平成30年3月期連結決算概要
佐藤朋也氏(以下、佐藤(朋)):おはようございます。本日は、お忙しい中当社の決算説明会に多数ご参加いただき、誠にありがとうございます。それではさっそく、説明を開始させていただきます。
平成30年3月期連結決算概要です。
決算ハイライト 連結売上高推移(3か年)
まずは決算ハイライトです。平成30年3月期の連結売上高は、787億6,300万円となりました。6期連続の増収となり、グループ連結売上高は過去最高を更新いたしました。
決算ハイライト 連結営業利益・当期純利益(3か年)
平成30年3月期の連結営業利益は18億9,500万円。3期ぶりの増益となりました。平成30年3月期の当期純利益は11億3,100万円という結果でした。
平成30年3月期 連結売上高
連結売上高の詳細を説明させていただきます。先ほども申し上げましたが、連結売上高は787億6,300万円、前年同期比5.8パーセント増。すべてのセグメントにおいて増収となりました。
その内訳ですが、人材セグメントの売上高は447億6,400万円、前年同期比5.6パーセント増となりました。主にコンストラクション領域を中心に、稼働スタッフ数が増加いたしました。
教育セグメントの売上高は226億800万円、前年同期比7.1パーセント増となり、平成17年3月期以来、13期ぶりに過去最高売上高を更新いたしました。
主な要因としては、国際人教育事業で日本語学校に通う留学生が増加いたしました。また児童教育事業では、児童向けロボット教室の在籍者が伸長いたしました。保育事業では、新規開設により園児数が増加いたしました。
介護セグメントの売上高は95億3,100万円、前年同期比3.8パーセント増となりました。地域密着型サービス「グループホーム」「小規模多機能」の利用者が増加したことが主な要因です。
その他セグメントの売上高は18億5,800万円、前年同期比7.8パーセント増となりました。主にIT事業の営業体制強化に伴い増収となりました。
平成30年3月期 連結営業利益
連結営業利益は18億9,500万円、前年同期比2.6パーセント増。3期ぶりに増益となりました。
その内訳ですが、人材セグメントの営業利益6億3,100万円、前年同期比2.3パーセント増となりました。売上高は前年同期比5.6パーセントの増収となりましたが、営業体制強化のための人件費増などにより、2.3パーセントの増益にとどまりました。
教育セグメントの営業利益は11億1,800万円、前年同期比10.1パーセント増となりました。主に収益性の高い国際人教育事業・児童教育事業の増収効果により増益となりました。
介護セグメントの営業利益はマイナス2,000万円。こちらについては、増収効果により前年同期比2,400万円の利益改善となりました。
その他セグメントの営業利益は4,800万円、前年同期比56パーセントの大幅な減少となりました。その主な要因は、ネイル事業において競争の激化、IT事業においては営業体制強化に伴う人件費などの先行費用が発生したため減益となりました。
平成31年3月期の取り組み 外部環境〜日本人口〜
これを受けて、平成31年3月期の取り組みです。取り組みをやるにあたって、外部環境の分析をやるわけですけれども、まずは日本の人口です。
こちらはご承知のとおり、日本のマーケットは総人口減、労働人口減という深刻な問題を抱えています。
表の一番上の青い部分が15歳未満。その下が65歳以上。その下が15〜64歳の生産年齢人口です。それらが年代別・人口別にどうなっていくのかを図で表しています。
一番象徴的なのが、2015年に約1億3,000万人だった人口が、35年後の2050年には約1億人ということで、日本の人口が3,000万人減少してしまうということです。
外部環境〜世界人口〜
次のページは、世界人口です。こちらは地域別になっていますけれども、一番上がアフリカ諸国・オセアニア諸国・他。その下がアジア他。その下が先進国となっています。横軸に年代、縦軸に人口をつけています。
こちらも非常に象徴的なのが、新興国・発展途上国を中心に人口がどんどん増加していっています。2015年に約75億人だった世界人口は、45年後の2060年には100億人を突破する見込みです。
