの状況です。当中間会計期間における現金及び現金同等物は、前事業年度末より7億586万円増加し、23億428万円となりました。

営業活動の結果、取得した資金は、18億2,175万円となりました。主な増加要因は、税引前中間純利益19億9,553万円、売上債権の減少8億4,386万円、減価償却費2億7,302万円で、主な減少要因は、法人税等の支払額7億9,365万円、棚卸資産の増加4億9,147万円等によるものです。

投資活動の結果、支出した資金は10億5,156万円となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出9億7,481万円、有形固定資産の除却による支出3,751万円、無形固定資産の取得による支出1,612万円等によるものです。

財務活動の結果、支出した資金は6,431万円となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加額6億2,000万円です。主な減少要因は、配当金の支払額4億2,572万円、長期借入金の返済による支出2億5,859万円等によるものです。

2026年3月期 第2四半期(中間期)分野別・方式別売上高

分野別・方式別の売上高の状況についてご説明します。

産業分野については、食品、化学、機械、自動車関連、データセンターなど幅広い業種で増加したことで、前年比5億5,300万円増加の48億6,900万円となり、構成比は60.7パーセントとなりました。

商業分野については、商業施設の更新、駅前開発によるテナントの新設案件により増加し、前年比2億4,900万円増加の11億5,100万円となり、構成比は14.4パーセントとなりました。

保健分野については、庁舎・公共施設の更新、教育機関の新設案件が寄与し増加したことで、前年比1億9,300万円増加の19億9,800万円となり、構成比は24.9パーセントとなりました。

方式別ですが、冷温水式、ヒートポンプ式ともに伸長しましたが、冷温水式の方が伸長が大きく、構成比で33.2パーセントとなりました。

2026年3月期 第2四半期(中間期) 製品別売上高

製品別の売上高の状況についてご説明します。

冷温水式エアハンドリングユニットは、庁舎・公共施設の更新案件が増加、さらに教育機関等へ環境改善対策の導入が増加し、対前年5億600万円増の16億5,100万円となりました。

また、冷温水式ファンコイルユニットは、過去に当社が導入した商業施設の更新案件が堅調に推移し、対前年1億5,000万円増の5億3,600万円となりました。

空冷HP式空調機&外調機は、食品、化学、データセンターの新設案件へ高性能タイプの導入が増加し、対前年3億200万円増の37億6,900万円となりました。

工場用ゾーン空調機は、前年第1四半期会計期間に出荷が集中した反動で減少するも、当年第2四半期会計期間では幅広い業種・規模で職場環境改善対策の導入が進んだことで、対前年5,700万円減の8億6,600万円となりました。

受注状況

受注高および受注残高の状況についてご説明します。

各分野における設備投資の増加等により、当期の受注は好調に増加、特に産業用が顕著だったことで、前年比24.8パーセントの増加となりました。

なかでも暑熱対策のための産業向け工場用ゾーン空調機の受注が増加しています。これらの結果、受注高および受注残高は過去最高を更新しました。

以上、木村工機株式会社2026年3月期第2四半期(中間期)決算の説明を終わります。ありがとうございました。

facebookxhatenaBookmark