第一生命グループ業績 – 決算ハイライト
さっそく2ページをご覧ください。第一生命グループの業績ハイライトをお示ししています。国内生命保険事業では、引き続き環境変化に応じた商品・チャネルミックスの戦略的シフトを進めています。
また経済環境の改善を背景に、グループ業績は会社予想を上回る進捗をみせており、グループ修正利益を上方修正したほか、海外生命保険事業における一時的利益もあり、連結純利益予想を上方修正いたしました。 また(2018年)1月2日のプレスリリースの通り、米国子会社のプロテクティブ社が、米国リバティライフ社の個人保険、年金の契約ブロックを再保険形式で買収することで合意しています。プロテクティブ社は伝統的な保険事業と買収事業を併せもち、高い成長と収益貢献を実現してきました。
今回はプロテクティブ社として過去最大の買収となりましたが、手元資金で賄い、引き続き米国市場でのさらなる成長が期待されます。買収手続きの完了は2018年度上半期を見込んでいます。
第一生命グループ業績 – 決算のポイント
第1に、営業業績についてです。
第一生命では商品ポートフォリオを保障性にシフトする戦略を継続し、主力商品の販売が順調に推移しました。第3四半期累計の新契約年換算保険料のうち、保障性商品の占率は約8割となっています。 また根強い顧客ニーズに応え、第一フロンティア生命では商品改定や新商品投入を行った結果、販売量が大きく改善しました。第一生命の営業職によるフロンティア商品の販売も本格化し、国内生保3社で環境に応じた商品・チャネルの戦略的シフトが進んでいます。海外でも各国で新契約が順調な伸びをみせました。
第2に、連結業績についてです。
前年同期比で増収・増益となり、連結純利益・グループ修正利益ともに、想定を上回る進捗となりました。なかでも第一生命は内外金融経済環境の改善等に伴い、想定を大幅に上回る進捗となりました。2017年12月末の、保有契約と経済前提をベースに試算したグループ・エンベディッド・バリューは、新契約の獲得に加え株価等経済連携の改善により、約6.4兆円と2017年9月末から増加しました。
第3に、通期業績予想についてです。 2017年11月に経済環境の改善を背景に、通期予想を上方修正いたしました。足元では、株式市場が調整色を強めておりますが、今後著しい環境悪化がなければ通期業績はさらなる改善が見込まれることから、グループ修正利益の予想を上方修正しました。また米国の法人税減税に伴うプロテクティブ社の一時的利益を加えたことにより、連結純利益予想を大幅に上方修正しました。なお、この一時的利益は修正利益の対象外となります。
第一生命グループ業績 – 連結主要業績(要約)
第一生命グループ業績 – 連結主要業績
連結経常収益は、前年同期比4,770億円の増加となりました。第一生命では貯蓄性商品の販売を抑制した結果、保険料収入が減少しましたが、その他グループ会社の保険料収入が好調な営業業績を反映して増加しました。なお、経常収益の増加要因として、各社における特別勘定資産運用益の増加がありますが、こちらは責任準備金の繰り入れで相殺されるため、経常利益には影響を与えません。
連結経常利益は、同185億円の増加となりました。第一生命は順ざやの改善等がキャピタル損益の減少等を上回り、前年同期比で増益に転じました。第一フロンティア生命の販売増や経済環境の改善により、増益となりました。反面、海外生保事業では前年同期に発生した特殊要因による利益押上げ効果の剥落等により、プロテクティブ社が減益しました。
親会社株主に帰属する当期純利益、いわゆる連結純利益は、同157億円の増加となりました。第一生命の増益に加え、ジャナス・キャピタル社とヘンダーソングループの合併に係る株式交換益が233億円となり、前年同期に計上したアセット・マネジメントOneの再編に係る持分変動益125億円を上回ったことが、増益となった主な要因です。
第一フロンティア生命の純利益は、法人税負担の増加により比例した、第3四半期累計のグループ修正利益は1.683億円となりました。
第一生命グループ業績 – 連結主要業績
連結純利益の変動要因を主要項目別にまとめています。第一生命の基礎利益値の順ざやが増加していますが、これは円安による利息配当金収入の増加等や、株価上昇による投信の配当解約益等の一時的な運用収益が計上されたもので、会社予想を上回って推移しています。第一フロンティア生命は、内外の株式市場が堅調に推移したことから、最低保障リスク関連損益が改善しましたが、販売増に伴う危険準備金繰入れ額の増加や、法人税負担の増加により減益でした。
連結純利益は、ジャナス・ヘンダーソンの合併に係る株式交換益が特別利益として、税前で335億円、税後で233億円計上されていますが、この取引の税務上の取り扱いについては引き続き確認中です。
第一生命グループ業績 – グループ各社の業績
第一生命グループ業績 – 新契約動向
8ページをご覧ください。グループの契約業績について、年換算保険料ベースに説明いたします。
第一生命は一時払い終身保険の販売停止や、平準払個人年金の販売減少により、二桁の減少となりましたが、昨年4月の料率改定に合わせて実施した商品性の改定や、営業職の評価基準の調整から表れ、保障性主力商品の好調な販売が継続しています。