外部環境〜PEST分析〜
外部環境の2つ目ですけれども、我々の立場から見て重要度の高いPEST分析です。
政治的な面においては、働き方改革、子育てや介護環境整備などの「一億総活躍社会」、ビザ発給要件の緩和などの「経済連携協定」というキーワード。
経済的な面においては、「企業のグローバル化」「企業の人材育成・研修予算増」というキーワード。
社会的な面においては、プログラミング・英語の必修化といった「2020年度の新学習指導要領」、コト消費・体験型・シェアリングなどの「ライフスタイル変化」というキーワード。
技術革新面においては、IoT、AI・ロボット、VR・AR、ドローン、ブロックチェーン、フィンテックなどの「第4次産業革命」というマクロ環境分析のキーワードが非常に重要だと思っています。
事業戦略
これらの外部環境に対応して、我々が取るべき事業戦略は以下の3つです。
1つ目は国際人材移動ビジネスの強化。
2つ目はRPA事業推進。
3つ目は海外マーケットの積極開拓です。
これらの戦略はすべて、現在我々が持っているアセットを使ってできる事業戦略で、我々がアドバンテージの持てる分野だと確信しています。
事業戦略 国際人材移動ビジネス
3つの事業戦略の具体的な取り組みです。
図の四角で囲っている下の部分は、我々の持っているアセットです。(その上の)白抜きで書いている部分は、我々の取るべきアクションです。
まず一番左側です。我々は海外の提携企業とバイリンガル求人サイト「Daijob.com」をアセットとして持っているのですけれども、これらを使って全世界からITエンジニアを募集いたします。
そして2番目(真ん中)、我々が持っている日本語教育コンテンツ・日本語講師を使って、国内外でITエンジニアに日本語教育、入国手続をします。
一番右の3番目、教育して入国した人たちに対して、我々が持っている国内3,700社のお取引先に対して、ITエンジニアを正規雇用し、派遣していていきます。
これらを我々のアセットを使って、しっかりと進めていくというビジネスモデルです。
グローバルITエンジニアの派遣事業について、平成30年3月末時点の実績は160名でした。平成31年3月末時点では、500名規模に持っていく計画です。
事業戦略 PRA事業推進
RPA事業推進については、まず一番左、我々の業務提携先であるエヌ・ティ・ティ・データのRPAソフト「WinActor」を使って、研修教材を共同開発していきます。
真ん中の2番目、我々の教育事業・人材事業の全国100拠点の教室で、人材の育成・資格認定などをやっていきます。
一番右の3番目、我々の3,700社の取引先の企業さまに向けて、教育した人材の派遣紹介やRPAのライセンス販売をやっていきます。
RPAソフトコンサル、教育・研修・資格認定事業については、社外の「WinActor」のライセンス販売を通して、教育研修受講者1万名規模を見込んで、現在ビジネスに取り組んでいます。
事業戦略 海外マーケットの積極開拓
海外マーケットの積極開拓については、まず一番左、我々の国内のグループ教育コンテンツとe-learningプラットフォーム(Web RTC)を活用して、子会社関連会社14社を使って、海外提携校や提携先に販売をしていきます。
一番右、海外提携校92校が、エンドユーザーに対して我々の教育コンテンツを販売していただくビジネスになっています。
現在中国では、現地パートナーtoC販売という形態で、児童向けのロボット教育を現地の子どもたちに販売しているというビジネスモデルです。
我々はこのような、海外に行ってもそれなりの価値を持ったコンテンツコンテンツ、むしろ海外に行くことで日本のブランドで売れるコンテンツをジャパンプレミアムコンテンツと呼んでいます。
ロボット教育、保育、日本語教育など、国内の優良コンテンツ・事業を世界へしっかりと展開をしていきたいと思っています。
平成31年3月期 重点取組①
平成31年3月期の取組です。大きく2点ございます。
「将来の事業拡大に向けた積極投資を実施」ということで、1つ目は、広告投資によるグループ認知度を拡大していこうと考えています。
昨今、人口減により、採用に関してどこも非常に苦戦していますけれども、人材採用、グループ顧客獲得を目的として、平成30年8月、平成31年1月にスポットCMなどの展開を予定しています。
2つ目は、教育事業において商品開発力強化による収益モデルのチェンジに取り組んでいます。
我々は今、商品カテゴリー全体で800講座を保有していますけれども、いっぱいありすぎて、現状はプロモーションが非常に非効率的になっているという面がありましたので、これらのカテゴリーの再設定による商品ラインナップを整理します。それにより、商品カテゴリーごとの商品開発とプロモーションをしっかりと行います。
もう1つ、e-learningのプラットフォームを使って、地方・海外展開をしっかりと進めていきます。
3つ目は、グループ全体および人材事業において、基幹システムへの投資、CRM戦略・RPA戦略の推進に取り組みます。
とくに人材事業においては、ソフトの販売、それに対応する教育・研修、RPAを使った業務請負を進めていこうと考えています。
平成31年3月期 重点取組②
重点取組の2点目、「収益性向上のための取り組みを強化」ということです。
1つ目は、生産性拡大に取り組みます。スタッフ部門については、RPAを軸とした業務プロセスの再設計とIT化。プロジェクトチームを編成・組織して遂行してまいります。
営業部門については、CRM戦略の推進を徹底的に強化していきます。
2つ目の不採算事業・拠点の精査については、投資回収基準・撤退基準の明確化と徹底運用を行い、事業の全体最適・成長分野への投資を積極的に行ってまいります。
中期経営方針
中期の経営方針です。このようなマーケット環境の中で、我々は日本のマーケットがどんどんどんどん小さくなっていることに対して、悲観的な目を持つのではなく、そこにこそ新たな成長基盤があるのではないかと(捉えます)。
環境変化をビジネスチャンスとして捉えて、成長機会を創造していく覚悟で取り組んでいきたいということです。
中期経営指標です。売上成長率については、現状5パーセント程度のものを10パーセントに、営業利益率については現状2パーセント程度のものを5パーセントに持っていこうと考えています。
【ご参考】ビジネスモデル
ご参考までに、我々のビジネスモデルになります。(図の)真ん中にある緑色の教育事業が我々のビジネスの基盤の部分です。
教育事業を中心に人材を育成して、その人材を囲い込みながら事業開発をするということが、ビジネスモデルになります。
教育事業の次に人材事業ができたのですが、我々の教育事業で出た修了生のみなさんにしっかりと就職をしていただこうという理念のもと、人材事業をスタートしました。
オレンジ色の介護事業については、当時は介護保険法が始まって間もない頃でした。新たな成長産業に対する期待が非常に高くて、そこに対する講座として、ホームヘルパーが非常に流行りました。
その人たちの雇用・育成まで考えて、我々が雇用の受け皿になるということは、我々として見たら、新規事業になりますので、顧客と我々のニーズの両方をしっかりとらえられるビジネスモデルをつくったということで、介護事業がスタートしました。
同じように美容関連事業であったり。保育事業は(人材事業・介護事業と)逆のパターンで、保育事業を始めてから、人材育成として教育事業を始めました。いずれにしても、教育事業とのシナジーをしっかりと効かせてやっています。今後はこのモデルを海外展開に使っていきます。
【ご参考】グループ経営資源
次のページは、我々のグループが持っている経営資源です。
平成31年3月期 連結売上高 予想
平成31年3月期連結決算の予想です。
連結売上高は859億7,800万円、前年同期比9.2パーセント増ということで、すべてのセグメントにおいて増収を予想しています。
この内訳ですが、人材セグメントの売上高は491億8,200万円、前年同期比9.9パーセントの増を予想しています。
主に人材派遣部門の生産性が向上、また、グローバルITエンジニア人材の派遣稼働者数増により増収の見込みです。
教育セグメントの売上高は241億3,100万円、前年同期比6.7パーセントの増を予想しています。