第一フロンティア生命は、外貨建て年金に係る商品改定や新商品の導入効果に加え、第一生命の営業職による好調な販売を背景に、着実に実績を伸ばしています。ネオファースト生命の新商品の導入効果等により、好調な販売を続けており、3月からは法人向け商品を新たに販売する予定です。詳しくはプレスリリースをご覧ください。
海外生命保険事業では、プロテクティブ社は変額年金の販売は伸び悩んでいるものの、料率改定により契約年金の販売が拡大しました。オーストラリアのTAL社が個人保険事業では競合他社の保険料率引き換え等を背景として、一部商品の販売は減速していますが、第1四半期に団体保険事業で複数の契約を獲得したため、新契約は高い伸びをみせています。
第一生命ベトナムを個人代理人の販売好調に加え、提携チャネルの貢献も高まり、好調が続いています。
以上の結果、グループ全体の新契約では同1.7パーセント減となりました。
第一生命グループ業績 - 保有契約動向
第一生命 財務諸表(要約)
第一生命業績 – 基礎利益~当期純利益の状況
第一生命業績 – 解約失効高、営業職数および生産性
営業職の生産性に関しては、個人年金等の販売が減少したため、1人あたりの新契約件数は減少していますが、保障性商品の販売増加から1人あたりの営業収益価値は、前年同期比で増加しています。
第一生命業績 – 一般勘定資産運用の状況 (1)
右側のグラフでは、子会社等の株式を除く国内株式の簿価残高を、特定投資株式とそれ以外にわけてお示ししています。12月末の株式残高はリスク削減のための売却に対して、新規分野への投資が先行したため、前期末比で増加しました。通年では、売却額が積み上がる見通しです。
第一生命業績 – 一般勘定資産運用の状況 (2) 保有債券の状況
右下のグラフは、外貨建債券の通貨別構成です。米ドルのヘッジコストが上昇するなかで、ヘッジコストが相対的に安いユーロ債券等への投資を増やしています。
第一生命業績 – 健全性指標
右側のグラフで示した、現第一生命のソルベンシー・マージン比率は、含み益の増加により898.7パーセントと、引き続き高い水準を維持しています。
第一フロンティア生命財務諸表(要約)
第一フロンティア生命業績
右側のグラフでは純利益の変動要因を示しています。販売増に伴う事業利益の改善に加え、株高等の影響で運用収益が改善したことを受けて、最低保証リスク関連損益が収益の押上げの要因になっています。市場価格調節に係る損益は、2016年末の金利上昇を受け前年同期に大きな影響を与えていますが、今四半期は落ち着いた動きになりました。
純利益は外貨建て商品の販売増加に伴う危険準備金の繰入増加と、前年度の期中から税務上の繰越欠損金を解消し法人税負担が増加したことなどから減益となりましたが、業績予想を上回る高い進捗となっています。
米プロテクティブ財務諸表(要約)
米プロテクティブ業績(1)
米プロテクティブ業績(2)
また生保事業は、年金事業において将来利益の推計前提を見直した結果、繰延新契約費用の償却額が前年同期比で軽減されたことなどが、プラスの影響を及ぼします。
年金事業では即時払年金において、年金支払対象契約が対前年で増加したことから、減益となりました。
当期利益は、前年同期に計上された修正共同再保険に係るキャピタル益が減少したことから、前年同期に比べ約25パーセントの減益となっております。
次にオーストラリアのTAL社について説明します。24ページをご覧ください。TAL社の要約財務諸表です。
豪TAL業績
保有契約のにおいて保険料等収入が前年同期比7パーセント増となり、経常収益の増加につながっています。オーストラリアの経済環境を背景に、所得補償保険などの支払いは依然として想定を上回る水準で推移していますが、料率改定やコスト削減努力により基礎的収益力は5パーセントの増益を達成しています。
しかし当期純利益は、運用収益が前年を下回ったことなどにより、前年同期比で8パーセント減益となりました。
第一生命グループ業績予想 – 2018年3月期業績予想
しかしその後も、環境改善は続き足下では株式市場が調整色を強めてはいますが、今後著しい環境悪化がなければ通期業績はさらなる改善が見込まれることから、グループ修正利益の予想を2,000億円程度から2,300億円程度へ上方修正しました。
また米国の法人税減税に伴い、プロテクティブ社が繰延税金負債を取り崩し、一時的利益を計上する見込みとなったことから、連結純利益も大幅に上方修正しました。
連結純利益の増減要因分析/グループ修正利益の増減要因分析
次年度以降の業績動向をみるうえでも、このような要素を控除したうえで評価、投資判断をしていただくようお願いいたします。
株主還元については通期決算をふまえて判断いたしますので、現時点では1株あたり45円の配当予想は据え置きとします。
EEV – ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー (1)
新契約の獲得に加え内外株価の上昇等の金融環境改善により、EEVは前期末に比べ約3,500億円増加しました。
EEV – ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー (2)
EEV – ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー (3)新契約価値
以上で私からの説明を終了させていただきます。