主に留学生向けの日本語学校を運営する国際人教育事業、児童向けのロボット教室を運営する児童教育事業が引き続き好調の見込みです。
介護セグメントの売上高は100億2,000万円、前年同期比5.1パーセント増を予想しています。
主に地域密着型サービスである「グループホーム」「小規模多機能」の利用者増により増収の見込みです。
その他セグメントの売上高は26億4,500万円、前年同期比42.3パーセント増を予想しています。
主に平成29年4月に連結子会社を通じてM&Aを実施したウェブスマイル社が連結対象となり、IT事業の売上増に貢献する見込みです。
平成31年3月期 連結営業利益 予想
続きまして、連結営業利益の予想です。
連結営業利益は18億7,800万円、前年同期比で0.9パーセントの微減を予想しています。
この減益については、我々のさらなる売上拡大を目的としたグループ認知度向上のための広告投資、人材セグメントにおける業務効率化のためのシステム投資などが先行し、営業利益は微減となります。
この内訳ですが、人材セグメントの営業利益は5億3,600万円、前年同期比15.1パーセント減を予想しています。
こちらは主に大型基幹システムなどの費用、新規RPA事業の人員増により先行投資費用が発生し減益の見込みです。
教育セグメントの営業利益11億4,000万円、前年同期比2パーセント増を予想しています。
介護セグメントの営業利益は6,800万円、前年同期比8,800万円増を予想しています。
こちらは主に、地域密着型サービスの「グループホーム」「小規模多機能」の増収により増益の見込みです。
その他セグメントの営業利益は6,500万円、前年同期比33.9パーセント増を予想しています。
平成31年3月期 上期・下期 業績予想
最後に平成31年3月期の上期・下期の業績の予想について触れさせていただきます。
連結売上高について、上期は前年同期比8.3パーセント増、下期は前年同期比10パーセント増です。
連結営業利益は若干特徴があるというか、先にお話ししておかなければいけない部分に触れさせていただきます。
上期については、前期比5億3,700万円減益の予想です。こちらの理由ですが、広告宣伝費、システム関連費用、商品開発人件費などが上期に集中するために、減益の予想になっています。
しかしながら、この投資を使って、逆に下期については前期比5億2,000万円の増益を予想しているということです。
人材セグメントでは、単価の高いグローバルITエンジニアの派遣稼働者数が伸長、教育セグメントでは、(資料には)書いておりませんが、前年度より取り組んでいた商品開発力の強化およびe-learningプラットフォームの完成により、売上が伸長すると見込んでいます。
また、商品開発力の強化ということで、商品カタログの整理をします。これにより、広告費の効率的な使用ができ、利益を生み出すことができるようになります。
その他セグメントでは、IT事業の損益が改善し、増益を見込むということで、下期は前期比で5億2,000万円の増益を予想しているということです。
先にこのあたりのご説明をしているほうがマーケットに対して誤解がないと思いますので、若干触れさせていただきました。
以下のページはAppendixです。より詳細なデータが載っておりますので、各自ご覧になっていただければと思います。どうもありがとうございました。
質疑応答:介護事業について
質問者1:ありがとうございます。介護事業で、3点お聞きしたいんですけれども。
まず1点目が、増収の要因として地域密着型の「グループホーム」と「小規模多機能」の利用者が増加ということなんですけれども、足元の稼働率と前期からの稼働率の推移がわかりましたら、教えていただければと思います。
2点目なんですけれども、短信で介護事業の営業損失2,000万円の理由として、「スタッフ充足に伴う人件費の増加等により」という理由が書かれているんですけども、ここをもう少し詳しく教えていただけましたら、お願いいたします。
佐藤(朋):それ(2点目のご質問)は介護事業ですか?
質問者1:これも介護事業です。
佐藤(朋):人件費が2,000万円?
質問者1:2,000万円の営業損失だったかと思うんですけれども。その要因として、決算短信では「スタッフ充足に伴う人件費の増加等」という要因が書かれておりますので、もう少し詳しくお聞かせいただければと思います。
最後に3点目が、この(2018年)4月から、プラス0.5パーセントの介護報酬が入っていることになりますけれども、こちらの影響や対応見込み等について、なにかお話しいただけることがございましたら、お願いいたします。
佐藤(朋):それでは2番目の質問から回答させていただきたいと思いますけれども。まず、(介護事業の営業損失2,000万円の理由として)「スタッフの人件費増」と出させていただいておりますけれども、基本的には、それに見合う利用者数が集まらなかったというところです。(そのため)適正な人件費・スタッフ数に落としていく。このような動きを、足元ではやっているということでございます。
スタッフはしっかりと確保できたけれども、それに伴う利用者数の確保がうまくいかなかったということで、現在はスタッフ数の見直しをやっているところでございます。
それから、今ご指摘がありましたように、(介護)報酬の件はやはり厳しいんじゃないかと思っておりますけれども、なんとかこちらについては、営業努力でカバーできる範囲だと思っております。
それから、(ご質問の)1番目の部分ですね。
佐藤安博氏(以下、佐藤(安)):私、佐藤から答えさせていただきます。
平成30年3月期の「グループホーム」の稼働率に関しては、97パーセントでした。前期と比べて、4パーセントほど上昇しております。今期に関しては、この稼働率を維持していくという計画を立てております。
もう1点、「小規模多機能」でありますが、平成30年3月期の稼働率は、62パーセント。前期と比べて、2パーセントほど伸長したということになっております。今期の計画に関しましては、4パーセントほど上昇して、66パーセントという計画を立てております。以上で、ご回答とさせていただきます。
佐藤(朋):よろしいでしょうか?
質問者1:もしできれば、後でもけっこうですので、デイサービスの足元の稼働率と前期からの推移というところも、おわかりになりましたら教えていただけると助かります。
佐藤(安):平成30年3月期の稼働率に関しましては、66パーセント。前期から2パーセント弱伸長いたしました。今期の計画は、71パーセントという計画を立ててございます。
質問者1:ありがとうございます。
質疑応答:ITエンジニアの派遣先は?
質問者2:本日はありがとうございました。よろしくお願いします。
(事業戦略の)国際人材移動ビジネスの強化や海外マーケットの積極開拓ということで、今後は海外のビジネスに力を入れていくのかなという印象を持ちました。
国際人材移動ビジネスの中で「ITエンジニアを全世界から募集する」とあるのですが、これの派遣先について、どのような企業からの引き合いが増えているのかを教えていただけますでしょうか?
また、どのような地域に力を入れてビジネスを行っていくと考えているのでしょうか?
佐藤(朋):このITエンジニアの派遣先企業ですね。これは、ITエンジニアを必要としているメーカーのところが、やはり主な顧客でございます。
それから、エリアについては、今は東京をメインにしているのですけれども、大阪、それから名古屋に営業部隊を置いて、しっかりと活動をやっています。非常にこのITエンジニアについては、事業部を作って、今はどんどん契約をとっている状況でございます。
質問者2:そのエンジニアの方は、どのような国籍の方が多いんでしょうか?
佐藤(朋):今は、アジアを中心に採用しています。これはどのようなことかというと、やはりアジアの大学を出た学生にとっては、次の就職が非常に重要になってくるということでございますけれども。
やはりアジアの中で就職するよりも、日本に来た方が収入を多く得られるという面を見て、学生や学校においても非常に大きなメリットになるものですから、非常に大きな期待をいただいているという状況でございます。
質問者2:ありがとうございます。ちなみに、今のところの開拓先としても、やはりアジアになるのでしょうか?
佐藤(朋):そうですね、今はアジアでございます。しかしながら、ITの教育がやはり成されていなければいけないですから、今後は北欧の方でしょうね。あとは、IT分野がけっこう進んでいる中近東や、インドですね。このようなエリアが、非常におもしろいところじゃないかと思っております。
質問者2:ありがとうございます。
質疑応答:人材セグメントの費用増は一過性のものか?
質問者3:ご説明ありがとうございました。
投資と回収のバランスに関して、お尋ねします。22ページのところなんですけれども、今期に関しては、とくに人材セグメントのところで大型基幹システムの費用、新規RPA事業の人員増によって減益(がありました)。
上(期)下(期)でいきますと、上期は5.3億円の減益で、その分下期で5.2億円の増益と、トータルでプラスマイナスゼロという感じになってますけれども。今期の投資やシステム費用等で、今後も継続的にかかってくる費用と、今期だけの一時的な増加に留まりそうな(費用について)、そのあたりを分解してご解説いただけますでしょうか?
佐藤(朋):基本的には、この(大型基幹)システム開発でございますけれども、ニーズやスタッフのマッチング、それから営業の開拓に伴う部分でございますので、一過的な(費用増の)意味合いが、非常に強いのかなと認識しております。
恒常的に出てくるところでいうと、営業開発人件費等はそうだと思いますけれども。(今期発生したのは)むしろこの(業務効率化のための)システム投資や(グループ認知度向上のための)広告投資でありますから、一過性のものであると理解していただければと思います。
質問者3:来期以降は、上期も下期もそれなりに利益が乗ってきているというかたちで、利益の伸び率で言えば、来期はそれなりに期待していいものなのかどうかが気になっているので、教えてください。
佐藤(朋):そうですね。この中で述べさせていただいたように、中長期で見たときに、やっぱり日本のマーケット環境は激変するだろうと。そうであるならば、早めに手を打たなければ、大変なことに巻き込まれてしまう。
じーっとしていると、たぶん我々もそのマーケットの流れで、どんどん厳しいところに追いやられるでしょうけども。ここでしっかりRPA(事業推進)であるとか、(積極的な)海外進出、それから今の業務の合理化をやっておけば、そのような(マーケット環境の激変の)波がきても、しっかり対応できるのではないかという考えです。
今期については、相当それを意識した投資を上期に組み入れたということ(一過性の費用)でございますので、来期以降については、ここまでのものはおそらく出ないということでございます。
質問者3:わかりました、ありがとうございます。
質疑応答:広告宣伝費について
質問者4:水戸証券のワタナベと申します。2、3点あるんですけれども。
最初に、今期の計画の人材セグメントで、増収要因のうち国際人材教育ビジネスがどのぐらい入っているのかについて、お聞きしたいんですけれども。
諸見川和臣氏(以下、諸見川):今のご質問について、私からお答えします。先ほどの女性の方(質問者2)のご質問と、よく似ています。
今回は、この2019年3月期の国際ITエンジニアについては、実際稼働数の関係でありますと、全体の売上に占める割合については、4パーセント少しと(考えています)。これも、いわゆる中長期で伸びていきたいということで、基本的には我々の人材の利益率・収益率を改善するという大きな名目とともに、動いているということです。
先ほど(のご回答)と重複して申し訳ないのですけれども、やはり中国あるいはミャンマーのアジア系が非常に多く、それからヨーロッパ系も増えてきているということで、全部合理的に我々はしっかりとやっていこうと(考えています)。このようなことで、技術関係の派遣数もしっかりとっていくことで、収益率の改善も大きくしていきたいと考えております。
質問者4:確認なんですけれども、人材(セグメントの通期売上高実績が)今期は44億円ぐらいに増えていると思うんですけれども、ここは、ほとんどグローバルIT人材の派遣が主因ということではないと?
諸見川:そうですね。我々は、グローバルな売上そのものは全体的に……2017年については、約8億円前後です。8億円前後は、派遣等が占めています。
質問者4:2、3億円とか、そのようなものが8億円に増えた年だったということでしょうか? わかりました。
もう1点あって、国際人材移動ビジネスのところです。ここを伸ばすときに肝になるのは、例えば(ITエンジニアの全世界からの)募集を強化するのか、それとも(ITエンジニアに)日本語教育(することを強化するのか)で……日本語はけっこう難しいと思うので、ここを早くやると派遣が(より)できるのか。ここの肝はなんなのかを、教えてくれませんか?
佐藤(朋):12ページでもご説明差し上げたとおりなんですけれども、日本語教育コンテンツ、それから日本のマーケットの中では、トップクラスのコンテンツを持っています。それから、日本語学校については、トップクラスの留学生を抱えているような日本語学校を持っていますので、ここについては問題ないと思っています。
(ほかに申し上げることとしては)地方あるいは海外の人材を、どう集めるかということです。ここについては、いろいろな企業や学校に行って、しっかりと人材をご紹介いただいていると。そして、地道に足で稼いでやっている状況でございます。
質問者4:確認なのですが、(グローバルITエンジニアが)今期500名出て(いくということですが)、それは随時募集しながら教育しながらやっていくので、今の段階で……例えば見込みが200何十名あるというわけじゃなくて、とくに下期とかに偏るのであれば……今は、それほど固まっているところで(今期末の予想として)500名を出しているというわけではないんでしょうか?
佐藤(朋):そのような意味ではないです。
質問者4:なるほど。
佐藤(朋):どのぐらい固まっているかというのは、少し把握していないんですけれども、ある程度の人材の確保はできていると(いうことです)。
これは、先ほども申しましたとおり、やはり現地のITの学校を卒業する人たちについて、「就職」は非常に大きな問題です。より収入の高い就職をしたいというニーズがかなり多いということと、学校においても、やはり収入の高いところへ就職できる学校であるという評判がつくと、学生募集もしやすいということです。学校と学生の両面から見て、非常に我々とのタイアップというか、メリットがあるということです。
我々のメリットも含めると、三方良しみたいな環境でずっと続けているというところでございます。
質問者4:わかりました。
最後に、今期の広告のところです。これは、スポット(CM)で済むのかというところ。あと、減益要因の状況について。人を集めるのは大変だと思うので、各社で採用にけっこうコストがかかっていると思うんですけれども、(御社では)ここは広告宣伝費だけである程度済むのか。やはり、来期以降も必要になってくるんじゃないかという気もするんですけれども、そこを教えてください。
佐藤(朋):上場した時は、どんどん採用もやっていたんです。この時は、やはり採用とかが非常にしやすかった……ものすごく人が、やって来たという経験がございました。
そのような中で、業績悪化という局面を迎えて、広告費を削減すると。それが何年か続いたことから、やはり人材の採用が非常に苦しくなってきたという経験がございます。
よって、ある程度の広告投資はしていかなければいけないと考えております。当然、地道に採用していきたいんですけれども。社員の紹介によるリファラル採用なども行っていますが、必要最低限のそのようなブランド認知のための広告は、今後も重要だと考えております。
質問者4:わかりました。どうもありがとうございます。
質疑応答:介護セグメントの投資について
質問者5:高齢者住宅新聞社のワタナベと申します。本日はありがとうございます。
介護セグメントの来期の投資なんですけれども。「グループホーム」と「小規模多機能」を強化するかと思うのですが、こちらの2点を強化する理由と、来期開設予定の施設などがございましたら、教えてください。
佐藤(朋):まず「グループホーム」と「小規模多機能」についても、やはり地域密着型というところが、介護サービスで目指すべき方向の1つであると。
国が進めている介護の目指すべき方向に、(当社も)やはりしっかりと乗っかっていかなければいけないという観点を持って、地域密着型の「グループホーム」と「小規模多機能」の介護に、力を入れていこうということでございます。
それから、新規開設予定(の施設について)ですけれども、これは佐藤取締役から(お答えします)。
佐藤(安):前期の2018年3月期は、「グループホーム」が2拠点、「小規模多機能」も1拠点開設しました。今期(2019年3月期)は、すでに(2018年)4月に「グループホーム」を1拠点(開設しており)、6月に「グループホーム」と「小規模多機能」の併設施設の開設を予定しております。以上、ご回答申し上げます。
質問者5:ありがとうございます。